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自分が送ってきた経験と要の経験が一致していて嬉しい反面泣きそうになりました。なんだか自分の恥ずかしいカコバナを赤裸々に交えながら要の心情を語りたいと思います。


しず姉に出番があったー。よっしゃー、これで勝つる。しかし、時間がもうないということで結婚しちゃいます。おめでとう。

って流れになるわけはなくて、第1期の頃を知っていれば、花火のシーンで要はしず姉を見ていました。あとは、紗栄子がやってきたときに、紗栄子と写っている写真にしず姉が入って、それを大事にしていたという部分。

要にとってのしず姉の位置づけ


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紗栄子に対する恋心は態度からしてないから、これだけでしず姉への恋心があるとわかった人は少ないと思います。けれど、要にとってこの部分のしず姉への思いって、幼稚園の先生に対する軽い恋心とは違って、要としてはかなり本気です。しかし、要は年上好きですね。幼稚園の先生に幼馴染の姉にお母さん(おい、待て)。

でも、ただの幼馴染の姉としてというよりも何でも出来て、何でも話せて、朗らかに大らかに親身になって要のことを見てくれる貴重な存在なんですよね。いつしか憧れの存在から、その性格を愛しいと思ってしまった。

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それがいつかはわからないけれど、その領域は祐希たち4人には話せないほどに大事にしていて、からかわれても別に構わないけれど、ただ話してしまうとなんだか報われないような気がして、相談せずにいつまでも胸の中に閉まっておこうとしたんだと思います。

だけど、時の流れというのは残酷で、いつまでもその関係が続くわけではなく、近所という近い距離なのに、思いは遠くて、何も言えずに終わってしまうことって悔しいですよね。

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自分が見ているしず姉はいつまでもしず姉であって、その存在を目指して頑張ってきたけれど、行動に移さないとこういう取り返しのつかないことになる。取り返しのつかないとはいっても、すぐに告白してしまえばそれでいいわけではなくて、近所付き合いをしながら順にお互いの気持ちを知り合っていくのだと思っていた。

だからこそ、遅かったでは済まされず、しず姉にとって選んだ相手がいるのだから、その人と幸せになって欲しいと願わなければいけないという悲しさが言葉を失ってしまうんですよね。

個人的な体験談と要の気持ちのシンクロ


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で、いきなり付き合い始めた人がいるとかなら、なんとか破局して欲しいという邪念と希望がもてるわけで、いきなり結婚ですからね。私も同じような経験をしたので、そのショックの大きさは計り知れないです。

それを知った3日間くらいの記憶はすべてなくなってしまって、無気力に生きる希望を失っても生きなければいけないという現実があって、それだけが頭の中を巡っていた気がします。

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文通もしながら、一緒に楽しく話していたので、そのままの関係が続けばいいなと思っていた時に、周りの友達経由で彼女16歳になったら誰々さん(私の友達)と結婚するらしいよ、って。やっぱり、要と同じで、いきなり結婚かよっ、って絶望しました。要から見た映像がぼやけて見えたのと同じように目の前がぼんやりして意識さえ失いかねませんでした。

今まで仲良くしてきたのに、全くそんな素振りも見せなかったのに、そんな相手がいて結婚が決まってしまったことに対して周りに言わない。それは要がしず姉への気持ちを周りに隠していたのと同じと考えればショックは少なかったと思います。

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それで要はすぐに「おめでとう」の言葉が言えたことがすごくて、私はその一言を言うのに1ヶ月以上かかりました。会いたいけど会いたくない。それは恋を失ったからではなく、なんだか、その人と一緒にいると自分が制御できない気がして、自分で自分を信じられないくらいになってしまうんだ、と恋愛の重さというのをその時実感しました。

要の場合は否が応でも会わなくてはいけなかったので、それが功を奏したというか、その分のショックを彼女との時間を過ごすことで、また、気の合う仲間が楽しくしてくれればそれだけで人生上手くいかなくてもなんとかなるんじゃないかと思ってしまいました。なんだか女々しいけれど、好きという気持ちが強ければ強いほど、その絶望感に比例している気がします。

