自分の限界値と自分の夢の見直し。その辛さの代償としての楽しみは、本当に楽しいことじゃなくて、自分が本当に望んでいることを探し出し見つけ出しそれを突きススメ→トゥモロウなんですよね。って何言ってんだかわからないくらいに今回は感動の嵐で感想も長いですw。
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ファーストライブ協力三人娘がさりげなく痛い所をついてくる。今まで長い間応援していた分、穂乃果を元気づけようとしているけど、「気にすることない」という言葉が穂乃果を励まして肯定しているつもりが逆に否定している。
ただ普通に学校行って普通に授業を受けて普通じゃないスクールアイドルやっていた。それがスクールアイドルがなくなって、普通に戻っただけのこと。放課後の時間が出来たとプラスに考えようよという言葉がどうしても皮肉に聞こえる。
きっと青春が聞こえればいいのに、それすらもなくなってポカーンとしている穂乃果の心情が表情から自然と湧き出て胸を苦しめます。そういう意味では三人娘と同じ位置に戻ってきただけというスタート地点に戻ってしまって今までやってきたことは何だったんだろう? という無力感や虚無感を抱きますね。
積み重ねてきたものが三人娘のたった一人の言葉によって崩れ去る。今でもまだ青春を積み重ねているつもりだったんだけど、それはもう積み重ねられなくなってしまった現実には失望し、やめると簡単に考えてしまった自分への失望もあったんでしょう。
表情が全く変化ない穂乃果を見ているとこれから先のことはあまり考えたくないけれど、無理やり考えさせられて嫌な気分になってしまうけど、三人娘の一人は間違ったことは言っていない。
なら、間違っているのは誰? という疑問が降り掛かってそれに答えてしまうと、海未に叩かれた時のことを思い出してしまうので出来るだけ忘れようとして現実逃避したかったんだと思います。そういう意味では第三者の言葉って一番響くよね。
そして、真姫の言葉がひどい。部長であり、先輩であり、アイドルに対しての憧れも苦悩も知っているにこを前にして、「穂乃果がいないと解散したようなもの」という言葉がにこにとっては否定したいけれど、否定しきれないのが悔しくてたまらない。
センターは穂乃果じゃない。みんなだ、と言ってくれた穂乃果の言葉が浸透していない現実にも。まだ出来る。また出来なくなる。この二つの葛藤がにこを襲うんで、親友が旅立ってしまう穂乃果よりもにこが一番悔しいと思います。
本当、にこがみんなを引っ張って、前のスクールアイドルの二の舞にしないように明るく元気にアイドルというものを精一杯頑張って追求してきた彼女ですよ。μ'sのボケ要員として扱われてきたけれど、冷静に考えてみると、また同じように一人の人間(穂乃果)によって、にこの希望が閉ざされてしまう。
せめて、一人の人間に左右されないようなスクールアイドルになっておくべきだったと悔やんでももう遅いんですよね。
穂乃果は廃校をなくすことが目的だったので、それに付随したアイドル活動に青春を感じてプラス要素がなくなっただけなのに対し、にこは何度もスクールアイドルを目指して自分の力で立ち向かっていこうとしても、他人に左右されて振り回されてその努力はすべてが無碍に否定されてしまう。
そういう意味では穂乃果のやめます発言は一番にこにとって辛いものだったんだとにこファンとしてはちょっと穂乃果を恨んでしまったり。それに軽々しくμ'sは穂乃果あってのものという真姫にも敵意を向けてしまって何だか殺伐感が出せて最終回らしい始まりでした。
始まりといえば雰囲気的に「前回のラブライブ!」がないのは当たり前として、OPなしだと思っていたら、あった。穂乃果がUFOキャッチャーで楽しんでいる姿の後に、苦い表情の海未が的に向けて矢を放った後にあったことがちょっと衝撃的でした。
悪いのは全て穂乃果だと言っているようなOP前。みんな苦しんで悩んでもがいて抗っているのに、一人だけ楽しく過ごそうとしている穂乃果がいる。そんなμ'sのことなんてお構いなしに放課後を過ごしている穂乃果に対して、まるで海未がその弓で矢を放っているみたいに見えるんですよね。
その矢で穂乃果の心臓を射止めるかのごとく真ん中へと向かっていく矢を考えると、その弓道が本物の矢じゃなければ殺したいくらいに憎んでしまっているという殺伐感を増した描写がこの作品でやれることに何だか嬉しさと同時にコワッって思ってしまいましたよ。
穂乃果がやめる発言はにこファンとして許すまじだとしても、ことりが留学するだけでここまで海未の心では穂乃果に対しての気持ちが変わっているという憶測だけで何だかしびれる最後のOPとなりました。OPのみんなの笑顔が違って見えましたw。入りって重要!
