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姉との距離と陽人との距離、二人の距離は今どれくらい?


月子の背景にプラス要素として姉との仲を昔のように戻したいという願いもあったけれど、個人的には保育士としての表情に自信がない方が好きだったなぁ。

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確かに姉との関係を持ち出すことで陸上部つながりの姉も引き合いに出してキャラの造形をより深く出来る反面、複雑すぎて解決への糸口としてはやや重たい雰囲気になってしまった分、もう少し軽く納得できるストーリーとしての面白さを提供出来ればより一層月子の魅力が増したと思うんです。

月子が仮面を外しても陽人は見破ってくれない現状を打開するだけでも単純だけどその方が良かった気がします。今度は鋼鉄の王攻略ですから、月子経由での問題解決としてはスムーズだけど、なんとなく鋼鉄の王はそのままでいて欲しかったな。

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月子マニアではあるけれど、鋼鉄の王には興味がなかったりするんですよね。何というか、梓と月子の間に揺れる陽人の様子が良かったので、サブヒロイン的な役割としての鋼鉄の王でいて欲しかったです。まあ、月子を知るためにはまず姉を知ることで始めた方がいいですものね。

てか、サブタイが読めなくて斃された。斃(たお)し方と読むんですね。普通に倒すよりも死が感じの中に入っている分、おどろおどろしい感じになります。この作品のサブタイとしてはすごいギャップ差を感じます。

縁を切りたい


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で、鋼鉄の王と月子との関係。鋼鉄の王が好きではない理由として、あまり考えていない所なんですよね。今回のオチもなんだか変態で終わっちゃったし。俺妹みたいにシスコンでいいのかw。

何はともあれ、陽人(の弟)にバラした姉妹の縁を切る理由にただ感情が子供っぽいだけで説明がつくというのは到底思えない。嫌っているという理由にも弱い。縁を切って何が変わるのかと問い詰めれば、きっとどうでもいい答えが返ってくるだろう。

なら、鋼鉄の王自身はどうなんだ? 果たしてそれが大人として月子とは付き合うのをやめるほどの大人なのか? いや、断じて違う。大人ならそういった弱点とも言える妹のために尽力をあげ、その弱点も魅力として捉えるだけの懐の深さがあってもいい。

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そういう意味では月子の方がお姉さんっぽくて、姉の鋼鉄の王の方が妹みたいで子供っぽく見えてしまいます。こんな妹がいて恥ずかしいと感じるなら、いつしか、こんな自分の弱点が恥ずかしいと、妹より常に上回っている弱点のない自分を追い詰めないといけない。

それは夢や目標に向かって頑張ろうという気持ちにさせる反面、人を見下しているために(しかも、肉親の妹を)、よりよい人間関係を構築して妹よりも上回っていることが肝心になる。

月子のマリッジブルーであろうと、月子が姉を好きであることは鋼鉄の王自身は知っていると思うし、それを知らないならば結婚したいほど愛しているとは言えない。そして、月子も姉が縁を切りたいと言い出した背景も知っていてもおかしくない。つまりは鋼鉄の王も妹もバカであるという結論にw。

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まあ、仮に姉が縁を切りたいのが本当だったとして、妹が陽人という変態クラスとはいえ、恋人関係を既に築き上げているのなら、その陽人を上回るだけの良い男を見つけないといけない。

それにその男に取られる結末を予期していない姉の異性としての愛(いや同性だけど)で結婚したいのならば、そこで二人の仲を割くための言葉を吐くはずなのに、縁を切りたいとしか言わないのはただの誤解を招くし、なんだか腑に落ちない。

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そして、もし、本当にもし、月子が陽人と早々に結婚などして幸せになろうものなら、姉としていきおくれとして周りから見られるし、月子と結婚したいと思っていた姉の思いは虚しいものになる。

それに対向するべく好きでもない男と結婚したとして、本当に自分の幸せを得ているのだろうかと疑問視するし、妹と縁を切ってプラスに働いているのだろうか、と考えないのだろうか。

これは子供っぽい表情にコンプレックスを持っていて努力している月子を応援するよりも大変なことだと思います。赤の他人(陽人の弟、妹の恋人っぽい)に対して簡単に縁を切るとばらしてしまう軽率な態度の方が問題だと思います。これを色んな人に言うような性格なら、きっと恥ずかしいのは本人だと思う。

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だけど、妹の恋人だから特別に言っただけで周りには何も言っていないのか、それとも、周りはそれに対して口出ししていないのかわからない。

けれど、そのことを誰かに言えば確実にそれは馬鹿らしいことだと言ってくれるだろう。もし、そんな反応がなく、鋼鉄の王に同感するなら、それは鋼鉄の王を本当に思っていない人だと思う。

もしかして、それを言われても、鋼鉄の王が意志を曲げないのだとしたら、本格的に人格を疑うような人間になるかもしれないので、月子の方からそんなつまらない意地を張っている姉の縁を切りたくなりますよ。そうなると、最悪な事態になるけどね。いや、そこまでされるといくらなんでもバラすか。

なので、作品のストーリーの背景としてはもう少し、縁を切るだけにふさわしいオチと設定があったほうが説得力が増したと思うんですよね。こういうツッコミもなかっただろうし。だけど、鋼鉄の王の子供っぽさを引き合いに出すのなら確かにこういう設定もありかもね。実際にいたら超残念な人だと見下しそうだけど。

「先輩は私の何ですか?」


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そして、そこから先が良かった。「先輩は私の何ですか?」。月子にとっての陽人を本人に考えさせる。陽人のやっていることは単なるお節介だと認識させる。そこまで踏み込んでいい領域ではない。

