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あぁ、なんだか心温まる話だったなぁ。結果的に今までで一番のオオゴトだったのに、全然そう感じさせない二人だけの楽しい空間。なんだか腑に落ちないように話を運ぶ奉太郎と、気にならないようにしてもらうようにせがむえるとの駆け引きが楽しかったです。


評価されるのは嬉しいけれど、その評価の高さを維持し続けるのは困難であり厳しいし労力と配慮がいる。奉太郎が言った「運のいい奴」と「大した奴」の違いはここにあるのかも。普通に考えたら、大した奴だ、だけでは満足できないからもっと褒めて高めて、と、言いたい所。

「大した奴」と「運のいい奴」の違い


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だけど、大した奴だと思われてから、本当は大した奴ではなかったと言われるのはかなりヘコむ。それだったら、ただの「運のいい奴」だと思われた方が数十倍楽なわけです。何か大失敗したとしても、今回は運が悪かったな、だけで済みますし、その人にとってのイメージもあまり変わらない。ああ、楽ですね。省エネですね。

私は奉太郎のことを動かないで済むなら動かない方がいい、という言葉を鵜呑みにしちゃったりしていた時期がありました。でも、段々とえるの目が興味津々で動かざるを得ない状況が辛いというよりも、もっと辛いことがあって、えるからの「期待」なんだと思います。

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その「期待」に応えざるを得ないというか、えるを失望させたくないという優しさの感情と保身のためかも知れませんが、その「期待」を出来るだけ低くしたい。だけど、簡単な方法で簡単に失敗して「失望」に変えることは容易だと思います。だけど、その失望が奉太郎の心にくるダメージは大きい。

奉太郎も無表情で無感情っぽい節はあるけれど、立派な一人の人間なわけです。特にえるに対して特別な感情がある奉太郎にとってはその失望をなくしたい。だったら、少しずつということで、「運のいい奴」だという言葉を選んだんだと思います。

まあ、それをえるは謙遜だと思って逆に期待値を上げてしまっている奉太郎も不器用といえば不器用だけど。せめて、「勘のいい奴」だったら、えるは、、、うーん、やっぱり謙遜なんですね、ってなりそうですねw。

奉太郎なりのプライドが邪魔をして……


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でも、奉太郎もさりげなくプライドがあって、というかそのプライドを捨てされば全て事が解決するというか、謙遜ではないという意味ではえるのイメージとは逆かも知れない。

奉太郎が読めなかった安心院を里志が「あじむ」と言ったことに対して、それは日常生活に必要なものかと本気になって責めたり、えるに対して「相変わらず凄まじい記憶力」だと言って、えるが少し喜んだことに対して、「褒めてない」と一蹴したりして何気にヒドイんですよね。

古典部が奉太郎に対して寛容だというのが大きいのかな。摩耶花は推理面で里志より優れているくらいであまり奉太郎のプライドを刺激するようなことがないのが気がかりですが、それは昔からお互いを知っているというのが大きいからどちらもズケズケと言えるし、摩耶花は文化祭の時は凹んで何も言えなかったけど、結構対等に言える関係を築き上げているんですよね。

あまり優れていないというのは奉太郎にとっては嬉しいのかも。いくら「運のいい奴」でも周りがすごければ、少しだけ卑屈になってしまいそうだし。

「本日は晴天なり」の解釈


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冒頭の放送室のマイクで「本日は晴天なり」の解釈はどちらでも取れるというのが面白いですね。マイクのテストなのか、天気のことを言いたいのか。だったら、どちらか推論する。マイクのテストなら「マイクテス、マイクテス」の方がわかりやすいし、そのままだから勘違いする人もいない。

だったら、何故その人は「本日は晴天なり」という言葉を使ったのか? そういう謎解きって楽しいですよね。まあ、普通の人だったら大体推測や憶測で終わってしまうものだけど、今回の事件が当たっているという結末は面白かった。

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奉太郎が理詰めでない推論で少しだけえるからの自分に対する期待を落とそうとして始まったものの結果的には自分自身がその期待に応えてしまっているなんてね。しかも、別に今回は本気で推理してみたわけじゃない。消去法と推測とニュースの3つだと思います。

だから、本気で外そうと思っていたけれど、それでも当たるなんてやっぱり才能があるんじゃないか?なんて考えてみたりみなかったり。いや、もう忘れちゃったんだっけな。

そういったさりげない日常の一つひとつを考えたら楽しいかもしれないですね。でも、そんなことばっかりやっていたら、結果が見えないだけに気になって仕方ないだろうけどね。

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でも、えるが何をしようとしていたかを忘れてしまったことだけは気になります。凄まじい記憶力のえるなら、こんなやり取りの数十分の出来事をすぐに忘れてしまうわけがないと思ってみたり。

奉太郎は推理に加え外そうという思惑があったから必要以上に頭をフル回転させていたから忘れても仕方ないけど、えるはその話を聞いていただけだから、覚えているんだと推測したり。

なので、えるとしては今回の推理は奉太郎自身が外そうとしていたことが段々わかって、それでも一応二人で推測する楽しい時間が出来て、奉太郎に対しての期待は変わらないままということで良かった。きっと、そうしたかったから、忘れちゃったように見せたのかもしれないです。本当、これも推測だけど。

えるの可愛さは文章では説明できない


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くー、でも、今回はえるが可愛すぎてたまらないから、それだけでも最高だった。今までで一番可愛い姿を見せたんじゃないか。

「折木さん、真面目にやっています?」とジト目で見るなんて、今までの積み重ねがないと出来ないことで、「折木さん、途中の説明を”省”かないで下さい」と奉太郎が好きだとわかっているのかわかっていないのか「省」という言葉を使うなんてね。

推理がわからないからこそ、省かないで下さいと言ったわけで、何が奉太郎をわかって、推理がわからない。なんて、天然なえるなんだ。

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そして、トドメは「ところで『きな臭い』の『きな』ってなんでしょうね?」ですよ。くー、天然のこの三段攻めは奉太郎でなければ落ちてた。もう、えるは俺のものとか勘違いしてた。まあ、今回だけじゃなく初回からえるは俺のものですけどね。てか、真面目に「きな」とか私気になります。

でも、それはデータベースの里志の仕事で奉太郎の仕事じゃない。それもわかっているのかわかっていないのかわからないだけに、このセリフがティンときた。きっと、このイントネーションがいいんでしょうね。さすが、しゅがみ。

りっちゃんを演じただけに女の子の本当の可愛さをわかっている。放送前はしゅがみは摩耶花が適任じゃないかと思ったんだけど、これは間違いだった。えるで正解だった。くー、いつまでも、えるだけを見続けていたいぜー。

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米澤 穂信

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