春なのに何故か寂しい。切ない。苦しい。じれったい。新しい日々もまたずっとずっと一緒にいられるようなそんな気がした。
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それはくるみちゃん自身が上手く人とやりくりできるように世渡り上手になれるように、自分を偽りつつも周りからよく思われている自分を演出している。それはもちろん、風早に好かれたいという一心からなんですが、彼女はもう振られてしまっているので、レースから除外されたような気分になっただろう。落ち込みはしたけど、涙からの再出発を恐れていない。彼女の人生はまだ始まったばかり。
障害だらけに見える自分の人生を憂いているのは確かだけど、彼女も爽子と同じように厳しい現実を受け入れているんですよね。厳しいからこそ、厚い壁を乗り越えようと思える意志があるわけで、徐々に自分に自信を付け始めている。
それはくるみちゃんであれば、想いを伝えられなかった風早に告白したこと。爽子であれば、風早との進展や周りの変化。彼女たちの風早至上主義は変わらないけど、変わっていく心がある。未来が閉ざされたわけではない希望がまだまだ一杯ある。
で、そんなくるみちゃんの一言が重い。「下心」って、いわば想い人に対する「想い」ですよね。
暗にくるみちゃんは爽子に、あなたには私と同じ「想い」があるけど、その「想い」は私と違って渡せないでしょう?って言っているんですよね。くるみちゃん鬼畜。いや、これは爽子の受け取り方ではライバルからのエールと見るべきでしょう。
第一期でも遠まわしに「特別」って言葉を爽子の前で使っている。その風早にとっての「特別」になれるのは自分だけだと主張したかったくるみちゃん。まあ、それが間違って伝わったというか爽子流の感じ方の違いというか、自分も風早にとっての「特別」になりたい気持ちを打ち明けることになり、ここでもエールを送っている。だからこそ、前回は「下心」という言葉で直球で勝負してきた。
自分は爽子の通っていくであろう道を、既に二歩も三歩も先を歩いている。彼女の辛い経験も嬉しい経験も全て爽子に上回っていると感じたい。自分は不幸じゃない。
精一杯努力しているんだから、それだけの見返りを求めてもいいでしょう?
それを直接、爽子に言えるようになったのは、爽子を本当のライバルとして、いや、自分と同じように苦しみながらも頑張っている一人の人間として認めているってことなんですよね。うん、くるみちゃん可愛い。
花壇の世話ぐらい、どうってことない。どうってことないはずなのになぁ。と、思いつつ、爽子フィルターを通せば感動要素へと変化する。でも、陰から自分を気にしていてくれるのって、本当、考えてみればかなり嬉しいことですよね。人間って嫌われるよりも誰からも関心をもたれないのが苦痛なんですよ。
だから、いじめで誰からも総スカンされることが一番精神的に苦痛になるんですよ。一人の人間として見てくれている、それを前提の上で自分が好きなことを何も言わないまでも気づいてもらえる喜び。だから、最初は驚き、じわじわと嬉しさが込み上げてくる映像表現が素晴らしかったです。
そんな生活委員の仕事で放課後園芸する爽子。好きなことをやっているときの彼女を見るだけでも幸せになれるね。まあ、彼女ならどんな嫌なことも引き受けてくれるだろうけどね。だからこそ、1年生の時には彼女が空気を読んで嫌な仕事も引き受けようとした。それでみんなが幸せになれるなら、それで満足。
それが2年生になってからは好きなことを推してくれるんですからね。
そういう意味では爽子の努力が実った瞬間でもありました。
それで園芸を一人でもコツコツとやっていく彼女。そんな健気な姿を見る風早の気持ちもわかります。風早に「下心」はないだろうけど、彼女が頑張っている姿を見るだけでも一時の幸せであり、彼女の仕事が終わったあとに、もしかしたら、一緒に帰れるかも知れないという魂胆があったかも知れない。
それは矢野の言葉で変化したのかどうかはわからない。それにクラスメートになった男子高校生に対するちょっとした嫉妬でもあり、残された時間が少ないと見るか、多いと見るかの違いだと思いますが、焦りを感じたのは事実。
そして、その気持ちは、くるみちゃんの告白から。彼女の勇気が風早にも届いて、自分自身も頑張らないと、と思い始めた。矢野の協力を断ってまで真摯に彼女と向き合いたい。
