やっぱり美琴と布束さんの組み合わせは最高だと感じる号泣回。美琴の言葉が布束さんの心に響いているのが微かに聞こえてきそうです。
悔しながらも有冨の考え方に共感してしまったんだけど。むしろ、その能力よりも知性という論理はまさに正しいと思わざるを得ない。これは別に木原教授が夏休みの工作レベルだと言ったことに対しての反発じゃないです。
なんというか、有冨には悪役として勿体無いぐらいの考え方を持っているからここで終わってしまうのも何だか惜しい気がします。
というのも、この『超電磁砲』も本作の『禁書目録』の学園都市の世界がそうだけど、学園都市では能力最強でそこに魔術が交差する『禁書目録』がバトルし合いながらも何が正義で正しいのか上条さんや美琴視点で語っているんですよね。
『超電磁砲』は美琴が前向きにこんな学園都市で暗部がいたとしてもレベル6シフト計画を進めているそいつらをいつか、その狙いをくじこうとしたのがシスターズ編の美琴なわけですよね。
『超電磁砲』の第1期の1クール目で佐天さんが無能力者は欠陥品だという言葉が言い得て妙でこの『超電磁砲』のテーマを俯瞰的に見た発言だと思うのですよ。
それと同じように『禁書目録』では上条さんが学園都市だけでなく世界を敵に回してまでも守りたい何かがあり、アクセラレータも同様にラストオーダーを守るためなら何でもするという感じで、こっちは正義とは何か、強さとは何かを考えさせるようになっていて、上条さんを取り巻くキャラたちが面白くて見てしまうんですよね。
それほど上条さんが全て正しいわけではないから、議論の余地を残している所もまた面白いんですよね。こういうこと書くと『禁書目録』ファンから怒られそうですけどねw。
そういう意味でやっぱり人間って考えることが大事で、『超電磁砲』も『禁書目録』も考えなければ、ただキャラに萌えてバトルに燃えるだけに終わってしまうんですよね。そうなると、どちらも楽しめなくなってしまう。
その部分で『禁書目録』が好きでない人たちが言うことって大体そこなんですよね。浅はかというか、くだらないというか、そんな感じで見ている人と、それは違うと異論を唱えて叱る人とで揉めて派閥が出来るのを俯瞰していて巻き込まれた私もいるわけです。
そして、それが有冨によって証明されようとしている。だからこそ、かなり重要なキャラになりつつあるんですよね。
能力と知性の何が違うのかという部分でまた揉めそうだけど、知性は努力によって向上していくもので、能力は元から持っている才能みたいなものと勝手に定義してしまいましたが、知性も才能によって最初から頭の良い人がいたり、どんなに頑張っても知性が磨かれない人がいるわけで努力の結果として知性があるわけでもない。
そして、能力も能力計測試験があるくらいだし、レベル6シフト計画があるぐらいだから、能力も頑張れば向上できるもので、どちらも生まれ持ったものが違うという共通点があるわけで、そこの違いの明確化を有冨にして欲しかったかも知れません。
もしかしたら、美琴が最終回で答えを出してくれるかもしれないけれど、今までそれほどなかったからなぁ。最終バトルで決着という感じでなぁなぁに終わってしまうのだけは何とか避けてもらいたいものです。
かといって、この問題って『禁書目録』が始まって『超電磁砲』というスピンオフが出た時から議論されていたことなので、少しの話数でこれといった答えを提示するのは困難な気がしています。
むしろ、そこに触れてしまって曖昧なことになってしまうのは避けたいかも。『超電磁砲』の第3期があると予測してそこでまた論議して欲しいぐらいに面白いテーマなんですよね。
だから、『超電磁砲』の第1期の1クール目の佐天さんと第2期のミサカ妹の心痛が伝わってくるわけで、そこで佐天さんとミサカ妹の気持ちを考えながら、このテーマについて考える面白さが残っているんですよね。
そこから、佐天さんの無能力者欠陥品編とミサカ妹のシスターズクローン欠陥品編について思いを巡らすことによって、どうしたらいいのか熱く語りたくなるぐらいに何か無性に叫びたくなるくらいに、やきもきした気持ちで彼女たちに感情移入しながら応援したくなってしまうんです。
だから、ここで決着をつけてしまうのは勿体無い。しかも、ぽっと出の有冨に全てを語られたら何だか虚しい気分になるので、ここはフェブリちゃん萌えでフェブリちゃんを助けるためなら何でもする美琴のままシスターズ編のように深く考えさせないで終わらせた方がいいかと思ってしまいました。