好きとか告白とかじゃなく、憧れ


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でも、要の日紗子に対する返答が一番その時の心情に合っていた気がします。好きとか告白とか付き合いたいとかは本当どうでもよくて、これは見栄でも何でもなくて、ただ予想外だったんですよね。

自分の中で彼女は動かない存在なわけで、憧れのままでそのまま続いていけばいいなという、当時は適当な思いで友情とか恋愛とか無視して、一緒にいられればそれだけで幸せなんですよね。

ただ、その幸せが長引けばそれだけ嬉しいわけで。その自己満足だけの嬉しさは、他人に強要するようなことでもなく、それはいつか受け入れないといけないこと。

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だけど、要がスーパーでカップルとぶつかった時に、後ろ姿を見ながら、彼女たちの微笑ましい姿を見て、自分はもしかしたら、ああいうのに憧れていたのかもしれないと考えてしまったのでしょうね。

心の中ではいつまでも変わらないでいたいと思う反面、そのショックはやっぱり隠れた恋愛感情として持っていたのだろう、と。だから、漠然とした思いから、ようやく自分の本当の気持ちに気づけた時はある意味人として成長したと感じて踏ん切りがつく気がします。

しず姉の心の中で要は思い出としていつまでも残る


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でもね、一番大事なのは要が失恋したことではなく、しず姉の中にきちんと要はいたということがわかったという事実で、草相撲で勝負している子たちを見て、要が考えたしず姉との思い出が、しず姉の中にもあるという点。

しず姉が草を持ち上げた可愛い仕草に、私は危うく惚れてしまいそうになったけれど、しず姉と過ごした日々はいつまでも消えることなく心の中で根付いている。

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結婚しても、時が経っても、その記憶が薄れることがあったとしても、その関わった思い出はいつまでも共有できる。これからを見据えるのではなく、これまでを見据える。普段なら、過去のことより未来のことを考えて将来に希望を託そうという結論になりますが、今回は特別に逆。

完全に期待できなくなってしまった未来よりも、楽しかった過去として彼女と関わって、自分も成長し、彼女も成長しているんだと考えると、過去を振り返りなら今を見つめるというのはなんだかとてもポジティブな結論ですね。

前髪を伸ばす日紗子


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そして、前髪を伸ばしてしず姉と同じ髪型にすることで、しず姉の結婚で傷心な要狙いを本気でしようとしているように見えるけれど、これ実は逆だと思いました。

別に日紗子はしず姉になりたいわけでもないし、それは要の中での憧れの存在で惚れた対象なのかもしれないし、タイプなのかもしれない。だったら、そういう感じに日紗子が変化すればいいだけの話。

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だけど、日紗子も日紗子でしず姉に憧れているんですよね。なんでも出来る立派なお姉ちゃん、不器用な自分といった感じで日紗子はいつもしず姉を称える。

そこから、しず姉は家からいなくなるかも知れない。どこか遠くに行ってしまうかも知れない。別に代わりになろうとしているわけではないけれど、日紗子は今のままでもよくて、不器用だけどどんどん自分の道を進んでいきたいと思っていると思います。

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同じ不器用だと言われた要とお似合いだと思うというのを暗に込めていたら、しず姉はスゴイと思いますけどね。だけど、日紗子にもしず姉を真似られる部分が一つだけあった。それが髪型。

きっとそれがしず姉のポリシーで心の中でその髪型にしているからこそ我慢できるとかできないとかではなく、しず姉のことを大事にしていたいという気持ちと、自分の髪型を介して、しず姉をまた要が思い出して、その憧れにも似た恋愛感情の失恋を緩和させて上げようとしたのかもしれないですね。変な所でおせっかいなんだからね。もう、好きになっちゃうよねw。

「伸ばす」と「延ばす」


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あと、「(髪を)伸ばす」だけじゃなく、要への告白を「延ばす」という意味も含まれていると思います。本気で好きだというのはわかっているけれど、しず姉への応援から要の意志を汲んで今のままでいてもいいわけなんですよね。

だから、要のことを本気で好きに告白してもいい。でも、心の準備が出来ていないからこそ、告白は「延ば」していつかは思いを伝えられればいいですね。

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