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今回のエミの話では何が言いたかったのかサッパリです。なんだか無理やりまとめちゃったけど、これで問題解決なのか?w


前回は苦言を呈したけれど、今回は良かったですね。やっぱり、梓が正常でいることで作品を見つめられるというか、おかしい世界の中でいつまでもフィクションとしてのエロを追求するだけだと面白くないですからね。

月子の人格も陽人にアプローチしまくりでフラグが立っているのに陽人がそれを折るだけという感じを続けるのは正直つまら(ry

エミのオールリセット


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だからこそ、アバンからシリアス風味で謎の解消のために動く陽人がいてよかった。今回も水着を見てグヘヘ的な感じでその状況を楽しむだけだと陽人だけが楽しいですからね。こう人の感情といったものを描かない日常系ファンタジーとしては人の機微を大事にして欲しいから、陽人が最初に梓に近づいたのは良かった。

まあ、ネットに絡まりながらの今にでも襲いかかっても逃げられないシチュを用意する所があざといですけどね。普通なら網にかかった魚のごとく何されても仕方ないよね、という感じの思考ではなく、本当に梓から現状を聞き出したいという気持ちが先行しているのが良かったです。そこで襲いかからないのは変態王子の名が泣きますけどねw。

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そして、梓に何か頼むシチュで、梓が陽人にキスして欲しいという願望を口に出してしまうのはちょっとどうかな。好きな人とキスをしたいのは普通だけど、そのキスを恋人と陽人が思っていない段階で簡単に求めてしまう梓の軽率ぶりはいつか男に騙されそうでコワイです。陽人と月子が結ばれて梓が愛人的な未来が見えるぞw。

そこから、エミのオールリセット。ようやく、かたをつけてくれました。と、思ったら騙されたw。途中、水着が消えるイベントがあったけど、BDでは見えるようになっていますよねw。不満としてオールリセットまでの過程をもう少し面白く謎を解くような感じにして欲しかったかも知れない。

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この作り方はなんだか既視感があるというか、前の嵐でつくしが願ったことに加え、月子が願っているという前例があるので、オールリセットしても戻らないというストーリーとしてはちょっと飽きがきてしまいますね。

またまた消去法的に月子か梓かという感じで、そういえばこのエミの話が始まる前に梓は大きな猫像に願っていたな、という分り易すぎる伏線があって物語としても普通に見えてしまうのが勿体ないです。

それに陽人がエミに答えた、願っても大切なモノは変わらないというのはエミに対しては実感出来ないからこそ、心に響かないんですよね。格好いいんだけど、その相手と境遇次第で一気に格好悪いエゴへと変わってしまう。猫像から学んだことはそれだけかどうかという部分ではもっと陽人は成長してもいいかも。

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だって、願いが叶ったら嬉しいですし、大切なモノが変わらないとしても別に構わない。エミの言う、楽しいことだけが一番だという考えの方が全うに見えてしまうんですよね。陽人が猫像の願いによって受けてきた苦悩や苦痛は梓から建前を返してもらう以外は結果的に大切なモノが変わっているんですよね。

ここで月子の嵐による陽人との晩餐と床上浸水するほどの嵐で陽人と家まで来る関係になりたいという月子の大切な願いは叶っているわけです。ここでシーンのチョイスを間違えたと思ったりします。

願ってもどうしようもならない事実がこの作品にはないわけで、そこで苦汁をなめつつ現実を受け入れる描写があれば、この陽人の言葉にも重さがあるんですけどね。

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今まで自分の我儘を猫像に願って、それで悪いことなんてあまり起きていないからこそ、猫像否定につながらないのが痛い所です。エミの言う通り、猫像に願って楽しく過ごせるならそれで何が悪いの?という問いに対しては陽人は答えられないと思います。

エミ自身がそれで楽しく過ごしてきたし、陽人も自分や誰かの願いによって困難があったけど結果的に良い方向に傾いたわけですから。

猫像の梓をのっとっての具現化


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そして、猫像の具現化。なんていうのか、願いのキャンセルが簡単に出来てしまうのもストーリーとしての面白みをなくしていますね。