でも、有冨の考え方は他のどのキャラでもいいから持っていて欲しいですね。それこそ第1期では木山せんせいが俯瞰しつつも悪役を買って出ましたが、今度は布束さんが『超電磁砲』を俯瞰して次回以降もミサカ妹とフェブリちゃんと美琴に関わった人として俯瞰キャラは必要だと思いました。
いや、有冨がそのまま引き継いでもいいんですが、どう見ても悪役っぽい考え方と言い回しと思考なので、これでは俯瞰で見れない。あくまで能力者よりも努力した秀才の方が偉大だという考えに固執してしまう気がする。
それを美琴の超電磁砲で正して、また改めて自分の半生を見つめ直して、木原教授の夏休みの工作という言葉も忘れて、この学園都市を中立に見れる人になって欲しいですね(だけど、ビジュアル的には布束さん希望w)。
だから、有冨は有冨の考え方で間違っていないとも思えるけど、テレスティーナと同じで能力者はモルモットという考え方は有冨もそれほど変わらないのですよね。
能力者であるモルモットの美琴を抑えつけることで、そのモルモットを利用している能力至上主義の研究者たちの考えを改めさせるという考え方は好きではないです。
なぜかというと、どちらも人間として見ていない点ですよね。有冨はある程度人間扱いしているけれど、あくまで美琴は「美琴」と呼ばずに「超電磁砲」と呼んで能力者としてしか見ていない。
美琴も感情を持った人間であるのだから、話し合えばわかりあえるのにそれをしない。前回は美琴の交渉術について苦言を呈しましたが、今回は有冨がそうでした。
有冨のやり方の不器用さが目についてしまうんですよね。せっかく能力者を上回るほどの技術と知恵を持っていそうなのだから、この学園都市の在り方を改めて考えさせるという意味では、美琴が研究所をぶっ壊しながらクローン計画を中止させるよりもよっぽど効果的でもある所が憎いですよね。
このケミカロイドが木原教授の思考を変えるのであれば、美琴には出来なかった木原教授に影響を及ぼす研究者になるんですよね。
木原教授の能力者至上主義がなくなることで能力者のクローンを中止せざるを得ないという意味では美琴を協力者として招き入れることと布束さんと一緒になれば、この暗部の人たちとの争いに終止符を打てそう。
それなのに、美琴の不器用さと有冨の木原への個人的恨みと利用されてばかりの布束さんの三人とも連携が取れていないのが面白くも辛い所ですよね。
あと、布束さんが色々と滅茶苦茶にしているんですよね。本人は罪と憂いているけれど、それなら無理やり研究に参加させられるぐらいなら死んでやるぐらいの罪悪感があってもおかしくないんですよね。
それこそ、美琴のDNAマップの提供と同じくらいの罪悪感は抱いていないとおかしいのに、ミサカ妹とフェブリちゃんと二回も参加してそれを止めようとしても失敗ばかり。
なんというか美琴より不器用な人がいて安心しました。もう布束さん可愛くて抱きしめてあげたい、と変態発言をしてしまいそうなほどにドジっ娘属性がつきまくりの天才にはなんとも言えない気持ちになりますね。
布束さんも単独行動はやめて美琴と一緒に動けばいいのに、研究者によいように利用されて、それを償おうとして秘密裏に動いて読まれて売られてまた犯して(こう書くとエロ同人誌みたいだw)、それの繰り返しになりそうな気がします。
これだと美琴がフェブリちゃんを救った所で、また布束さんのプログラムが利用されて強要して今度はクローンじゃない別の何かが生まれそうな気がします。
まるで美琴の倫理観ゲームみたいになってる。なので、美琴は有冨を止めるより布束さんの拘束を行ったほうがいい。黒子にかくまってもらえば安全だと思うんですけどね。
まあ、あの布束さんのことだから、自分一人で何とかするという怪しい責任感でまた研究者のもとへと向かってしまいそうです。まさに真のラスボスは布束さんなんじゃないかと思えてきたw。
そして、涙腺崩壊シーンへと。いやー、ようやく美琴が人を頼ってくれた、それだけが嬉しくて堪らないです。第1期では黒子との共闘シーンはあったけど、あくまでそれは仕方なくなんですよね。
それが今回は能動的に動いた。美琴一人の力じゃどうしようもないこともあるんだって気づけたことに感激ですよ。そりゃ、婚后さんがあれだけ友達の大切さを教えてくれればこういう展開もないこともないとわかるんですが、美琴のことだからまたきっとという気持ちが強かったんですよ。
美琴の能力なら全て一人で片付けてしまうということで、シスターズ編では見られなかった黒子たちがようやく出てきて嬉しいというか、もう早く出して欲しかった。
