太一が格好良すぎて惚れる。団体戦と個人戦の差。団体戦の中の個人戦。それを理解しただけでこれだけ強くなれる太一は感じがなくても名人になれるんじゃないかと思えてきた。
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冒頭は新から。新が出てくるたびになぜか泣きそうになるんですよね。福井は悪い所ではないけれど、東京からは遠い。新にとっては陸の孤島にいるような感覚。
すぐに電車で東京に行くことは可能だし、ケータイもある。いくらでも千早に会うことは出来る。なのにやっぱり遠い。かるたでつながっているとか、この空を千早も見ているとか、ロマンチックなことはたくさん言える。
だけど、やっぱり、会って話したい。かるたのことで熱くなりたい。小学生の頃の気持ちを忘れていないことを確かめあいたい。でも、それをしないことがかるたに執着できる二人の性というか、お互いに名人とクイーンを目指していて、その目標があるからこそ頑張れる。
試合に負けたり、寂しく思ったりして泣いたとしても、お互いのことを思い出して頑張れる。千早だったらどう考えるんだろう? 新だったらどう思うんだろう? そんな遠さがあるからこそ、泣きながらも前向きに進んでいける。
その二人の架け橋になりそうな太一が可哀想だけど、この三人は恋愛関係でドロドロしていないんですよね。恋愛も勝負というか、駆け引きというか、小学生の頃の太一が新のメガネを隠した時に抱いた罪悪感を我慢しきれなかったのと同じように、恋愛にも引け目がない。
その分、千早が新のことを話すときの太一が可哀想になるけれど、それを千早が意識していないのは恋愛として太一が除外されているわけではなくて、ただ単にそばにいて支えてくれる太一がいて、目指すべき人である新がいる。ただ、それだけなんですよね。
意識して新のことを話さない千早なんて千早じゃないっていうぐらいに、何も考えていないわけではないけれど、そんなに悩まないで決断するのが千早やと思うんや。
だから、千早が太一と新のどちらかを選んだとしても、選ばれなかった方は悔しい思いはあるけれど、なんだか納得できるんですよね。
そんなサッパリした恋愛模様を見せて、堂々と好きだと正面から勝負する菫ちゃんもいるわけで、原作者の末次由紀の書く恋愛物語って、かなちゃんが和歌に対して抱く美しさと同じように美しく見えてくるんですよね。
だから、恋愛部分も意識しながら、本気でかるたのスポ根を楽しめる。意地になって勝ちたい、頑張りたい、みんなで一緒にやりたいという気持ちが熱血として表れて、純粋に物語を楽しませてくれる。それが面白いです。
そして、そこにチームとして戦う高校選手権があるわけで、今回も楽勝楽勝と思わせておいて、ここで一緒に戦ってきた同門の坪口がいる。てか、白波会と翠北会だけでも、全国レベルで強くないかw。
前クイーンがいる翠北会に肉まんくんがいて、白波会ではもはや最強の原田先生がいて、坪口に千早や太一がいる。まあ、ひょろくんもそこにいたわけですから、この白波会と翠北会のメンバーでチーム戦をさせたいぐらいだよ。どっちが勝つんだろうな。
でも、その前に楽しみな一戦として、坪口率いる朋鳴高校との勝負が楽しくてたまらなかった。朋鳴高校のメンバーの言葉を聞く限りでは素人ではないけれど、そこまで強いイメージはない。
やっぱりダークホース止まりなんだけど、太一率いる瑞沢高校としては、運で左右される運命戦でA級を逃した太一だからこそ、不安になる。
これが千早だったら全然気にしないけれど、太一は部長として部員のことを一番に考えて、支える役だからこそ、昔から知っている坪口との心理戦が最高でした。
瑞沢高校の顧問は女帝だけど、実質強いのは千早と太一と肉まんくんの三強で、太一だけがB級ということで太一自身にも焦りがでているというか、千早が自分しか見えていなかったのと同じように、太一は自分が見えていなかったのが仇となったというべきかどうか。
でも、そんな千早がかるたを通じてみんなを見ている。みんなをかるたバカ頭脳で鼓舞している。だからこそ、太一は楽に自分の戦いに専念していいんですけど、これも太一らしさなんでしょうね。
やっぱり、みんなが喜ぶ姿が見たいからこそ、泥臭い役を引き受ける。まあ、千早が全て持っていくんですけどね。だから、千早の目標は太一のA級昇格という感覚が芽生えてきた。