『化物語』シリーズとか、『鋼の錬金術師』とかそういう類の作品では願いの代わりに何かの対価が必要だったり、キャンセル出来ないとか、キャンセルするためには何か必要だったりすることで主人公が悩みを抱えて決断するシナリオが出来上がるわけです。

だけど、願いもわかりやすく答え、キャンセルも一言でおk。猫像ってこの作品に必要だったのか考えてしまいます。最初の猫像は必要だったけど、後の猫像はただ月子たちが陽人に近づきたいがための手段となってしまっているので、猫像を経由した告白よりも普通に陽人と付き合いながら人間関係が進展していく方が面白いと思います。

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猫像の言葉からつばめの話が出てきたけれど、唐突すぎて何がなんだか。意味はわかるのだけど、もう少し手順を踏んで欲しかったかも。例えを使って今の状況を説明するのが良かっただけに、そのことを陽人に考えさせて自問自答させるぐらいの時間が欲しかった。これだとただ単純に梓をどこかに行かせないために都合のいい展開になってしまったような気がする。

キスの流れは梓が望んだものだと思ったとしても、それを猫像に取り憑かれた状態でするのはどうかと。そのキスによって白雪姫のごとく、猫像の呪いが解け梓が目を覚ますという条件が必要だったなら上手く料理出来たように感じます。

そして、梓とはそれなりの関係が待っていれば完璧。ですが、猫像自体がもう現れることはないと断言した後に無理やりキスをして梓が目を覚ますようにするのは、どうしてもシチュ萌えだけになってしまったような感じがする。

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なんていうのか、梓が正気に戻って二度目のキスをする陽人は浮気症に見えてしまうんですよね。最初のキスで目を覚ますために仕方なくというのなら、梓も納得すると思います。

だけど、その後にもう一度、梓としてのファーストキスをする恋人関係になっているという進展がないと、陽人はただのキス魔で、梓もどうしてそんな人間をまだ好いているのか不思議になってしまいます。

だから、来週以降は月子に手を出さないでくださいね、変態王子さん。今回はエミのことは何だかどーでもよくなってしまって、陽人は月子との関係は遠のき、梓との関係が近づいたということですね。

そして、鋼鉄の王こと、つくしにイタリアに行かせて欲しいと願ったこと。それだけ、昔から陽人はつくしに対して純粋な思いがあったということがわかりました。だけど、それだけなんですよね。

不完全燃焼なんだろ、そうなんだろ


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なんだか不完全燃焼感が強い。エミは何を学んだのか心情描写はないし、ただ楽しく過ごして何が悪いの?的な感じで、その考えは変わらずに猫像が消えてしまったという喪失感だけが残ると思うんですよね。そして、梓自身が自分を変えたいという願いは報われたかどうかすごーく微妙なんです。

実際、梓に関しては今回の事件では常人として普通でしたし、陽人との関係を縮める努力もなかったし、陽人がキスしてくれてラッキー。これで変態王子は私のことが好きでたまらなくなるとか考えているようにも思えるんですよね。

けど、変態王子は絶対に梓と恋人関係になることはないと踏んでいます。もし、次週恋人関係になっていたら、月子ファンやめて梓ファンになります。それぐらいあり得ないです。

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で、月子は事件とほとんど無関係で水着や裸を陽人に見られたり散々だったし、つくしに至ってはイタリア留学の話が出てきてそれがぽしゃってしまって期待をもたせただけで可哀想だしね。

だから今回の事件って誰も成長していないし、誰も得をしていないし、何が言いたかったのかわからないシナリオに見えてしまうんですよね。

でも、収穫として猫像がようやくいなくなってくれたこと。これで陽人の願い解決奮闘スパイラル物語に終止符を打てるので次週からは楽しく見られそうです。ラブコメでシリアスも楽しく描けるさがら総なら普通に描くのが一番ですよ。それと月子を一杯出して下さい(切実)。