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見どころは葵の落ち込みかなぁ。ここだけは昴の力でもサポートできないほどの葵の孤独との戦いを感じました。


うーん、試合になると戦術面での粗が目立つなぁ。昴はもっと出来る子だと思ったんだけど、第2期に入ってからの作戦でこれはすごいといった驚きはないんですよね。ほぼ読み通りの展開になってしまっているので、バスケの試合の駆け引きがあまり面白みがない。

作戦? 戦略?


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それに加えて、作画が大変だからどうしても使い回しと静止画動画に近い形になるので、躍動感がないからバスケというスポーツでも魅せることが難しい。本当、手詰まり状態なんですよね。そういう意味で考えるとロリ要素の強いバスケなし回の方が魅せられるというのも何だか悔しい気がします。頑張れスバルン。

昴の分析は結構軽いんですよね。それに加えて指示も軽い。まあ、小学生に難しいことを教えるのは大変だと思うけれど、それだと戦術・作戦面での駆け引きが単純なものになってしまう懸念があります。

簡単に言えば、藤井雅美のロングシュートを抑えるためには出来るだけ遠くにするディフェンスをするというのはごく当たり前で、紗季は既に身につけていた能力だと思いました。

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普通に考えて、紗季と真帆は斜め45度の場所指定ならシュートが入りやすいということは既に知っているはずなんですよね。

得意コースというか、シュートを打たれてはいけないゾーンがあるというのは自らの攻撃の逆を読めば守備にも適用出来るので、雅美が入りやすいロングシュートの位置があれば、そこから遠ざけるようにディフェンスするのは当たり前で、そこから先が難しいんですよね。

それこそ、雅美はその得意ゾーンで打つために味方との連携を含めて、中に入ってパスをもらうと見せかけて紗季を動かしてから引いた位置でパスをもらって得意ゾーンからのシュートをする。

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これぐらいは実戦をしているなら駆け引きではなく、オフェンス・ディフェンスの基礎とちょっとした応用なんですよね。それがどちらにも出来ていないのは小学生だから仕方ないというのはあるけれど、せっかくのバスケの試合なんだから、そこでの葛藤劇を見たかったです。

それに愛莉をディフェンスに専念させるのであれば、リバウンド勝負になった時にかげつが身長で勝てるために、どうしても正確なシュートを狙わないといけない。

そうなると、攻撃が智花と真帆とひなたの3人でマークがついている状態で外さないように打たなければいけない緊張感が勝るためにどうしても、この作戦には綻びが出てしまう。

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速さで勝負したとしても、その速さはやっぱり今までの六年生組のリズムがあるためにそれを無理して崩すと今度は自滅ルートを辿っていく気がします。

それこそ、葵の術中にハマるというか、速さを売りにした五年生組の作戦を貫き通せばもっと差が広がる気がするけれど、結果が伴わないのはよくあること。こういった六年生組の付け焼き刃な作戦でも、相手が動いてきたから、五年生組の自分はどう対応すればいいのかという部分で選手が悩む可能性があるわけです。

ミミ以外の選手はあまり実戦を積んでいない分、相手が動いてきた時に自分はどう動けばいいのかわからなくなって、パニックでリズムが崩れてしまうというのはあり得るので、こちらの方を重点的に話して欲しかったかな。

バスケはチームワーク!……じゃなかったのか!


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それと雅美の判断が気になるんですよね。チームとして、フリーのかげつを信頼するのではなく、強引に打っていく。

雅美の性格的に紗季に負けられないという部分が強いとは思いますが、別に1 on 1じゃないんだから、フリーのかげつに渡して、自らは動きまわり紗季を動揺させてから、もう一度フリーになった時にかげつからパスを貰ってからのシュートの方が面白みがあった。

雅美の全体的な精神的弱さとロングシュートだけの身体的強さという部分でプライドとの戦いになっているという意味では良かったかもしれません。ただ、ロングシュートにこだわる必要はないんですよね。