千早も太一が全て支えてくれることをわかっているから、太一には楽しい思いをしてもらいたい。千早はみんなにそう思っているんだけど、太一が献身的すぎるから、ようやく直接言ってくれた部分で感動しました。
まあ、その一言でまた肩の荷が重くなってしまったというか、期待に応えるのが大変な世界にいるというか、器用にこなす太一だけど、そういう所が不器用で好きです。
今回だって、運命戦で負けた相手が肉まんくんなんだから、運でいえば相殺されて、千早は運がいい方だと思うので、そこの部分でプラスアルファで考えればいいのに、と思ってしまいます。
かなり深刻に考えるそばで菫ちゃんの浮かれっぷりが浮きまくっているような気がしていたら、肉まんくんも浮かれている。こいつら本当どうにかしないとって太一じゃなくても思うけれど、肉まんくんの強さってこういう気楽さなんだと思ったり。
気を抜くときはもうかるた関係ねーって思ったり、かるたの試合になると、本気で集中する。その切替えの上手さは千早にも太一にもないと思います。だから、負けた時のショックが少し和らぐというか、ムードメーカー的な存在として肉まんくんは必須だと思ったり。
そして、坪口の余裕が最高でした。胸を借りるつもりで臨むと言って揺さぶる。別に本当に胸を借りるつもりの余裕なのに、動揺しまくりの太一。そして、千早を揺さぶると見せかけての太一の揺さぶり。かるたの試合前では坪口圧勝でした。でも、それを読んでいた原口先生のアドバイスがすごい。
太一の性格も坪口の性格も知った上での中立的アドバイス。このアドバイスによって太一は自らの弱みを知り、そして強くなる。そんな強くなった相手に挑む原口率いる朋鳴高校という図は、どちらにとっても、この高校選手権だけじゃない将来を見据えての一戦ということでの試合になりました。
そして、太一の対戦相手の佐々が独特すぎて笑えたんだけど、背景を見ると泣ける不思議。悲観的性格がかるたを強くする。朋鳴高校のかるた部を愛して、かるたを愛して、坪口を救世主と思った佐々には千早に通じる部分があって、一人だけ一生懸命になっていても、バカらしいとも思わない。
だけど、周りの目が邪魔をする。それに対抗するべくもっとかるたを愛する。そんなスパイラル。それをみんなでやろうと盛り上げるのが千早で、坪口を待っていたのが佐々。
だとすると、千早の方が恵まれていると思うだけに、佐々にはもっと活躍させてあげたい気持ちがあるんだけど、相手が太一なだけに、これ以上、太一の精神的疲労を与えたくない葛藤。もう、どうしたらいいんだよ。
そして、流れと才能。これを暗示だと思う坪口は太一をよく見ている。新にとっての村尾のように、太一にとっての坪口だったら良かったのにね。
そうしたら、もっと太一は強くなれたと思うし、坪口は太一を教えた方が自身にとっても太一にとっても良かったのに。でも、坪口は千早の精神で、もっとかるたを愛して欲しいと願いで、朋鳴高校のかるた部の方を強くして楽しんでもらったんでしょうね。
ある意味、千早の本当の夢はクイーンじゃなくて、坪口みたいに多くの人にかるたを教えて楽しんでもらう方かもしれないですね。
あと、今回のキーになるシーンがタオル。もう、このタオルの静寂がたまらない。涙か汗かわからない映し方の後にタオルをもらうという太一の声。いつもの太一だったら、自分のために誰かに頼むことはないんですよね。
誰かのために誰かに頼むということは多いけど。だから、A級になるために他の大会にひっそりと通っている。誰かに何かを頼んだり、頼ったりするのが格好悪いかのように。それも暗示なんですよね。
太一がとらわれている暗示。でも、いつもの太一だったらこの場を耐えるか、エアコンの修理をお願いしたりすると思うんです。もしかしたら、隣にいる机くんのためにもエアコンを直した方がいいかもしれないなんて思って、誰かのために誰かに頼む。
でも、周りは頼まれることを待っていたんだ、というタオルを投げつける所が最高でした。状況が状況だけに競技中でも外野が手渡ししてもいいと思うけど、そんなことよりも太一が自分のために誰かにお願いする。
運だけじゃないというのをみんな知っていたのかもしれない。菫ちゃんは別だけどw。周りは応援しているという気持ちに対して、逆に太一はタオルを借りるのが申し訳ないという気持ちがある。
