所詮、すべては戯言なんだよ

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すげー、泣けてきた。

これって、誰が正義か、何が正しいか、何を信じればいいかわからないじゃない。
信じてきた教授に裏切られ、そして、反抗し、また、抑えられる。

ちょっと、木山視点で見たら、すごい悲しくなってきた。

誰かを助けるためには誰かの犠牲が必要で、それが必要悪だと考える教授の
方向性を変えるためになんとか研究してきた木山。

その木山の成果が発揮されるとき、美琴の邪魔が入る。
確かに、初春を拉致しながら、それが善だなんて、それこそ必要悪。

だけど、別に悪気はなかった。
ただ、自分を頼ってくれた子供たちに恩返しがしたかった。
孤独感を癒してくれる無邪気な少年少女たちの未来だけを心配して…。


そして、戻ってきた。
なんとか秘密裏に枝先を含めた犠牲者たちが、助かろうとしている。
だけど、やっぱりそこには障壁があり、つまずいている。

また、一般の他の犠牲者も出ている。
実力行使のお偉方を再び信じていいのか、それとも、自分だけの力に頼るのか、
どちらが正しいかどうかもわからない。

いや、選択肢なんて、始めからないんだ。
成すがままに、振り回されるだけの自分。

犯罪者であり、研究者として異端の彼女。
味方になってくれるのはかえる医者の一人だけ。

もう、これで終わりなのか、再度、絶望を味わって人生を終えるのか。
それだけが気がかりで、自分の力は無力で、いくら研究しても、努力しても、
報われないことが存在するのだろうか。

正しいことをやっているつもりが、世間的に間違っている…なんて…。
酷な現実だと思う。一人の純粋な夢と希望が、権威と権力によって、汚される。
そんな現実と向き合って生きろなんて…。


そして、美琴視点。

彼女もまだ一端の中学生。何が正義で何が悪かなんて、
ジャッジメントでもない彼女には選択の失敗もあるし、経験のないことだと思う。

だけど、彼女は選んだ。
争いのない道を。確実で冷静な判断だと信じ込んで…。
確かに木山の言葉には同情を感じざるを得ないだろう。

それは自分に全くの無関係ではない。
好意を示している初春つながりで、春上さんの気持ちも理解出来ている。
その友達を放っておくなんて、出来ない。

彼女は彼女なりの正義を示して、選択をした。
それが合っているか、間違っているかではない、そんな気分さえしてくる。
残酷で冷酷だけど、もう自分にできることはこれだけしかないと知って…。

でも、彼女はまだ若い。
失敗もあれば、反省し、その失敗を取り戻すこともできる。その意力がある。

この時点で木山は絶望を感じるしかないが、ここは主役を美琴に譲って、
枝先のことは美琴に任せる感じでしょうね。

そこまでの責任感はないかもしれないけど、木山は出来ることをした。
その気持ちを汲んでくれる人に託すのが一番確実だ。
今は悲しいけれど、いつか美琴が木山の笑顔を取り戻してくれると信じて…。

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ポルターガイスト事件よりも、何よりも気になってしまうのが、初春たちの心情。
痛いくらいに伝わってくる。ダイレクトに、回り道をせずに、直接響いてくるんです。
その初春の強い声が…。

黒子は事件の解決に向かうために、ただの参考人として、話が聞きたかっただけ。
だけど、その言い方があまりにも春上にとってのデメリットしかないような聞き方が、
悪かった。そこで、目的と心情の食い違いが生じる。

佐天さんの場合は、どんなに正論であろうと、自分の意見が通らなくても、
美琴たち先輩のことを尊重する。あくまで、自分は無能力者なんだから、と。

だけど、初春は違う。そこは佐天さんのように引かずに、反撃に出る。
どちらが正しいとは言わない。ことなかれ主義に近い佐天さんが宥めるのもわかる。
もう少し、お互いが冷静に話しあえば、わかりあえる仲なんだから、と。


でも、熱くなった初春は止められない。
自分に自信が持てなくても、他人を守ることだけは初春の信条だから。

変わりたい。そう願う春上。今の自分では不十分と承知の上での苦悩。
初春は他人の痛み、春上をわかってあげられるのは自分だけなんだから、と。

だから、守る。守り切る。どんなにそれが不毛な言い訳であろうとも。
それが初春。佐天さんのために泣いてあげられるような気持ちが溢れ出るのが、
初春なんだよ、と。ちょっと知った時間での相手でも、これだけ感情移入できる。

