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静止画で泣けるシーンが何度も何度も……。悲痛の叫びとともに終演を迎える。


これちひろ目線で見ると相当辛い出来事ですよね。好きな人を応援し、友達とのキスを見届け、身の危険をさらしてまでも、桂馬と動く必要があったのか。

歩美とちひろの違い


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そこでストーリーとちひろの良い面が上手くマッチング出来ていて、ストーリーは歩美攻略に向けて桂馬がただひたすら頑張っている。そこに何か特別な事情があることもわかっている。そのことは歩美にも伝えてある。その上で、ちひろが何を思って何を悔やんで何を考えているのだろう?と思うと切なくなってしまうんですよね。

それこそ、ずっと歩美の女神を出すための攻略をしてきた桂馬だったけど、今回の流れのヒロインって歩美ではなくちひろなんですよね。何もこの作品は恋愛だけじゃない。人の人生観だったり夢だったり希望だったりする。それが何気なく続いていく現状を打破するかしないか。

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そこで恋愛を軸にして、将来への展望、未来への憂鬱、全世界の多くの中の一人に過ぎないわけで、そこからちひろがやれることや望んでいることは何も単純なことじゃない。第2期のちひろ編を見直してみると、ちひろが悩んで今の選択をしているとわかって涙腺崩壊ものでした。

ちひろ自身は桂馬に対して好意は持っているものの、歩美との結婚に対して何も言わなかった。涙を流さなかった。それが本当の好きと言えるのか? そこにちひろの弱さがあるんですよね。桂馬からちひろへ暴言を吐いたことではなく、もっとちひろの知らない所で知らない何かが起きている。

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ちひろにはわからないことだらけだった女神編。純粋な恋愛を弄ばれ、ただの攻略として遊ばれている事実は深い裏事情があるとはいえ、それを全力で否定することだって出来るんですよ。それこそ、羽衣で人が透明になった時くらいで世の中は不思議なことがあるんだなー。と思う程度で、私には関係ないや。それに遅いから帰ろうっと。

そうなるのが普通なんです。ですが、桂馬が必死でちひろに対して求めてきている。ちひろにしか出来ないと彼女は特別視されているんですよね。それこそ、歩美との結婚のかませ犬になるかも知れない。でも、ちひろにとってはそれでもいい。好きな桂馬が好きな人と一緒になれるなら、それでいいんです。

言葉に出来ない感情


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この微妙な感情って言葉にしにくいですね。結局のところ、ちひろは桂馬のことが好きなの?嫌いなの?という質問には答えられないんですよね。そこが絶対的なヒロインとしての風格を表していて、彼女の感情そのものが恋愛脳に侵されている人たちの未来を救い出している気がします。

本当に好きな人だったら、多少卑怯な手を使ってでも一緒にいたいですよ。友達の応援なんてしたくないですよ。それこそ、好きな人と親友が恋人になるという修羅場は彼女には辛すぎる。一生を左右する恋愛が結婚としてテーゼとして示されていて、そこにちひろが考え始めたというのが正しいかも知れないです。

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歩美は結婚させてまでも、自分の人生全てを桂馬に渡そうとした。それに対し、ちひろは桂馬がただ異性として好きという感情止まりなんですよね。

まあ、それが当たり前なんですけど、そこはやっぱり楽観的に考えていて、桂馬と一緒にいれたらいいなって恋人という段階を踏んでから、桂馬のことをもっとよく知ってから結婚を考え始めてもおかしくない。むしろ、それが恋愛の手順だと思います。

そこに歩美とちひろの桂馬に対する思いの差があって、恋人にもならないでいきなり結婚を言い出せる歩美はすごいな、と感嘆してしまうわけなんですよね。それは別にどちらが良くてどちらが悪いというわけではありません。

ちひろとしては桂馬と”一生”一緒にいる未来は想像しておらず、将来のことを考えて一生涯桂馬が添い遂げる覚悟が出来ていた相手には太刀打ち出来ないなというのが正直な所だと思っています。

