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距離が縮まるのは八幡と雪乃? それとも、雪乃と周り? その適度な距離感を”ぼっち”として測るための雪乃の文化祭実行委員としての奮闘。その状況を見て、ちょっと泣きそうになりました。


アバンから憂鬱な雰囲気。八幡は雪乃を憧れていた自分が嫌いになりそうだという流れから今現在も奉仕部にいる。人との関係にヒビや亀裂は入りやすいものでどこかがズレるとまたどこかがズレる。

人間関係のヒビ


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そして、一気に人との関係という括りにしてヒビが入ったように思い、人間関係に対しての信用がおけなくなってしまう。それが入学前の八幡で、そこに雪乃がそばにいることでそのヒビの修復が可能だという信用が八幡にはあった。

それは鶴見が抱いたような将来への期待と一緒で人との出会いから何かが変わるかも知れないという期待。雪乃がいることでその期待をもって、人生を過ごせるかも知れないという希望。勝手に期待して勝手に失望する。

雪乃が悪いわけじゃない。八幡自身が悪いわけじゃない。世の中が悪いんだ。世界が間違っている。そう断言することで、自分は自分なりの生き方を目指そうと高校生活でようやく学んで、これからの人生を”ぼっち”として楽しんでいこうとした。

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けれど、”ぼっち”同士で惹かれ合う何かが雪乃にあって、世の中そう捨てたもんじゃない、と考えてしまった八幡自身が嫌いになりそうだという前回。ただ交通事故に会っただけで結衣の優しさを否定し雪乃自身をも否定する。

雪乃とも今まで築いてきた関係をリセットするだけでなく、結衣とは違いリセットのまま過ごそうとした八幡の失望の大きさを感じさせるアバンでの奉仕部の様子。たかがそんなことで、とつまらないことは考えず明るいことだけに目を向けようぜ的なノリが私は好きじゃない。きっと八幡も同様だと思う。


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人の心はナイーブで誰かにとって些細なことがその人にとっては人生を大きく変化させるきっかけともなり得る。人生にそんなに大きな事は起きないものだ。

だからこそ、この作品は日常というリアルに近づけるだけ近づけているのが好きでたまらない。フィクションなんだから、とも片付けられない。

もしかしたら、この作品を見ることや読むことで大きく人生観が変わりそうなくらいに小さなことが大きなことにも見える。人間関係って複雑で面白いねと一言で片付けられるのか、そうでないのか。きっと雪乃との問題はそこがキーになってくると思う。

相模の結衣に対する視線


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で、本編は文化祭に向けて着々と進んでいくわけです。文化祭といえば、それぞれのクラスでやりたいことをやったり、文化祭を盛り上げる実行委員とかはそれなりに楽しめるわけですよ。

と、八幡と同じく先生に目をつけられて毎年、文化祭実行委員をやっていた私が言ってみる。押し付けられた責任でやらされる仕事はただただつまらないことばかり。

世間のリア充の人からすればそのイベントで楽しめるのに、私は面倒くさいから何もしないし、やらされることをやるだけの日々。文化祭実行委員になると文化祭に備えてその時だけはクラスの委員長気分になれるから悪い気はしないんだけど、面倒なので良い気もしない。

所詮はつまらない出し物で終わるだろうしね。やっぱり自主的に楽しむ人がやった方がいいわけですよ。そう八幡気分でこんな人のいないブログで遠回しにリアルの先生に伝われと願ってみる。

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それにしても、相模が気に入った。こういう女子は必ずクラスに一人はいる。グループで男女付き合いをはやしたてて自分だけが面白くて相手が不愉快だと思っている感覚が全くもってわからないのだろう。

きっと相模自身としては結衣とクラスののけもの扱いの八幡がイベントで楽しんでくっつけば、クラスの男子から美人女子の結衣が抜ける。その穴に自分が入り込める。八幡が格好いい男子なら相模はものすごく反対するだろうし、結衣が美人でなければそれほど興味さえもたないだろうと思う。

