恐い、恐い、恐い。そう思えてくるほどに人を憎み人を殺すことが簡単に思えることが恐い。
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本当、美しい物語だよなぁ。私はこれだけのストーリーを映像展開できたことに大満足です。始まりは鮮烈でしたから覚えているのですが、今回の結末となる1巻の終わりや犯人とかは既に忘れていたので、新鮮でした。正直、度肝を抜かれました。このラノベを読んだ時もそういう感覚だったので、二回も感動を与えてくれてありがとう。そして、私の忘れやすい脳もありがとう。
とりあえずは、一つのストーリーにケリがついたので、皆の反応を見たいけど、また、トリックが明快とか簡単とか言われるんだろうなぁ。それよりも、このスペクタクルな展開に注目して欲しい。このスリルというのはそう簡単に味わえないと思えるのですよ。サスペンスものといってはなんですが、この緊張感はすごい。怖くて恐い。
復讐を助長するわけではないですが、彼女たちの心境を考えると情状酌量の余地があると思うのですよ。だって、孤児という不憫な状況下にあって、戦争が行われ不安になり、そして、異国の地に連れられて、殺し合いをする、いや、させられたわけです。
そう、戦争をちょっとした箱庭的にシミュレーションしてみたわけです。その世界戦争の引き金は復讐心から起こったもので今回の復讐劇で幕を閉じるという復讐がいかに無意味かわかってきたと思います。でも、復讐でもしないとやってられないよなー。
まずは、一人の人の暗殺をきっかけに政府同士のいがみ合いが生まれ、お互いを信じられなくなり、戦争を行った。そして、信じられるものを得ようと同盟という形をとった。その同盟国を決めるための箱庭でのバトルロワイヤル。それで決まった同盟国の勝利というのがまたこの結末を生んだ引き金にもなったんだろう。占いは当たった。
ロクサーヌとしてはいつもは野ウサギで実験的に占っていたけど、世界戦争という大規模な占いをするためには大規模な箱庭を用意しないといけないと思ったんだろう。
人も動物だけど。動物同然に扱われる人という平等でない社会が生んだ産物に振り回された彼女たち。
そう、戦争という人と人が殺し合ってもおかしくない社会を作った1914年の第一次世界大戦。その前にも戦争は多くあったけど、全世界的に人が人を殺しても許される状況という風潮は恐い。世界中のどこに逃げても、殺されてもおかしくはないのだから。そういう意味での混乱と人の命の軽視。
普通の人が殺されるくらいなんだから、孤児だったら、もっと殺されてもおかしくないだろうという考えが本当に嫌だ。身分とか国籍とか、そういった類の考えに縛られて、野ウサギを狩るように人も狩る。そんな扱いを彼女たちが受けて、どう思っただろうか。その気持ちだけを考えても胸が痛くなる。
そんな生きがいも人生の楽しみも感じられないままに、彼女たちは刑務所で人生を終えることになるのだろうからね。そういう意味ではペンダントでつながった友情が美しいと感じられます。で、アラブ人メイドの彼女がロクサーヌを殺し、今回の犯人のジュリィがロクサーヌに占いを頼んだ政府ら要人を殺した。
アラブ人メイドの彼女が箱庭で試された後の事はジュリィは知らなかったんでしょうね。だから、ロクサーヌに秘密の手紙を贈った。その手紙が届いているころには、もうアラブ人メイドによってロクサーヌは殺されていた。どちらにせよ、殺されていた。
それと、アラブ人メイドが一発目に撃った鏡が動機になるというのは、どちらか迷っていますね。
どちらでも取れるんですよね。
そういう意味では初回の伏線を考えさせるくらいに色々とストーリーは練られているんですよ。気づかないことに気づいて欲しいくらいに一杯ね。今回の事件ではやっぱり戦争と占いの無意味さを痛感させられました。
あと、ロクサーヌが殺されていなくて、彼女が来て、ヴィクトリカと久城一弥が来なかったときは、船と一緒にジュリィは沈む思いで用意したと思いますよ。彼女の人生は復讐を果たせれば満足だと思っていた、と。だけど、ヴィクトリカと久城一弥の二人が来てしまった。
不測の事態で巻き込んで死んでも構わないと感じたかも知れませんが、
そういう意味ではヴィクトリカは謎を解くという知識の点で久城一弥を助けている反面、友情と無私の愛情で彼女を守ろうとした久城一弥の姿も裏でも表でもヴィクトリカの救いになっているんだと思います。まあ、ヴィクトリカも久城一弥がいないと意味がないと泣き叫ぶ姿を見て、相思相愛だと思いましたよ。なんとか事件が収まったときのヴィクトリカの今更感のある落ち着いた変貌に笑えたけどね。
そうそう、囚われの姫の説明が出ましたね。ヴィクトリカがジュリィを狭い部屋にいる人の習性だとわかったのも、自分の経験からなのかもしれません。
だから、彼女の人生がこれから意義あるものになるように久城一弥の助けがこれからも必要なんですよね。下界に下りて、面白い話を色々と聞かせて欲しいと甘えているヴィクトリカへの愛情が強まりましたね。
本当、美しい物語だよなぁ。私はこれだけのストーリーを映像展開できたことに大満足です。始まりは鮮烈でしたから覚えているのですが、今回の結末となる1巻の終わりや犯人とかは既に忘れていたので、新鮮でした。正直、度肝を抜かれました。このラノベを読んだ時もそういう感覚だったので、二回も感動を与えてくれてありがとう。そして、私の忘れやすい脳もありがとう。