自分に自信が持てない


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だから、桂馬のことを好きであることに変わらないけど、歩美と結婚する桂馬に横恋慕するのも間違っているのでそこは振られた身としてきっぱり諦めようとした気持ちがあったのかな。でも、やっぱり知りたいよね。

桂馬が抱えている全貌と言動について。ちひろに暴言吐いた時も事情があったんじゃないのか、とか、多少でも好かれていたらいいなという気持ちはある程度もってしまうんですよね。

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そこから自分に自信がもてて次の恋愛を目指せる。ただ、ちひろは不器用なのでその気持ちを隠したがる桂馬の心から引き出すのが難しそうに見えました。だからこそ、告白してしまったんでしょうね。本当の気持ちが知りたくて。その反応が今回の事情で本当の気持ちではないことはわかったわけで……自信もっていいと思うよ。

そして、歩美と同じように何かが自分の中に入れば、桂馬が歩美を助けたように助けてくれるかもしれない。まあ、ちひろは歩美が死ととなり合わせだということに気付いていないからこその発言だと思う。ここはちひろの名言だと思います。告白して攻略するよりされてみたい。それが人の心理だと思います。

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何かが自分の中に入れば、桂馬との関わりが出来る。歩美にしてみせたみたいに必死にちひろ自身のことを追いかけてくれる。その桂馬の言動が自分に向いていれば、なんて。歩美との結婚はほぼ決まりの状況でこんなことを言うのもおかしいですが、藁をも掴む感じで桂馬との絆を切りたくなかったんですよね。

それが今度は歩美との結婚で、桂馬を好きな異性がいつも桂馬のそばに入れない。かといって、歩美との結婚を取り消せというのもおかしい。何もかもおかしいからこそ、何か呟いて見るんですよね。

まさに『神』展開


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そこからの展開が神展開だった。女神を復活させてから、アクションシーンも盛り上がるシーンもほぼなかった。本当に六人目の女神を見つけ出せば桂馬の言っている通りヴィンテージから女神や攻略女子の救出が可能だった。呆気無く終わったのは好むか好まざるか大きく別れる状況だと思います。

ただ、私はこれでいいと思いました。だって、女神たちのアクションシーンを多くしたとしても、敵がどういった能力を持っていてどういう戦いをするかなんて詳細に描かれても、盛り上がることは盛り上がりますが、あくまでこれは『神のみ』なんですよね。『神のみ』らしく、人との恋愛を詳細に描き切ったという意味では最高だったと思います。

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歩美との結婚はどうなったのか、とか出てきそうですけどね。そこは女神たちがなんとかしていることでしょう。あまり気にしちゃいけない部分だと思います。

むしろ、結婚すると言ってきた歩美の方を注目して、そこは唐突すぎると言われてもおかしくはないです。栞みたいに栞の心の葛藤を描いていないから難しいんですよね。これはこれでクライマックスに向けての展開としては面白かったです。

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そこからのちひろに泣けた。もうちひろがこの『神のみ』の主役でもいいんじゃないかというぐらいの笑顔と号泣した顔にちょっと心が痛めつけられました。

もうこの二つのシーンを描きたいがために女神編をやっていたと言っても過言ではないように思えました。女神候補の中で唯一女神が入っていない。六人中五人の中で一人だけ選ばれなかった。そのことはちひろは知らない。

そこで、その一人として歩美の最後の女神が決定した瞬間に退場してもいいんですよね。エンディングではサブキャラ扱いできっと桂馬の心には引っかからない。いや、攻略対象にならない。つまりは桂馬が頑張ってエンディングまで持っていけなかった悔しさもあると思うんですよね。

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駆け魂がが抜けた後は記憶が確かなくなると思っているんですが、女神もそうだと勝手に思っているんですよね。翼があるから女神はまだ残っていると思うけど。

