ウチの彼女が中二で困ってます。1 (富士見ファンタジア文庫)
日の原 裕光
富士見書房 (2013-03-19)
売り上げランキング: 89,006

世界観

[日常][恋愛][能力バトル][学園][コメディ]

あらすじ

中枢神経第二覚醒症候群―通称“中二病”。この俺・不知火慧が転校してきた昇竜門学園は、特殊能力を発現させたその“中二病”学生だけを集めた特殊な学園だ。今度こそクールでモテモテのキャラになるという、野望を達成するはずだったのだが…。「私は中二病患者全員に中二病を楽しんでもらいたいのよ!」俺の計画は今、夜会陽成美の出現によって、脆くも崩れようとしていた。生徒から「ヤッカイさん」と呼ばれ恐れられる美少女に目を付けられた、俺のモテモテ学生ライフ(予定)はどこだっ!?―。

短文感想(ネタバレなし)


はい、騙されました。『中二病でも恋がしたい!』や『AURA』に続く中二病小説として期待していたのですが、ただの学園能力ハーレムものといった感じで予想とは悪い意味で裏切られました。良い意味で裏切ってくれれば良かったんですが、ただタイトルに釣られたクマーって感じでもっとストーリー面での楽しさを提供出来たのではないかと思っています。

むしろ、この新人賞作家の第一作目としてあらが多いのが気になりました。地の文でも文章の間違いがあったり、設定に矛盾が出たり、展開も大雑把な作りで最後のオチまで最初の50Pぐらいで予想出来そうなくらいに稚拙な作りとなっていました。せめて、読者の予想外のストーリーが用意されていれば引きこまれたんでしょうけど、全くそれがないものだから読んでいて苦痛以外のなにものでもありませんでした。

まずは、一番気になったのが文章力。あまり文章力に対してはこだわりはないのですが、二点ほど言わせて下さい。

一つは「クール」という単語にこだわりすぎて、この筆者の感情を表す語彙はクールしかないのか?と思わせるぐらいに頻出してきます。むしろ、1Pに1つはあるぐらいにしつこい。「クールな俺としては」「ここは男らしくクールに」「やっぱりクールにいきたいものな」とクールの意味がわからないのかと言いたいぐらいに必要ない。それがこのキャラ性というものと筆者は考えているのなら、今のうちに直さないとすぐに干されます。

もう一つはおっぱいに対してです。ハーレムコメディものだから、エロ要素がそれなりに求められますがそれなりでもいいんです。別にそれほど期待していないし。それが過剰に描写されていて狙っているのがわかりやすく、この場面になったら、おっぱいの感触について主人公が話すんだろうな、という程にそのシチュが多い上に、この筆者の文章力の低さのせいで、どのシーンもおっぱいが当たって嬉しいとか、感触はふわふわしているとか、ピンクの突起とか、ましまろみたいだとか、わかりきっている程のことをそのまま書いてしまっているんですよね。もう少し、そういった部分を削るか、場面によって描写を考えるかなどして読者を飽きさせないようにすべきだと思います。といいつつも、これを省いたらこの作品の面白さが消えてなくなりそうだから悲しいですよね。

あとは、なぜこれが受賞したし?と思わせるほどの可も無く不可も無く、ただ惰性で読ませるだけでメリハリのないストーリーと最後までのオチを含めて全体的に弱すぎる気がします。まずは設定の背景とか心情とか強化しないといけない所が多く、これは直すのに相当苦労しそうです。能力だってもっと使い方や有用性など含めて魅せるべき所は魅せる文章を書かないといけないのに軽く描いている。

この筆者が間違っているのは軽いノリと軽いコメディを勘違いしているんですよね。軽くコメディ要素としてパンチを聞かせつつドタバタラブコメとして提供する。そこは軽くていいんです。けれど、終盤にきてその軽いコメディは上手く機能しているようにみえるのですが、軽いノリが続いているため、全くと言っていいほど緊張感がない。自らの手で自らの首を絞めている印象でした。それにコメディも全くといっていいほど面白くなく使い古されているものという点も残念でした。そう考えると、この筆者の作品はもう読みたくないかも。