今回は『ココロコネクト』と『TARI TARI』のOP考察をしたいと思います。こちらは『ココロコネクト』。どちらも主要なキャラ5人という点と男女比が「2:3」という点でOPを作ったとしたら似通ってしまうように見えますが、どちらの作品とも着地点や目標が違うので、かなり異なるOPが作られていて、その部分が面白いので、個人的推測を混じえたOP考察をしたいと思います。「演出」とサブタイに入れましたが、そっち方面に疎いので、そこはそれっぽいって感じで流しちゃって下さい。

それに中盤にきて今更って感じだけど、作品の方向性が定まってきたからこそ、素晴らしさが際立つというものだと思います。その中でも動かす部分は動かし、止める部分はきちんと止めるという見せ方がどちらも魅力的だということをキャプを混じえながら勝手に想像したいと思います。

第6話までのネタバレを多少含んでいます。よろしければ続きをどうぞ。

『ココロコネクト』の作品としては人格入れ替わりのちょっとしたほろ苦い青春ファンタジーですが、人の心の揺れというのを大事にしているので、その感情の起伏を大事にしたいというOPの主旨がありそうです。

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まずはイントロの部分、この虹のようなラインがビルの隙間や大通りを突き進んでいくシーン。そして、空中に浮かび上がってタイトルが出てきます。これから始まるぞという感じで疾走感を出したかったのだと思いますが、それだけだと芸がない。だから、この虹に意味をもたせると、虹というのは雨上がりとか大気中の水分が多く晴れた時に見られるもので、雨の中では見られない。

この雨というのは涙にも喩えられるので、様々な試練を乗り越えて最後まで風船葛に負けず、その涙が全て拭いされた時に、彼ら5人の心が虹のように輝くという意味で使われていると思っています。そんな虹が都会の喧騒を走り回るように躍動感あふれる伸び方をしているので、彼らの最終的な喜びを表現しているのかもって思ったり。

あと、虹は基本7色ですが、少し前までは5色だと思われていたりして、その5色と5人を合わせてもピッタリなので、この虹は「試練を乗り越えた5人の涙を拭い去った喜びの結果」としての象徴かも知れません。って、そんな結果を最初に持ってくるというのは冒険的だと思います。

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そして、文研部5人の登場。その中でも伊織が喜びの表情で唯を呼んでいる姿があって、この二人の仲の良さと想いはそれぞれ通じ合っていて楽しい文研部の学校からの帰り道の姿に思えます。

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だけど、その二人の浮かれっぷりを懸念するかのように太一が何かに気づきます。その何かというのは文研部の危うさだったり、この幸せがいつまでも続いていくのかという将来の不安だったりするのかも知れません。風船葛のような存在を予知していたというわけではないでしょうけれど、太一は自己犠牲野郎って姫子に言われる通り、誰かが悲しいとか寂しいとか思ったらすぐに気付くので、その部分ではちょっとした所に何かを感じたんでしょう。

その太一の不安に反応するかのように夕暮れの中、姫子が振り返ります。その後は何事もないかのように歩いていくので、この部分では太一も姫子も何かが起きるかもしれないと感じたけれど、その何かがわからない。だから、いつも通り5人で歩いて行く。その懸念は風船葛のイタズラという形で当たることになりますが、それでも、この太一と姫子という5人の輪を大事にする二人がいたからこそ、こんな試練も乗り越えたのかな、と感じます。お互いに考え過ぎだけど、その考え過ぎが結果的に5人の絆を守ることになったのだから、この気づきというのは大切だと思ったり。

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次のシーンでは5人が校庭を見ながら座っているシーンになります。義文からの好意に恥ずかしがる唯に対し、伊織は俯いて何やら不安そうな表情になっています。これがヒトランダム編で言われた自分がわからないという悩みにつながっているのだと思うと、この後に太一や姫子を映さない所を見ると、伊織の不安はいつまでも続いていきそうな感じがするのですよね。ヒトランダム編の太一とのキスで一件落着に見えているけれど、心の中ではやっぱり一人で悩む姿が見えて寂しくなる。