だとしたら、女神が抜かれた攻略女子たちは相思相愛、恋人、結婚とそれらのことを忘れられるので、どんなに愛し愛されたとしてもそれはやはりゲームにしか過ぎず、そのゲーム世界に留まるんですよね。だから、攻略女子は心を痛めないで済む。

だけど、今回は六人中の五人の女神を全て探しだす作戦をしなければいけないわけで、確実にこの人は女神じゃないと感じさせるにはそれぞれアプローチしないといけないんですよね。そうでなければ一週間で全ての女神を探すのは困難なので、桂馬は全攻略を狙った。

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その中で、一人だけハブにされたちひろがいるわけです。ちひろが最後のライブシーンで歩美たちの羽が見えた時には輝いている彼女たちがいるわけで、ちひろは桂馬がその人たちが攻略したことは知らないと思います。

だけど、視聴者は知ってる。ちひろ視点なら、あー、なんか幻想的だなー、なんて思ってもおかしくないけれど、彼女はそれを直視して目を疑わなかった。

羽が見えたのも、ハクアたちから事情をある程度教えてもらっているので、意味は少しだけわかると思う。これほどまでに生き生きとしている彼女たちには到底敵わない劣等感を抱いてしまうんですよね。

桂馬との恋愛や将来性を含めて。自分には何も宿っていない。何もない雨模様。彼女たちみたいに晴天にはならない。そこで救いをあげて欲しかったな。

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だけど、救いがなさそうに見える方がこの物語の深みが増すんですよね。これからも続く『神のみ』として、最高の桂馬とちひろの涙だったように思えます。

桂馬の方は、どうしようもなかったとはいえ、三次元女子を意識し始めているのは確実で、そこに恋愛を含めた人の感情についてかなり踏み込んでいるんですよね。

たまに土足で踏み込んで積極果敢にアプローチすることもあれば、攻略対象の方から誘ってくるように仕向けるなど、桂馬としては二次元女子よりも、三次元女子を落とす方が簡単だということで落とし神として君臨していたわけです。

それに落とした女子は二次元女子のように忘れることが出来る。二次元女子はあくまでゲーム。その攻略が終わったら次の攻略へとすぐに切り替えられる。

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その反面、三次元女子は付き合ったり別れたりするのが面倒くさい。二次元女子ならセーブして、何か間違っているなら、リロードして違う選択肢を選んで、そして、やりたいときにやればいい。気分が乗らないときはやらなくて済む。

三次元女子はデートの時間とかお金とか喧嘩とかケータイとかそういった面倒くささと感情が揺れ動くから、愚痴も聞いたり、無理に押し付けられたり、最近会話してくれないとか、離れているうちにいきなり別れ話持ちかけるとかそういった心情面での面倒くささがあるんですよね。

そのうちの前者は時間とお金がなくなってもそれは二次元女子の攻略のエロゲを買うのとそれほど変わらない。桂馬が嫌がるのは心情面のケアなんですよね。

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今回、落とし神初の失敗だと思っていいかも知れない。ちひろを落とせなかったというよりは、心情面でケア出来なかった難しさがあったんですよね。

女神の中で誰かを犠牲にしないといけなかったという意味で、唯一本音で桂馬を愛していてくれたちひろの心情を慮ったけれど、あれは仕方なかったと割り切らなかったのが桂馬の成長だと思います。

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三次元の恋愛には心情という面白さがあるわけで、そこに喜怒哀楽が加わって、哀しさだけが残ってしまって、ちひろも桂馬も涙を隠せなかったという面で、たかが恋愛、されど恋愛という感じで恋愛の奥深さを知りました。

きっと、サブタイの『初めて恋をした記憶』の初恋は桂馬とちひろのことかも知れないね。二人ともが違う側面から初恋を描いて、人と人との付き合いでこれほどまでに最高の心情描写を演出出来た、若木民喜先生とマングローブのスタッフに感謝です。本当にありがとうございました。