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対抗するために退行する。心も体も想いも退行しても、それは過去も含めて、今の自分も未来の自分も、自分は自分でしかないのだから……。


「うるさいの! 私は桐山唯よ!」。
カコランダム編で焦点があたっているのが唯だと思ってきて、なんだか唯が可哀想になってくるんですよね。この作品は心を抉るような感覚を覚えるけれど、そこに優しさと絆と何ものにも代えがたい友情があるわけで、その証明をすることでラストでは心温まって終わるんですよね。だから、今回も抉ってきます。

桐山唯の存在証明


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伊織が過去の自分を知ってもらって自分探しでポジティブに捉えている中、唯にとってはネガティブな感情を芽生えさせるような場面が続いて、キズランダムでも辛かっただろう唯をこれほどまで痛めつけるとは思ってもみなかったですね。

一番つらそうに見える唯への義文の恋愛感情は嘘かも知れないという不安もそうですが、空手をやっていた頃の自分がカッコイイという言葉に騙されているような気もして辛いんですよね。

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誰でも十代の若い頃はどんどん体も心も成長して、二十代の大人になっていくんですよね。まあ、寿命が近づくにつれ体は弱っていって昔の自分にはもう戻れないという落胆はあるけれど、十代で昔の方が良かったと周りから言われることに対して成長していない自分への評価って辛いですよね。

でも、唯の抱えている問題って、妹からの言葉、ライバルからの言葉に惑わされて「空手をやっている唯」という体の強さを評価しているだけに過ぎない点なんですよね。

この強さが今では体ではなく心が成長していると今まで見ている視聴者はわかっていると思います。だけど、その証明が出来ない。

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キズランダム編で行き過ぎた強さは自らを守るだけではなく武器となってしまうことに気づいて、成長していない心のままではいつでも誰かの体を傷付け、自らの心も傷ついてしまう。

その葛藤した結果として悩んだ答えを太一や義文の助けもあって見つけ出すことで本当の強さというものがわかってきて今の明るい唯に戻ってきたわけです。

だけど、今度は唯にとって身に覚えがない約束をしたという三橋が、人生に対して問いかけてきた。空手という趣味というスポーツを通じて、人生の意味について発展してしまうと、これはオウム返しのように自らの人生の意味についても考えないといけないんですよね。

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空手を続けている自分は本当に人生を楽しめているのだろうか?
このままの人生でいいんだろうか?

義文の言葉を借りれば自分の人生に「正しいかどうかなんてわからない」。なので、その言葉をそのまま唯は返せばいいのだけど、今の唯にとっては義文の恋愛感情への疑心暗鬼モードになっているので、体で証明するしかない。

むしろ、現役で空手をやっている三橋と、文研部で楽しくのんびりと過ごしている唯とではブランクがあるから体では証明できないわけで、それを申し込んで負けてしまった唯にとってはこれまた三橋が正論に思えてしまって落ち込んでしまうわけです。

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じゃあ、約束通り、もう一度、空手を始めて全国で戦えばいいという話にはつながらないわけですよね。あの時はあの時の生き方で、今は今の生き方があるわけで。

まあ、その約束を破ったことを謝れば済むかも知れないけれどね。でも、文研部という仲間の中で過ごした時間と引き換えに空手をしぶしぶやりはじめて頂点に登りつめた唯自身が自分を本当にカッコイイと思えるのか、人生の意味の答えを導き出せるのかわからないわけです。

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今は自分の存在に対して弱気になっているけれど、カコランダム現象が皮肉なもので、実際過ごしてきた時間は巻き戻せないわけです。

後になって、あの時に三橋の言葉を真に受けないで文研部で活動していたら、もしかしたら、幸せな人生を送れたのかな?と考えてしまうと、それはそれで悲しい人生となって終わりを告げるんですよね。

なので、自分の人生は自分で最終的に決めるわけで、その責任は誰かに取らせることは出来ない。なので、他人の杓子定規で自分を計られても、それは無責任な言葉となって自分の心に響いてくるわけで、その心が少しずつ成長している唯と、体だけの三橋では大きな違いとなってその後の人生を送る。

ただ、それは未来の話で今を生きている二人はどちらが正しいのかわからないんですよね。きっと、私も今は唯の味方をしているけれど、結局どちらが正しいかなんて将来の自分に問うくらいしかない。なんで、現時点ではわからないので、これも全てただの戯言に過ぎないわけですけどね。

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だけど、唯は三橋の体の「強さ」に対する執着心が込められた突き刺さる言葉に耳を傾ける必要はないんですよね。それに反論を言えればいいのですが、それはそれで喧嘩となって三橋の心を傷つけかねないという唯の優しさも見え隠れするんですよね。