この「協力」って言葉もまた、くるみちゃんが爽子に言った言葉。まあ、こちらは矢野の協力の意味と違って、爽子に風早から手を引いて欲しいという意味だったんですが、同じ「協力」という言葉でも、こうも意味が違ってくるとは面白いと思いましたよ。その「協力」を迫られた風早も爽子も同じように断ったというのがまた水面下で二人の気持ちが繋がっているように感じましたね。
だけど、気持ちを表面化できないという意味では慎重に石橋を叩くように渡って行きたい。そんな告白っぽい一言で終わったりしない関係なのはわかっている。でも、すごく大切で自分にとってすごく貴重な相手だからこそ、今の雰囲気を壊したくない。その雰囲気だけでも守っていきたいというのはお互いにすごく伝わってくる。そんな暗黙の了解。
だから、風早の唐突な一言が心に響いてくる。それに応えないといけないのはわかっているんだけど、戸惑いが大きい。何を返しても大丈夫だと思うんだけど、風早が勇気を出した気持ちに精一杯の言葉で応えなきゃいけない、そんなプレッシャー。
一緒の時をこれからもずっと過ごしていきたいという気持ちを素直に表現するのが難しい。だけど、風早はその気持ちを言葉で伝えることができた。爽子も同じ気持ちだということにも気づいた。
それだけで今の風早にとっては十分。新しいクラスで新しい年度で離れてしまいそうな気持ちを確認したかった。そんな不安と闘いながらの風早のちょっとした告白。その問いに答えるのはイエスかノーでなくてもいい。くるみちゃんが風早に求めていた気持ちと風早が爽子に求める気持ちの違い。
共通するのは友達以上恋人未満。くるみちゃんは風早に恋人の権利を欲した。だけど、それは応えられない。風早は爽子に恋人の権利まではまだ欲していない。
あくまで友達の男子の中での一番でいたかっただけ。
まだ、爽子から「特別」であるという気持ちは聞いていないから。
そして、くるみちゃんもその爽子の「特別」な気持ちを風早に伝える、そういう無粋な真似はしない所に彼女の優しさも感じる。同じように、矢野も見返りがないけど二人のことを思っている気持ちにも泣けてくる。
そんな感じで、色々とキミトドとしての本領発揮してきた今回。人間関係の機微にこれからも注目して見ていきたいと思います。やっぱり、キミトドは心に響くことが多くて必然的に感想が長くなりますね。
くるみちゃんの一言は軽いようで重い。
それはくるみちゃん自身が上手く人とやりくりできるように世渡り上手になれるように、自分を偽りつつも周りからよく思われている自分を演出している。それはもちろん、風早に好かれたいという一心からなんですが、彼女はもう振られてしまっているので、レースから除外されたような気分になっただろう。落ち込みはしたけど、涙からの再出発を恐れていない。彼女の人生はまだ始まったばかり。
障害だらけに見える自分の人生を憂いているのは確かだけど、彼女も爽子と同じように厳しい現実を受け入れているんですよね。厳しいからこそ、厚い壁を乗り越えようと思える意志があるわけで、徐々に自分に自信を付け始めている。
それはくるみちゃんであれば、想いを伝えられなかった風早に告白したこと。爽子であれば、風早との進展や周りの変化。彼女たちの風早至上主義は変わらないけど、変わっていく心がある。未来が閉ざされたわけではない希望がまだまだ一杯ある。
で、そんなくるみちゃんの一言が重い。「下心」って、いわば想い人に対する「想い」ですよね。
それはくるみちゃん自身もその「想い」をもって風早に「想い」を伝えた。
なので、フェアな戦いをしようという宣戦布告の言い回しなんですよね。暗にくるみちゃんは爽子に、あなたには私と同じ「想い」があるけど、その「想い」は私と違って渡せないでしょう?って言っているんですよね。くるみちゃん鬼畜。いや、これは爽子の受け取り方ではライバルからのエールと見るべきでしょう。
第一期でも遠まわしに「特別」って言葉を爽子の前で使っている。その風早にとっての「特別」になれるのは自分だけだと主張したかったくるみちゃん。まあ、それが間違って伝わったというか爽子流の感じ方の違いというか、自分も風早にとっての「特別」になりたい気持ちを打ち明けることになり、ここでもエールを送っている。だからこそ、前回は「下心」という言葉で直球で勝負してきた。
自分は爽子の通っていくであろう道を、既に二歩も三歩も先を歩いている。彼女の辛い経験も嬉しい経験も全て爽子に上回っていると感じたい。自分は不幸じゃない。
精一杯努力しているんだから、それだけの見返りを求めてもいいでしょう?