黒子や初春、それと佐天さんの力が見れるというのは素直に嬉しいです。待ち望んでいた『超電磁砲』らしさが出た嬉しさと共に、今度は美琴がそんな布束さんを諭すシーンがあって二重に良かった。
別に布束さんと一緒にいるという状況を美琴は想定していなかったと思う。だけど、結果的に布束さんと一緒にいる。何というか普通なら主人公が成長しますけど、『超電磁砲』だと佐天さんや木山せんせいや布束さんと脇役が成長するんですよね。
そりゃ、シスターズ編で美琴の成長が見れたのは大きかったですが、それは主人公としての成長で、あくまで美琴は格好良くないと黒子的にダメなんだと思いますw。
だから、黒子たちから離れてシスターズ編では密かに美琴が成長した。そして、その成長を布束さんに教えられるというか、伝える感じがいいですよね。
美琴は上条さんと同じで結構熱いキャラなので感情で押し切ってしまうけど、こういった感じで優しく感情移入して相手の立場になって話を出来るようになったというのが今回の一番の見せ場だったかも知れません。
何もバトルをして正しさを実証しなくていい。力で全てを抑えつけなくてもいい。バトルは黒子が無人の装置を破壊するだけなので、やり方はまだ他にあったと思うけど、黒子の能力を最大限に活かすなら、黒子の突破というのが一番手っ取り早い。救出に向かうだけですから。
そういう意味では前回の美琴の交渉について苦言を呈したことを謝らなくてはいけませんね。これは読めませんでした。逆に有冨との交渉術に負けたように見せる交渉というのに上手く騙されましたw。
ここで布束さん視点で有冨と美琴が両対照になるんですよね。いや、布束さん自身も入るから、美琴と布束さんでもいい。
何も一人で全ての罪を抱え込むことはないという助言は何という天使美琴なんでしょう、お姉さまと黒子は言いたくなってしまいますが、布束さん自身は悪い人間ではないことはわかっているし、また過ちを犯してしまったということを悔い改めてもいる。そこに救いがあるんですよね。
布束さん自身が抱え込んでしまうと、いつまでも人の命の代価は払うことが出来ないと人生を憂いてしまうことになって死を選んでもおかしくないわけです。
自分さえいなければ苦しむ人がいないという思考はどうしても人を狂わせてしまう。だからこそ、美琴の言葉でミサカ妹の代弁をしたことは良かったですね。
ここで布束さんのことを責めることも出来た。布束さんが今後どうしていけばいいのか叱咤激励のごとく言うことも出来た。だけど、布束さんは苦しんでいてどうしようもない現実に嘆いている。
それはまるでクローン計画を止められない悲しみを抱えてしまう美琴と同じで、学園都市全体を敵に回して自分がいなくなってしまってもいいと追い詰められた経験があるからこそ言える言葉なんですよね。
それが上手い具合にシスターズ編とつながっていて、布束さんを通して、美琴の倫理観と価値観と生き方を学べた気がします。やっぱりお仕着せがましくないのがいいです。
こういう考え方をする人もいるんだよ、こういうことを思ってあなたに感謝している人もいるんだよ、って言うだけでも何だか共感というか泣けてきてしまいそうです。
そして、OPにもあった最終バトルへと。婚后さんのちぎっては投げ、ちぎっては投げが見られそうで楽しみです。いや、投げてしまうとそれだけで色々と被害が出そうだけどねw。
てか、チーム分けがおかしい。婚后さんチームはわかりますよ。まあ、三人も必要かと言われると微妙な所ですが、初春と佐天さんチームはないわーw。初春の情報網でそこは掃除ロボぐらいしかいないのかもしれませんけどねw。あと、固法先輩も一人じゃ不安。何か能力合ったっけ? 透視じゃなかったかな。
個人的には初春が情報網を操り全指揮を取って、佐天さんと固法先輩は遠方で初春と各チームに戦況を確認報告。黒子と婚后さん、泡浮と湾内、美琴一人の布陣でいいんじゃないでしょうか。一つ足りないので、惜しいけど黒子と婚后さんを一人ずつで。
で、今更だけど、二つほど気になる点が。一つは二万体はいくらなんでも多すぎる。学究会にそれだけのロボが必要かどうか不明な所で何のためにそれだけの数を納入したのかお偉い人を小一時間問い詰めたいです。何に使われる予定だったのかも。
それともう一つは学究会でテロを起こす点。学究会で木原教授たちの暗部の研究者をさらって閉じ込めるならわかるけど、ここは研究発表の場なんだから、テロじゃなくて、その二万体をケミカロイドで扱って自律的に動かすロボを能力者じゃなくても出来るという発表をすればいいんじゃないですか?