まあ、結果的にそれで唯自身の心が傷付いたわけだけど。そこに義文の昔の彼女の「菜々の姉ちゃん」という言葉がきつい。でも、この言葉に精神が崩壊せずに耐え切れた唯は本当の意味でカッコイイと思っています。

義文の唯への気持ち


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で、男性恐怖症の頃に戻すわけですか。風船葛の2番目もやっぱりそういう所を見破って楽しんでいるわけなんですね。追い詰めれば追い詰めるほどどんなことになるかわからない楽しさをひっそりと見ているわけですね。まあ、それに対抗する唯と義文がいるわけで。

だけど、唯に対しての義文の「真正面から向き合う」という発言は失言だと思います。義文は昔の彼女を唯に重ねあわせているかも知れないことを唯が気づいていることを後悔しているのに、唯に対して色々言葉で責めている。

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それは、義文自身が唯に「真正面から向き合う」ことで菜々が好きなのか、唯が好きなのか確かめている節があるかも知れない。だけど、今はまずい

。本当に菜々が好きならば、唯が好きという恋愛感情は一時の気の迷いと感じて、好きな人である唯の欠点が次々と見えてくるんですよね。

好きな人がいれば、その好きという感情がヒートアップして冷静にその相手を見れなくなってしまう可能性を考えると、もしかしたら、その冷静さを持ってしまって欠点を告げた義文は菜々のことがやっぱり好きなのかもしれない。

菜々と義文の恋という名の想いの終わり


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だけど、冷静になって考えて長所も欠点も含めてそれでも唯が好きだと感じたなら、それは恋から本当の愛に変わると思うので、菜々に対して「もっと好きな人が出来た」という言葉で唯への気持ちに自分自身で答えが出せた義文がカッコイイ。

なんだか微笑ましい場面だったけれど、菜々の気持ちを考えるとちょっと可哀想にも感じる。その菜々の「この髪さ、去年の暮れに切ったんだ」の言葉に感動してしまった。

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付き合って遠距離恋愛にならない程度の関係。それって本当に微妙な関係で、年賀状は出すけれど、義文の言動を見るに文通はしていない感じなんですよね。

まあ、文通していたら、唯と二股を狙っている感じがするのでそれはないと断言したい。だから、中学の頃の「好き」という感情が本当の恋愛として付き合っているというよりも、まだ心が定まっていないというか、義文にとっては友情の延長線にあるぐらいに感じていたのかもしれない。

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でも、菜々は仙台に引っ越しても義文のことを想っているのは変わらないけれど、自然とお互いのやり取りが疎遠になってしまった。義文が菜々の住所は年賀状ぐらいしかないという点や高校で菜々が好きだったことを忘れている点を考えると、それぐらいの想いなのかも、って義文は思ったのかもしれない。

菜々としても義文が自分のことを恋愛の「好き」か疑問だったけど、また義文との関係を戻せるかもしれないという可能性を何年かは考えていたように思える。でも、義文からのアクションはないので、その可能性もゼロに近くなってしまった。

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だから、去年の暮れに髪を切って自分の気持ちを整理して、自分は失恋したんだと諦めたのを想像すると、なんだか切なくなってきますね。

お互いに人として「好き」な気持ちはあるけれど、それは離れてしまって体も心も居場所も変わってしまった。だけど、それは思い出として二人の心に残り続けるみたいに見えて、一つの恋の終わり方としてはかなり美しかったです。

OPが変わったー!


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OPが変わったことに普通にビックリした。全17話という実質1クール半でカコランダム編の途中で変わったというのはある意味嬉しいサプライズで、予想していなかっただけにちょっと感動してしまった。

EDも編が変わることに変わって毎回凝っているし、そしてOPも変わる。なんて作品に対して優しいスタッフとこだわりなんだ、と思ってしまう。

OPの構成はさほど変わっていないけれど、やっぱり文研部の5人が黒板の文字を描いているカットとかほのぼのするし、キャラが居ない風景のカットとか挟んで寂しさを感じさせたりしてなんだかそういう部分は好きですね。

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それと、ラストの手をつなぐシーンがもう一つ追加されました。この手はもしかして、太一と伊織、義文と唯で姫子ぼっちっぽい感じがするのはなんだか嫌だったけど、どうやら手をつなぐシーンでの服の袖の色で判断するとつながれる側はどっちも伊織で、最初につなごうとしたのは太一で、次に姫子なんですよね。

現時点で伊織と姫子で太一の取り合いになっているけれど、それが修羅場にならないのは姫子が一番大切にしている人って太一ではなく伊織なのかな、って勘ぐってしまう。もしかしたら、伊織視点で見れば恋愛も友情もどちらも両立できるんだよ、って意味合いだったら面白いですね。

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