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美しさの見解の相違。それは今も昔も移ろいやすく、人によって色も変わっていく。好きになる程の美しさを見つけ身につけ身に染みていく。それは一人の美と多くの美の違い。どの美を求めていくのかは自由であり、誰も否定することなんて出来ないんだ。


今回もまた号泣でした。もう、この菫ちゃんの心の変化だけでも楽しめるのに、そこにかなちゃんや千早が入るものだから、誰を支持していいのかわからない。だけど、誰もが持っている強い思いをお互いの妥協点を見つけながら、強いものにしていく女の強さを感じ取れる回となりました。

かるた部の入部希望者は衰退しました


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何ていうか、かるた部の入部希望者の減少は予想できていたけど、まさか一人だとは思わなかったw。極端すぎて笑えた。しかも、唯一と思われる男子部員だけという。誰もが太一目当てできて、かるたの醍醐味を知らない。

それは強豪校として名を知らしめたとしても、それだけマイナーな競技であるからこそ、かるたを見ずに人を見てしまう。千早も最初は新を見て、変わり者だけど、興味があったのは確か。

千早自身も新の心の強さに惹かれて、かるたに入った。そう簡単にかるたを最初から愛することは出来ないんですよね。何かきっかけがあって、かるたを好きになるという経緯があるから、そのことを太一はよくわかっていた。太一が千早の教育係を嫌がった理由がわかった気がする。

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かるたバカだからこそ、なぜみんながかるたに興味を示すのかはわからない。みんな直接かるたの面白さを発見できるわけではないことを千早は知らないわけなんですよね。

競技かるたの実践を見れば、千早みたいに惚れ込んでしまうと思っている。千早はそれだけ、かるたの魅力を知っているからこそ、他人も同じように感じると熱く燃えてしまうからこそ、その時の空回りの落胆が悲しいことになる。

でも、みんなが太一目当てで消えていくというのは逆に千早にも当てはまって、かるたが好きだからこそ、他のことがおざなりになる。それは机くんの説教により千早も勉強に頑張るようになったけど、そう簡単に一つのことに打ち込むことの難しさを示していたと思います。

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趣味だから、遊びだからという感じで楽しくやれればいい。だけど、楽しいか楽しくないかはその人の価値基準なんですよね。勉強も面白いと思う人は本当に面白いと感じていて、机くんほどではないけれど、解いていく楽しみを見出しているからこそ、楽しく学べる。

だけど、やらなくてはいけない。強くならなくてはいけない。他のことを犠牲にしなくてはいけない。これって、結構大変なことなんですよね。第1期の小学生編の千早に対する家族の扱いを見ればわかるけれど、何か注目を浴びたり、人に自慢できるようなことでなければ、それに夢中になることって本当難しい。

入部希望者のみんなは気楽に考えているけれど、その考えは間違ってはいないわけなんですよね。一途になって失敗した時に取り返しのつかないことになるからこそ、色んなことを体験しながら、普通よりちょっと上の人生を歩みたいと思っている。

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そうなると、かるたに打ち込むとなると、本当に強くなって実を結ぶ事にならない限りはただ苦難の日々が続くわけです。その代償は何か。普通の人の人生より上なのか、下なのか。

そこに行き着くと、かるた部に入る必然性がなくなるわけです。どう見ても下に見えてしまうから。それは千早が感じた思いとの温度差が大きいんですよね。心に響くことがない限りは無駄な時間は使いたくない。実を結ぶ確率の低いことに時間を注ぎたくない。すごくよくわかります。だけど、その先ですよね。

じゃあ、その時間を何に使うかという部分に行き着いた時に、周りと一緒にただ駄弁っている毎日が楽しいかどうかという部分で時間がどんどんくだらないことに奪われていく。それがすごく勿体無い。だからこそ、入部希望者の考えに共感はできなくなってしまう。やっぱり、千早の方が輝いて見える。

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でも、それって、傍目で見たら、ただ頑張っている自分に酔いしれているだけじゃね?という意見も出てきそうな感じがしますが、それは入ってみて本当にそうか自分の肌で感じてみて欲しいと思ったりするわけなんですよね。

第1期の千早たちのかるた部の活躍や感動を見ると、かるた部の入部希望をやめた人たちの惜しく見えてしまう。そこで、第三者的立場の菫ちゃんがいるわけです。この子は本当によく考えていると思ったりしました。

それは恋だけでなく、人生という面で。そう簡単に自分たちを客観的に見れる人はいないですよ。楽しいことだけやっていればいい。その先も見据えて楽しい未来を見ていればいい。これは千早も同じなんですよね。

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だけど、菫ちゃんはそこから一歩踏み込んで、それが本当に自分が楽しいと思えるのかどうか考えるのが彼女の素晴らしさだと思います。

マックでの無意味な時間の過ごし方に疑問を持ち始めて、本当にこのままでいいのかと自分探しをするのと同時に恋人というものがどういうものなのか彼女自身探りながら人生を歩んでいく姿には感動です。

自分の感情に正直であると同時に自分の感情を分析する。それは机くんのように。もっと楽しいこと、もっと有意義なこと、もっと素晴らしいことは常にあると思っている。楽しさだけでは満足しない彼女の向上心は今は恋だけに向かっているけど、かるたを含めて多方面に向かった時に強さを発揮すると思います。