この大会ルール的にロングシュートも2点しか入らないんだから、どんなに素晴らしいシュートであっても、ひなたの軽い感じのシュートでも同じ得点なんですよね。

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ひなたのシュート精度は第2期に入ってからあり得ないほどに成長しているので、この精度の低いロングシュートにこだわるよりも、そのシュートが決められてからのもっかんやひなたの速攻でその点を取り返せる。

そういう意味ではこちらは選手として自滅しているので、そこは葵が指示するべきなんですよね。そんなプライドよりもチームとしての勝ちにこだわる姿勢を見せる場面だということを言わなければいけないんですが、ここはコーチとして昴より劣る葵らしさが出ている気がします。

あれだけチームワークの大切さを熱弁していた葵の未熟さを感じます。今は勝っているからノリでいっている分、指示出しが下手というのは痛かった。

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それに第4クォーターの最後になると、秒単位の争いになるので、点数を意識しながらマークの受け渡しやパスの連携含めてオフェンスとディフェンスのバランスを考えて、一人ひとりに指示を出してきっちりと勝つための戦いをやる場面なのに、二人のコーチともエースの対決の時間というのはちょっとなー、って思いました。

第2期のミミとの勝負でもっかんが一人で戦っているんじゃない、チームで戦っていると教えている分、そこで、どれほどのチームワークがこの疲労がピークを迎える時間にディフェンスを戸惑わせるほどの六年生の連携を見せて欲しかったですね。

もう、最後のスクープショットまでの流れは読めちゃいましたよ。その間、他の選手はどこにいてどう攻めてどう守っていたのかがわからないので、まさに1 on 1で終わってしまったのはなんだか悔いが残る戦いでしたね。

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これだと五年生組は何が悪いのかわからないままで反省点からの強化がしにくい。経験値はつくだろうけど、ただがむしゃらに速さだけの勝負でエースが負けて葵の作戦も失敗して、色々と問題点が残ってしまうだろうから、この試合から学んだものってあまりないんですよね。

むしろ、かげつとのリバウンド勝負になると思っていただけにそのシーンがなかったのが残念でした。いくらみんなシュート精度がいいといっても外す場面は何度もあるだろうから、個人的にはそのゴール下での争いが一番の注目点だっただけに、外れてもいいからボードに当たって、そのリバウンドをとってそのままシュートというシーンが一番燃えるんですよね。

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それこそ、戦略としては、雅美のロングシュートがあるから、つばひーが動きまわってディフェンスを乱しながら、ミミが囮になったりシュートしながら、雅美が打てる位置を確保し、出来るだけボードに当てるシュートを何本か打ち、愛莉とかげつの争いで、かげつがボールを奪ったら、つばひーかミミにボールを渡して再度シュート。

それも外れればまたリバウンドという攻撃が理想だったんです。これが出来れば五年生組の圧勝で、その魅力を最大限に活かすには葵じゃ無理だったというのがかなり残念でした。

それを教えてこそのコーチだろ、とつばひーが文句を言い出しそうな負け方で、選手よりもコーチに非があるのもせっかくの五年生組と六年生組の試合の見どころを一つ失ってしまったのが勿体ないんですよね。素材はいいのにその活かし方が昴にも葵にもなかったのが悲しい面です。

葵の未熟さに共感して泣けた……


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だからこそ、葵の独白には泣けてくるんですよね。本当に未熟でどうしたらいいのかわかっていない上にコーチぶって偉そうに命令して、とつばひーが文句を言いそうなくらいに練習も作戦も軽い。

作戦次第ではどうしようもないわけじゃなくて勝てそうな試合だったから選手よりもコーチの責任だというのがわかりやすいくらいな負け方なので、そこから葵がどうしていきたいかわからない部分が涙を誘うんですよね。

正しいと思っていたことは実は正しくなかった。勝つか負けるかというよりも、選手から見放されたコーチという立場が一番屈辱的で、良い勝負が出来たと笑い合えるくらいには葵は成長しきれていない所に魅力が隠れていると思うんです。