互いに共同戦線を張っているけれど、あくまで同じ猫像に奪われたものを取り返すまでの関係。それを言いたい月子だけど、本音では中学生の頃に陽人と会っていて見つけてくれると約束したこと、陽人が月子をどう思っているのか素直に聞いてみたいこと。この二つなんですよね。

だから、問い詰めてみた。表情は隠れて見えないけれど、少し泣いて訴えかけるような言葉だったと思う。本当に月子のことを思っているのか、友達なのか、ただの共同戦線としての程度の知り合いなのか、月子が考えている陽人に対する思いとリンク出来るのか切なる思いで聞いたのだと推測します。

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一見、この言葉をいうことにより「私に関わらないで下さい」と拒絶しているように思える。だけど、月子のことを大事に思っているなら、関わろうとする責任を取って下さいという意味なんだと思う。

姉との関係が良化するための対策があったとしても、それは知り合いレベルならアドバイスという名の偽善でしかない。そのアドバイスに従って失敗しても自分は全く関係ないよという姿勢なら、余計なことにしか過ぎない。

ただの上っ面のセリフなんていらないわけで、本当に月子にとって幸せになれるように考えて、その月子のアフターケアとして、いつまでもそばにいてくれる存在であるかの確認なんですよね。

だから、親縁関係に踏み込んでくるなら、月子のことをもっと愛してくださいというプロポーズに似たような言葉にも聞こえました。

「あなたは私の何ですか?」


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そして、そこからの月子の怒涛のセリフが良かった。別に陽人を責めているわけでもない。もっと月子に対しての思いを明確にして欲しいだけ。入り込んでくるだけの思いがあるのかないのか、とにかくそれが知りたい。

「協力関係がなくなったら、あなたは私の何ですか?」最初と同じセリフなんですよね。月子との仲はどうなっているのかを再度聞いているだけ。だけど、この言葉で月子は陽人から距離を置こうとした。

文字通り、中庭に裸足で出て陽人との距離を置いて、月子としては陽人はきっとこのぐらい離れていると感じたのでしょう。家の中にいる陽人。家の中とはいえ外に出ている月子。

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その関係は近くも遠い。二三歩、月子に歩み寄れば月子との距離は縮まる。だけど、それはしなかった。やっぱり、陽人にとっての月子は友達か後輩か知り合いかその程度でしかないのだと言って、今度は月子も突き放したような言い方で、先輩と呼ばず「あなたは」と他人行儀になって問い詰めます。

きっとそこで陽人に真面目に答えて欲しかった。本当の気持ちを建前抜きで「あなたと私」の関係について、「あなた」はどう思っているか真剣に考えてみて欲しかったのでしょう。それに対する問いは明かされなかった。

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確かに、接点があって共同戦線を張るうちに仲良くなったとはいえ、その関係を言葉にして言い表すにはまだ二人の距離も縮まっていないし、二人の時間も少ない。ここで告白めいたことを言っても建前を取り戻した陽人のことだから、嘘だと思うでしょう。

かといって、友達や知り合い程度で今まで通りと言ったら、姉と妹の関係に踏み込んでくるのは踏み込み過ぎだと言いたい。だから、その後の答えを映さなかったのが良かったですね。まだわかりかねている。今はそれが答え。明確な答えはもう少しときが経ってから真剣な答えを返すのだと思います。

夏休みの終わり


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そして、最後のオチとしてはなんだかある男子から陰湿ないじめを受けていたけれど、それが単なる誤解で照れ隠しでその女子を好きでやっていたことだったと言われた時の気分に近いかもしれないです。つまりは無難なオチ。ありきたりでわかっても合点が行くというわけでもなく不完全燃焼的な感じ。

だけど、その間の月子の姉に対する悩みで色々と考えさせてもらったのでなんとなくオチはあれだけど、内容としては面白かったですね。月子が一杯見れたし、それだけでこの作品は好きです。本当なら、水着とかで隠れた部分を映してくれれば最高だったのに。月子の慎ましい胸なら大丈夫でしょう?(本当に変態さんですね

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で、今回で猫像の件は終わり。いつまでも月子は表情を取り返す術がなくなったという結末。いや、わかっていたけどね。タイトルで『笑わない猫』とついているのに、ここで表情を取り戻してしまうと、タイトルとしては相応しくないですしね。でも、本音を言えば表情豊かな月子が見てみたかったというのがあります。

そして、陽人が月子を妹にしたいのならば、普通に鋼鉄の王と結婚すれば義はつくけれど、実質妹になりますよ。って、月子はもらっていきますね。という流れ。まあ、月子より鋼鉄の王を落とす方が難しいけれどね。けど、月子を妹にしたい気持ちはわかる。だったら、結婚せずにいまがおいしい時期の月子のそばにいつもいてあげればいいのにと鋼鉄の王にツッコミを入れてみる。

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さて、来週から家探しが始まるのですね。これはもしかして、陽人は筒隠家に仮住まいして、月子と一つ屋根の下にいるという羨ましくも本当に一人の家族として扱われて、本望である月子を妹みたいな感じで扱う生活が待っているわけですね。

もしかしたら、そのために家をまるごと消したというなら先輩は確信犯ですね、と月子が言ってきそうです。一日で綺麗サッパリなくすほうが難しいけれどね。まあ、月子と一緒にいれるなら、家の一件や二件くらい、ねw。せめて月子の家族がマンション暮らしで両親はいない設定だったら萌え萌え展開なんだけどなw。