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結局は好きな人がいることで応援したいというわけではなく、言葉によって自分がどういう立場に変化するかという自己中な人なんです。まあ、それで結衣としては八幡のことに好意はもっていても、これで結衣自身が承諾すればある意味クラス公認のカップルが誕生するわけです。

それが相模にとっては自分が嬉しい。本当、砕け散れw。かといって、結衣は自分が断れば八幡自身が傷つくと思っているからこそ無碍に断れない。この空気って辛いですよね。

八幡なら期待しないし気にしないし結衣自身のことを気にするだろうしで率直に断って後で謝れば(謝らなくても)、すぐに忘れてくれるし、大体こういう関係が普通だろう、って思って結衣のことを気遣ってくれるので面倒じゃない。そういう意味では八幡って彼氏として理想なのかもしれないなんて思ったりね。

まずは”楽しむ”の定義から始めましょうか?


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そして、そこから本当に文化祭実行委員自身が楽しむという流れに。まさかクラスの方で楽しむという考えはなかった。クラスでも楽しみ、文化祭実行委員としても文化祭を楽しめる。最高じゃないですか。どっちに比重を置くかで、どこかで誰かにつけが回ってくるのはわかっているのにね。

さて、相模がここまで前に出てくるキャラだと思わなかっただけにサプライズだ。てっきり、結衣の代わりに葉山に言われたからということで、八幡の妄想に出てきた否定人格の罵声嵐が八幡に降り掛かってくるだけだと思っていました。

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そこから委員長までの流れってかなりおかしくて、文化祭実行委員を立候補しない人間が文化祭実行委員長になるだろうか。相模の意図がこの時点でどこまで含まれていたかわからない。

文化祭実行委員に雪乃がいて、奉仕部にも雪乃が所属しているかも妄想の域を脱しない。ただ相模は葉山の言う通りリーダー格として名を馳せているからこそ、他クラスの情報も手に入っている可能性が高い。

ただ、委員長に立候補した時には雪乃いじめをしたいようにも思えないんですよね。陽乃がいてこその雪乃。そんな雪乃を超える人物になるべく相模は自分を鍛錬、、、するわけないよね。最初から奉仕部頼みだったから、運良くいじれる相手が見つかった。そして、立場上は雪乃より上。これ以上の条件はないと思います。

そして、陽乃のことを知っているとは思えないけれど、めぐり先輩からの声や実際に会ってみてすぐに意気投合してしまうところを見ると、絶好の獲物が見つかったとばかりに雪乃に襲いかかる。今までの雪乃の態度が相模には嫌味に思えているからこその復讐。いや、雪乃には相模に対して敵意はないから一方的な否定なんだろう。

雪乃が誰からも「選ばれない」否定


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ここで相模を通して雪乃の否定について上手くつながりました。陽乃がどういう人でどういうことを知っているのか不明だっただけにそこから雪乃の考えていることが浮き彫りになってきた感じです。

陽乃が前回、意味深に「また選ばれない」という言葉を残した。これはきっと陽乃としての雪乃を憐憫する気持ちなんだと思ったり、何だか雪乃へのちょっと歪んだ愛情みたいな感じにも見えました。

だけど、どっちでもないようですね。きっと、前回のラストで八幡が自分を責めることで雪乃を否定したように誰からも「選ばれない」ような人間になってしまったということなんですよね。

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そういった人間は誰からも好かれないし、楽しくないし、悔しい思いをするだけで、陽乃は私のような生き方を選べば一番雪乃ちゃんにとっていいんだよと自らを肯定することで、雪乃の生き方を否定する。

陽乃からも「選ばれない」し、誰からもきっと「選ばれない」んだから考えを曲げなさいという命令を無視したことから今一人でいることがその罰を受けているのが当然だと言ったふうな言葉だったように思います。

