所詮、すべては戯言なんだよ

妖精さんたちは集中線を描くことを強いられているんだ！　って、この原作はその強いられている人が作られる前に作られていたんでしたね。誰もが思いつくことを何の面白みもなく話す。とうとう、私も頭の中がマンガの白い背景のように真っ白になってきたようです。ダウン〜。この何もないマンガの世界で人生について考えたいですー。

「わたし」の貞操を守るため百合はなし

って、連載打ち切りになるとどうなるかってチキンの時もそうでしたが、意外と残酷なことを軽く明るく話すから扱いに困る。

こう切羽詰った感がないから、意外に大丈夫なんじゃね？という視聴者の思考回路が働いて、楽観的に前向きに、そして、何も考えずに過ごしてきたからこうなったのかも知れないと考えると真剣に考えなきゃいけない問題ですよねー。


といいつつもマンガの中で見えない読者を楽しませるという意味ではシリアスな話はまずいですよね。個人的にはそれが楽しいと感じるのですが、妖精さんは助手さんが考えたネガティブ絵本という助手さんなりのブラックジョークが通じない人たちですから、それなりに明るくしないと面白いって思えないので、ここは助手さんは使えない。

お前たちは早く行けー、って感じで「わたし」とYで考えるしかなさそうです。女性二人のマンガって、Yの思考ではないですが、下手な友情モノより歪んだ愛情を描いたら受けるんじゃないかと思ったりして、どうしてもそんな思考になってしまう私はユリモノを求めているのだろうか。

『ゆるゆり♪♪』じゃ満足できーんって感じで、「わたし」とYのガチユリ。それも密室。条件は整った。さあ、事を始めようか。（セクハラ

助手さんの画力の凄さ

って、そんな穿ったエンターテイメントを考えていたら、バトルモノになっていてなんだか笑えた。これって、全部助手さんが描いたのだとしたら、その画力に惚れて普通にYは彼をスカウトすべきだと思うんだけど、助手さんは「わたし」のものだと思っているだけに言い出しにくいのかも知れませんね。このリア充め。

それに助手さんも女たちの活気に満ち溢れる勢いが日常を壊してしまうことに怯えてしまって部屋から出てこなかったですし。適材適所なんで無理はさせないでノビノビと自らの心の闇に潜んだブラックジョークを描き続けることが助手さんの望んだ道なのかも知れませんね。

まあ、リアルと二次元は違いますし、助手さんにはリアルで満足して生きてもらいましょう。Yに渡したら帰ってきた時に恐ろしいことになりますしね。

この「わたし」たちのマンガがよめるのはじゃんぷだけ

そして、マンガノセカイへとドップリはまっていく「わたし」たち。くそー、テーブルテニスで本当のテニスをやるとは次元が違うぜ、全く。それと「にんげんさんのまんががよめるのはじゃんぷだけ」。いや、「じゃんぷしたときだけ」という編集さんのセンスに惚れた。

「わたし」たちは不倫とか色々ジャンプではやっちゃいけないことをやっていますが、大丈夫なんでしょうか。まあ、そんなジャンプを読む子供たちの風紀を乱すことが嫌ならば「ジャンプしなければいい」という返し言葉も用意してそうで、さすが妖精さんは知能が発達しているだけありますわ。


で、漫画家の道の険しさを単刀直入にバッサリ言っている田中ロミオさん、改めてあなたスゴイですわ。打ち切りになった漫画家を全て敵に回しても構わないという潔さが格好いいです。

しかも、「人生終了」とまで言っているけれど、これはある程度のジョークと受け取られかねないので、念をおして食う道がないということを「公務員目指すには遅すぎます」って本当打ち切られた漫画家さんたちの悲哀と漫画家の人生の儚さを、夢見る子供たちに現実を見るように言い聞かすわけですね。

