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ちょっと千穂の熱弁に泣きそうになった。いや、泣いてしまった。それに鈴乃のことが一番気になるし彼女の心境を考えると辛すぎて嫌になる。


教会と連合騎士団、ようやく鈴乃の背景が見えて来ました。謎は謎のままで終わっても不完全燃焼するわけじゃないから、まおうたちの平和な日常を映すだけでも視聴者は満足しそうです。

神を信じるか、自分を信じるか?


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けど、物語として素性のわからない鈴乃を出して、センタッキーの店長の不吉な狙いを匂わせているので、ここでそのネタばらしという感じで現実世界の軽い感じにエンテ・イスラの思い雰囲気を出す。この塩梅が上手いですよね。前回なんかは水着回として徹底していたのに対し、今回はシリアスに攻めてきている。バランス的に視聴意欲を削がない作りが好きです。

教会という神を信じる牧師がいて神こそがこの世界を救うために力添えをしてくれると信じているだけのごくごく一般的な教会です。対する連合騎士団は武力の力をもって、神に抗い自らの力で魔王討伐が出来、地位と名誉を高めようとする人たち。神頼みか自分頼みか。それだけの違いで魔王を倒すことには変わりないわけです。

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だけど、それは連合騎士団が魔王討伐に成功したとしても教会側としては神のご加護があったからだとのたまい、教会で勇者を育て魔王討伐したとするなら、連合騎士団は人の力によって魔王を倒すことが出来たという結果論でいえば、悪をなくすのに神の力か人の力かそれだけのことなんですよね。

ただ、連合騎士団は自らが先陣を切って命をかけ討伐するのに対し、教会側は上層部が下の者(遊佐など)に神の保護があるからと命令して動かすので、いつでも教会側は神のおかげとしながらもその名誉は教会の上層部に向かうわけです。

祭司としてただ言葉を交わすだけで人が死んでもそれほど気にせず、戦略知略を使って悪を滅したと神の力を信じているとしながらも人々の平和を願うのではなく、いつでも自分たちの立場だけを気にしているように歴史が物語っています。

信じた先にあるもの……


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そういう意味では連合騎士団の策略の背景を考えると教会は憎き敵であると考えるのも当然だし、悪を滅ぼすのにいつの間にか自分たちの正義を振りかざして正義同士で戦うのも不思議なものです。で、異端者という教会にとっての邪魔者を始末する役目の鈴乃。この視点は新しいです。

なんせ魔王を倒すために動いている人たちを殺していく役割を背負っているのですから。それこそ、遊佐やまおうとは違う人々と自分の幸せを探し求める一人として、その二人の行く末を見守りながら、鈴乃なりの正義を見つけていくんでしょうね。そこら辺の人々の意図をこの作品はコミカルに扱いながらも「正義とは何か?」について、様々な角度から見せてくれるのが大好きな所です。

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そして、鈴乃が千穂と遊佐に警告する流れになり、千穂はまおうの人徳を主張し、遊佐は中立的な視点で俯瞰で物事を見ているように見える。けれど、遊佐も鈴乃も間違った論理になっていることにまだ気づいていないのかもしれない。

この世界で出世し、人望を集め地位を高め人心を掌握し、人々を恐怖の底へと落としこむような行為に発展しかねないとい部分を懸念し、早急に魔王を始末するべきだと主張する。けど、それってまおうの意思を無視していますよね。今までの悪事に対して、死が正当かどうかはわからない。裁きを行う人間による。

さて、その裁きを行う人間も、地位を高めて人々を扇動する人間も、鈴乃たちの上の人間たちがすでに行なっていることですよね。ただそれが悪事に見えないようにするだけという話で、人々のことを本当に思っているかどうかは不可解な部分です。そんな人間とまおうを比べた時にどちらが人々の平和や平穏を願っているかを考えて欲しい。

はたして、まおうを殺せば悪はなくなるのか?


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鈴乃の手を血で染め、遊佐は悪と戦うために多数の魔物を殺した。それを命じた人たちは何を願っているのだろうかと考えて欲しいんですよね。

それこそ、遊佐がまおうを日本で見た時に、人間を守ろうとしている姿に唖然としたように冷静に考えていたとしても、人の心はそう簡単に読めないからこそ、偏見と無知で人の命を奪おうと心に決めるような人間にはなって欲しくないんですよね。

それこそ、千穂の目からすれば、まおうは優しくしてくれたし、色々と助けてくれた恩人で友達でバイト仲間で大切な人なわけです。そこで人が変わったように見えるまおうの魔王時代の罪を罰するということに対して、第三者視点の千穂は何を思うのか。

それこそ、遊佐や鈴乃たちに怨恨を残して、そういった復讐の繰り返しになるのではないでしょうか。誰がいなくなったら平和になるかより、何をしたら平和になるかを考えて欲しかったですね。

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だからこそ、千穂が鈴乃たちの主張に対して果敢に切り込んでいけたのが最高でした。確かに千穂目線で日本でのまおう時代のまおうしか見ていないし、ただ感情が暴走しているだけで正論でもない。

だけど、そこには人としての絆が含まれているように思います。思い出も過去も含めて全てが楽しかったこととして残るのに、それが何もなくなってしまうなんて、それって本当に正しいこと?

そんな千穂の涙の訴えが遊佐に伝わってちょっと感動しちゃいました。遊佐はこういう時、感情を荒げるようなことにならない所がいいですよね。いつもならテンパッて怒りを沸騰させるのに。対する鈴乃は逆だった。これって鈴乃にとっては結構辛いですよね。正しいことと思っていたことが実は間違っていたことだとわかった時のその罪が……。

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裁判官として正当に裁いてきた人間が誤審だということで死刑を宣告されるようなものですよね。だからこそ、鈴乃は過去のことを含めて全てを正当化しないといけない。正しいことだけ行なっていたと誰からも思われないと救われないんですよね。そこが上からの命令に従って、人を裁いてきた人の行く末。

でも、その裁きは自分自身が行ったものではないということで鈴乃の心の中で決着をつけて欲しいです。間違ったことをしていたけれど、それは間違っていた人間に脅されてやらされていたということで罪の意識をなくす。

いや、罪は多少心に残るとしても正しいことを知った時にまたやり直せばいいと考えればいいだけなんですよね。簡単なことだけど、人生を左右する出来事だけにかなり重いやり取りとなりました。