雪乃自身がどう思っているかは関係なく。陽乃の目線でその生き方を否定する。で、前回のラストの八幡、今回の相模の件も含めて、雪乃がどんなに頑張っても報われない未来が待ち受けているのだから、そこはみんなを頼っていいんだよ的な感じがすごく嫌いです。

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いつかの結衣のプレゼント探しに自分のセンスが良くないので無理だから、適任の八幡にお願いするわというような感じが欲しいんです。別に一人で頑張って出来ることと一人では到底出来ないことぐらいは、雪乃の頭脳をもってすれば簡単なことなんですよね。

だけど、一人で出来ることがあるならば一人でやる。平塚先生の仲良くしないでもいいから上手くやれ発言もここに絡んでくる。つまりはここの雪乃の回答が”ぼっち”としての未来を背負っているような感じがして八幡が雪乃に憧れてしまう気持ちもわかります。

陽乃と仲良くしないでも、葉山と上手くやればいいわけだし、相模と仲良くしないでも、めぐり先輩たちを上手く使えばいいのだし。

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そこで雪乃自身が”ぼっち”であっても「選ばれ」る生き方を選択すれば陽乃を超えられるわけです。陽乃はみんなと仲良くして、めぐり先輩たちが知るくらいに名を残した。

なら、そのめぐり先輩たちは陽乃と同じように雪乃も委員長として活躍してくれることを願っている。けど、陽乃は陽乃で、雪乃は雪乃なんですよね。

めぐり先輩たちは陽乃の活躍を知っているから陽乃とつい比べてしまう。けれど、周りからは雪乃に対して陽乃以上のことを求められているし、雪乃はその重圧が辛いと思うんです。期待からの失望の強さは前回の八幡のラストで証明済みですしね。

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だからこそ、奉仕部としての活動に徹した。ただつい地が出てしまって相模の立場をなくしてしまった。その立場を得たいがために立候補してみんなから尊敬の眼差しで見られたい相模。だけど、実力が伴わないから奉仕部の雪乃に副委員長を頼んで実行力に賭けてみた。

これが裏目に出てしまって、雪乃の評価だけ上がった。そんな委員長に立場などなく、やることも限られ能力のないものに能力の必要な役割を与えてしまったことが問題だったわけです。そして、ここでも陽乃の「選ばれない」発言が効いていて、めぐり先輩たちからは雪乃を委員長に選んでいたんですよね。だけど、雪乃はそれを拒んだ。

決して、誰からも選ばれていないわけじゃないけれど、雪乃は陽乃を通して選ばれるのは避けたいという思いがあったと思います。それに奉仕部の活動も含めれば忙しくなってしまって、結衣と八幡と三人で集まる機会が減ってしまう。どっちみち、相模が奉仕部に頼んで活動は停止だったけどね。

八幡としての最高の絆と解決策


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そして、ここから結衣の頼みもあった点と黙々と一人で頑張った人間が称賛されないという結果論、この二つが八幡を動かしたというのが最高でした。八幡としても仲間意識や誰かを助けようとする精神は認めるし「最高だ」と本気で思っているのでしょう。

ただ、その仲間意識によって雪乃に自らを重ねあわせ、不満を漏らす八幡らしい解決策を思い出したものだと思います。別に八幡は雪乃を憎んでいるのではないのだから、その矛先が自分に向けば、困っている雪乃が早計に”ぼっち”の鏡らしき人物が弱音を吐いてしまうのは嫌だったのでしょう。

そう、弱音に聞こえちゃうんですよね。先ほど言いましたけど、周りがこのような状況だと雪乃が意地をはっていてそこを折れない頑固な性格に見えてしまう。なら、八幡は状況だけを変えてあげたかった。相模自身は委員長なのにサボってクラスの中で適当なお話を楽しんでいるので、普通ならそちらを責めるべきだと思います。