とりあえずは、一つのストーリーにケリがついたので、皆の反応を見たいけど、また、トリックが明快とか簡単とか言われるんだろうなぁ。それよりも、このスペクタクルな展開に注目して欲しい。このスリルというのはそう簡単に味わえないと思えるのですよ。サスペンスものといってはなんですが、この緊張感はすごい。怖くて恐い。
壮絶な規模で行われた復讐劇
復讐を助長するわけではないですが、彼女たちの心境を考えると情状酌量の余地があると思うのですよ。だって、孤児という不憫な状況下にあって、戦争が行われ不安になり、そして、異国の地に連れられて、殺し合いをする、いや、させられたわけです。
自らの命がこんなにも軽い物だとは彼女たちは思っていなかったでしょう。
そう、戦争をちょっとした箱庭的にシミュレーションしてみたわけです。その世界戦争の引き金は復讐心から起こったもので今回の復讐劇で幕を閉じるという復讐がいかに無意味かわかってきたと思います。でも、復讐でもしないとやってられないよなー。
まずは、一人の人の暗殺をきっかけに政府同士のいがみ合いが生まれ、お互いを信じられなくなり、戦争を行った。そして、信じられるものを得ようと同盟という形をとった。その同盟国を決めるための箱庭でのバトルロワイヤル。それで決まった同盟国の勝利というのがまたこの結末を生んだ引き金にもなったんだろう。占いは当たった。
ロクサーヌとしてはいつもは野ウサギで実験的に占っていたけど、世界戦争という大規模な占いをするためには大規模な箱庭を用意しないといけないと思ったんだろう。
動物から人に対象が変わっただけ。
人も動物だけど。動物同然に扱われる人という平等でない社会が生んだ産物に振り回された彼女たち。
ジュリィとアラブ人メイドの友情
そう、戦争という人と人が殺し合ってもおかしくない社会を作った1914年の第一次世界大戦。その前にも戦争は多くあったけど、全世界的に人が人を殺しても許される状況という風潮は恐い。世界中のどこに逃げても、殺されてもおかしくはないのだから。そういう意味での混乱と人の命の軽視。
普通の人が殺されるくらいなんだから、孤児だったら、もっと殺されてもおかしくないだろうという考えが本当に嫌だ。身分とか国籍とか、そういった類の考えに縛られて、野ウサギを狩るように人も狩る。そんな扱いを彼女たちが受けて、どう思っただろうか。その気持ちだけを考えても胸が痛くなる。
そんな生きがいも人生の楽しみも感じられないままに、彼女たちは刑務所で人生を終えることになるのだろうからね。そういう意味ではペンダントでつながった友情が美しいと感じられます。で、アラブ人メイドの彼女がロクサーヌを殺し、今回の犯人のジュリィがロクサーヌに占いを頼んだ政府ら要人を殺した。
アラブ人メイドの彼女が箱庭で試された後の事はジュリィは知らなかったんでしょうね。だから、ロクサーヌに秘密の手紙を贈った。その手紙が届いているころには、もうアラブ人メイドによってロクサーヌは殺されていた。どちらにせよ、殺されていた。
今回の事件の伏線や推測
それと、アラブ人メイドが一発目に撃った鏡が動機になるというのは、どちらか迷っていますね。
白雪姫の魔法の鏡で質問に答えてくれる様子は占いに似ているので、その「魔法の鏡」という占いに対する恨みからか、自分自身をそのまま映すという意味で自分の人生の意味や無意味さを考えさせて憂鬱な気分にさせることに対する怒りからか。
どちらでも取れるんですよね。
そういう意味では初回の伏線を考えさせるくらいに色々とストーリーは練られているんですよ。気づかないことに気づいて欲しいくらいに一杯ね。今回の事件ではやっぱり戦争と占いの無意味さを痛感させられました。
あと、ロクサーヌが殺されていなくて、彼女が来て、ヴィクトリカと久城一弥が来なかったときは、船と一緒にジュリィは沈む思いで用意したと思いますよ。彼女の人生は復讐を果たせれば満足だと思っていた、と。だけど、ヴィクトリカと久城一弥の二人が来てしまった。
不測の事態で巻き込んで死んでも構わないと感じたかも知れませんが、
久城一弥がヴィクトリカのことをしきりに助けようとしている姿に幼き頃の自分とアラブ人メイドとの友情を思い出して、この二人だけは助けてあげたいと思ったんだと勝手に思い込んでいます。
そういう意味ではヴィクトリカは謎を解くという知識の点で久城一弥を助けている反面、友情と無私の愛情で彼女を守ろうとした久城一弥の姿も裏でも表でもヴィクトリカの救いになっているんだと思います。まあ、ヴィクトリカも久城一弥がいないと意味がないと泣き叫ぶ姿を見て、相思相愛だと思いましたよ。なんとか事件が収まったときのヴィクトリカの今更感のある落ち着いた変貌に笑えたけどね。
そうそう、囚われの姫の説明が出ましたね。ヴィクトリカがジュリィを狭い部屋にいる人の習性だとわかったのも、自分の経験からなのかもしれません。
ヴィクトリカの人生も久城一弥がいるからこそ、花開いただけで、そのままグレヴィールに囚われたまま人生を終えることを考えると、どこか今回の事件と同じように生まれた時からの不平等さを訴えている気がします。
だから、彼女の人生がこれから意義あるものになるように久城一弥の助けがこれからも必要なんですよね。下界に下りて、面白い話を色々と聞かせて欲しいと甘えているヴィクトリカへの愛情が強まりましたね。
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