中二病でも恋がしたい! - アニメ画像018

笑えばいいですか? それとも、泣けばいいですか? 私はここにいてもいいですか?


前回の引きの十花の頼みで水着回だというのはわかっていたけれど、その神妙な面持ちから普通に水着回ということで楽しむってわけでもなく、六花の背景にあるものへの探求があるわけです。

それと勇太としては六花に対しての今後の接し方も含めて、かなり哀しいシリアスな話に。モリサマーや早苗たちが笑いという形でほんのり明るさを残す絶妙なバランスが素晴らしかったです。

もう一度、父親の声を……


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六花の行なっていた無線ってアマチュア無線でも結構な値段と大きさがあるので、使っていないと勿体無いと感じてしまいますね。広大で高い場所に行けばチューニング次第でロシアのラジオとか聞けたりします。

でも、こうやってラジオを聞くことで父親や母親がいない孤独という哀しさを紛らしていたんですね。それと知らない地の知らない言語が流れるような無線。

それは幼い六花からすれば、自分には何も出来ないことはわかっているけれど、せめて遠い所へ旅立ってしまった父親に近づきたいと思い、もし無線が混線して不可視境界線を超えて父親の声が聞こえたりしないだろうか、という一縷の希望なんでしょう。

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そういう意味では六花の言う「不可視境界線」の意味がようやくわかったような気がします。六花の言動は周りから見れば「中二病」という括りにされて痛い子と思うかもしれないけれど、その背景には、父親に会いたいという期待が込められているみたいなんですよね。

世間からは非常識のような扱いをされたとしても、この世界の真相は六花の思う通り隠されていて、その真実を知るために六花が行動しているとなると笑える話が一気に泣ける話へと変わります。

もしも、本当にもしもだよ。人の目には見えない境界線の向こう側とこちら側があって、父親は向こう側にいて不可視境界線ゆえに見えないものとなっている。

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だけど、その境界線を越えれば父親に会えると思っていたとしたら、父親は死んだのではなくそこで六花のことを待っている。そんな気がしてくるんだ。だからこそ、六花は父親が死んだことを受け入れられない。

そして、十花が不可視境界線管理局のプリーステスと呼ばれている理由も説明がつく。その不可視境界線を越えさせないように管理しているように見えるのは、突然消えてしまった父親のことを話したのが十花だと思うから。

不可視境界線の向こう側に行ってしまったことを知っているということは管理しているかも知れないということ。もしかしたら、そんな意地悪をしているようにも見える十花を恨んで今の状態になっているかもしれないけれど、実のお姉ちゃんだからこそ、そんなことはしないと六花は心の底では思っている。

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きっとその心の揺れが今の彼女を形作っている要素なのかも知れない。今は中二病扱いで留まっているけれど、どうしても父親に会いたいならば、不可視境界線の向こう側に行くしかない。

その方法は十花が六花に伝えたであろう「死」がキーワードになってくると思う。死んででも父親に会いたい、と六花が感じるようになればそれでジ・エンドなわけです。

だからこそ、十花は管理局のプリーステスとして、六花が「死」の世界という不可視境界線の向こう側へと越えないように、六花の作った仮想世界と現実のバランスを支えてあげているのかもしれない。

不可視境界線管理局のプリーステスとしての最大限の優しさ


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おばあちゃんは優しそうだけど、おじいちゃんは理解に乏しい面がありそうだし、六花の思いを踏みにじるようなことを簡単に言っている。

それは六花にとって決して良い環境ではないからこそ、この屋敷を抜け、六花の心を守ったのでしょう。だけど、やっぱり十花も現実を受け入れて生きていくので限界はある。両親の代わりにはなれない。

働いている時間はクラスメートや友達と遊んでいてくれれば問題ないけれど、やっぱり六花は六花が築いた一人の世界で閉じこもっている。

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十花はなんとかしようとして勇太に頼んだ。勇太なら全てを任せても問題ないと感じて託した過程で十花の苦悩が感じられます。