もし、テロを起こして被害者が出るなら、それこそ暗部の中の暗部で、テロ組織として『STUDY』とアンチスキルにバレているので、そこから動かしている有冨たちが捕まるだけだと思うんですよね。そして、そのケミカロイドは世に広まることなく終わってしまうという計画の安易さ。
それだったら、アクセラレータは今は無理だけど、レベル5の美琴と麦野含めたアイテムとレベル4の黒子や婚后さんなどを集めて、その二万体のロボとの公式試合を設けてそこで能力者が負けるようならケミカロイドの有用性が実習されて、能力至上主義は間違っているという有冨の意見が呑める。もし、ロボが能力者にコテンパンにされるようなら、そこはもう一度改良して出直してくる。
そのための学究会に見えるのに、何だかテロ行為ということでせっかくケミカロイドという能力至上主義へのアンチテーゼとして提案する有冨のネジがこの部分だけ飛んでいるような気がします。
それとも、真っ向から勝負したら能力者に勝てる見込みが全くないのかも知れません。そうなると、黒子たちのバトルも見応えがなくなってしまうからそれはないとすると、そこだけやっぱり気になってしまうんですよね。今回の話が超絶良かっただけに……。
有冨の考え方の正しさ
なんというか、有冨には悪役として勿体無いぐらいの考え方を持っているからここで終わってしまうのも何だか惜しい気がします。
というのも、この『超電磁砲』も本作の『禁書目録』の学園都市の世界がそうだけど、学園都市では能力最強でそこに魔術が交差する『禁書目録』がバトルし合いながらも何が正義で正しいのか上条さんや美琴視点で語っているんですよね。
『超電磁砲』は美琴が前向きにこんな学園都市で暗部がいたとしてもレベル6シフト計画を進めているそいつらをいつか、その狙いをくじこうとしたのがシスターズ編の美琴なわけですよね。
『超電磁砲』の第1期の1クール目で佐天さんが無能力者は欠陥品だという言葉が言い得て妙でこの『超電磁砲』のテーマを俯瞰的に見た発言だと思うのですよ。
それと同じように『禁書目録』では上条さんが学園都市だけでなく世界を敵に回してまでも守りたい何かがあり、アクセラレータも同様にラストオーダーを守るためなら何でもするという感じで、こっちは正義とは何か、強さとは何かを考えさせるようになっていて、上条さんを取り巻くキャラたちが面白くて見てしまうんですよね。
それほど上条さんが全て正しいわけではないから、議論の余地を残している所もまた面白いんですよね。こういうこと書くと『禁書目録』ファンから怒られそうですけどねw。
そういう意味でやっぱり人間って考えることが大事で、『超電磁砲』も『禁書目録』も考えなければ、ただキャラに萌えてバトルに燃えるだけに終わってしまうんですよね。そうなると、どちらも楽しめなくなってしまう。
その部分で『禁書目録』が好きでない人たちが言うことって大体そこなんですよね。浅はかというか、くだらないというか、そんな感じで見ている人と、それは違うと異論を唱えて叱る人とで揉めて派閥が出来るのを俯瞰していて巻き込まれた私もいるわけです。
そして、それが有冨によって証明されようとしている。だからこそ、かなり重要なキャラになりつつあるんですよね。
能力と知性の何が違うのかという部分でまた揉めそうだけど、知性は努力によって向上していくもので、能力は元から持っている才能みたいなものと勝手に定義してしまいましたが、知性も才能によって最初から頭の良い人がいたり、どんなに頑張っても知性が磨かれない人がいるわけで努力の結果として知性があるわけでもない。
そして、能力も能力計測試験があるくらいだし、レベル6シフト計画があるぐらいだから、能力も頑張れば向上できるもので、どちらも生まれ持ったものが違うという共通点があるわけで、そこの違いの明確化を有冨にして欲しかったかも知れません。
もしかしたら、美琴が最終回で答えを出してくれるかもしれないけれど、今までそれほどなかったからなぁ。最終バトルで決着という感じでなぁなぁに終わってしまうのだけは何とか避けてもらいたいものです。
かといって、この問題って『禁書目録』が始まって『超電磁砲』というスピンオフが出た時から議論されていたことなので、少しの話数でこれといった答えを提示するのは困難な気がしています。
むしろ、そこに触れてしまって曖昧なことになってしまうのは避けたいかも。『超電磁砲』の第3期があると予測してそこでまた論議して欲しいぐらいに面白いテーマなんですよね。
だから、『超電磁砲』の第1期の1クール目の佐天さんと第2期のミサカ妹の心痛が伝わってくるわけで、そこで佐天さんとミサカ妹の気持ちを考えながら、このテーマについて考える面白さが残っているんですよね。
そこから、佐天さんの無能力者欠陥品編とミサカ妹のシスターズクローン欠陥品編について思いを巡らすことによって、どうしたらいいのか熱く語りたくなるぐらいに何か無性に叫びたくなるくらいに、やきもきした気持ちで彼女たちに感情移入しながら応援したくなってしまうんです。