どんな相手でも疑うことから始めない。まずは相手を全面的に受け入れて、
全てを信じてあげることから、友情は生まれるんだと思っているから。

まあ、そこで、正義感の塊である黒子との対立。真実の中に答えがある。
まずは真実を知ること。それだけが大事なこと。
そのためには、手段や苦労や努力を厭わない。それが黒子。

でも、初春には、真実を知ったとして、その先に待ち受けている被害者や加害者の、
ちょっとした気持ちでも、わりきれない弱さ、いや、強さを持っているんですよね。


徹底追求の黒子と全面的信頼の初春。

この二人のケンカはいつ見ても、面白い。
そういえば、昔の事件で初春たちが知り合った後の約束については、どちらも、
折れませんでしたよね。

そういう意味では、言葉はなくても、また仲良くなれるでしょう。
そんな二人の信頼の絆というのは太い気がしますね。お姉さま好きだしねｗ。

とまあ、春上のチャイルドエラー発覚はサプライズでしたが、
ロケットの中身が枝先だったというサブストーリーの中で明らかになっていたので、
それほど驚きはしませんでした。

問題はこれから。本当の核となる真実への追求はこれからですね。
だけど、その追求に初春と黒子の仲はどうなるのかは気になる所です。

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なんか前半のパートは悲しかったなぁ。
いや、新キャラの春上さんが出てきたので、物語の幅が広がって楽しかったですよ。
だけど、どうにも佐天さんに感情移入してしまってね。

初春のルームメイトは親友と、友達の友達は、友達みたいに言っていた佐天さん。
初春と佐天さんと春上で仲良くトリオとして、楽しく遊ぶつもりだった。

だけど、初春は佐天さんにもらった親切な想いを、春上に与えるだけで精一杯で、
佐天さんとの仲が少し薄くなってしまった。別に悪いことではない。
自分が与えた親切を、初春が実践して、初春の成長に加担したんだから。

でも、人の時間は限られていて…。
その時間をそのまま春上に割いてしまったおかげで、
佐天さんとの溝が少しできてしまった感じが、ほんの少しだけ悲しい。

このやり場のない鬱憤を晴らしたいのだけど、佐天さんは、すぐに自分の中に
溜め込むタイプのようで、見ていて少し可哀想になってきました。


って、考えすぎですね。
新たな物語の序章として、かなり良い滑り出しでした。

新キャラの春上さんのキャラには、ちょっとイラつきながらも、これはアリと自分に
言い聞かせながら、佐天さんと初春を眺めていましたよ。

佐天さんは誰にでも優しいし、美琴も内面的に少しずつ成長している。
でも、美琴は主導権を握らないタイプなんですよね。
あくまで、佐天さんや黒子の意見を尊重する感じで、基本、傍観者。

だからこそ、シリアスパートで栄えるんですけどね。
つまりはみんな美琴好きなんだな。そのかわいらしさやカッコ良さを
引き立たせているのは黒子なんだと、みんな気づいてあげて。

花火も綺麗だったし、OPの人も出たし、木山せんせいも出たし、
個人的には大満足の出来でしたよ。

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馬子にも衣装とは、よく言ったものである。
中学生とは思えん魅力を放っていた。この時ばかりは黒子モードに入ってしまった。

てっきり、美琴の緊張ぶりと、みんなの期待の表れから、ギャグとかお笑いの
ステージで終わらせて、オチをつけるのかと思ったよ。

だけど、綺麗にバイオリンで終わらせた。
オチはつかずに、美琴の奏でるED曲のアレンジから、原曲のED曲へと。
このときばかりは、心の中でガッツポーズをとったものだぜ。

だってさー、美琴がギャグとかでオチ担当になってしまうと、
これからのシリアス展開がなくなって、普通に日常がまだ続きそうな感じがしそう。
これは勝手な思い込みだけどね。

