「待ってて、すぐ戻るから」「うん、待ってる」。
この二言に込められた人情ドラマが凝縮された導入でした。
『Kanon』と『sola』の久弥直樹の最新作。『sola』から7年ぶりかー。なんか作中でも同じセリフ言っていた気がしますw。この作品も『sola』から続いていたら笑えますけどね。同じ「ソラ」とルビが振ってあるくらいですし。一見さんお断りというか、この人が描く脚本はあり得ないものが多いわけで。
せめて初回の冒頭だけでもありがちな出来事をというわけで、怪獣が書かれた大きな板を抱えて自らを看板娘と言わせるとか、料理している娘を亡き母親に重ねちゃう父親とか、新しい家の部屋で寝ていたら横で知らない女の子が正座しているとか、7年ぶりの故郷の上空に物体と化した未確認飛行魔法陣が浮かんでいるとか、あれ?冒頭にいけばいくほどおかしな出来事になっている不思議。乃々香が順応しているから気づかなかったよ。
見ているこっちも乃々香可愛いなぁ、さすがQP:flapperキャラ原案だよ、これはブリキや岸田メルのキャラ原案アニメを個人的に瞬間風速で超えているなぁとか見惚れているうちにストーリーが進んでいて把握が難しいという嬉しい悩み。
それとノエルという生き物が超絶かわいいんですが、うちも一匹飼っていいですか。乃々香も昔会ったことがあるかもしれないこともないかもしれない程度の子が家に入り込んでも不審者扱いせずに部屋着を貸してお茶まで出して、終いには留守番までさせて人を信じることを恐れないというのはこういうことかと学ばされました。
いや、きっと霧弥湖町には純粋で良い人が多いんだと思ったり。7年ぶりに再会した瞬間、汐音は乃々香に悪態ついていたけれど、子供の頃の回想で乃々香が引っ越しのことを言わずに出てきたからで、今更だけどそのことを謝ろうとしていた乃々香の今と昔の引っ込み思案ぶりに泣けてきた。こういう不器用な子は素直に応援したい。
そう思ってからの乃々香のノエルに対しての勘違いがきつかったというか、この歯車の噛み合わなさが胸を刺します。ノエルにとっては悪気がないだけでなく純粋な親切心からで、乃々香にも喜んでもらいたいと思っての一言が乃々香に強烈に拒絶されたわけです。本来ならその思いを踏みにじる悪意に敵意を向けたくなるわけですが、そこに悪意がどちらもないわけでこのもやもやした悲しみに近い感情が辛いです。
乃々香にとっても、大切な母親の写真立てに傷を付けられてノエルに対しての信頼感が敵愾心に急速に方向を変えてしまったわけで、それはここに移り住んできた霧弥湖町の人たちにも不信というカタチで矛先を向かうことは容易に想像できるわけで、そんな私の不安感を乃々香の正直が解消させてくれました。
父親に「私が不注意で」と謝ったわけですが、実際に乃々香が受け入れた不審者ノエルがやったわけですが、実質的に乃々香に責任があるにせよ、その言い訳としてノエルのことを話したくなると思うんです。それをノエルのことを怒鳴った罪悪感もあってか正直以上に優しさも混ぜて父親に告白するところが泣けてきました。
父親にとっては引っ越しで割ってしまったとあまり悪びれもなく白状していましたが、別に母親の写真に傷ついたわけでなく、写真立てが傷ついただけでその代わりはいくらでもあるわけです。そこに乃々香は気付けないというか、それも含めて母親に対する敬意だと思うかの違いでもあるので一概にどれが正しいとも言い切れない部分があるんですよね。
そして、そんな父親と自分の感覚の違いに憤慨するでもなく、すぐにノエルに対しての仕打ちを思い返せる乃々香がやっぱり優しいです。
そこから乃々香の大捜索があるわけですが、その最中にノエルとの過去を思い出す流れがいいですね。乃々香の母親のことを聞いて連れてくると約束したまま引っ越してお別れしてしまったわけですが、ノエルが乃々香の母親の写真を見せた無邪気な笑顔の理由がここで解明されたというのが清々しいです。
普通は母親が一人映っている写真立ては何だか意味深で勘ぐってしまう(ノエルは幼いからそんなことはないとそのときは思ってしまった)ものだけど、ノエルにとっては乃々香が母親を連れてくるという昔の約束を忘れていなかったわけで、そのことを乃々香は記憶の奥底に閉まっている。
