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崩壊の序曲。それはもう始まりかけて終わりが見えない。それは他人を破壊し、自らも破壊し、そして誰もいなくなってしまった。


最近、義文が可愛くて仕方ないんですが、まあ、声のキーが高くて女っぽい所もあるし、入れ替わった時の女性キャラの演じ方とか上手くて何気に声優推しになってしまうほどに好き。

いや、そんなことが言いたいわけではなくて、義文って太一という万能で優秀な男キャラがいるせいで、ネタキャラ扱いになってしまっているんですよね。

太一と比べられる義文の不憫さ


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義文が頑張ってもどうにもならなくて、太一が頑張って解決みたいな流れがあって、第7話にもなって義文がこれまで幸せだと思えた回がないように思えて、義文回でも作ってあげて欲しいと思ったりします。

というのは義文って勢いだけで何とかしようとするけれど、それは情熱や想いとなって相手の心を支えようとしているんですよね。唯に何度も告白してそれでも唯が好きという情熱は唯の良い点を五つあげるという意味で増している気がするんですよね。

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前に唯に告白した時には一言くらいしか言えなかったのに、今は五つじゃ足りないくらいに好きになっている。まあ、そこになぜ「可愛い」を二つ入れたというツッコミが的確ですが、もう、「可愛い」を連呼したくなるくらいに義文にとって唯は「可愛い」んですよね。

それって、外見だけに惚れているようにも見えるけれど、内心含めてだと思っています唯が悩んだり落ち込んだり笑ったりしている感情の起伏を見て、それを義文は結構真面目(時々ネタとして好きだみたいな事言うけれど)に唯のことを考えているんですよね。

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男性恐怖症の唯の時は太一が対処療法的になんとかしちゃったけれど、その役割ってちょっと考えれば義文にも出来ていたようにも見えたんですよね。太一が義文にそのことを教えればいいだけで、けれど、近い存在でいつも一緒にいたがる義文だと客観的に唯のことが見れない。

とにかく、唯の心情を理解して同調して思いやりの言葉をかけるだけに留まってしまう。そんな彼に男性恐怖症の理由とか教えたら、守るとか何とかするという言葉をかけて心配だけを与えてしまう。

優しさも時にはその優しさ故に苦しい時もあるので、太一が第三者として唯の苦悩を解消したというわけで、義文は義文なりに唯のことを想っていて、そのことを唯は知っているから、そんな自分のマイナスを知った上で一緒にいてくれるとはわかってはいると思う。

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だけど、なんだか自分のトラウマだけ相手が知っていてアンフェアな気持ちになっていつしか疎遠になってしまいそうな感じがして、義文が段々不憫になってきたりするんですよね。

増していく愛情はどんなに頑張っても報われることはないだろうから。先のことはまだわからないので、ここから急転直下の恋愛モードになったりするかも知れないけれどね。

このことを思ったのは、太一と伊織が両想いになって伊織は伊織としてまだ悩んで入るけれど、太一はサポートできているから、この二人は上手くいっているんですよね。

太一はやれば出来る子。やれば報われる子だからこそ、義文はそんな太一と伊織の関係を見て、嫉妬するのではなくて、唯への愛情を強めるほうに努めている彼の姿勢が好きだったりします。

恋愛は中止


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そして、太一と伊織。恋愛模様は相変わらずなので、そこは安心して見ていられますし、その恋愛もこのキズランダムではお互い進行しないように約束もしてある。

それはお互い信頼しあっているから、少しぐらい離れていてもきっとその気持ちは変わらないと思っているから。太一は伊織のために死のうとしたし、伊織は最期に口付けをして太一のことは永眠することになっても変わらないという意志は見せているから、そのことでお互い何か言い合うことはないのは何だかいいですね。いや、良くないか。こんな状況がいつまでも続くのは精神的に辛いしね。

文研部の唯への思いは裏目に出て……


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その中でも伊織が唯の家に言って、部屋の前で「お母さんを悲しませるのは良くないよ」という言葉を言えたのは伊織だけだと思う。唯が伊織が好きな事は知っているし、お互い関係は良好だ。

だけど、唯が落ち込んでいる状況で、自分のことしか頭に浮かばない状況で、母親のことを指摘されるのは正直ずるい。いや、ずるいという言葉は適切ではなかったか。痛いに近いかも。

何というか、自分のことで精一杯なのに、文研部の人たちの心配までしないといけない状況に立たされて、しかも、母親のことまで持ちだして、唯を責める。いつまでも逃げていたら駄目だと主張する。

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それは姫子には許されて唯には許されないようにも見える。姫子は前回「ひきこもる」宣言をしてそれを太一と義文と伊織に聞かれているので、その「ひきこもり」は正当化されている。

