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修羅場と言えば、恋愛沙汰を想像してしまうけど、こういうのも修羅場と言えるかもしれません。いや、遊佐の場合は子供の頃の勇者教育の日々が本当の修羅場だった。


やっぱり芦屋が出ると面白いなぁ。嘘を現実味帯びてるように語る場面とか、ちょっと芦屋のキャラじゃなかったけれど、それはそれで参謀としての芦屋の資質が見れて良かったです。

芦屋の話術


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ここでいつもの芦屋なら、余計な一言を言ってさらに混乱させていく流れだったのが、収束に向かっていくとは嬉しい誤算。そういう意味では遊佐にどうしようも出来ないことも芦屋なら出来るという証明だったかもしれません。

芦屋も平気で嘘をついているとはいえ、それが遊佐にとっても、まおう様にとってもプラスにはたらくのであれば問題ない。

いや、遊佐にとってプラスになる必要などないのだけど、遊佐と鈴乃が関わっているので鈴乃経由でまおう様に迷惑がかかる事態は避けたいし、ここで遊佐と芦屋との経験がなせる差というのを見せたかったのだろう。

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実際、本当のことも入っているけれどね。ある意味、比喩的な表現で言えば、まおうと遊佐の関係ってそんな感じだよね。お互いやりたいことがあってそれが競合してしまった。

競合というよりも対立してしまったがゆえに、どちらかが選ばれれば、どちらかが我慢する。そんな感じで野望と夢は自分がたとえ頑張ろうとも誰かの才能で打ち破れる時が来る。

それがいいこと悪いことどちらにしてもね。だからこそ、比喩的な意味でまおう様が目指した起業で世界を制圧する夢と、誰もが平和に喜んで暮らせる世界にするため、まおうの夢を邪魔し自らが正義だと信じ込んでいる遊佐がいる。

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そのために二人共が働き、そこで仕事の出来具合で勝負するという平和な争いごとが生まれているわけです。いつしか二人は経験を積み、芦屋が言うような真央組が出来てそれをキャリアウーマンになった遊佐が邪魔する未来も見えてくる。

もしかして、本当に芦屋はそう思っているのかもしれない。そうすると、芦屋も働かなきゃいけないんだけどね。漆原の世話を誰がするんだ?という最悪ニートがいるわけでいつまでもまおうたちの足を引っ張っていて笑えます。

そして、梨香の芦屋に対してのあからさまなフラグ。これは予想だにしていなかった展開。まおうだけのハーレム世界から、芦屋にもまおう様以外に緊密な関係を築けるかどうか気になる所です。

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もう、千穂とまおう、梨香と芦屋で結婚して、漆原は遊佐が面倒みればいいんじゃないかって思えてくる。そうなると、まおうの夢が儚いものとなってしまう。ただ人間としての幸せを追い求めてしまっていいものか。

魔王として世界に君臨するべき存在ではないのか。そういう葛藤があると思うけれど、今のまおうはそんなことよりも現実のセンタッキーと対抗する店長代理として目指すものが意外に低いのが笑えるポイントです。

本当、この作品の結末が千穂か遊佐との結婚でもおかしくない。それにストーリーとしても、場面が違うだけで、魔王の窮地を参謀が救おうとし、勇者の意気を削ごうとしているドラマとして成立しているんですよね。見た目は地味だけどw。

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そして、芦屋の遊佐に求めるメープルなんちゃらとサラダだけでいいという安上がりなのに、言い回しは脅迫に聞こえる不思議。それぐらい何もしないでも買ってあげたいと思ってしまいました。

梨香もそういう時こそ芦屋に恩を売っておけば出会える機会が増えるのに、そこら辺は他人の恋愛に首突っ込むけど、自分は奥手というのが何だか可愛いと思えました。

クレーマー遊佐


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だけど、遊佐と梨香の態度があり得へんw。まおうの言う事が全て正しいのに、何だかお金(注文)で解決しようとしている所がいやらしいですよね。

店の中、ただで場所を陣取っている悪いお客、この場合はお客とは呼ばないだろうけれど、そこで仕方ないからお金払って食べてやろうっていうんだから、ありがたく思いなさいという態度はまおうじゃなくてもムカつく。

セルフサービスという単語を出せるのがまおうの経験を物語っていますよね。知り合いなんだからそこで何か文句をつけてもいい所を出来るだけ穏便に済まそうとしている。

それとは反対に遊佐は早く持って来なさいという態度。それを一度許してしまうと、あの客はしてもらったという因縁が周りからつけられて取り返しのつかないことになる。今回は客が少なかったからそんなことは起こらなかったけどね。