だけど、いつかは頼ってくれるかもしれないと信じているから、あんなに早くタオルを投げられたんですよね。そして、千早は競技に集中したら周りの声が聞こえなくなるぐらいの熱中するタイプなのに、真っ先に太一にタオルを渡そうとした。団体戦として千早からのエール。
それを太一が受け取って、千早のタオルを使う所が鉄板だけど、好きなシーンです。千早の好意に気付いて、千早からのタオルを貸してもらったということで恋路に脳が走ってもおかしくないけれど、それは恋じゃなくて、団体戦としてのチームとしての支え合い。
そう冷静に判断できた。冷静に暗示をかけていたがゆえに、冷静に暗示を解いた。熱くなるわけじゃなく冷静に自分を見つめなおすことが出来た。
そんな太一の精神的成長が最高で、千早からのタオルを受け取るか迷っているというよりも、千早からまさかタオルが出てくるなんて思っていなかったという、この二人のギャップ差を埋めるような静寂。
そして、受け取らない太一に、あれ、どうしたの?と不安になってくる千早もいて、なんだかこのシーンだけ何度も見てしまいました。そして、そこから怒涛の展開。
佐々の執念と太一の執念。千早とは少し違うとにかく勝ちたいという思いを持っている二人だけに、あとはかるたに愛されているか愛されていないか、いや、そんなことは関係ないと言わんばかりの暗記力がある太一の秀才ぶりが格好良すぎて泣けた。
この暗記力のすごさを感じさせる文字の演出。文字ばかりで嫌になってくる。そんなことはどうでもいい、今は感じだけ、なんて思わない所が太一の成長した所なんですよね。
自分が持っているポテンシャルを全て出し切るんだという熱意が敵陣の一枚を抜けた理由なんだと思っています。待っていればいつか自陣の札が来る。1枚と1枚の運命戦になる前に来る。そんな期待なんて持っちゃいけない。そんな冷静さを最後まで保てたという太一の執着を感じました。
そういう意味では肉まんくんとのA級を賭けた運命戦の時よりも確実に強くなった太一がいて、それだけで嬉しくなってきます。
そして、誰が勝って、誰が負けたかわからないで決勝進出というのがいいですね。視聴者も太一目線になって考える。もう、太一に感情移入するなという方が無理な話ですよ。そういう意味では最高の一戦でした。
冒頭は新から。新が出てくるたびになぜか泣きそうになるんですよね。福井は悪い所ではないけれど、東京からは遠い。新にとっては陸の孤島にいるような感覚。
すぐに電車で東京に行くことは可能だし、ケータイもある。いくらでも千早に会うことは出来る。なのにやっぱり遠い。かるたでつながっているとか、この空を千早も見ているとか、ロマンチックなことはたくさん言える。
千早、太一、新の恋愛模様
だけど、やっぱり、会って話したい。かるたのことで熱くなりたい。小学生の頃の気持ちを忘れていないことを確かめあいたい。でも、それをしないことがかるたに執着できる二人の性というか、お互いに名人とクイーンを目指していて、その目標があるからこそ頑張れる。
試合に負けたり、寂しく思ったりして泣いたとしても、お互いのことを思い出して頑張れる。千早だったらどう考えるんだろう? 新だったらどう思うんだろう? そんな遠さがあるからこそ、泣きながらも前向きに進んでいける。
その二人の架け橋になりそうな太一が可哀想だけど、この三人は恋愛関係でドロドロしていないんですよね。恋愛も勝負というか、駆け引きというか、小学生の頃の太一が新のメガネを隠した時に抱いた罪悪感を我慢しきれなかったのと同じように、恋愛にも引け目がない。
その分、千早が新のことを話すときの太一が可哀想になるけれど、それを千早が意識していないのは恋愛として太一が除外されているわけではなくて、ただ単にそばにいて支えてくれる太一がいて、目指すべき人である新がいる。ただ、それだけなんですよね。
意識して新のことを話さない千早なんて千早じゃないっていうぐらいに、何も考えていないわけではないけれど、そんなに悩まないで決断するのが千早やと思うんや。
だから、千早が太一と新のどちらかを選んだとしても、選ばれなかった方は悔しい思いはあるけれど、なんだか納得できるんですよね。
そんなサッパリした恋愛模様を見せて、堂々と好きだと正面から勝負する菫ちゃんもいるわけで、原作者の末次由紀の書く恋愛物語って、かなちゃんが和歌に対して抱く美しさと同じように美しく見えてくるんですよね。