なのに、なぜ、唯はひきこもってはいけないのか。それはきっと、文研部の結束の証なんだと思う。一人で悩まないで、みんなで一緒に悩んで、みんなでこの試練を乗り越えようという優しさに他ならない。

だけど、先述した義文の優しさが唯にとっては苦痛でしかないのを見せられれば、こんな押し付けがましい優しさはもはや優しさでもなくて、ただ唯自身を困らせるためにやっているようにしか本人は感じないだろうと思う。

それで信じていた伊織まで母親のことを持ちだしているんだから、唯は精神的にパニック状態になっているので、冷静には考えられない。そんな唯の気持ちを考えると泣き出しそうになりますね。

どうしてひきこもっちゃいけないの?


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で、その唯ときたら、ひきこもって5人を危険にさらすという姫子の言葉通り逃げることしか出来ない。いや、本当は逃げていいんだ。面白いか面白くないかは風船葛が決めるんだから、精神が崩壊して、人間関係がぎくしゃくして、それで風船葛が面白くないと決めれば、それはそれでバラバラにあった5人を殺すかもしれない。

だから、姫子のキレた理由は本心ではないと思ったりします。むしろ、姫子自身が逃げたそうだし。それよりも、唯の優しさに注目してあげたいと思います。文研部の優しさは第三者から見てもわかりますが、唯の優しさって、弱者を守るというよりも強者をなくすというもの。

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そこに彼女は苦悩を感じていて、弱者を守るのはいいことだと思っている。だけど、強者をなくすということはその人たちを否定することになる。その強者より強い唯は正義としてどうかという話にもつながってくるけれど。ここで唯は強者をつぶしたいと言った。

それはみんな一緒に弱者になって平等になれればいいという意図ではなく、強者=悪だという図式を頭の中で思い描いてしまったことに不安と心配を抱えているんだと思います。

強者といえど、自らの判断でつぶしていいわけではない。本当に正義か悪かなんて簡単に決められるものではないから。事実、そんな正義のもとに動いた唯も補導されてしまったわけですからね。

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でも、優しい唯としては強者を倒すということを第一優先にして、弱者を守るということをおざなりにしてしまった。強者と戦える免罪符的な役割としての弱者を見てしまった。最善策なら、弱者を安全な場所へ避難させることが第一なのに、戦ってしまった。

強者といえど、人を傷つけてしまった。それが自分の中で許せなかった。その優しさ故の不安を周りの4人が感じ取れたかどうかは不安要素です。兵(強者)どもが夢の跡だったら良かったのにね。現実に起こってしまったから……。

伊織が助けられなくて姫子を傷つけて自らも落ち込む太一


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そして、崩れる文研部の輪。まずは伊織と姫子。次に太一と姫子。伊織と姫子ラインはつながっているように思えるけれどね。だけど、ほとんど崩れている。姫子としては伊織が逆ギレしている状況を救いには行きたかった。

だけど、これまた仲裁に入ったとしても、伊織を守ろうとする友情からの欲望が解放されてしまったら、伊織の問題をもっとこじらせることになる。

そして、自分も危うくなる。結果、その場を逃れて伊織のことは見捨てた。そのことで、太一が姫子に詰め寄るけれど、姫子が助けに入れなかった理由を太一はきっと知っているはずなんですよね。

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心のタガが外れてしまったら、どうなるかっていうのは目に見えている。だからこそ、太一自身も伊織のことに首を突っ込まなかった。なのに、姫子には責任を押し付ける。

これはきっと、姫子が唯に言った言葉が本心かも知れないという部分で、それと合わせて唯も伊織も救わずに一人逃げるつもりか、という意味で落胆したんだと思います。

要は、姫子も自己犠牲野郎なわけです。だから、文研部では仕切って誰もが笑顔でいさせるように努力している。それがバレるのがもしかしたら恐かったのかも。太一には何度も自己犠牲野郎と言っているわけですから。だったら、反撃の糸口はあって、太一に対して嫌味の一つや二つ言って終わることが出来ると思います。いつもそうしていたし。

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その嫌味って姫子にとっては愛情の裏返しだったのかもしれないですね。キズは謝っても治療しても後が残る場合がある。だからこそ、言動には気をつけないといけない。わかっているつもりだけど、自らの欲望によって相手をキズつける繰り返しになる。そのキズはいつまでも消えることなく残って……。

でも、まだ希望はある。精神も絆も崩れていないのは義文だけ。だから、義文がなんとかこの状況を打開してくれることを期待しています。姫子という長的な存在が薄れてしまっただけに助け合って楽しく生きて欲しいです。

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