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そういう意味ではクレーム処理の遊佐と梨香だけど、クレーマーとしての素質を自然と身につけてしまったというか、クレームも苦情ばかりで正しいことを言ってもこっちが間違っているようにいちゃもんをつけてくる。そこにストレスが溜まるんですよね。

だからこそ、精神的ケアは怠らない職場環境作りが大切なんですが、ここは一応出来ているっぽいんですよね。これが悪化すると、いつ犯罪沙汰になってもおかしくないわけで、それが連鎖的に起こってしまう懸念があるわけです。今回のクレームなんて甘い方でそれをまおうに教えてあげているんだと思うと優しさに見えて、、、こないですよねw。

まおうの取った企業努力


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そして、まおうの本領発揮。ご都合主義に一見見えてしまうかも知れないけれど、この商店街で祭りが行われているということが一番なんですよね。それこそ、地域の活性化のために商店街の個人経営の店が頑張って盛り上げようとしている中で、オープンしたばかりでクーポンを配っているセンタッキーがあるわけです。

センタッキーは新規でなければ人は入っていなかったと思います。客は真新しいものが好きで珍しいこととか珍しいものとかに気が向いてしまうんですよね。それが一過性の感情だからこそ、新規オープンで何度も人を呼べるわけではない。

センタッキーの店長はこれからが企業努力していかなくてはいけない場面にこれから立たされることになる。それこそ、同じようなファーストフード店があって、常連客が多少いると思われるマグドナルドからそれを奪い取らないといけない。お昼の選択肢として交互に食べていく客もいるでしょうけどね。

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で、今回のまおうの作戦は芦屋だけじゃなかった。そこにちょっとした感動を覚えたというか、地域清掃もそうだけど、人の感情をわかろうとし、それを自らの糧にするだけじゃなく、仕事にも役立てる。それは人の感情を弄ぶというわけではなく、人が喜ぶようなことを学んで実践するだけなんですよね。

それがサービス業に言えることで、お客様は神さまですの精神は多くの知らない人に対して誰にでも親切にする心というのはなかなかもてないもので、その親切を勘違いして食べた後もそのままにしたり、客なんだからもっと敬って接客しろよ的な感覚をもったりするわけです。そこでキレない店員がいい店員なんだけどね。なかなかに難しい。

そこでまおうの作戦としては祭りを盛り上げる人々の感情をさらに盛り上げようとした。これこそ本当の企業努力というもので、お客様に喜んでもらって自らも利益が出る方法として、安い原価で仕入れたり、値下げ競争したりするけれど、最終的にそれがお客様にとって嬉しいことかどうかは微妙な所なんですよね。

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企業は商店街の雰囲気とか関係なく平常で構えることで、揺るがない強さを持っていますが、企業イメージを底上げする意味でも商店街を歩く人達とのコミュニケーションや親しい関係を築きたいという個人が思うことを、店全体が行なっている。

これは本当に強いですよね。ただロボットのように注文を聞き、お金をもらい、食べ物を運ぶ。そのルーチンワークは必要不可欠ではあります。だけど、そこには人がいて、人として会話の中でお客様が望むものを聞いて、終始笑顔を見せながら接客する。それは作り物の笑顔かも知れないけれど、人としてなんだか交流が出来ている。

そこに嬉しさを感じてしまうんですよね。小さなことからコツコツと。まおうが来たるべき戦のために窓を拭けと命令したのもそう。お客様が綺麗な店の中で嬉しい思いをしてもらいたい。人としてこういうことがあったら嬉しいなと考えて店員が行動している。

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それはまおうの指示のもとで動いて嫌々働いているわけではないんですよね。店員も楽しんで接客することが出来るようになっている。笹に飾り付けをするのも遊び気分でいい。自分たちが楽しいと感じることは、お客様も楽しいだろうから。まずは先に飾り付けをして短冊はお客様につけてもらって、そして、値引きなどのサービスをする。

そうすることで私たちはこの商店街の人たちのことを思っていますよ、というアピールにつながっているんですよね。そういうさりげないメッセージが心温まるんですよね。店というとただお金を儲けるだけでいい、というイメージを一気に変えさせるという意味ではまおうの取ったこの笹作戦は今後のマグドナルドの運命を占うようなことだったかもしれません。