十花も十花なりに接して、おたまを使いバトルし六花の思いを否定しない優しさでもあったり、いつかは現実を見ないといけないということで最終的におたまで叩いて少しずつ現実世界を感じられるような厳しさもあります。

その立花の苦悩や苦痛をわかってあげられる十花を通して段々と六花の心が癒えてきているようなきがするんですよね。そういう意味では六花から見た十花は「不可視境界線管理局のプリーステス」なのではなく、六花の心を管理する優しいお姉ちゃんなのでしょう。

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か弱い六花を守る存在が一人しかいないということに十花は懸念を示していたからこそ、今思えば猫を飼いたいという六花のわがままを勇太を通じて心を痛めないようにして捨てて欲しいと頼んだんだと思います。

もし、十花の口から何度も「捨てる」という言葉を言うならば、母親から捨てられたことや、父親がいないことを感じ、またひとつ六花の大切なものを奪ってしまう辛さもあったのでしょう。でも、猫アレルギーだから仕方ない。

こればかりは仕方ないと割りきって六花に伝えなければいけない。十花自身も同じ境遇に立っているのに、自分のことではなく妹のことだけを考える十花の姉妹愛に惚れました。

そして、これから六花のことを「中二病」として見られなくなってしまった勇太も同様。それは十花と勇太の六花への想いの共有。六花に現実を打開して新しい世界を切り拓いていくのではなく、巻き戻せない現実を受けていれていく心の強さをつけるように周りが彼女を支えていくということを。

今、真実を伝え受け止めること


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でも、それは今じゃなくてもいいかとは思った。だけど、六花に信頼出来る勇太という恋人に近い存在がいて、先輩にクラスメートに後輩の友達がいる。ある意味、六花の過去を振り返ってみたら今の時期が最善とも思えてしまうのですよね。父親も母親もいない。十花しかいない。その十花も日中はいない。

そんな過去を過去として置いていけるぐらいに勇太とは打ち解けた関係を築いて、勇太が彼女のセカイを大きく広げてくれた。ずっと六花のことを見ていた十花がもう大丈夫だと思ったからこそ勇太に対して実家へと呼んだんですね。

つまりは実家に帰ればどんなに止めても六花は必ず父親との思い出のある家へと向かう。だけど、その時はきっと一人じゃない。実家へ帰省するなら、十花と六花だけで十分だろう。だけど、そうなると、六花一人で向かうことになる。

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だけど、六花が絶対の信頼を置いて、勇太にも知らせたいほどの幸せな思い出があるからこそ、一緒にランデブーしてその幸せを実感したい。そんな思いがあるからこそ、確実に六花は勇太と一緒に向かう。

そして、十花自身は不可視境界線管理局のプリーステスとして止めに入る。これは本気で止めに入っているわけではなく、六花にとっての敵がいるという優しさの演技だと思います。

六花はその敵を倒すために戦っていかなければならない。戦う相手は見えないものだからこそ、戦う相手としての存在の十花、そして、勇太という味方がいつまでもいてくれる。戦うことで自らの存在意義を確立して行く。これからもずっと……。

涙の「バニッシュメント…ディス、ワールド」


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そんな現実を涙を流すことで受け入れつつも、十花と戦うことで六花なりに自らの精神をなだめていた六花が印象的でした。それと、十花をお姉ちゃんと呼んだり、パパやママという普通の女の子に戻ったかのような六花の嬉しさが感じられた。

そんな嬉しさを打ち消す程の更地になっていた土地。だからこそ、いつもの「爆ぜろリアル!弾けろシナプス! バニッシュメント…ディス、ワールド」のセリフの声が震えていて、何かにすがりつきたくて、立っているのも黙っているのも辛そうな六花がいるわけです。

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だけど、セカイは変わらなかった。いつもなら、妄想世界を具現化したバトル展開が待っているわけだけど、今回はその決め台詞を言っても六花の中二病セカイへと変わらなかった。

つまり、六花はようやく現実を受け入れられたという引きが最高でした。EDに入る前に泣き崩れました。今回が水着回だということを忘れてしまう程に。