だから、ここで決着をつけてしまうのは勿体無い。しかも、ぽっと出の有冨に全てを語られたら何だか虚しい気分になるので、ここはフェブリちゃん萌えでフェブリちゃんを助けるためなら何でもする美琴のままシスターズ編のように深く考えさせないで終わらせた方がいいかと思ってしまいました。
『超電磁砲』としての方向性が定まった瞬間
でも、有冨の考え方は他のどのキャラでもいいから持っていて欲しいですね。それこそ第1期では木山せんせいが俯瞰しつつも悪役を買って出ましたが、今度は布束さんが『超電磁砲』を俯瞰して次回以降もミサカ妹とフェブリちゃんと美琴に関わった人として俯瞰キャラは必要だと思いました。
いや、有冨がそのまま引き継いでもいいんですが、どう見ても悪役っぽい考え方と言い回しと思考なので、これでは俯瞰で見れない。あくまで能力者よりも努力した秀才の方が偉大だという考えに固執してしまう気がする。
それを美琴の超電磁砲で正して、また改めて自分の半生を見つめ直して、木原教授の夏休みの工作という言葉も忘れて、この学園都市を中立に見れる人になって欲しいですね(だけど、ビジュアル的には布束さん希望w)。
だから、有冨は有冨の考え方で間違っていないとも思えるけど、テレスティーナと同じで能力者はモルモットという考え方は有冨もそれほど変わらないのですよね。
能力者であるモルモットの美琴を抑えつけることで、そのモルモットを利用している能力至上主義の研究者たちの考えを改めさせるという考え方は好きではないです。
なぜかというと、どちらも人間として見ていない点ですよね。有冨はある程度人間扱いしているけれど、あくまで美琴は「美琴」と呼ばずに「超電磁砲」と呼んで能力者としてしか見ていない。
美琴も感情を持った人間であるのだから、話し合えばわかりあえるのにそれをしない。前回は美琴の交渉術について苦言を呈しましたが、今回は有冨がそうでした。
有冨のやり方の不器用さが目についてしまうんですよね。せっかく能力者を上回るほどの技術と知恵を持っていそうなのだから、この学園都市の在り方を改めて考えさせるという意味では、美琴が研究所をぶっ壊しながらクローン計画を中止させるよりもよっぽど効果的でもある所が憎いですよね。
このケミカロイドが木原教授の思考を変えるのであれば、美琴には出来なかった木原教授に影響を及ぼす研究者になるんですよね。
木原教授の能力者至上主義がなくなることで能力者のクローンを中止せざるを得ないという意味では美琴を協力者として招き入れることと布束さんと一緒になれば、この暗部の人たちとの争いに終止符を打てそう。
それなのに、美琴の不器用さと有冨の木原への個人的恨みと利用されてばかりの布束さんの三人とも連携が取れていないのが面白くも辛い所ですよね。
布束さんドジっ娘可愛い
あと、布束さんが色々と滅茶苦茶にしているんですよね。本人は罪と憂いているけれど、それなら無理やり研究に参加させられるぐらいなら死んでやるぐらいの罪悪感があってもおかしくないんですよね。
それこそ、美琴のDNAマップの提供と同じくらいの罪悪感は抱いていないとおかしいのに、ミサカ妹とフェブリちゃんと二回も参加してそれを止めようとしても失敗ばかり。
なんというか美琴より不器用な人がいて安心しました。もう布束さん可愛くて抱きしめてあげたい、と変態発言をしてしまいそうなほどにドジっ娘属性がつきまくりの天才にはなんとも言えない気持ちになりますね。
布束さんも単独行動はやめて美琴と一緒に動けばいいのに、研究者によいように利用されて、それを償おうとして秘密裏に動いて読まれて売られてまた犯して(こう書くとエロ同人誌みたいだw)、それの繰り返しになりそうな気がします。
これだと美琴がフェブリちゃんを救った所で、また布束さんのプログラムが利用されて強要して今度はクローンじゃない別の何かが生まれそうな気がします。
まるで美琴の倫理観ゲームみたいになってる。なので、美琴は有冨を止めるより布束さんの拘束を行ったほうがいい。黒子にかくまってもらえば安全だと思うんですけどね。
まあ、あの布束さんのことだから、自分一人で何とかするという怪しい責任感でまた研究者のもとへと向かってしまいそうです。まさに真のラスボスは布束さんなんじゃないかと思えてきたw。
美琴がようやく理想的な美琴へと……
そして、涙腺崩壊シーンへと。いやー、ようやく美琴が人を頼ってくれた、それだけが嬉しくて堪らないです。第1期では黒子との共闘シーンはあったけど、あくまでそれは仕方なくなんですよね。
それが今回は能動的に動いた。美琴一人の力じゃどうしようもないこともあるんだって気づけたことに感激ですよ。そりゃ、婚后さんがあれだけ友達の大切さを教えてくれればこういう展開もないこともないとわかるんですが、美琴のことだからまたきっとという気持ちが強かったんですよ。