だから、その後のことりと海未で穂乃果を責めないようにしている言葉が何だか裏腹に聞こえる。二年生組は誰もが自分を責めているけれど、本当かどうかはわからない。海未とことりは穂乃果と会わないというだけで、この時点で海未とことりだけの二人の絆は固いままで、穂乃果とはすでに切れてしまっている感じがしました。
行動に示される絆。会わないことでの自然消滅を二人はもしかしたら願っているのかもしれないと思えちゃうんですよね。
会えばまた何かもめて取り返しのつかないことにならないようにする前に言葉を間違わないようにきちんと頭で整理して落ち着いて話したいと思っているうちに段々と時が過ぎて、疎遠になっていく。うーん、友人関係って何気に繊細で難しい。
そして、穂乃果の方はというとゲームセンターで三人娘と過ごす。今までその三人とは遊ぶ機会がなかったので、今度は海未やことりと違う友人関係を築こうとしている。
友人として裏切られたと思っている穂乃果の心を埋める役割としての三人娘。代役にはふさわしいかどうかは穂乃果が決めることだけど、ここでにこがダンスの採点でリーダーを決めようとμ'sのみんなで来た思い出が蘇る。
しかも、全く同じゲームセンターのようにも思えたし。そこで穂乃果がμ'sの思い出を上書きしないでいてくれたことが唯一の救いでした。呆けている穂乃果にはまだ違うものが見えている。三人娘とは違う過去と未来が。そこに海未の声が聞こえてくるのもナイスでした。
今までの九人でのμ'sのダンス練習。それに加え、スクールアイドルには基礎体力が大事だと言われ走ったり階段を上ったり、三人でダンス練習したりと。その二つはどうしても消せない、きっと穂乃果の中では消したくない思い出として残っている。
そして、出されたゲームのスコアランクが最高と思われる『999』。三人娘はスタートダッシュに失敗しなければもっと良いスコアが出せたというけれど、上限が『999』だと思われるスコアが何だか意図的に演出しているように思えました。
この三人娘と過ごしても、ゲームでどんなに頑張っても、『999』は超えられない。いつまでも『999』のままだ。頑張っても頑張らなくても『999』。
遊びなんだから別にそれでいいじゃんと思えるけれど、目標があって夢があって、目指す人がいて、そこに向かってどんなに壁が立ちはだかろうとも乗り越えようとして壊そうとして穂乃果自身の力だけではなく、増えていくμ'sの力でどんどん夢は膨らんでいく。
段々と近くに感じてくる喜びと共に、苦しいけれど仲間と一緒に練習しながら楽しく過ごせる日々があって意義があるように思えた。だけど、今はどうだろう? 今までの積み重ねだけで出した『999』で満足しちゃっていいのかどうか。
それは自然と身についたμ'sでのダンス練習の成果。きっと今のままではその先はない。求めているものは何もない。それもまた虚無感につながるわけですが、穂乃果自身が考え始めたがの良い兆候としてありました。
そして、一人で考え、本当に自分のヤリタイコトってなんだろう? 前は廃校阻止だけが目的だった。だけど、今は人生の目的が見えた気がした。だけど、それは出来なかった。まあ、仕方ないよね。目指したラブライブでの『A-RISE』の姿。それが答えであるとはわかっている。わかっているけど……。
で、穂乃果の質問に対しての答えをにこが代弁する。穂乃果を責めても仕方ない。にこの悔しさは苦しいほどにわかるから無視するはず。だけど、にこはそんな穂乃果に真正面から向かい合う。
一人の人間の心の変化によって、自分の人生がまた変えられようとしたことに抗っている自分を誇らしげに……。
だから、それは穂乃果がいなくても、にこはめげずに自分が好きで愛しているアイドル像に向かって突き進もうとしている。穂乃果は穂乃果で勝手にやればいい。
もうきっとにこの中ではそう割り切っているから、穂乃果と普通に話せるんだろう。もう、穂乃果に振り回されない。自分は自分の道を行く。じゃあ、穂乃果自身はどうする?