って、くるみちゃんは「下心」をもっているわけですよ。
それを直接、爽子に言えるようになったのは、爽子を本当のライバルとして、いや、自分と同じように苦しみながらも頑張っている一人の人間として認めているってことなんですよね。うん、くるみちゃん可愛い。
爽子の変化と周りの変化、そして、風早の変化。
花壇の世話ぐらい、どうってことない。どうってことないはずなのになぁ。と、思いつつ、爽子フィルターを通せば感動要素へと変化する。でも、陰から自分を気にしていてくれるのって、本当、考えてみればかなり嬉しいことですよね。人間って嫌われるよりも誰からも関心をもたれないのが苦痛なんですよ。
だから、いじめで誰からも総スカンされることが一番精神的に苦痛になるんですよ。一人の人間として見てくれている、それを前提の上で自分が好きなことを何も言わないまでも気づいてもらえる喜び。だから、最初は驚き、じわじわと嬉しさが込み上げてくる映像表現が素晴らしかったです。
そんな生活委員の仕事で放課後園芸する爽子。好きなことをやっているときの彼女を見るだけでも幸せになれるね。まあ、彼女ならどんな嫌なことも引き受けてくれるだろうけどね。だからこそ、1年生の時には彼女が空気を読んで嫌な仕事も引き受けようとした。それでみんなが幸せになれるなら、それで満足。
それが2年生になってからは好きなことを推してくれるんですからね。
彼女自身が変わり、彼女の周りも変わった証拠なんですよね。
そういう意味では爽子の努力が実った瞬間でもありました。
それで園芸を一人でもコツコツとやっていく彼女。そんな健気な姿を見る風早の気持ちもわかります。風早に「下心」はないだろうけど、彼女が頑張っている姿を見るだけでも一時の幸せであり、彼女の仕事が終わったあとに、もしかしたら、一緒に帰れるかも知れないという魂胆があったかも知れない。
それは矢野の言葉で変化したのかどうかはわからない。それにクラスメートになった男子高校生に対するちょっとした嫉妬でもあり、残された時間が少ないと見るか、多いと見るかの違いだと思いますが、焦りを感じたのは事実。
そして、その気持ちは、くるみちゃんの告白から。彼女の勇気が風早にも届いて、自分自身も頑張らないと、と思い始めた。矢野の協力を断ってまで真摯に彼女と向き合いたい。
この「協力」って言葉もまた、くるみちゃんが爽子に言った言葉。まあ、こちらは矢野の協力の意味と違って、爽子に風早から手を引いて欲しいという意味だったんですが、同じ「協力」という言葉でも、こうも意味が違ってくるとは面白いと思いましたよ。その「協力」を迫られた風早も爽子も同じように断ったというのがまた水面下で二人の気持ちが繋がっているように感じましたね。
今のままを続けていきたい風早が一歩踏み出した。
だけど、気持ちを表面化できないという意味では慎重に石橋を叩くように渡って行きたい。そんな告白っぽい一言で終わったりしない関係なのはわかっている。でも、すごく大切で自分にとってすごく貴重な相手だからこそ、今の雰囲気を壊したくない。その雰囲気だけでも守っていきたいというのはお互いにすごく伝わってくる。そんな暗黙の了解。
だから、風早の唐突な一言が心に響いてくる。それに応えないといけないのはわかっているんだけど、戸惑いが大きい。何を返しても大丈夫だと思うんだけど、風早が勇気を出した気持ちに精一杯の言葉で応えなきゃいけない、そんなプレッシャー。
一緒の時をこれからもずっと過ごしていきたいという気持ちを素直に表現するのが難しい。だけど、風早はその気持ちを言葉で伝えることができた。爽子も同じ気持ちだということにも気づいた。
それだけで今の風早にとっては十分。新しいクラスで新しい年度で離れてしまいそうな気持ちを確認したかった。そんな不安と闘いながらの風早のちょっとした告白。その問いに答えるのはイエスかノーでなくてもいい。くるみちゃんが風早に求めていた気持ちと風早が爽子に求める気持ちの違い。
共通するのは友達以上恋人未満。くるみちゃんは風早に恋人の権利を欲した。だけど、それは応えられない。風早は爽子に恋人の権利まではまだ欲していない。
あくまで友達の男子の中での一番でいたかっただけ。
恋人ではなく、「特別」を欲しただけ。
まだ、爽子から「特別」であるという気持ちは聞いていないから。
そして、くるみちゃんもその爽子の「特別」な気持ちを風早に伝える、そういう無粋な真似はしない所に彼女の優しさも感じる。同じように、矢野も見返りがないけど二人のことを思っている気持ちにも泣けてくる。
そんな感じで、色々とキミトドとしての本領発揮してきた今回。人間関係の機微にこれからも注目して見ていきたいと思います。やっぱり、キミトドは心に響くことが多くて必然的に感想が長くなりますね。
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