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新の過去と新の今。そして、A級決勝の結果……。


やっぱり詩暢の苦悩っていいなぁ。須藤並のドSじゃないけれど、余裕の詩暢よりも苦しんでいる詩暢の方が輝いて見える。微笑、苦笑、嘲笑、色々な微笑みを浮かべる詩暢だけど、それらに意味があって、背景もあって、経験もある。

独りの強さ


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そこに強さの秘訣があるのだろうし、笑っていることでクイーンとしての誇り高き精神を保っているのかもしれない。独りになってしまったからこそ強くなれるわけで、独りを脱出したらはたしてそれは強さを惰性で保ってくれるのだろうか?という裏で努力し続ける詩暢なりの結果がついてくるわけで、そこに同じような境遇の新がいるわけです。

しかも、この決勝より前に千早は詩暢に独りじゃない、と言ったわけでクイーン戦でまた本気で対戦して一緒に楽しもうとする所に綻びを見せ始めた詩暢がいたのかもしれません。一瞬の気の緩みというか、感情を押し殺してきた分、そこには喜びという感情が余裕を崩し始めます。

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同じように中学生時代を独りで過ごした千早もいて、独り”ぼっち”最強説が浮かびますが、それはかるたを見てかるたと付き合って知ることを知れるだけ知って見られる世界なんだと思います。だからこそ、太一は少し出遅れてしまったのかも。

新は千早がいつもついていたから、独りではないはずだけど、福井と東京は遠い。その遠距離で感じられる気持ちというのはやっぱり辛いわけで、千早と同じ東京にいたいと両親に願い出た独りの新はやっぱり強いわけです。

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詩暢は札を分けてしまったのが勝負の分かれ目だと実感しましたが、それは新のじいちゃんが言っていた、「人が崩れるのは長所から」という部分。きっと捨てる札と取る札を分けるという意味では勝負に出た詩暢は正しかったように思います。

かるたを擬人化してみる詩暢がいつまでも孤独なんだと実感して、かるたは100人の友達という千早のかるた会での千早を思い出します。それほどまでにかるたを愛しているという詩暢は絶対的な早さよりも精神的な強さをもっているのだと感じたり。

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その分けることの意義は大事だと思っていて、捨てる札が読まれたのは運が悪いと割り切っていいんですよね。それこそ流れが詩暢の側にくればまだ取れる札は場に多く存在するわけですから。

その思考に辿り着かないように長所を崩す札取りをしている新に絶対的な力を感じました。この言葉だけで詩暢にほぼ勝っているようなものですから。

だから、その後に詩暢が思考切り替え出来たのは大きかったですね。千早が感じた新の水中演出はきっとこの効果なんだと思います。思考を整え、新たに勝つために必要なことを思い出す。水中に飲み込まれて息が出来なくなってしまう前に水中から飛び出す。それが今回の詩暢が出来たことで接戦になったんだと。

新の水中に飲まれないように……


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そして、新のじいちゃんの過去エピソードは貴重ですね。まだ新にはじいちゃんが背中を押してくれていたんですね。新のじいちゃんへの思いというのは第1期の最初は突発的だったためにどこまで大切か理解出来なかった部分が強いので、こうやって少しずつじいちゃんが出てくることで新の人生にとってのじいちゃんの役割や意義や夢や家族愛が全て混じっているのだと考えると、じいちゃんが出てくる度に涙が出てきそうになります。

でも、じいちゃんの言っていることは技術ではないんですよね。人の心に対しての助言が多く、技術は努力でなんとかなるけれど、精神的な強さはどうにもならん。経験を積み重ねて自信にしていくか、その経験がある人に助言をもらうかのどちらか。

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そして、そこから新の顔のことについて触れていたじいちゃんの優しさがやっぱりいい。ただ負けたことを責めるのではなく、それよりもかるたを楽しむために努力して、かるたを見る目つきや表情を気にしていた。固くなればなるほど、緊張感のある場面に出ればより固くなっていく。心も体も。

だから、じいちゃんの前でも険しい表情をしていた新を優しくたしなめた。余裕を持てとまでは言わないまでも、かるたの前ではリラックスしていつでも体の軸となる芯はぶれることなく、表情と気持ちと努力で鍛え上げた筋力と身体の柔らかさで札を取りに行く。これを小学生の頃に気づくことが出来た新はやっぱり優位で強い名人になれるかるたの神さまに愛された人なんだと。

最後の最後は……


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そこから詩暢のターンに。新の全てを払う取りに、一点集中でその中の一枚を抜く。このシーンは最高だった。新の取り方は間違っていないし、その早さに観衆は驚くほどで、それよりも早く、その一枚を見極められる集中が詩暢にあるという意味では高レベルな戦いでないと見れない。そういう意味ではA級決勝に相応しい。

そして、最後の札取りで詩暢が諦めたシーンにつながる。せっかくあと少しで追いついて追い抜けたのにという暇さえも与えない怒涛の展開。それに毎回勝ち切った後に涙が出てしまうんですよね。そこにはやっぱり相手への敬意と優しさ、勝ち切った自らの誇りがあるのが好きなんですよね。

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詩暢が熱を出していたという事実を新が告げた時は感動モノでした。千早も理音戦で言っていた通り、怪我させたりそこに引け目や憐憫を感じるようでは勝負の世界で負けてしまう。

そこには詩暢が千早に本気で向かったように詩暢の熱など頭に入れず、このかるたの勝負を楽しんだ。そして、最後まで頑張りきった相手に賛辞を送るその姿勢が良かったですよね。

千早のいる前だったけど、新の中では今映っているのは詩暢とかるただけで、優勝までその二人だけの空間でいたかったという個人戦の醍醐味を味わうことが出来ました。

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あの鳥人間コンテストの雨が伏線だっていうのがね。ずるいよ。絶対気付かないよ。気付いてあげられるのは新ぐらいだよ。クイーンが汗をかくぐらいに必死になっている新の強さを感じるのではなく、新は熱を出しているからこそ汗が出てしまうというのをわかっていた。

でも、そこは勝負が終わるまで気にしなかったというのは一見残酷に見えますが、詩暢だって千早と同じで手を抜いて優勝なんてしたくないというのがわかっていたわけで、この二人とも千早の思いが言わずに伝わっている所が良かった。本当に良かった。