こんなに胸を張って言えるにこを前に自分はただゲームセンターで遊んで終わるだけの毎日が楽しいのかどうか、にこに対して今自分は頑張っている、何かをしようとしていると誇って言えるものがあるのだろうか。
その後に絵里が穂乃果の家に来て怒涛の攻撃です。にこはちょっと嫌味ったらしく言ったのはいつものにこだと思わせるためだと思います。別にもう本気で責めているわけじゃないから、何も言いたいことがなければ今度のライブに来なさいよ、と救いの手を差し伸べる。
それで許してあげるというにこの真意だったように思います。そして、また救いの手が差し伸べられる。今度は絵里が本当はスクールアイドルとしてやりたかったことを希に言い当てられて、落ち込んでいた所を二年生が先輩で生徒会長の絵里に対して文字通り手を差し伸べて、立ち上がらせて九人のμ'sが出来上がった。
いつまでも過去のことに苦しめられたり、誰かのために何かをしなければいけないってわけじゃない。だから、自分のためにも穂乃果たちのためにも絵里が好きなように行動していいんだという救いの手。
それは周りの目とは違って心の中では弱くて冷静でいられない絵里がようやく自分を出せるようになった瞬間だった。だからこそ、今度は自分が困っている穂乃果に救いの手を差し伸べる瞬間なんだと思って手を差し出した。
今度は絵里を椅子から引っ張りあげることは出来ない。同じ位置からの手。それは無理やり引っ張りあげようとするのではなく、同情の気持ちと先輩も後輩もないμ'sでの規則に則った公平な位置での手だった。
だけど、穂乃果はそれに応えることが出来ない。ここで手を出したら、今度はμ'sを肯定してしまい、自分が間違っていたことを証明することになる。だから、意地になってしまった穂乃果は助けなんて必要ないと思ってしまった。
絵里は穂乃果から助けられたから助け返した。ただそれだけのこと。拒んでもそれは穂乃果自身の自由。だから、サラッと流されたんですよね。むしろ、そこでは手を出してもらうことを気にしないでただ助けられたことを穂乃果に伝えたかっただけなのかも知れないですけどね。
そして、穂乃果は一歩を踏み出すことが出来た。海未とことりとの関係がフェードアウトしていくことが悲しいから、またμ'sの穂乃果に戻って海未を講堂に呼び出した。
講堂の許可は下りていないと思う。きっと見つかったら追い出される。だけど、ここが三人で始めたファーストライブの場所だから。観衆が誰もいないと思っていた自分たちの練習の成果が発揮された場所だから。それは海未もわかっているだろうから、穂乃果の呼び出しに応じたのだと思います。
だけど、海未はファーストライブの時の絵里と同様、穂乃果と同じ位置にはいずに、階段の上から見下す感じで話をします。遠いからもっと近付いて同じ高さで同じ目線で見てあげればいいけれど、まだ海未の中での穂乃果は昔の穂乃果に戻っているとは確証がなかった。
まだ講堂にいたこと、μ'sの練習着を着ていたことでは取り返しのつかないことをしてしまったことはまだ許せないから普段通りに喋るも階段を降りてはこない。
だけど、穂乃果の叫びにも似た謝罪で笑った後降りてくる海未ちゃんマジ天使でした。いつも通り、穂乃果に迷惑をかけられただけ。
そういう認識になって海未の中での穂乃果に対する憎しみが消えていく。穂乃果は真剣に考えていてくれていた。ただ、それが嬉しくて。今度は穂乃果ではなく自分たちが悪いと思っていた海未とことりの言葉が嘘にはならないように穂乃果へと近づいていく。
海未の真剣な気持ちに真剣に向き合ってくれた。なら、友達だった穂乃果と海未との関係ではなく、誰もが対等のμ'sの精神になって同じ目線まで降りて、誰が悪いとかそんなこと抜きにしてまた新しい一歩をみんなで踏み出そうとする海未が本当は心の中では穂乃果を信じていたのかもしれませんね。
だからこそ、今度は最後まで階段を降りきって穂乃果の近くに寄っていく。そして、今度は穂乃果がステージ上にいて海未が下になり穂乃果が自然と上から目線になる。そういう意味で完全に穂乃果のことを許したと行動で示した海未の優しさが垣間見えました。