きっと母親だろうこの写真を乃々香に見せればすぐに思い出してあの頃のことでまた話し合えるとノエルは思ったのかも。そう考えると内心嬉しく感じたであろうノエルの思いが踏みにじられて、より一層悲しみを増します。
で、乃々香はノエルとの約束を破ったわけですが、そもそも母親を連れてこようにも亡くなっているから今約束を果たそうとムリなわけです。
なら、ノエルの「信じてた」という二人の約束に対する肯定の意はなんだろう?と思ったら、そういえばこういうやりとりだったわけですね。
「私もお母さんも今日でこの町を出るの。東京に引っ越すって」
「遠くに行っちゃうの?」
「あ、そうだ、お母さんを呼んできてあげる。ノエルのこと聞いたらすぐ来てくれるよ」
「ほんと! うふふふふ うふふ」
「待ってて、すぐ戻るから」
「うん、待ってる」
ノエルが嬉しがったのは乃々香が母親を連れてくるというセリフで、約束もそれだと思うんですが、最初の「遠くに行っちゃうの?」に対する乃々香の答えが気になるんですよね。ノエルは乃々香の「東京に引っ越すって」の確認の質問なんですが、乃々香は沈黙で問いに返したわけです。
きっとノエルは先ほどから話していた歌を上手に歌える母親に会いたいんだと思って、それだけでも叶えたいと母親を連れてくると言った。ノエルもそれに答えますが、本当は乃々香が遠くに行っちゃうことが一番気掛かりで、母親を連れてくると喜んでいる乃々香に対してそれをまた尋ねるのも辛さの助長になってしまう。
それはまたすぐ来てくれる乃々香と本当の別れの時だけでいい。今日と言ったけど、すぐに戻ってくるからまだ時は残されているわけで最後の最後まで別れの言葉を取っておいたと思うんです。
それが実際には戻ってこなかった。そう考えると乃々香の母親のことはノエルにとって些細なことで、約束の本質的な部分では乃々香がすぐに戻ってくることに対してなのかもしれないと思ってきました。そのすぐがすぐじゃなくて7年も経ってしまったけれど(すぐという時間の感覚も人によって違うと言ったらオシマイかなw)、乃々香は二人が約束した場所である天文台を思い出して謝ってくれたわけだしね。
そういう意味で、ノエルは「おかえり」と言い、乃々香は「ただいま」と言える。ノエルが春夏秋冬を天文台で一人待ち続けた先のご褒美は少ないように見えるけれど、ノエルにとってはそれだけ価値のある乃々香に対しての思い。それを確かめ会えた一連のシーンがただの写真の件の仲直りだけに終わらないという点も含めて感涙モノでした。
せめて初回の冒頭だけでもありがちな出来事をというわけで、怪獣が書かれた大きな板を抱えて自らを看板娘と言わせるとか、料理している娘を亡き母親に重ねちゃう父親とか、新しい家の部屋で寝ていたら横で知らない女の子が正座しているとか、7年ぶりの故郷の上空に物体と化した未確認飛行魔法陣が浮かんでいるとか、あれ?冒頭にいけばいくほどおかしな出来事になっている不思議。乃々香が順応しているから気づかなかったよ。
見ているこっちも乃々香可愛いなぁ、さすがQP:flapperキャラ原案だよ、これはブリキや岸田メルのキャラ原案アニメを個人的に瞬間風速で超えているなぁとか見惚れているうちにストーリーが進んでいて把握が難しいという嬉しい悩み。
それとノエルという生き物が超絶かわいいんですが、うちも一匹飼っていいですか。乃々香も昔会ったことがあるかもしれないこともないかもしれない程度の子が家に入り込んでも不審者扱いせずに部屋着を貸してお茶まで出して、終いには留守番までさせて人を信じることを恐れないというのはこういうことかと学ばされました。
いや、きっと霧弥湖町には純粋で良い人が多いんだと思ったり。7年ぶりに再会した瞬間、汐音は乃々香に悪態ついていたけれど、子供の頃の回想で乃々香が引っ越しのことを言わずに出てきたからで、今更だけどそのことを謝ろうとしていた乃々香の今と昔の引っ込み思案ぶりに泣けてきた。こういう不器用な子は素直に応援したい。