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けれど、めぐり先輩はそうしなかった。陽乃に対する対抗意識と”ぼっち”としての我慢に見えてしまったことが問題なんですよね。問題意識というのは八幡が言っている通り「全体像がわからない」からこそ、何が問題なのかという点で迷ってしまうのですよね。だから、立場の高い人間に矛先が向かう。

ただ問題は全体像が見えなくてもわかりきっているわけです。めぐり先輩は「相模さんの提案、ちゃんとダメって言えば良かったかな?」という言葉で、委員長の相模に問題があるというわけで、葉山の言葉では「人手足りているのか?」で相模がクラスも優先という言葉で相模にまた問題があるという感じで周りは知っているんですよね。

だけど、ここで強気な言葉でその相模を責めるようなことは出来ない。それは委員長を決める時に誰も立候補しなかったわけで、そこで誰もがやりたくない仕事を押し付けてしまったように思えることが一つにあって、この緊迫した空気の中、鶴の一声をあげられる人間がいないというのもあるでしょう。

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そこに八幡が声を出すわけです。”ぼっち”としてかなりの勇気を振り絞ったと思います。”ぼっち”じゃなくても辛いこの状況で自分の不満をさらけ出せる人間なんてそうはいないかな。誰もが雪乃への不満を抱えている中、八幡は人とは違うことを考えている。そこに魅力を感じるんですよね。

誰もが思うことは既に知っている。その先を八幡は読み、そして、そのためにどうしたらいいのか頭の中で考え言葉に出して解決策の糸口を雪乃に与えるという優しさは言葉で語り尽くせないものだと思います。雪乃を助けたいがためだけじゃなく、八幡自身が最低なやつはずっと最低なやつでいいんだという割り切り方が出来て、雪乃は”ぼっち”として最低になって欲しくないという願いがそうさせたと思うと感動モノですよね。

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八幡の最高のキラーパスを受けて、雪乃なりの解決策としての答えを出す。八幡の一言がなければ、雪乃は何を話そうとしたのか気になります。相模への不満か、それとも、諦めの声か。いや、そのままめぐり先輩と葉山たちに頼ったのかわからないけれど、これで文化祭実行委員の仕事をしている人間は雪乃の意地に対して嫌悪を持つのではなく、楽をしている相模に対して何か抱くと思います。

だからこそ、雪乃には謝って欲しくなかった。雪乃が一人で仕事を抱え込んでいることに対して、分担の見直しが出来ていないからという理由で謝った。八幡のおかげで雪乃自身が全て悪いと思っての「ごめんなさい」ではなくなったことで、この一言は軽くなったと思う。意味合いが違ってくるんですよね。それでも、雪乃が悪いわけではないということを証明して欲しかった。

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だって、委員長の相模が文化祭実行委員も楽しむという目的があるということで、楽しむ=楽をするわけです。誰もが楽しんで楽をして仕事をしなければ、誰かが楽を出来なくなってしまう。そのことに残っている文化祭実行委員の人たちに気付いて欲しかった。楽しめないのは誰のせいか。楽が出来ないのは何故か。八幡を最低だと思う前に考えておくべきことだと思います。

そして、最後に相模が下校チャイムが鳴る頃に登場して、みんなで楽しんでやろうアピールが、いつの間にか八幡の言葉で私が一番楽をしている人間ですアピールになったのが良い皮肉ですね。文化祭実行委員の当事者でなくても、ちょっとムカッとする言葉を残して行きました。なんとも歯がゆい結果。悔しい文化祭準備。これほどイベントごとをネガティブに捉えて考えさせる作品はないと思います。

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相模に対してその後は何もなし。この相模に対して不満が残る結果が、逆に現実ではこういうこともあるからこそ、善も悪も全てが全て世の中裁かれるわけではないということが妙に悲しいものとなりました。しかも、無理をして頑張った結果が体調を崩すなんてね。どこまで現実は残酷なんだろうね。