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第1次実験が切なすぎてマジで泣けてきた。アクセラレータにとっても、ミサカ妹にとっても辛いシーンの連続で心を痛めてしまったこの感情はどう「処理」すればいいのかミサカは悲痛な面持ちで言葉を文に綴ってみます。


ついにシスターズ編も佳境に入りましたね。って、どこまでがシスターズ編でどこからが禁書目録編なのかわからない、この微妙に『禁書目録』と『超電磁砲』が交錯する塩梅が絶妙なバランスを保っています。

アクセラレータの悲痛


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個人的には『超電磁砲』なのだから上条さんから見たミサカ妹よりも、美琴から見たミサカ妹が見たいですね。それに大好きな布束さんもいないし、蜂さんもアイテムも出てこないし、そこら辺は『禁書目録』部分は並行して楽しみつつも『超電磁砲』のキャラの魅力を最大限に発揮して欲しいと思います。(佐天さんの活躍はまだー?

だけど、アクセラレータとミサカ妹から見たセカイというのも何だか激しくデジャヴなんだけど、こうやって視点が違う死闘を見せつけられると改めて『禁書目録』第1期のミサカ妹編の広がりは無限にあるんじゃないかと感じてしまいます。グロいことはもうやめて欲しいと切に願ってしまう。

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アクセラレータからすると実験動物としてのミサカ妹という認識だと思う。だけど、痛みのない殺し方というのはないんでしょうか。甚振って苦しんでいる姿や嘲笑している姿を見ていると、先が見えているアクセラレータの改心や第1次実験の背景があるとはいえ、そこには猟奇殺人者の姿にしか見えない狂気があるんですよね。

それこそ、1万人以上殺してきたアクセラレータだからこそ、その実験の退屈さはわかっています。今までこれだけ見ていても、ただのベクトル変換の応用で、それ以上の発展性を持たせて最強で隙のない完璧なまでの強さはまだ発揮出来ていない。

というのも、実験動物としてのミサカ妹の攻撃のパターンに対しての対抗策がアクセラレータにとっては半自動的に出来るわけで、それほど頭を使っての実験にはならないんですよね。

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そこがアクセラレータにとって頭の痛いところで、それなりに楽しませて欲しいという感覚もわからないでもない、わけでもない。気になるのはアクセラレータとの交友関係なんですよね。

この後にラストオーダーがいるからこそ、アクセラレータは楽しい日常の生き方を学ぶわけで、アクセラレータの周りにはその力を利用するか、その力に対抗できるかという人物しか集まらない。

それに加え、似たような思考のイカれた研究者がいて、この実験もそうだけど、この時のアクセラレータの日常ってよくよく考えるとつまらないんですよね。

夢を掴むまでの過程と考えるならいいけれど、1万人殺してもまだ夢には遠いという意味では惰性で生きて、人を殺して、なんだか生きている心地がしないと思ったりします。

人は皆、力を欲するか奪うか利用するかのどれかでそれ以外の理由でアクセラレータのそばに居たいと思える誰かが現れていないことが不幸の始まりでもあり、力は最強で、心は最弱な印象を受けました。

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それとミサカ妹の攻撃に対する自動反射という面で防御は完璧だし、攻撃はあらゆるものを使って攻めることが出来る。

それこそどんな敵であれどんな策略であれ、敵うものはいないという自尊心と欲求を満たしてくれることが今のアクセラレータにとって最低限生きているという実感でもあり、ミサカ妹には死んでもらっていいという認識だからこそ、こんな馬鹿げた計画が実行出来るわけなんですよね。

監視カメラを含めた隠蔽操作


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そのアクセラレータの認識を無理矢理美琴に対しても植えつけるように監視カメラに映る真っ赤なスクリーンが印象的でした。美琴は見たくない。見たくないけれど、現状認識として見なくてはいけない。それこそ、打つ手がなくなった彼女を責めるようにして、精神的に追い込んでそれでもまだ立ち上がってこの計画を潰すために全力を尽くそうと思える彼女はやっぱり強いと思いました。

そして、監視カメラの映像を見て思ったことは、序盤にあった布束さんの「MONEY CARD」は無謀というか意味がなかったというのがわかってより悲痛な気持ちになりました。実験が路地裏で秘密裏に行われていることを監視カメラの目に映るようにすることでその映像から誰かがこの実験の虚しさや罪悪感を抱いて、計画に反対するかもしれないという淡い期待。

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それが研究施設のスクリーンに映ったということは研究者たちの目にしか見えないんですよね。もちろん、研究者たちは実験ことについてある程度は把握しているわけで上からの圧力で何も言えない立場だからこそ、その実験に対して不快な思いを誰か多くの人が抱いたとしても実験中止にならない事実がより切なさを増していきます。

無力であれど何とかしようとした布束さんでも無理、能力と悔しさと憐憫と諸々の感情を抱いて体も心もボロボロにしている美琴でも無理、という環境があるからこそ、上条さんという救いは大きかったのだと思って、この背景で上条さんがいるという心強さは感じました。美琴が惚れるのも無理はない。

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で、アクセラレータにとって力がフルに発揮してレベル6までの高みに達するまでのダルい毎日への清涼感というべき上条さんが出てきて、ようやくアクセラレータが力というものに対しての正しい認識が出来たのだと感じています。

力があれば自分も含めて何もかもが良い方向に向かうわけではないということを、力のない上条さんから教え込まれるという部分で皮肉だし、『禁書目録』第1期の熱く昂った感情が蘇ってきた気がします。

「処理」するまでが実験だよ


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そして、今回の見どころというか辛いところというか、何とも言えない気持ちにさせたのが第1次実験の時の光景ですよね。

こうミサカ妹が攻撃不能や戦闘不能になればいいというわけではなく、殺すまでが実験、研究者からしてみれば「処理」して一つの実験が終わり、次のフェーズへと移る。そういう意味では、今まで力に恋焦がれるだけだった少年の心はここで「処理」という殺人によって崩されたのだと、ようやくわかった気がします。

それに最初の殺人は正当防衛というところもアクセラレータにとってはまだごまかしが効いていたかと思います。この第1次実験によって人が一人クローンといえども亡くなってしまった。いや、処理してしまった。

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それはインプットされたアクセラレータを攻撃するプログラムによって最初のミサカ妹は銃を撃ち、アクセラレータの反射で殺してしまった。何もしていないのだから事故だとも言い切れる。まだ引き返せる。

引き返せるのだけど、彼は選んでしまったというのが細分化された断片モノローグを提示することで彼の背景、彼女と彼女たちの背景が全て見えてきてから判断しなければいけないような気がしてきました。

その研究者が言う「処理」と本当にリンクしているのかという部分ではまだわからないしね。いや、『禁書目録』見ているからわかるんだけどさ。それ以上のことがもっとわかりそうな気がして不安と期待が入り混じった2クール目となりました。