そう思ってからの乃々香のノエルに対しての勘違いがきつかったというか、この歯車の噛み合わなさが胸を刺します。ノエルにとっては悪気がないだけでなく純粋な親切心からで、乃々香にも喜んでもらいたいと思っての一言が乃々香に強烈に拒絶されたわけです。本来ならその思いを踏みにじる悪意に敵意を向けたくなるわけですが、そこに悪意がどちらもないわけでこのもやもやした悲しみに近い感情が辛いです。
乃々香にとっても、大切な母親の写真立てに傷を付けられてノエルに対しての信頼感が敵愾心に急速に方向を変えてしまったわけで、それはここに移り住んできた霧弥湖町の人たちにも不信というカタチで矛先を向かうことは容易に想像できるわけで、そんな私の不安感を乃々香の正直が解消させてくれました。
父親に「私が不注意で」と謝ったわけですが、実際に乃々香が受け入れた不審者ノエルがやったわけですが、実質的に乃々香に責任があるにせよ、その言い訳としてノエルのことを話したくなると思うんです。それをノエルのことを怒鳴った罪悪感もあってか正直以上に優しさも混ぜて父親に告白するところが泣けてきました。
父親にとっては引っ越しで割ってしまったとあまり悪びれもなく白状していましたが、別に母親の写真に傷ついたわけでなく、写真立てが傷ついただけでその代わりはいくらでもあるわけです。そこに乃々香は気付けないというか、それも含めて母親に対する敬意だと思うかの違いでもあるので一概にどれが正しいとも言い切れない部分があるんですよね。
そして、そんな父親と自分の感覚の違いに憤慨するでもなく、すぐにノエルに対しての仕打ちを思い返せる乃々香がやっぱり優しいです。
そこから乃々香の大捜索があるわけですが、その最中にノエルとの過去を思い出す流れがいいですね。乃々香の母親のことを聞いて連れてくると約束したまま引っ越してお別れしてしまったわけですが、ノエルが乃々香の母親の写真を見せた無邪気な笑顔の理由がここで解明されたというのが清々しいです。
普通は母親が一人映っている写真立ては何だか意味深で勘ぐってしまう(ノエルは幼いからそんなことはないとそのときは思ってしまった)ものだけど、ノエルにとっては乃々香が母親を連れてくるという昔の約束を忘れていなかったわけで、そのことを乃々香は記憶の奥底に閉まっている。
きっと母親だろうこの写真を乃々香に見せればすぐに思い出してあの頃のことでまた話し合えるとノエルは思ったのかも。そう考えると内心嬉しく感じたであろうノエルの思いが踏みにじられて、より一層悲しみを増します。
で、乃々香はノエルとの約束を破ったわけですが、そもそも母親を連れてこようにも亡くなっているから今約束を果たそうとムリなわけです。
なら、ノエルの「信じてた」という二人の約束に対する肯定の意はなんだろう?と思ったら、そういえばこういうやりとりだったわけですね。
「私もお母さんも今日でこの町を出るの。東京に引っ越すって」
「遠くに行っちゃうの?」
「あ、そうだ、お母さんを呼んできてあげる。ノエルのこと聞いたらすぐ来てくれるよ」
「ほんと! うふふふふ うふふ」
「待ってて、すぐ戻るから」
「うん、待ってる」
ノエルが嬉しがったのは乃々香が母親を連れてくるというセリフで、約束もそれだと思うんですが、最初の「遠くに行っちゃうの?」に対する乃々香の答えが気になるんですよね。ノエルは乃々香の「東京に引っ越すって」の確認の質問なんですが、乃々香は沈黙で問いに返したわけです。
きっとノエルは先ほどから話していた歌を上手に歌える母親に会いたいんだと思って、それだけでも叶えたいと母親を連れてくると言った。ノエルもそれに答えますが、本当は乃々香が遠くに行っちゃうことが一番気掛かりで、母親を連れてくると喜んでいる乃々香に対してそれをまた尋ねるのも辛さの助長になってしまう。
それはまたすぐ来てくれる乃々香と本当の別れの時だけでいい。今日と言ったけど、すぐに戻ってくるからまだ時は残されているわけで最後の最後まで別れの言葉を取っておいたと思うんです。