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きっと、葵の中ではもっと出来ることはたくさんあったけど、それを教える術がないのと実力がそれほどあるわけじゃないのが相まって、選手としてもコーチとしてもバスケが嫌いになってもおかしくないくらいに嫌な試合だったんですよね。

コーチとしてあの場面でこういう指示を出せばいいとわかっているとは口では言っていても、きっとそれが合っている指示かもわからない。その指示すらも出せないまま、五年生組が葵のもとを離れてしまいそうな感じが辛くてここの部分は本気で泣きそうになりました。

きっと、指示を出して合っていて勝てれば最高だけど、合っていても合っていなくてもその指示を出しても勝てなかった。なら、次はもっと作戦を練ってこういう指示を出せば良いのかもしれないと考えを巡らす事ができるんですよね。

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今の葵には、この試合で指示を出せなかったから葵にとっての成長につながらない上に一人だけ不完全燃焼で終わってしまうんですよね。ここから先、どうしたらいいのかわからない状況まで追い詰められている葵のこの負けは、昴がケアしてあげるべき部分だと思う。

同じコーチとして、こういう辛さはあるというのを見ていながら、葵に対して優しい言葉をかけられない昴はもう諦めて違う男に乗り換えた方がいいかと思う。まあ、昴は決勝が待っているから次の試合に向けての作戦の時間で忙しいにしても、一言だけ。

試合が全部終わったら一緒に今回の試合のことについて話しあう約束ぐらいは出来ると思う。それなのに、それすらしてくれない葵の孤独を紛らわすまなか先輩が唯一の砦でした。

まなか先輩がいなかったら、葵は確実にバスケから離れていたと思う。そういう意味では精神的なダメージを葵にも視聴者にも与えたという意味で、この試合の思わぬ見せ場がありました。

決勝ダイジェストと親バカがひどいw


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それと、決勝のダイジェストがひどいw。五年生組との戦いで疲労してかなり困憊な状況でも、それすら見せない決勝の盛り上がりのなさがなんとも言えない。これだったら、決勝を五年生組と戦った方が良かった。

もっかんのスクープショットで終わって数秒と技術の差がわけての優勝という感じの方が良かったと思う。観客はロリコンの方しかいないだろうから、そこは気にしないだろうけど。

むしろ、こんな特別ルールでの小学生の戦いを見ている観客ってどんな層だよって感じですよ。娘をポスターにして大会告知として出して、娘のチームが優勝する。なんとも言えない気分になりますね。

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なんというか、親バカっぷりをアピちゃっているような真帆の父親主催の戦いでした。第4クォーターまである試合で交代なしとか本当娘のチームのためのルールだよね。

交代なしなら技術よりもスタミナ勝負の大会基準に見えてしまうから、そこも大会要旨としての作戦を見せない所がなんとも言えないもどかしさを感じる所でありました。

そして、懇親会。優勝したとはいえ、公式ユニフォーム贈呈にビールかけとかどれだけ親バカなんだか。ビールのラップも真帆だしw。これ途中で負けても、優勝チームとは関係なく、どっちもやっていたような気がする。

なんでこっちの方に尺を割いちゃうのかなー、なんて思わせる大会で内輪な感じが今までの緊張感を全てなくしてしまうような感じでした。バスケよりもメインはこっちと言わんばかりw。

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あとは、年齢不詳すぎるコーチっぽい人に期待したい。あと一回くらい五年生組と六年生組の対決が見れるよね? でも、最後に五年生組が勝って最終回を迎えるのも悲しいので、六年生組がまた僅差での勝利という感じで五年生組の噛ませ犬っぷりがすごいことになりそうw。

むしろ、このコーチっぽいのが昴コーチを愕然とさせる差をつけての勝利で、第3期含めて五年生組メインのお話になっていくなら大歓迎です。いや、無理だろうな。でも、バスケの戦略面で期待できるキャラが出てきたのはいいことですね。