変態王子と笑わない猫。 - アニメ画像010

「お兄ちゃんになってください」「だが断る!」


今回はほぼ全編シリアス。エロも多少あったけど。ただそのシリアス度合いが弱かったように感じました。つくしの願った世界の滅亡。そこに月子も加わっていた。

つくしにとっての世界


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それだけのこと。つくしの世界がなくなって欲しいという願いについて話すと、きっとつくしは自暴自棄になっているだけで世界がなくなり自分たち以外の人間は必要ないということを願った。それは蔵がなくなるだけで済む問題ではないし、つくしだって友達の一人や二人い、いないかw。それでよく陸上部の部長になったものだと思う。

つくしにとっては月子と二人だけで過ごしたいと本気で思っているわけではなく、やっぱり世界中の人間がいて月子が自分を選んでくれることを待っている(こう書くと何だかレズっぽいなw)。そして結ばれた二人で世界を見ながら暮らしていく。それは今までと何も変わらない。

きっと変わらないままでいいのだと願った。十何年前の洪水で床上浸水したという件がある意味両親を亡くした伏線になっていると思う。安易な考え方だけど、ここで十何年前の話をいきなり出すのも不自然だから。そして、その床上浸水が両親とつながっているのなら、両親がなくなったのと同じように自分たちも亡くなってもいい。

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つくしがそんな極論的な考え方をしたかはわかりません。大切にしているけれど、両親にとって自分たちも大切に思われているのは事実だと思う。だからこそ、自分と月子だけが一生平和に暮らせる世界を望んだという意味で外部との接触を断ったのではないでしょうか。理由は違うといえ同じように月子も。

つくしがやりたいことがかなり不明確なんですよね。この部分は梓と月子とくらべて弱い部分だと思います。確かにネタ要員としては使いやすいかもしれないけれど、つくしの両親を亡くしたことについての話は掘り下げれば掘り下げるほど暗くはなりますが、つくしの心情が明らかになっていくような気がしていました。

それなのに、それほど深入りしなかった。これは陽人が悪いのかもしれないけどね。他人の大切な人が亡くなった話を強要するのもどうかと思うので自重したのでしょう。それにつくしもそれほど喋ろうともしなかった。それでギャグで締めたので、つくしが生きないんですよね。月子や梓に感じたような彼女としての心の深層が。

月子のヤンデレっぷり


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つくし回だと思ったら、月子回だったでござるという話。つくしは世界がなくなってしまえばいいという一時の感情とはいえ、心に降り積もった辛さが本当なら、それこそ猫像に安易に取り消しを願わないだろうと思う。

それこそ、月子と陽人が抱きしめあったように、その辛さを取り除いてあげて欲しかった。そうすると、同じような場面が二つもできちゃうのでここは簡単にしたというもわかります。

つくしの願いではないということは梓か月子。ここで推理要素が入りますが、梓は夕食を共にし、朝食も頂いてご満悦な様子だったけれど、学校に行く意思を見せた。つまりはここから出てもいいという気持ちは持っているんですよね。そうなると、消去法で月子になる。

ここで月子が願っている理由が前回と被ってしまうのが非常に勿体無かった気がします。陽人にとって月子は何なのでしょう。いつか関わっている理由を問いただし、そこで答えを出せなかった陽人が月子と一緒に晩餐会を開くハメになる。それを承諾して月子が望めばいつでも夕食ぐらいは共に出来る仲であることを証明した。

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ただ、そこでその件は終わって良かったんですよね。月子はそのまた先を願ってしまった。陽人がここから出てまた一緒に家に来てくれるのかはわからないし、不安な所もあります。だけど、その不安を払拭するがごとく状況を変化させて陽人にずっとそばにいて欲しいヤンデレ具合を見せつけてくれました。

個人的に月子はただ夕食を一回でもいいから陽人と共にしたいな、って思うような謙虚な女の子だと思っていたんです。そして、その関係がある程度進めばまたその先を願う。そんな過程を踏んで、陽人との距離を少しずつ縮めていくようなおしとやかな子でいて欲しかったんです。

それこそ、この状況下において、陽人にはどうしてもずっとそばにいてくれないといけないように作り出すのはあまり好きじゃないです。前回の梓もそうでしたが、好きな相手の感情を度外視して無理やり猫像に願って襲われそうになる辛さも提示しているんですよね。

選択権があれば陽人の言葉に重みがあった


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そして、今回の事件。どう考えても陽人に選択権はなかったよね。このままだと世界との断絶は終わらず、この4人の中で過ごすか、陽人が月子のそばにはいたくないと答えるならこの家もろとも壊してしまう破滅があった。だから、月子は陽人にいつまでもそばにいると約束を強要してしまったんですよね。

その強要って、月子には兄としてではなく、恋人として結婚できる仲になるようなそんな関係を陽人は望んでいるから上手くまとまったわけです。兄としてそばにいるとしてもそれでいいけどね。梓の願望と同じで好きな人から好きでいて欲しいし、つくしの願望で世界は私たち以外は必要ないという部分と答えが全く一緒になったのが、月子マニアとして残念です。

つくしはつくしなりに寂しい思いをしていて、月子もそれに同じ。そこにつくしなりの寂しさと月子なりの寂しさの違いを出して欲しかったと思います。

仏壇の前でつくしなりの思いを語ったけれど、つくしは月子を求める、月子は陽人を求める、この違いだけなんですよね。もっと二人の背景の寂しさの根底にあるものはそれこそ救いきれないぐらいに辛いものにして欲しかった。

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それに、月子の願いとしては、両親もいなくなった今はこの部屋の数や広さなどつくしと月子の二人で使うには無駄な部分だらけだというのはわかります。

だとしたら、まず猫像に両親が蘇ってくるようなことを願わないでしょうか。二人ともまずはその願いをしてから無理だとわかって、その代替として陽人が選ばれたというならわかります。それと二人で過ごすなら部屋が多すぎて、こんなにいらないという願いは陽人がここに仮に残ったら、三人になるからそれもある程度緩和されます。

そうしたら、月子の願いって前回までと違ってかなり薄くなってしまっているように感じました。性格もブレちゃったし、何とか陽人が好意を持てばそれだけでいいという解決法がパターン化されすぎちゃっています。

個人的には陽人が梓から建前と本音を取り戻した時くらいの感動が欲しかったかな。あれは梓の汚い(というと語弊がw)所を見てもいつまでも近くにいたいと思える陽人なりの選択。恋人にはならないけれど、それだけ梓のことを大切に思いたいと感じられる言葉の連発が素晴らしかった。

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で、今回の陽人の月子に対しての告白は猫像が土蔵にいつまでもあるのだから、陽人が全て月子のことを肯定的に捉え、いつも一緒にいてくれるように脅迫が出来るんですよね。

また、トランプをやりたいだけという月子の切なる願いが生み出した大惨事というストーリーは面白いけれど、陽人がトランプをすぐにやらなかったら猫像に祈って、陽人をまた月子の家に監禁することが出来る。この繰り返しになってしまったら、人間関係の妙は描けなくなってしまいますね。

それだけが今回懸念材料として残りました。月子は奥手で奥ゆかしくそれでいて感情を殺しつつ小さな願い事を胸に秘めてそれを達成するために努める性格が好きだからこそ、いつまでも猫像に頼りすぎてしまうのはちょっとやめてほしいかもしれない。何だか苦言みたいになってしまったけれど、月子が出ていれば私はそれだけでいいのですw。