でも、こうやって、綺麗に良いイメージのまま、終わることで、
今までのサブキャラを含めたスピンオフ的なシナリオも終結して、
一つの大きな脚本が終わった。

美琴が主役として、ステージに立ち、サブキャラたちの想いを乗せて、
次週以降へと旅立つかのような感じがして、かなり好印象。


とまあ、終わり方だけに留まらず、中身でも何か見ていて楽しかった。
スポットを当てられたサブキャラたちに加え、土御門まで出るとはね。

黒子を白井と呼びつけに出来る存在は彼女だけのような気がして新鮮だった。

そして、コミケモードの初春さん。
初春飾利、満身創痍な勢いで展示場を駆け巡りたいと思います。
いやぁ、憧れの常盤台中学なんで、妄想が暴走ですｗ。

妄想と憧れというのは幻滅して終わるのが、大体のストーリーの転結の仕方
なのだけれど、ここは妄想が現実以上に斜め上をいっていたという初春の
気持ちを大事にしてくれたスタッフに感謝。

もう、佐天さんもあきれるくらいに、ここまでなりきり常盤台中の寮生になれたら、
いっそ初春をここに入れてあげたいと願ってしまうね。
で、意地でも、黒子と交換してみたいと思うのは私がドSだからじゃないはずｗ。

まあ、久々の佐天さんのスカートめくりが見れて、佐天さんファンとしては、
たまらなかった。初春の暴走も面白くてたまらなかったけど、一度、現実に
戻してやらないと、次の日から学校これなくなりそうだったものねｗ。

そんなわけで、美琴のドギマギデレが見れて良かったばかりじゃなく、
作品の中の一つの終焉を美しい形で終われたことが心地良い感覚です。

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スピンオフのスピンオフがいつまで続くのか、まだまだ疑問のままだけど、
こうして、美琴視点で見ないで、サブキャラにスポットを当てるのも、
なかなか面白い試みなんですよね。

あくまで、日常あってこその、レールガン。
色々な視点で見れてこそなんですよね。

レベルアッパー編でも、佐天さんを中心に美琴視点で見ながら、
能力についての疑問を広げて、未だにそれは払拭出きない問題として残っています。

まあ、一応は、美琴がレールガンを放って解決を見たけれど、
根本的な問題は解決していない。木山せんせいの野望や願望は
まだ報われていないし、黒幕的な科学者たちの狙いはまだ進行中だ。

そんな中で、こういった日常の一部を映す意味を考えて欲しい。

レベルアッパーでの木山の多重能力という派手なアクションでの美琴との対立の横で、
サブキャラのこういった平和な日常が過ぎていく。


レールガンの掘り下げとしては、かなり有効的な手法だと思っています。

能力者と無能力者の対比。サブキャラとメインキャラの対比。
チャイルドエラーの子供たちの日常と、枝先のような犠牲者との対比。
そして、日常と非日常の対比だ。

学園都市ではいつもアクションが繰り広げられ、犯罪がはびこる世界だとの認識を
少し改めさせるための、ほんのちょっとした日常を映し続ける。

能力だって使えば、視聴者の目には消費され、ありがたみがなくなる。
それに能力者も無能力者と同じように暮らしているという現実の映像が欲しい。
あくまで一人の人間として、恋事情にも素直に反応する普通の感覚。

そして、回を重ねる毎に能力者から無能力者、強い者から弱い者への視点のシフト。
そうすることによって、自然と視聴者の目には能力者の気持ちも無能力者の気持ちも
理解出来るようになってくる。


だけど、これは、ラストへ向かっての布石でしかない。
このまま、無能力者にスポットを当てるだけでは、ただの日常として、
視聴者が何も考えることなく終わってしまう。

無能力者が何を考え、何をしているのか、そういった事情の中で、
もう一度、能力者と無能力者を対比するような再提起する意味での
能力者視点での感情が欲しい。

つまりは美琴と黒子たちが最後に何を考え、何を思って、目標とするのか、
それがこの作品の核だと思っています。

でも、まだ、その時期ではないと、制作側は判断しているんでしょう。
その時が来たら、アッと驚くような展開を期待していますよ。

と、まあ、全然作品の内容に触れてないわけだけど、はっきり寮監の話は、
あまり好きじゃなかったｗ。恋愛ストーリーが苦手ってわけじゃないけど、
安直な恋愛は先が読めるからね。その分では、もう少しひねりが欲しかった。

まあ、黒子たちがサポートする姿勢とかは面白かったけどね。
やっぱり、黒子はしゃべってなんぼ。新井さんの声が聞けるだけで、嬉しい現実。
あぁ、このコロコロ変わる態度や心境の変化は人と変わっているだけに面白い。