そして、海未はステージに上り穂乃果と一緒の視点になる。今度は対抗する関係ではなく、協力する姿勢で、穂乃果と同じステージに立つ。その瞬間、海未も穂乃果と同じμ'sの海未になる。また知らない世界へと穂乃果が連れて行ってくれることを本当に信じる。
そこからはまた穂乃果のワガママに振り回されることり。三人で初回に踊った『ススメ→トゥモロウ』がイントロで流れ、三人の絆が復活したことを証明するかのように流れる。
しかし、このことりもまるで恋人が止めに来てくれると思うような心境だったのが何だか雰囲気壊して申し訳ないけれど笑えちゃいました。この相思相愛はなんでしょうね。
留学すると言った時にあれだけ穂乃果は止めたのに、ことりはその時には突然のことで涙ながらに逃げてしまったけれど、穂乃果に追いかけて止めて欲しかったんでしょうかね。
そこで止めてくれないから順調に留学の準備が整って気持ちや荷物の整理もついて留学先も準備していて、これから飛行機に乗って旅立ってしまう瞬間に穂乃果のワガママという迷惑が入る。
そして、ことりも同じ気持ちだと伝える。穂乃果に迷惑をかけて、ことりへの友情を証明したかったかのように、逆転する感情。本当、最後の最後でことりにとっても、μ'sにとっても一番迷惑なことをやってくれる穂乃果でした。
それは今までと同じ穂乃果で、一番穂乃果らしいんだから仕方ないですよね。振り回して迷惑かけて泣いて考えて引っ張って自分の考えを貫き通してまた迷惑をかけて、みんなが考えていない世界へと連れて行ってくれる。穂乃果一人のワガママで全てが決まる。それがμ's。それが穂乃果。
講堂には誰もいないかも知れない緊張感の中で制服のまま踊るファンサービス。それはまさしくラブライブという伝説の中の伝説をも超えてしまう幻想世界へとファンを含めて連れて行ってくれた制服姿での最後で最初の『START:DASH!!』。
この九人での『START:DASH!!』はまさに圧巻でした。この挿入歌がラストの締めを飾るライブに選ばれるとは個人的に今回一番のサプライズだったかも知れません。
きっと、OPの『僕らは今のなかで』のライブにつながるか、もしくはEDの『きっと青春は聞こえる』でアンニュイに締めてくるかのどちらかだと思っていました。
そうしたら、まさかの制服姿での準備なしの何もない新たなμ'sの始まりとしての『START:DASH!!』でした。確かにまだ終わらない。これからが始まりなんだ、と最終回で言えるような曲ならこの曲が一番ハマっていたので、ここにこの曲が選ばれたことにちょっと感動してしまって自然と涙が出て来ました。
そして、回想しながらのEDの『きっと青春は聞こえる』で終える。ことり救出作戦は簡単でしたが、終わりよければすべてよしってことで、このライブが新生μ'sとして今までのμ'sとは違う側面をこれから見せてくれることに期待しています。
って、もう終わっちゃうのかよ! と、自分でノリツッコミしちゃうくらいにまだ続いて欲しい。続けて欲しい。それこそ永遠にファンも誰もかも迷惑をかけてしまう穂乃果率いるμ'sの姿を見たい。
ずっと見ていたいくらいに最後のライブでスタートってやっぱずるいよ。来週もこの時間に『ラブライブ!』があると思っちゃうじゃん。個人的にはPV付きシングルが続いてアルバムもどんどん出して、この『μ's』の名が消えることのないように祈っています。
ファーストライブ協力三人娘がさりげなく痛い所をついてくる。今まで長い間応援していた分、穂乃果を元気づけようとしているけど、「気にすることない」という言葉が穂乃果を励まして肯定しているつもりが逆に否定している。
普通の女子高生に戻ります
ただ普通に学校行って普通に授業を受けて普通じゃないスクールアイドルやっていた。それがスクールアイドルがなくなって、普通に戻っただけのこと。放課後の時間が出来たとプラスに考えようよという言葉がどうしても皮肉に聞こえる。