だから、恋愛部分も意識しながら、本気でかるたのスポ根を楽しめる。意地になって勝ちたい、頑張りたい、みんなで一緒にやりたいという気持ちが熱血として表れて、純粋に物語を楽しませてくれる。それが面白いです。
坪口 vs 太一
そして、そこにチームとして戦う高校選手権があるわけで、今回も楽勝楽勝と思わせておいて、ここで一緒に戦ってきた同門の坪口がいる。てか、白波会と翠北会だけでも、全国レベルで強くないかw。
前クイーンがいる翠北会に肉まんくんがいて、白波会ではもはや最強の原田先生がいて、坪口に千早や太一がいる。まあ、ひょろくんもそこにいたわけですから、この白波会と翠北会のメンバーでチーム戦をさせたいぐらいだよ。どっちが勝つんだろうな。
でも、その前に楽しみな一戦として、坪口率いる朋鳴高校との勝負が楽しくてたまらなかった。朋鳴高校のメンバーの言葉を聞く限りでは素人ではないけれど、そこまで強いイメージはない。
やっぱりダークホース止まりなんだけど、太一率いる瑞沢高校としては、運で左右される運命戦でA級を逃した太一だからこそ、不安になる。
これが千早だったら全然気にしないけれど、太一は部長として部員のことを一番に考えて、支える役だからこそ、昔から知っている坪口との心理戦が最高でした。
瑞沢高校の顧問は女帝だけど、実質強いのは千早と太一と肉まんくんの三強で、太一だけがB級ということで太一自身にも焦りがでているというか、千早が自分しか見えていなかったのと同じように、太一は自分が見えていなかったのが仇となったというべきかどうか。
でも、そんな千早がかるたを通じてみんなを見ている。みんなをかるたバカ頭脳で鼓舞している。だからこそ、太一は楽に自分の戦いに専念していいんですけど、これも太一らしさなんでしょうね。
やっぱり、みんなが喜ぶ姿が見たいからこそ、泥臭い役を引き受ける。まあ、千早が全て持っていくんですけどね。だから、千早の目標は太一のA級昇格という感覚が芽生えてきた。
千早も太一が全て支えてくれることをわかっているから、太一には楽しい思いをしてもらいたい。千早はみんなにそう思っているんだけど、太一が献身的すぎるから、ようやく直接言ってくれた部分で感動しました。
まあ、その一言でまた肩の荷が重くなってしまったというか、期待に応えるのが大変な世界にいるというか、器用にこなす太一だけど、そういう所が不器用で好きです。
今回だって、運命戦で負けた相手が肉まんくんなんだから、運でいえば相殺されて、千早は運がいい方だと思うので、そこの部分でプラスアルファで考えればいいのに、と思ってしまいます。
かなり深刻に考えるそばで菫ちゃんの浮かれっぷりが浮きまくっているような気がしていたら、肉まんくんも浮かれている。こいつら本当どうにかしないとって太一じゃなくても思うけれど、肉まんくんの強さってこういう気楽さなんだと思ったり。
気を抜くときはもうかるた関係ねーって思ったり、かるたの試合になると、本気で集中する。その切替えの上手さは千早にも太一にもないと思います。だから、負けた時のショックが少し和らぐというか、ムードメーカー的な存在として肉まんくんは必須だと思ったり。
流れ、才能、流れ、才能、熱さ、暗示
そして、坪口の余裕が最高でした。胸を借りるつもりで臨むと言って揺さぶる。別に本当に胸を借りるつもりの余裕なのに、動揺しまくりの太一。そして、千早を揺さぶると見せかけての太一の揺さぶり。かるたの試合前では坪口圧勝でした。でも、それを読んでいた原口先生のアドバイスがすごい。
太一の性格も坪口の性格も知った上での中立的アドバイス。このアドバイスによって太一は自らの弱みを知り、そして強くなる。そんな強くなった相手に挑む原口率いる朋鳴高校という図は、どちらにとっても、この高校選手権だけじゃない将来を見据えての一戦ということでの試合になりました。
そして、太一の対戦相手の佐々が独特すぎて笑えたんだけど、背景を見ると泣ける不思議。悲観的性格がかるたを強くする。朋鳴高校のかるた部を愛して、かるたを愛して、坪口を救世主と思った佐々には千早に通じる部分があって、一人だけ一生懸命になっていても、バカらしいとも思わない。
だけど、周りの目が邪魔をする。それに対抗するべくもっとかるたを愛する。そんなスパイラル。それをみんなでやろうと盛り上げるのが千早で、坪口を待っていたのが佐々。