美琴の能力なら全て一人で片付けてしまうということで、シスターズ編では見られなかった黒子たちがようやく出てきて嬉しいというか、もう早く出して欲しかった。
黒子や初春、それと佐天さんの力が見れるというのは素直に嬉しいです。待ち望んでいた『超電磁砲』らしさが出た嬉しさと共に、今度は美琴がそんな布束さんを諭すシーンがあって二重に良かった。
別に布束さんと一緒にいるという状況を美琴は想定していなかったと思う。だけど、結果的に布束さんと一緒にいる。何というか普通なら主人公が成長しますけど、『超電磁砲』だと佐天さんや木山せんせいや布束さんと脇役が成長するんですよね。
そりゃ、シスターズ編で美琴の成長が見れたのは大きかったですが、それは主人公としての成長で、あくまで美琴は格好良くないと黒子的にダメなんだと思いますw。
だから、黒子たちから離れてシスターズ編では密かに美琴が成長した。そして、その成長を布束さんに教えられるというか、伝える感じがいいですよね。
美琴は上条さんと同じで結構熱いキャラなので感情で押し切ってしまうけど、こういった感じで優しく感情移入して相手の立場になって話を出来るようになったというのが今回の一番の見せ場だったかも知れません。
何もバトルをして正しさを実証しなくていい。力で全てを抑えつけなくてもいい。バトルは黒子が無人の装置を破壊するだけなので、やり方はまだ他にあったと思うけど、黒子の能力を最大限に活かすなら、黒子の突破というのが一番手っ取り早い。救出に向かうだけですから。
そういう意味では前回の美琴の交渉について苦言を呈したことを謝らなくてはいけませんね。これは読めませんでした。逆に有冨との交渉術に負けたように見せる交渉というのに上手く騙されましたw。
ここで布束さん視点で有冨と美琴が両対照になるんですよね。いや、布束さん自身も入るから、美琴と布束さんでもいい。
何も一人で全ての罪を抱え込むことはないという助言は何という天使美琴なんでしょう、お姉さまと黒子は言いたくなってしまいますが、布束さん自身は悪い人間ではないことはわかっているし、また過ちを犯してしまったということを悔い改めてもいる。そこに救いがあるんですよね。
布束さん自身が抱え込んでしまうと、いつまでも人の命の代価は払うことが出来ないと人生を憂いてしまうことになって死を選んでもおかしくないわけです。
自分さえいなければ苦しむ人がいないという思考はどうしても人を狂わせてしまう。だからこそ、美琴の言葉でミサカ妹の代弁をしたことは良かったですね。
ここで布束さんのことを責めることも出来た。布束さんが今後どうしていけばいいのか叱咤激励のごとく言うことも出来た。だけど、布束さんは苦しんでいてどうしようもない現実に嘆いている。
それはまるでクローン計画を止められない悲しみを抱えてしまう美琴と同じで、学園都市全体を敵に回して自分がいなくなってしまってもいいと追い詰められた経験があるからこそ言える言葉なんですよね。
それが上手い具合にシスターズ編とつながっていて、布束さんを通して、美琴の倫理観と価値観と生き方を学べた気がします。やっぱりお仕着せがましくないのがいいです。
こういう考え方をする人もいるんだよ、こういうことを思ってあなたに感謝している人もいるんだよ、って言うだけでも何だか共感というか泣けてきてしまいそうです。
有冨の本当の狙いは違う所にあるのかな?
そして、OPにもあった最終バトルへと。婚后さんのちぎっては投げ、ちぎっては投げが見られそうで楽しみです。いや、投げてしまうとそれだけで色々と被害が出そうだけどねw。
てか、チーム分けがおかしい。婚后さんチームはわかりますよ。まあ、三人も必要かと言われると微妙な所ですが、初春と佐天さんチームはないわーw。初春の情報網でそこは掃除ロボぐらいしかいないのかもしれませんけどねw。あと、固法先輩も一人じゃ不安。何か能力合ったっけ? 透視じゃなかったかな。
個人的には初春が情報網を操り全指揮を取って、佐天さんと固法先輩は遠方で初春と各チームに戦況を確認報告。黒子と婚后さん、泡浮と湾内、美琴一人の布陣でいいんじゃないでしょうか。一つ足りないので、惜しいけど黒子と婚后さんを一人ずつで。
で、今更だけど、二つほど気になる点が。一つは二万体はいくらなんでも多すぎる。学究会にそれだけのロボが必要かどうか不明な所で何のためにそれだけの数を納入したのかお偉い人を小一時間問い詰めたいです。何に使われる予定だったのかも。
それともう一つは学究会でテロを起こす点。学究会で木原教授たちの暗部の研究者をさらって閉じ込めるならわかるけど、ここは研究発表の場なんだから、テロじゃなくて、その二万体をケミカロイドで扱って自律的に動かすロボを能力者じゃなくても出来るという発表をすればいいんじゃないですか?