きっと青春が聞こえればいいのに、それすらもなくなってポカーンとしている穂乃果の心情が表情から自然と湧き出て胸を苦しめます。そういう意味では三人娘と同じ位置に戻ってきただけというスタート地点に戻ってしまって今までやってきたことは何だったんだろう? という無力感や虚無感を抱きますね。
積み重ねてきたものが三人娘のたった一人の言葉によって崩れ去る。今でもまだ青春を積み重ねているつもりだったんだけど、それはもう積み重ねられなくなってしまった現実には失望し、やめると簡単に考えてしまった自分への失望もあったんでしょう。
表情が全く変化ない穂乃果を見ているとこれから先のことはあまり考えたくないけれど、無理やり考えさせられて嫌な気分になってしまうけど、三人娘の一人は間違ったことは言っていない。
なら、間違っているのは誰? という疑問が降り掛かってそれに答えてしまうと、海未に叩かれた時のことを思い出してしまうので出来るだけ忘れようとして現実逃避したかったんだと思います。そういう意味では第三者の言葉って一番響くよね。
にこが望んだのは穂乃果が望んだことじゃない
そして、真姫の言葉がひどい。部長であり、先輩であり、アイドルに対しての憧れも苦悩も知っているにこを前にして、「穂乃果がいないと解散したようなもの」という言葉がにこにとっては否定したいけれど、否定しきれないのが悔しくてたまらない。
センターは穂乃果じゃない。みんなだ、と言ってくれた穂乃果の言葉が浸透していない現実にも。まだ出来る。また出来なくなる。この二つの葛藤がにこを襲うんで、親友が旅立ってしまう穂乃果よりもにこが一番悔しいと思います。
本当、にこがみんなを引っ張って、前のスクールアイドルの二の舞にしないように明るく元気にアイドルというものを精一杯頑張って追求してきた彼女ですよ。μ'sのボケ要員として扱われてきたけれど、冷静に考えてみると、また同じように一人の人間(穂乃果)によって、にこの希望が閉ざされてしまう。
せめて、一人の人間に左右されないようなスクールアイドルになっておくべきだったと悔やんでももう遅いんですよね。
穂乃果は廃校をなくすことが目的だったので、それに付随したアイドル活動に青春を感じてプラス要素がなくなっただけなのに対し、にこは何度もスクールアイドルを目指して自分の力で立ち向かっていこうとしても、他人に左右されて振り回されてその努力はすべてが無碍に否定されてしまう。
そういう意味では穂乃果のやめます発言は一番にこにとって辛いものだったんだとにこファンとしてはちょっと穂乃果を恨んでしまったり。それに軽々しくμ'sは穂乃果あってのものという真姫にも敵意を向けてしまって何だか殺伐感が出せて最終回らしい始まりでした。
OPの入りがコワッ!
始まりといえば雰囲気的に「前回のラブライブ!」がないのは当たり前として、OPなしだと思っていたら、あった。穂乃果がUFOキャッチャーで楽しんでいる姿の後に、苦い表情の海未が的に向けて矢を放った後にあったことがちょっと衝撃的でした。
悪いのは全て穂乃果だと言っているようなOP前。みんな苦しんで悩んでもがいて抗っているのに、一人だけ楽しく過ごそうとしている穂乃果がいる。そんなμ'sのことなんてお構いなしに放課後を過ごしている穂乃果に対して、まるで海未がその弓で矢を放っているみたいに見えるんですよね。
その矢で穂乃果の心臓を射止めるかのごとく真ん中へと向かっていく矢を考えると、その弓道が本物の矢じゃなければ殺したいくらいに憎んでしまっているという殺伐感を増した描写がこの作品でやれることに何だか嬉しさと同時にコワッって思ってしまいましたよ。
穂乃果がやめる発言はにこファンとして許すまじだとしても、ことりが留学するだけでここまで海未の心では穂乃果に対しての気持ちが変わっているという憶測だけで何だかしびれる最後のOPとなりました。OPのみんなの笑顔が違って見えましたw。入りって重要!