あとは美琴がチャイルドエラーの子たちと戯れているときの、
木山せんせいのフラッシュバック。表情からは悲しい感情が溢れでてきている
ようで、美琴のようなレベル5でも何も出きない無力さが伝わってきて泣けました。

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つづりには、ゲームと仕事で迷っている所は、もうちょっと責任感をつけて欲しい。
プライベートから仕事モードへの切り替えが一番難しいけどね。
だから、仕事での緊急事態での呼び出しって嫌い。

本当、学生気分が抜けきれない、というのは、よくある事です。
主に優先順位のつけ方が大きく変わってきますよね。
そして、お金をもらう分、責任感の差も出てくる。

だけど、そう簡単に内面を変えられないのが人間ってもんです。
つづりの初々しさは悪くはないし、最初は失敗ばかりというのは仕方ない。
これも経験がものを言いますので、今を乗り越えれば、楽な時期がくる。

それが長年務めてきた小萌先生のお風呂での姿ですよ。
もう、お風呂に入って、和むだけが、一日の唯一の幸せってなってくるんですよ。
その後のビールを飲みながら、寝るだけの毎日になるんです。

あ、なんか書いてて、可哀想に思えてきた。
大人になりたくない大人が増えそうな発言だな…。なんかいいこと。
うーん、ないや。ごめんｗ。


でも、小萌先生がいいこと言いました。
仕事でも、、人を見ることの楽しさ。人と接することの楽しさ。
そういった、ちょっとした喜びや楽しみを少しずつ貯金していく。

毎日がただの同じ繰り返しなだけじゃない。
ちょっと考え方を、ちょっと思考を変えるだけで、毎日の苦労が、
楽しみに変わることだったあるんですよね。

つづりも、入ったばかりで、何をすればいいか、何をしたらいけないのか、
そういったわからないことだらけで、手一杯だと思うんですけど、
少しずつ覚えていって、時間にも心に余裕が出来るといいものですよね。

そんなわけで、美琴たち4人がゲスト程度だった、今回。
つづりがどのように成長するか、非常に楽しみでありますし、
新たなスタートとしては上々の滑り出しだと思います。

なにより、むさい男たちが繰り広げる不良劇から、
一気に華やかになった感じで、嬉しいですよ。

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美琴はまだ、佐天さんの気持ちを完璧に理解出来ていない部分がある。
佐天さんは既に、能力を一度手に入れて、それに懲りて、その怖さを知った。
だからこそ、反省している佐天さんの気持ちを美琴は知ることができるか。

答えは今のところ、否だ。
美琴もレベル5に上がるまでに相当の努力をしたと言っていた。
だけど、それは客観的に見て、妥当な努力なのか、主観的なのかわからない。

美琴は常に能力を勝ち得た勝利者の気持ち。
今現在、困っていない状況。別に上を目指すと言うわけでもなく、
まだ、日常の生活に支障をきたしていない。


その経験をいかして、無能力者の佐天さんの気持ちを理解しようとしている。

だけど、それは難しい試み。きっと、それは年月の問題もあるし、
十代の不安定な気持ちの状態で、他者の気持ちを理解できるかといった問題も。

それが佐天さんを傷つけ、また、暗に拒もうとする。
歩み寄ろうとはしているんだけど、どうしても、言葉にすると、
上手く伝わらない。

佐天さんからの説得も同じように言葉が空を切る。

「わかんないよ」とつぶやいた時の美琴の気持ちが痛いほどにわかってきて、
とてもつらいんだけど、そこを乗り越えたときに、人の痛みを理解する人間に、
成長出来ると思うんだ。だからこそ、美琴を応援したい。


とまあ、美琴にだけ注目してきましたけど、固法先輩と黒妻の話は、
本当、黒子が言った通り、「いつの時代の方ですの？」って感じだったなぁｗ。
別に話が面白い、面白くない、関係なく、時代が遅すぎた。

なので、黒妻のアクションシーンとか、割りとどうでも良かったりします。

だから、やっぱり、美琴が固法先輩の気持ちを少しだけでもわかろうとして、
強大な力を持つ能力者が、身体的な力を持ち合わせていない人に対しての、
ちょっとしたネガティブな考え方の理由を探し出すきっかけになった。

佐天さんと美琴の溝はまだ深いままだけど、ちょっとした糸口になった。
きっと着々と大人の階段を登り始めたシンデレラなんだろうな、美琴は。

それだけでも、今回の話は見所がありましたね。