だから、太一と話した電車でのワンシーンで、彼女は太一からもっと楽しいことがあるということを太一から感じ取ったのだと思います。それが何かわからないから調べる。探求する。

だけど、太一にしかわからないと思うから、躓く。だから、彼女は恋だけじゃないというのがわかっただけでも、少ない女性陣の中でも好きなキャラになりそうです。

かなちゃん vs 菫ちゃん


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それと、かなちゃんとの衝突。筑波の下の句かるたの話が面白かったけど、やっぱり、人間同士のぶつかり合いっていいですね。言いたいことはあるけど、言えない。言いたいことはズバズバ言う。言いたいことは行動で示す。これが、かなちゃんと菫ちゃんと千早なんですよね。

とにかく千早は自分のフィールドに持ち込んでの勝負になるから、菫ちゃんがそこには入りたくないと思っているからこそ、かなちゃんが役に立つんですよね。千早の思いの代弁が出来る彼女。

千早は不器用だから上手く言葉にできないから、表情や仕草で思いを伝えていくんですよね。だけど、菫ちゃんは動くよりも考えるタイプなので、千早の思いは届きにくい。

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だけど、そこにかなちゃんという通訳が入ることで、かるたの素晴らしさを菫ちゃんに理解させることが出来る。それに加えて、かなちゃんも熱血な千早から教わった競技かるたとしてよりも、女性としての美しさとか、輝きを今も大事にしているからこそ、菫ちゃんに共感できたのだと思います。

本当の美しさで両者相違はあるけど、その美しさを求める思いは一緒だと二人が感じ取った時が嬉しかったですね。てっきり、かなちゃんが百人一首の恋の歌の美しさのうんちくで説得するかと思いきや、菫ちゃんの意志を大事にしていた。

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菫ちゃんからも恋の歌を通して、今と昔で変わらない男女の恋について教わって、同者同じ立場になっての話し合いになったという部分で泣ける話でした。

恋を語るのに年齢なんて関係なく、その恋の美しさについて語り合うというのもいいですよね。やっぱり、かなちゃんの静かに燃える闘志というか、女としての美しさを求める彼女には、一度でいいからちょっと恋の経験をさせてあげたくなったりしますね。

千早が背負っているもの


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そして、千早です。もう、千早については言いたいことがたくさんあって、言葉にするだけでも大変だけど、千早は今までの体験を大事にするんですよね。これからの未来についてはバラ色な感じの輝きを放っている分、逆に過去には悲しい経験が多いんですよね。

だからこそ、その悔しさをこれからの未来につなげていこうとする姿勢が千早らしさなんだと思います。でも、楽しい経験も一杯してきたからこそ、今の千早がいるわけで、辛かったり悲しい経験だけでは、かるたを本当に愛せないと思います。かるたを通して楽しさを学んできた。

かるたを通して、人との交流の素晴らしさを学んできた。千早の楽しいという感情はやっぱりかるたを通してなんですよね。そして、そのかるたを愛おしく思えるあまりに、それが周りに浸透しないのが悔しいという気持ちが痛いほどに伝わってきます。

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自分と同じ感情を持った人間がいないというのは、やっぱり寂しいし、これが正しい道なのか考えてしまうものですが、千早はかるたが可哀想という所に落ち着くんですよね。

自分の人生よりもかるたを通した人生の楽しみを味わっている分、そのかるたの楽しさをみんなに知ってもらいたい。たとえ、そのかるたを1年間続けてやって楽しくないというなら、それはそれでいい。

だけど、人間で一番嫌なのは、嫌われるよりも無視されることなんですよね。きっと、千早の中で、かるたは擬人化されていて、そのかるたを愛している。新もかるたが好きなので、今の所、新はかるたを通じて好きを感じさせてもらっている。

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だから、みんなにも無視しないで嫌われてもいいから、かるたという人を知ってからやめてもらいたい。好きでないならそれでいいのに。みんながかるたを知らないまま終わってしまうほどにかるたを愛している千早が好きだったりします。

そして、そのかるたを通じたかるた部のみんな。チーム戦という競技だからこそ、足を引っ張ったりする恐さを秘めている。それは机くんが俺は捨て駒だと思ったのとは違って、みんなを楽しませたい。みんなに迷惑をかけたくない。この二つが千早の心残りなんですよね。

それが高校選手権を前に千早を苦しめる。また、同じ事になったらどうしようという不安が千早の中に常にある。一度ならず二度までも、ってなった時に、かるた部の部員を集めた張本人が選手権でいないという悲しさってこの1年間ずっと抱え込んでいたのだと思うと、その肩の荷をおろしてあげたくなってきますね。

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みんなが千早のせいじゃないといっても、千早は自分には厳しいからこそ、その言葉に甘えたりはしない。だから、たまに太一がヒートダウンさせてあげているんですよね。

たまには自分の体もいたわってあげて欲しいというぐらいにかるたに熱中しすぎている千早を優しく守ってあげる太一がいて、千早には十分伝わっていないだろうけど、千早に助けられたり、楽しませてもらったりしたかるた部の部員がいるわけです。

次の高校選手権でそこを一年生二人が埋められるか、千早の体調が万全でリベンジが出来るか楽しみです。即戦力になるかという意味では後者が一番有り得そうだけど、競技かるたを知らないのに下の句かるただけを自信にして負けない強さを持っている筑波のポテンシャルは計りきれない部分があってこれからが楽しみです。