だから、その後のことりと海未で穂乃果を責めないようにしている言葉が何だか裏腹に聞こえる。二年生組は誰もが自分を責めているけれど、本当かどうかはわからない。海未とことりは穂乃果と会わないというだけで、この時点で海未とことりだけの二人の絆は固いままで、穂乃果とはすでに切れてしまっている感じがしました。
行動に示される絆。会わないことでの自然消滅を二人はもしかしたら願っているのかもしれないと思えちゃうんですよね。
会えばまた何かもめて取り返しのつかないことにならないようにする前に言葉を間違わないようにきちんと頭で整理して落ち着いて話したいと思っているうちに段々と時が過ぎて、疎遠になっていく。うーん、友人関係って何気に繊細で難しい。
『999』以上のものは?
そして、穂乃果の方はというとゲームセンターで三人娘と過ごす。今までその三人とは遊ぶ機会がなかったので、今度は海未やことりと違う友人関係を築こうとしている。
友人として裏切られたと思っている穂乃果の心を埋める役割としての三人娘。代役にはふさわしいかどうかは穂乃果が決めることだけど、ここでにこがダンスの採点でリーダーを決めようとμ'sのみんなで来た思い出が蘇る。
しかも、全く同じゲームセンターのようにも思えたし。そこで穂乃果がμ'sの思い出を上書きしないでいてくれたことが唯一の救いでした。呆けている穂乃果にはまだ違うものが見えている。三人娘とは違う過去と未来が。そこに海未の声が聞こえてくるのもナイスでした。
今までの九人でのμ'sのダンス練習。それに加え、スクールアイドルには基礎体力が大事だと言われ走ったり階段を上ったり、三人でダンス練習したりと。その二つはどうしても消せない、きっと穂乃果の中では消したくない思い出として残っている。
そして、出されたゲームのスコアランクが最高と思われる『999』。三人娘はスタートダッシュに失敗しなければもっと良いスコアが出せたというけれど、上限が『999』だと思われるスコアが何だか意図的に演出しているように思えました。
この三人娘と過ごしても、ゲームでどんなに頑張っても、『999』は超えられない。いつまでも『999』のままだ。頑張っても頑張らなくても『999』。
遊びなんだから別にそれでいいじゃんと思えるけれど、目標があって夢があって、目指す人がいて、そこに向かってどんなに壁が立ちはだかろうとも乗り越えようとして壊そうとして穂乃果自身の力だけではなく、増えていくμ'sの力でどんどん夢は膨らんでいく。
段々と近くに感じてくる喜びと共に、苦しいけれど仲間と一緒に練習しながら楽しく過ごせる日々があって意義があるように思えた。だけど、今はどうだろう? 今までの積み重ねだけで出した『999』で満足しちゃっていいのかどうか。
それは自然と身についたμ'sでのダンス練習の成果。きっと今のままではその先はない。求めているものは何もない。それもまた虚無感につながるわけですが、穂乃果自身が考え始めたがの良い兆候としてありました。
穂乃果の答えはにこの答え
そして、一人で考え、本当に自分のヤリタイコトってなんだろう? 前は廃校阻止だけが目的だった。だけど、今は人生の目的が見えた気がした。だけど、それは出来なかった。まあ、仕方ないよね。目指したラブライブでの『A-RISE』の姿。それが答えであるとはわかっている。わかっているけど……。
で、穂乃果の質問に対しての答えをにこが代弁する。穂乃果を責めても仕方ない。にこの悔しさは苦しいほどにわかるから無視するはず。だけど、にこはそんな穂乃果に真正面から向かい合う。
一人の人間の心の変化によって、自分の人生がまた変えられようとしたことに抗っている自分を誇らしげに……。
だから、それは穂乃果がいなくても、にこはめげずに自分が好きで愛しているアイドル像に向かって突き進もうとしている。穂乃果は穂乃果で勝手にやればいい。
もうきっとにこの中ではそう割り切っているから、穂乃果と普通に話せるんだろう。もう、穂乃果に振り回されない。自分は自分の道を行く。じゃあ、穂乃果自身はどうする?