もし、テロを起こして被害者が出るなら、それこそ暗部の中の暗部で、テロ組織として『STUDY』とアンチスキルにバレているので、そこから動かしている有冨たちが捕まるだけだと思うんですよね。そして、そのケミカロイドは世に広まることなく終わってしまうという計画の安易さ。
それだったら、アクセラレータは今は無理だけど、レベル5の美琴と麦野含めたアイテムとレベル4の黒子や婚后さんなどを集めて、その二万体のロボとの公式試合を設けてそこで能力者が負けるようならケミカロイドの有用性が実習されて、能力至上主義は間違っているという有冨の意見が呑める。もし、ロボが能力者にコテンパンにされるようなら、そこはもう一度改良して出直してくる。
そのための学究会に見えるのに、何だかテロ行為ということでせっかくケミカロイドという能力至上主義へのアンチテーゼとして提案する有冨のネジがこの部分だけ飛んでいるような気がします。
それとも、真っ向から勝負したら能力者に勝てる見込みが全くないのかも知れません。そうなると、黒子たちのバトルも見応えがなくなってしまうからそれはないとすると、そこだけやっぱり気になってしまうんですよね。今回の話が超絶良かっただけに……。
コメント一覧 (10)
学園都市の科学者の中では能力者は単なるモルモットで軽視されていて
能力者よりも科学技術で作られた機械の方が優れているという認識なので
認識を変えるもなにもないんですけどね
また、学園都市の暗部に関わる科学者はけっこう地位も確率されてて裁量もある。やりすぎると他の暗部に潰されるということはありえますが…
アンチスキルへの機器の大量納入業者でもある有冨達が、なんで今更能力者をことさらひがむ必要があるのか、なんで先のないテロなんか起こそうとしているのか意味不明ですね。
このアニメオリジナル部分は物語の出発点から間違ってるんですよ
なにより美琴が事態を明かし周りに助けを求めてしまった展開が意味不明。
現状の能力もメンタルもなにもかも弱体化したように見える美琴は、おそらく多くの美琴ファンが求める理想的な美琴ではないと思いますよ。
まあ、アニメ独自の友情物語と燃える展開が必要だったというのは分からないでもないですけど、もっと自然に黒子達が関わるようにもできたはずですけどね。これ3期があるとしてその繋がりとか、原作との整合性とかどうするんでしょうねえ
アニメに対しては独立した物語として本来あまり原作云々というのは言いたくはないのですが、アニメ超電磁砲は原作小説&原作漫画を含めた禁書シリーズから離れ独自の道を歩み始めてしまったみたいですね。個人的には残念です。
詳細は伏せますが、レベル5の中には、アクセラレータ以外にも幼い頃から研究所で実験動物扱いを受けてきた人物がいます。
さらに詳しくは伏せますが、禁書の原作ではレベル5の能力を利用した兵器開発が進められています。
ある暗部の人間が言うには、「能力は確かに強大な力だが、それだけでは原始人が松明を振り回してるのと同じだ。 文明人は炎で鉄を鍛えるのさ」とのこと。
美琴が仲間に相談したことに関しては難しいところです。
確かに美琴はもっと仲間に頼るべきでしたが、だからといって暗部の存在を100歩譲ってジャッジメントの黒子や初春だけならともかくレベル0で民間人の佐天さんにまで打ち明け、協力を求めたのは浅はかだ、という意見が出ても無理のない話です。
シスターズを惨殺されたことや自分がアイテムに殺されかけたことを忘れたのか、あれと同じことが友人の身に起きる可能性を考慮したのか、という批判が出ても仕方がないですね。
さらに時系列的にこの話の後になる禁書2期のレムナント事件で、美琴は単独で暗部と戦ってるんですよ。
最終的には上条や黒子も参戦しましたけどね。
そして事件終了後、黒子は自分の非力を思い知り、美琴の横で彼女と一緒に戦えるようになるにはもっと精進しなければいけないと決意するんですが、その辺との整合性が取れていないんですね。
まあ、レムナント事件は、シスターズ事件と同じく美琴の私的な問題です。
だからフェブリというみんなが心配し助けたいと思っている少女の問題とは別に考えるべきだという見方もあります。
テレスティーナさんから春上たちを助ける時も、みんなに協力を求めましたしね。
そもそも上条さんは別に正義のために戦ってるわけじゃありませんし。
むしろ誰かを犠牲にする類の正しさを全力で否定するために戦うことが多いですね。