ほんかくてきなかるちゃーでもきびしいのに、かるちゃーになれないさぶかるのみちはもっとけわしいのですー。ですー。


で、読者アンケートでのランキングで上位をキープしないと打ち切られるってことで、当たり前なことだけどランキングが作られているということは複数の人が「わたし」たちと同じ状況に陥っているわけで、上位をキープし続けている「わたし」たち以外の下位の人たちは打ち切りで人生終了していると暗に言っているわけで、しかも、「人気は水物」。

いつの日か完結せずに打ち切られる世界があって、人生が寿命を迎える時までいつまでも上位に居続けることなんて不可能なわけで、その水物が移り変わっていくときに世間への対応能力が試されるわけですが、その能力がなければ流行という波にさらわれて人生終了になるわけです。

助手さんの描いた絵本のデラのように波にさらわれて亡くなってしまうわけです。波にさらわれなくても時代の急激な変化という滝から落ちるベッキーのようになる可能性もあって、あの絵本は忠実に現実が構成されているのだから、助手さんの才能は計り知れないですよ。

詐欺的な「引き」は諸刃の剣

で、頒布会の女王のYが言う「引き」。人生、引き際が肝心と言いますものね。って、それは違う引きでした。でも、引きという興味を持続させることは諸刃の剣で、確かに引きで次が気になるから読み続けるというのもありますね。まあ、「いざ、さいしゅうけっせん」で最終決戦になったことは一度もないような気がする。

でも、もう引きがあからさますぎて、「この後、重大な新展開が」とか「はたして、窮地に追い込まれた彼らはどうなるのか次週を待て」とか度々やられると、続きが気になるというよりも超展開すぎてﾜﾛﾀと言われて、読者が引いてしまう可能性もあるので、「引き」の重要性は認めるけれど多用するとその作品そのものが飽きられる可能性があるわけでマンガ界は毎週コワい思いをして描いているのですね。勉強になります。

トンデモ展開でおｋな読者はおらぬか？

でも、Yはこう主張します。「インパクトのある引きであれば、今までの流れを無視しても構わない」、と。まさかのトンデモ展開ですよ。こんな主張された日にはその作家ともおさらばしたくなりますよねー。

もう、毎週、今までの流れとは関係のない引きがあって、次週になったら、今までの流れを引き継いで、流れと関係のない引きは「ただのインパクト」として読者は認識するわけですが、現実がそう上手くいくなら、どのマンガもトンデモ展開で終わる雑誌ばかりなわけで。

読者は（・３・）アルェー、こんな話だったかな？　まあ、いいかで済ませる読者ばかりが世の中に氾濫するのであれば、私もそれにならってこの感想で作品とは関係のない爆弾発言を残して引きを良くすることにします。


だけど、実際に難しい。Yに習って誰かを殺した。誰かを殺すとか書いて終わるとリアルで犯行声明として受け取られて事件沙汰になりそうですｗ。

そして、作品に関して次週はこのような超展開が待ち受けているとか超適当に予想的な妄想を書くと、「ネタバレ厨氏ね」とかコメントに残されそうでコワイです。今回はコワイしか言ってないけれど、自らの発信に自信がない限り、漫画家にはなれそうもないですね。精神的に死にますですー。ですー。


だけど、「わたし」の結論である「最高のエンターテイナーとは最高の詐欺師のことである」で、打ち切り漫画家だけでなく、アニメやマンガやラノベなどの二次元だけでなく、三次元のドラマやバラエティ全てが犯罪者だと言い切った。言い切りやがった。

でも、これは「わたし」の出した結論で、田中ロミオは一切関わっていないですよ、とかツイッターとかで言ってそうです。まあ、最後には夢は夢のままで終わって本当の夢は夢として残すみたいなメッセージになっているからこの作品は放送されたわけで、そういう意味では逃げ方が上手い。

Yと「わたし」が描いた同類誌は18禁ではなく発禁になってしまった、というオチでこのマンガというアニメの『さぶかる』回は終えることが出来ました。詐欺的な「引き」も使っていない健全な作品ですよー。色々Yから学んだ「わたし」のマンガは4部しか売れませんでした。そう簡単に上手くいきませんよねー。

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫) 田中 ロミオ 山崎 透 by G-Tools