こんなに胸を張って言えるにこを前に自分はただゲームセンターで遊んで終わるだけの毎日が楽しいのかどうか、にこに対して今自分は頑張っている、何かをしようとしていると誇って言えるものがあるのだろうか。
その後に絵里が穂乃果の家に来て怒涛の攻撃です。にこはちょっと嫌味ったらしく言ったのはいつものにこだと思わせるためだと思います。別にもう本気で責めているわけじゃないから、何も言いたいことがなければ今度のライブに来なさいよ、と救いの手を差し伸べる。
それで許してあげるというにこの真意だったように思います。そして、また救いの手が差し伸べられる。今度は絵里が本当はスクールアイドルとしてやりたかったことを希に言い当てられて、落ち込んでいた所を二年生が先輩で生徒会長の絵里に対して文字通り手を差し伸べて、立ち上がらせて九人のμ'sが出来上がった。
絵里が手を差し伸ばす
いつまでも過去のことに苦しめられたり、誰かのために何かをしなければいけないってわけじゃない。だから、自分のためにも穂乃果たちのためにも絵里が好きなように行動していいんだという救いの手。
それは周りの目とは違って心の中では弱くて冷静でいられない絵里がようやく自分を出せるようになった瞬間だった。だからこそ、今度は自分が困っている穂乃果に救いの手を差し伸べる瞬間なんだと思って手を差し出した。
今度は絵里を椅子から引っ張りあげることは出来ない。同じ位置からの手。それは無理やり引っ張りあげようとするのではなく、同情の気持ちと先輩も後輩もないμ'sでの規則に則った公平な位置での手だった。
だけど、穂乃果はそれに応えることが出来ない。ここで手を出したら、今度はμ'sを肯定してしまい、自分が間違っていたことを証明することになる。だから、意地になってしまった穂乃果は助けなんて必要ないと思ってしまった。
絵里は穂乃果から助けられたから助け返した。ただそれだけのこと。拒んでもそれは穂乃果自身の自由。だから、サラッと流されたんですよね。むしろ、そこでは手を出してもらうことを気にしないでただ助けられたことを穂乃果に伝えたかっただけなのかも知れないですけどね。
穂乃果と海未の段差
そして、穂乃果は一歩を踏み出すことが出来た。海未とことりとの関係がフェードアウトしていくことが悲しいから、またμ'sの穂乃果に戻って海未を講堂に呼び出した。
講堂の許可は下りていないと思う。きっと見つかったら追い出される。だけど、ここが三人で始めたファーストライブの場所だから。観衆が誰もいないと思っていた自分たちの練習の成果が発揮された場所だから。それは海未もわかっているだろうから、穂乃果の呼び出しに応じたのだと思います。
だけど、海未はファーストライブの時の絵里と同様、穂乃果と同じ位置にはいずに、階段の上から見下す感じで話をします。遠いからもっと近付いて同じ高さで同じ目線で見てあげればいいけれど、まだ海未の中での穂乃果は昔の穂乃果に戻っているとは確証がなかった。
まだ講堂にいたこと、μ'sの練習着を着ていたことでは取り返しのつかないことをしてしまったことはまだ許せないから普段通りに喋るも階段を降りてはこない。
だけど、穂乃果の叫びにも似た謝罪で笑った後降りてくる海未ちゃんマジ天使でした。いつも通り、穂乃果に迷惑をかけられただけ。
そういう認識になって海未の中での穂乃果に対する憎しみが消えていく。穂乃果は真剣に考えていてくれていた。ただ、それが嬉しくて。今度は穂乃果ではなく自分たちが悪いと思っていた海未とことりの言葉が嘘にはならないように穂乃果へと近づいていく。
海未の真剣な気持ちに真剣に向き合ってくれた。なら、友達だった穂乃果と海未との関係ではなく、誰もが対等のμ'sの精神になって同じ目線まで降りて、誰が悪いとかそんなこと抜きにしてまた新しい一歩をみんなで踏み出そうとする海未が本当は心の中では穂乃果を信じていたのかもしれませんね。
