推定少女 (ファミ通文庫)
桜庭 一樹
エンターブレイン
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世界観

[日常][謎][冒険][青春][シリアス]

あらすじ

「あんまりがんばらずに、生きていきたいなぁ」巣篭カナは、そんな言葉を呟いてしまう15歳の少女。ある夜、家族とのトラブルから家出し、町のダストシュートで、とんでもないものを発見する。―それは、銃を握ったまま眠る全裸の少女だった! UFO出現と銃撃事件で大騒ぎの町を、眠りから覚めた少女“白雪”とカナは逃亡する。東京へ着いたふたりは火器戦士の千晴に出会い行動を共にするが、そこへ黒い謎の影が―!? 新世代青春エンタテイメント登場。

短文感想(ネタバレなし)


これは読む年代によって評価がものすごくわかれる作品になっている気がします。大人になった私がこれを読んだ時には何が言いたいのかさっぱりだったんですよね。これで終わり?って感じるくらいに呆気無く終わってしまう虚無感を味わうことになります。

ただ、いくらかのセリフには引っかかるものがあってもう一度読みなおした時にようやく理解出来ました。これは「子供」のセカイで子供にしかわからないように描いているんだと。逆に言えば子供の頃になくしてしまった純情や夢や憧れを含めて色々子供にはわからないセカイが広がっている。

そのセカイをどのように見るかによってセカイというのは大きく変わるのだと感じました。子供による子供のための子供のセカイ。だからこそ、セリフの一端から色々な懐かしさと忘れてしまった将来へのワクワク感がこの中に詰まっていて、それを読者がどのように捉えるかを試すような冒険作だと感じました。

幾歳が過ぎたあとに読むと、また違った味が出ていて何度読んでも楽しめる作品ですが、面白いかどうかというエンターテイメント性ではやっぱり薄く感じてしまうんですよね。読者に子供が描いたセカイを見てもらいたいがためにRPGのセカイで子供には普通のことが大人には普通に見えないという意味では面白い。

ですが、それだけなんですよね。それ以上の何かをもっと楽しく読めるようにして欲しかったという面もあるので、絶賛は出来ないですが大人の気分が嫌になった時に読むにはちょうどいい作品となっています。