それが実際には戻ってこなかった。そう考えると乃々香の母親のことはノエルにとって些細なことで、約束の本質的な部分では乃々香がすぐに戻ってくることに対してなのかもしれないと思ってきました。そのすぐがすぐじゃなくて7年も経ってしまったけれど(すぐという時間の感覚も人によって違うと言ったらオシマイかなw)、乃々香は二人が約束した場所である天文台を思い出して謝ってくれたわけだしね。
そういう意味で、ノエルは「おかえり」と言い、乃々香は「ただいま」と言える。ノエルが春夏秋冬を天文台で一人待ち続けた先のご褒美は少ないように見えるけれど、ノエルにとってはそれだけ価値のある乃々香に対しての思い。それを確かめ会えた一連のシーンがただの写真の件の仲直りだけに終わらないという点も含めて感涙モノでした。
コメント一覧 (8)
キャラがかわいい、それだけでなくて音楽・映像トータルの完成度が高いですね。もちろんお話のほうはまだ掴めずこれからという感じですが。
おそらく、これから話が進むにつれ、きれいに糸がつながるようになりそれを楽しむのが楽しみになる?かなと思いますね。
脚本しだいでかなり輝きそうな気がします。ノエル・乃々香わ私が抱きしめて眠るのでダメです(笑)
ついにこの時がきちゃいました。予言通り当てられちゃいましたw。期待はしていたけれど、期待以上というか、いてもたってもいられない状態にさせてくれる作品ですね。全く予想外すぎましたぜ。
キャラが動いてみると可愛いは往々にしてあるけれど、仰るとおり音楽と映像の完成度は高かったですね。Studio 3Hzって何物?って感じですw。お話の方は初回で設定がだいぶ明らかになった分、大体つかめてきましたよ。そういいつつ裏切ってくる展開になるフラグなわけだけど。設定の糸が繋がる感覚は味わいたいですね。是非そういう展開を希望します。
まあ、ノエルはあげますけど、乃々香は頂きますw。てか、ノエルは実年齢的に抱きしめるだけでアウトになる気がするので抱き枕カバーの商品化を願って下さい(鬼畜w。
あとは結城友奈ですね
甘ブリは書こうと思ったんですが特段書くことが見つからないんですよね。面白いは面白いんですがまだ一話は導入って感じで気楽に見て楽しめる作品でした。
四月は君の嘘と甘ブリと結城結奈でどの感想を書こうかすごく迷いました。まだ見てないのにねw。四月は君の嘘は原作の新川さんの『さよならフットボール』に泣けてお気に入り作家なんですよね。それに大好きな音楽。これは書くしかないと思いつつ、ふと思ったらこの作品は2クールだった。2クール書ける体力がないのでなくなく感想断念。
四月は君の嘘で号泣して、WIXOSSで涙をにじまして、天体のメソッドで涙を流すとかどんだけ泣き上戸なんだかw。そういう意味で軽いノリを入れたいなということで結城結奈です。岸×上江洲タッグでStudio五組だったらもう気楽に構えられます。まさか結城結奈が勇者で魔王を倒す旅に出て、血と涙を流す巨大討伐記ものとは考えられないですしね。
結城結奈の視聴に関して読者tさんがツイッターを見てくれたことに感謝。
感想を書きやすい内容というのはありますねぇ。1度みただけではわからなかったところの復習?そんなときはここで思い出しながら考えるのが楽しい。もちろんすべてが理解できるわけではないですけどねw。
そう言ってもらえるとファン冥利に尽きます。
私も一度見ただけではわからないことは多いですね。感想もただ直感的に書いているので、書き終わった後に他の人の感想を見たりすると、自分が気付かなかった点の多さに辟易したりw。もっと考えないとダメですね。そういう意味でそらめそはもっと深くまで突っ込んでいけるとは思うんですが、私にその能力がないんで努力しますw。
決めました、私のコメントはみるだけでお願いします。「約束」
そのお気遣い感謝しています。実際コメントは負担になっていないですよ。特に読者tさんのコメントは次の記事を書くための熱意へとつながっているので嬉しい限りなのであります。やりとりしているだけでも楽しいですし、そこから好きな作品に対しての理解を深め合うという楽しみもありますし、そこはお気になさらずいつもどおり接して下さる方が嬉しいです。コメントスルーする方がなんとなく心が痛むw。