だからこそ、今度は最後まで階段を降りきって穂乃果の近くに寄っていく。そして、今度は穂乃果がステージ上にいて海未が下になり穂乃果が自然と上から目線になる。そういう意味で完全に穂乃果のことを許したと行動で示した海未の優しさが垣間見えました。
そして、海未はステージに上り穂乃果と一緒の視点になる。今度は対抗する関係ではなく、協力する姿勢で、穂乃果と同じステージに立つ。その瞬間、海未も穂乃果と同じμ'sの海未になる。また知らない世界へと穂乃果が連れて行ってくれることを本当に信じる。
制服姿での九人の『START:DASH!!』
そこからはまた穂乃果のワガママに振り回されることり。三人で初回に踊った『ススメ→トゥモロウ』がイントロで流れ、三人の絆が復活したことを証明するかのように流れる。
しかし、このことりもまるで恋人が止めに来てくれると思うような心境だったのが何だか雰囲気壊して申し訳ないけれど笑えちゃいました。この相思相愛はなんでしょうね。
留学すると言った時にあれだけ穂乃果は止めたのに、ことりはその時には突然のことで涙ながらに逃げてしまったけれど、穂乃果に追いかけて止めて欲しかったんでしょうかね。
そこで止めてくれないから順調に留学の準備が整って気持ちや荷物の整理もついて留学先も準備していて、これから飛行機に乗って旅立ってしまう瞬間に穂乃果のワガママという迷惑が入る。
そして、ことりも同じ気持ちだと伝える。穂乃果に迷惑をかけて、ことりへの友情を証明したかったかのように、逆転する感情。本当、最後の最後でことりにとっても、μ'sにとっても一番迷惑なことをやってくれる穂乃果でした。
それは今までと同じ穂乃果で、一番穂乃果らしいんだから仕方ないですよね。振り回して迷惑かけて泣いて考えて引っ張って自分の考えを貫き通してまた迷惑をかけて、みんなが考えていない世界へと連れて行ってくれる。穂乃果一人のワガママで全てが決まる。それがμ's。それが穂乃果。
講堂には誰もいないかも知れない緊張感の中で制服のまま踊るファンサービス。それはまさしくラブライブという伝説の中の伝説をも超えてしまう幻想世界へとファンを含めて連れて行ってくれた制服姿での最後で最初の『START:DASH!!』。
この九人での『START:DASH!!』はまさに圧巻でした。この挿入歌がラストの締めを飾るライブに選ばれるとは個人的に今回一番のサプライズだったかも知れません。
きっと、OPの『僕らは今のなかで』のライブにつながるか、もしくはEDの『きっと青春は聞こえる』でアンニュイに締めてくるかのどちらかだと思っていました。
そうしたら、まさかの制服姿での準備なしの何もない新たなμ'sの始まりとしての『START:DASH!!』でした。確かにまだ終わらない。これからが始まりなんだ、と最終回で言えるような曲ならこの曲が一番ハマっていたので、ここにこの曲が選ばれたことにちょっと感動してしまって自然と涙が出て来ました。
そして、回想しながらのEDの『きっと青春は聞こえる』で終える。ことり救出作戦は簡単でしたが、終わりよければすべてよしってことで、このライブが新生μ'sとして今までのμ'sとは違う側面をこれから見せてくれることに期待しています。
って、もう終わっちゃうのかよ! と、自分でノリツッコミしちゃうくらいにまだ続いて欲しい。続けて欲しい。それこそ永遠にファンも誰もかも迷惑をかけてしまう穂乃果率いるμ'sの姿を見たい。
ずっと見ていたいくらいに最後のライブでスタートってやっぱずるいよ。来週もこの時間に『ラブライブ!』があると思っちゃうじゃん。個人的にはPV付きシングルが続いてアルバムもどんどん出して、この『μ's』の名が消えることのないように祈っています。