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で、そこから黒板の文字とキャラ紹介に入るわけですが、この黒板の文字ってきっと文研部の他の4人からの印象だと思うのですが、みんな言いたいこと言ってくれています。まあ、太一と義文と姫子が可哀想なことになっているけれど、伊織と唯には「好きだ」とか「可愛い」という文字がある所を見ると、太一自身が「可愛い」とか直接言うことはなさそうなので、きっと匿名ってことで書いたのでしょう。

まあ、唯に対する「好きだ」はあからさまに義文だってことがわかりますけれどねw。まあ、そんな女性陣の中で姫子はわりかし普通。誰か「可愛い」とか書いてあげればいいのに、姫子のキャラ的にそんなこと書かれてもどうせ上っ面なことしか思っていないんだろ?って疑いまくりそうですけどね。まあ、だからといって何も書くことがないかのようにあまり特徴を描いてない所に自分らしさが感じられなくて溜息が出るのもわかりますけどね。それはそれで姫子らしくていいかな、なんてね。

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ここからサビに入ります。サビになると一気に動き出すのが普通ですが、『ココロコネクト』では全く動かないに等しいんですよね。青空でジャンプしている5人を映しますが、動いているのはカメラだけで人は動かないんですよね。これは作画の省力かと一瞬思いましたけれど、立体的に回るように映しているし、エフェクトもかけているので、それなりに作画は必要になるので前言撤回。5人を止めないで動かせばもっと良くなったように思いますが、ここはあえて『静』で勝負してきたのだと思います。あくまで5人とも笑顔を見せて生きている躍動感を伝えつつ、その関係は揺るがないことを『静』で証明したのだと思います。

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で、『静』はまだまだ続きます。シーンは部室での日常を映しているけれど、それほど動きはない。定点カメラで日常を映しているだけ。でも、シーンを色々切り替わらせることで、彼らの日常の様子がわかりやすくなっています。立場とか立ち位置とかこれだけで文研部というのがどういう所なのかわかりやすく表現している所が上手い。そして、5つ並んだカバン。見た目は一緒のカバンだけど、一緒においていても自分のカバンは間違えないくらいに付き合いが長いというのがわかります。ここから静止画の連続になります。

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普通はこのままサビで盛り上がってすぐにラストになりますが、曲が一気に寂しくなります。『eufonius』が彼ら5人を嬉しい雰囲気を表すかのようにテンション高く(と言っても優しい声質なんですけど)歌っている中でなんだか悲しい声になって不安を感じさせます。その中でも下駄箱に掘られた文字が気になって仕方ない。きっと、「キライ」って掘っていたのを消して無理やり「スキ」にしたのかと思いますが、その「キライ」というキズは残ってしまっているので、「スキ」という文字がなんだか寂しく見えたりします。

そして、風船葛の出番です。ハートが入った透明な丸いケースを映し出すことで、風船葛にとってはそんなビー玉を動かすみたいな感じで、いつでも5人のハートという人格や体を動かせるということを示しているように思います。

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で、ラストの『静』。今度はカメラは横に動きます。そして、サビでの5人の笑顔は消えて無表情に近い表情へと変化しています。サビでの『静』と同じに見えるけれど、カメラが回って体全体のダイナミックな動作を見せることで楽しい雰囲気を出せますが、今度は顔だけを映していることで何やら不穏な空気へと変わっています。その無表情に見える顔は決意の表れで、風船葛を写したあとに橋の上で5人の様子を映したので、風船葛に負けない強さを持っているという証明でもあるのかも知れません。

しかも、伊織が橋の上から落とされた橋の上で5人並んでいるので、例え意志を操作されて殺されそうになっても自分たちの5人の絆は消えることがないということが言いたかったのかも。

それと、ラストの少し前では(伊織と太一だと思いますが)手をつないで誰も一人じゃないということで明るく終われている所にグッと来ました。そして、ラストでは希望の虹がいつまでも伸びていくということで視聴者にとってもハッピーエンドを期待できるという意味では良いOPだと思いました。