だとすると、千早の方が恵まれていると思うだけに、佐々にはもっと活躍させてあげたい気持ちがあるんだけど、相手が太一なだけに、これ以上、太一の精神的疲労を与えたくない葛藤。もう、どうしたらいいんだよ。
そして、流れと才能。これを暗示だと思う坪口は太一をよく見ている。新にとっての村尾のように、太一にとっての坪口だったら良かったのにね。
そうしたら、もっと太一は強くなれたと思うし、坪口は太一を教えた方が自身にとっても太一にとっても良かったのに。でも、坪口は千早の精神で、もっとかるたを愛して欲しいと願いで、朋鳴高校のかるた部の方を強くして楽しんでもらったんでしょうね。
ある意味、千早の本当の夢はクイーンじゃなくて、坪口みたいに多くの人にかるたを教えて楽しんでもらう方かもしれないですね。
タオル
あと、今回のキーになるシーンがタオル。もう、このタオルの静寂がたまらない。涙か汗かわからない映し方の後にタオルをもらうという太一の声。いつもの太一だったら、自分のために誰かに頼むことはないんですよね。
誰かのために誰かに頼むということは多いけど。だから、A級になるために他の大会にひっそりと通っている。誰かに何かを頼んだり、頼ったりするのが格好悪いかのように。それも暗示なんですよね。
太一がとらわれている暗示。でも、いつもの太一だったらこの場を耐えるか、エアコンの修理をお願いしたりすると思うんです。もしかしたら、隣にいる机くんのためにもエアコンを直した方がいいかもしれないなんて思って、誰かのために誰かに頼む。
でも、周りは頼まれることを待っていたんだ、というタオルを投げつける所が最高でした。状況が状況だけに競技中でも外野が手渡ししてもいいと思うけど、そんなことよりも太一が自分のために誰かにお願いする。
運だけじゃないというのをみんな知っていたのかもしれない。菫ちゃんは別だけどw。周りは応援しているという気持ちに対して、逆に太一はタオルを借りるのが申し訳ないという気持ちがある。
だけど、いつかは頼ってくれるかもしれないと信じているから、あんなに早くタオルを投げられたんですよね。そして、千早は競技に集中したら周りの声が聞こえなくなるぐらいの熱中するタイプなのに、真っ先に太一にタオルを渡そうとした。団体戦として千早からのエール。
それを太一が受け取って、千早のタオルを使う所が鉄板だけど、好きなシーンです。千早の好意に気付いて、千早からのタオルを貸してもらったということで恋路に脳が走ってもおかしくないけれど、それは恋じゃなくて、団体戦としてのチームとしての支え合い。
そう冷静に判断できた。冷静に暗示をかけていたがゆえに、冷静に暗示を解いた。熱くなるわけじゃなく冷静に自分を見つめなおすことが出来た。
そんな太一の精神的成長が最高で、千早からのタオルを受け取るか迷っているというよりも、千早からまさかタオルが出てくるなんて思っていなかったという、この二人のギャップ差を埋めるような静寂。
そして、受け取らない太一に、あれ、どうしたの?と不安になってくる千早もいて、なんだかこのシーンだけ何度も見てしまいました。そして、そこから怒涛の展開。
佐々の執念と太一の執念。千早とは少し違うとにかく勝ちたいという思いを持っている二人だけに、あとはかるたに愛されているか愛されていないか、いや、そんなことは関係ないと言わんばかりの暗記力がある太一の秀才ぶりが格好良すぎて泣けた。
この暗記力のすごさを感じさせる文字の演出。文字ばかりで嫌になってくる。そんなことはどうでもいい、今は感じだけ、なんて思わない所が太一の成長した所なんですよね。
自分が持っているポテンシャルを全て出し切るんだという熱意が敵陣の一枚を抜けた理由なんだと思っています。待っていればいつか自陣の札が来る。1枚と1枚の運命戦になる前に来る。そんな期待なんて持っちゃいけない。そんな冷静さを最後まで保てたという太一の執着を感じました。
そういう意味では肉まんくんとのA級を賭けた運命戦の時よりも確実に強くなった太一がいて、それだけで嬉しくなってきます。
そして、誰が勝って、誰が負けたかわからないで決勝進出というのがいいですね。視聴者も太一目線になって考える。もう、太一に感情移入するなという方が無理な話ですよ。そういう意味では最高の一戦でした。