原作で上条さんは「俺は善人とか正義の味方と思われたいから誰かに手を差し伸べてるわけじゃない!」、「確かに俺だって失敗はするさ。 これまでも何度も間違いを犯してきた。 けど、それが目の前で助けを求めてる人を見捨てる理由になるのかよ! 俺は誰かが作ったテストで百点を取りたいから戦ってきたんじゃない!」と言い放ってます。
彼にとって他人の評価などどうでもいいんですよ。 誰かの決めた正しさよりも、目の前の誰かを助ける方が大切なんですね。
第1話の食峰さんにしても、原作より早く美琴にちょっかい出して、しかもその後の出番がないし。
いくら原作での人気が高いからって、その後使う予定もないキャラを無理に登場させてる時点で、破綻の兆しは見えてたよ。
木原教授の考え方がいまいちよくわかっていないので、能力よりも機械が優れているのなら、有冨とも意思を通わせられる気がするけれど、そこら辺は有冨の錯覚なのでしょうか。黒幕としての黒幕がここまでベールに包まれると有冨が可哀想になってきますね。
能力至上主義は有冨たちが勝手に感じたものだったのですね。なんだか理解できました。そういう意味では彼は努力に努力を重ねて秀才になったはずがやっぱりネジがはずれてしまったのでそこは修正できないんでしょうね。固定観念というか自らを抑えつけているものは何か理解出来ないまま矛先を間違った方向に向けてしまったという意味では有冨はダメな研究者の一人として見られるのも何だかもったいないから、もうちょっと彼の背景は描いて欲しいというのと、原作との兼ね合いも考えてオリジナルの在り方を考えて欲しいというのは理解です。
ただ、私は今の美琴は好きですよ。私は強い美琴よりも弱い美琴が見たいんでしょうね。ドS体質なのは理解しているし、だからこそ、シスターズ編で痛めつけられた美琴の感情に泣かされました。そこで美琴が全てを片付けたわけじゃなく、シスターズの存在意義を理解してのラストとか最高でした。そういう意味ではオリジナルは仕方ないと割り切っているし、シスターズ編が良すぎただけなので、第1期と同様終わり方は力技でもいいかな、なんて。脚本が吉野さんだから仕方ないw。
そうか、時系列で考えると整合性が取れていないのですね。これは大きな問題ですね。なんというか、シスターズ編が『禁書目録』と上手い具合に美琴視点から描いていた分、そこでこのフェブリちゃんの話を入れると、今度はその先でどうするのかという部分は考えていませんでした。美琴が成長したと喜んでいたけれど、成長したらいけなかったんですね。周りの評価を見るとほとんど悪いので、絶賛している私が何だか異端ですね。あまり良く見ていないと言われてしまいそうです。
美琴が暗部のことを佐天さんに話したのは別に問題ないと思いますよ。むしろ、この4人でいつもいて、1人だけ無能力者だからとハブにしてしまうのも信頼関係が崩れる原因にもなってしまいかねません。だから、初春は頭脳と知恵を使って、佐天さんは佐天さんにしか出来ないことを考えてあげるべきだったんだと思いますよ。なんで実戦に出ているの?って本気で思いましたもん。これが本気のテロで死傷者が出るほどの計画であるならば、初春も佐天さんも安全な場所に避難して、もっと良い策を練って視聴者を驚かせることが出来ればよかったんですが難しかったんでしょうね。佐天さんは笑いを取っているようにしか思えない。そのせいで緊張感が一気に崩れ去って、展開がわかりやすくなってしまったのは本気で勿体無いですね。
わかりやすい説明ありがとうございます。『禁書目録』第2期の頃から正義について疑問をもってようやくわかったのですが、忘れていました。正義とは何かについて論議するよりも上条さんの我儘、いや、助けたい人間がいるなら助けてやるのが普通だろうが的な熱い感じでしたね。そういう意味ではそのセリフで我に帰ることが出来ました。ありがとうございます。
そう、食峰さん結局何だったの?って感じでずっと名前と能力を覚えていたのに使われないとか無駄キャラもいいところだと。いや、もしかしたら、最後の最後で食峰さんが切り札となって…いや、それはないですよね。初回のキャラで覚えている人がいるかどうかという所で大事な最終回に持ってくるというのも考えにくいという意味では最初からおかしかったんでしょうね。でも、第3期への期待というか、第3期をやらないといけないためのキャラとしての顔見世なら仕方ないと思うけど、これで最終回で第2期で終わってしまったら本当破綻ですね。