あらすじは、女子高生の日常をあるあるネタをゆるーく書いた4コマという感じ。ゆるーくっていうのは登場人物の日常に共感するようなオチが多いので爆笑というネタはあまりないです。だから、ギャグマンガという部類に入るかどうかはわからない感じ。
このあるあるネタはさらりとスルーできる所もあれば、もう共感しまくりで、よくこんな細かい所まで見つけることができたなぁと感心してしまう所もあります。でも、それだけだと読者に飽きられてしまう可能性もあるため、らき☆すた独自のキャラ、こなたを投入しています。
バーチャルとリアルを分けているオタク、こなた
このこなた、女オタクでありながら、腐女子ではなく男オタクをそのまま女にした感じなんです。でも、オタクはオタクということで周囲からの視線は冷たいです。一般人とオタクとの間には冷戦のような張り詰めた緊張感と境界線があります。
その冷たい視線をこなたは感じていて、それを受け入れています。自分はオタクだから、みんなとは違いますよと、少し周りからは距離感を離しています。それがげんしけんのようなオタク同士で分かり合うサークルとか仲間がいればいいのですが、リアルには作らず、バーチャル(例えばネトゲ)のみの関係としています。
こなたはバーチャルとリアルを混同しないように分けているんですよね。そりゃリアルにオタク仲間が入れば楽しいですよ。でも、それよりも、かがみ、つかさなど一般人と付き合う普通の学生生活を送りたいという気持ちも持っているのかも知れないですね。そういう意味では理想のオタク。境界線を引いて、どちらも両立させて、日常を楽しんでいるわけですから。
徹底してツッコんであげるかがみ
でも、リアルにオタ話を話せる仲間がいないと寂しいのも事実。そこでかがみの登場ですよ。かがみはツンデレで真面目な優等生で一般人。こなたとは対照的に描かれています。だからこそ、こなたへのツッコミ役として適している所もあります。
かがみと同じように仲の良いつかさやみゆきさんは、こなたのオタク的発言にはスルーですからね。オタクにとって一番厳しいのはわかってくれないことよりもスルーだと思うのですよ。徹底して構ってくれるのはかがみだけ。あと同じオタクのひよりんやパティとかいるけど。
そんなかがみが何故オタクであまり話題の共通点のないこなたと付き合っているのか?かがみはほとんど勉強している以外はこなたと話しています。無類のこなた好きと言っていいかも知れません。もう依存症です。いや、言い過ぎましたw。
それはかがみなりの友情の表れで、オタク関係なしにこなたと話しているだけで楽しいんだろうなぁと思います。げんしけんのコーサカを好きな咲さんみたいなものです。でも、ついついオタ話をしたくなってしまうのがこなたで、一般人のかがみ相手にわからないのも承知の上で話してしまいます。そこでかがみはいつもどおりにわからないとツッコむわけです。
かがみは実はオタクなのか?
ここで、かがみは実はオタクという説もありますが、一般で言う総称のオタクではなく、ラノベオタクだと思います。アニメを見たり、それほどゲームはしないけど、小説の延長線上にラノベが入っていたというだけで、俗に言う”一般人”に近い存在として、美水かがみ先生は描いていると思います。本当に好きなら、ラノベ原作のアニメは見ていると思うしね。
そんな”一般人”なかがみは、最近になって、こなたの気持ちをわかろうと努力しているようです。ラノベのアニメ化の話で話題を持ち出したりね。一般人からの歩み寄りというのですか。オタクに対して、そういう心遣いを示してくれるのは、リアルでも本当感謝だと思いますよ。こなたも気づかないうちに、こんな風に普通に接してくれて、内心嬉しがっていると思います。家の中でかがみと電話しているこなたの微笑ましさと言ったら、これ以上ないくらいに。かがみの優しさに惚れました。
勉強に主眼を置いている作品
この作品は勉強推奨図書だと思うのですよ。学校の図書室に置いてもいいくらい、健全です。イベントよりもテストや日々の宿題に比重を置いている作品は少ないと思います。特に家に帰ってからはそれぞれ、かがみはこなたと勉強。つかさは睡眠と勉強。こなたはゲームと勉強。という感じで勉強するのが学生の性分といわんばかり。黒井先生に言わせれば、勉強できるのは学生のうちだけだから、今のうちにやっとけって感じでしょうか。結構、真面目な図書だったりします。
評点
面:5 オタ:5 パロ:4 共:5 痛:4 萌:5 燃:1
面白さはリアルの一般の友人が読んでだら、こなたのオタクネタを抜いても、あるあるネタで十分楽しめるみたいだから満点。オタ度と共感はコアなオタクのこなたに対して。パロはニコニコも出たり、麻生大臣も出たりでそれなり。萌えは萌え4コマと銘打っているくらいだし、3頭身くらいのキャラがとても愛らしいから。