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色褪せながら、ひび割れながら、輝くすべを求めて……。


あぁ、まだユキは釣り道具買っていなかったんですね。ユキは稼ぐには稼いだけれど、普通の高校生が10万手にしたら、途端に目の色が変わりますよw。

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私もPC(NEC VALUESTARの初代)を買うために高校一年生でバイトしたけれど、当時は最低スペックでも30万円(主流はワープロだった時期)だったので、PC買うために授業中寝て放課後バイトしていました。慣れない肉体労働と接客業にユキと自分を重ねてみていたわけで。

月に12万円稼いで3ヶ月で買う予定だったのですが、銀行振込されているバイト代はいつの間にか消えているわけでw。大体、お金はいつも余るものではなく、預金があればあるほど消費されてしまうという高校時代の不思議。今もそうですね。全然学んでないや。もう絶対消費者宣言。

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ってなわけで結果的に1年以上かかってPCを買ったわけですが、怖くて触れなかったですよ。触れば何か壊れてしまいそうで、今までの苦労が水の泡になってしまいそうで、そのまま眺めていたいという気持ちになったものです(PCは減価償却が早いから、それも金のムダなんですけどねw)。

だから、ユキも釣り道具を買った時は細くてしなっている竿が折れてしまう恐怖を味わっていたり。それと、そのバイト代を釣り道具に全てつぎ込めるユキがやっぱりすごい。10万円あったら、8万円ぐらい使って、残りの2万円で遊びたくなりますよ。そんなユキを見たら、夏樹はガッカリするだろうけどね。その期待を裏切らないユキの誠意が伝わってきて釣りへの思いというのは改めてスゴい。

アキラも仲間に入れてやれよ、夏樹w


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アキラが段々可愛くなってきたんですけど、どうしよう?w 中の人が杉田だから、彼の声を聞いているだけで笑えてくるんですけれど、釣りのことになると熱心な彼を見ると、さらに笑える。

そして、いつも夏樹の隣に這いよるアキラを鬱陶しく感じたのか、それとも、ただ気になっただけかわからないけれど、カマをかけて、「一人でやったらどうだ?」と言う夏樹の言葉が無遠慮すぎるけれど、的確すぎて反論が出来ない。

まさか監視対象の宇宙人が地球に来て釣りをやっているから、その行動の意味を探るという口実で釣りをやっているなんて、死んでも言えなないだろうw。「釣りは好きだし」って見ればわかるって。(あと、ユキの着ていたTシャツの「C」はノイタミナで以前やった『C』を思い出しました。同じ中村健治監督つながりってことでさりげない宣伝も兼ねた遊びでしょうね)

夏樹を除いたさくらたちの会議


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家族みんなで釣りをしに行くというものですが、夏樹が今の家族は家族と思っていないので、それだったら夏樹はきっとボイコットする。何で自分を祝う日なのに、自分を呪うかのようなことをせにゃならんのだという理屈はわかるし、釣りという自分にとっての最高の趣味を認めていない家族と一緒にするという行為そのものを嫌がる気持ちはわかる。

楽しいものも楽しくなくなる。それに、「釣り=誕生日に行った家族での釣り」みたいな思い出を作ると、普通に一人で釣りをしてもその思い出が蘇って嫌な気分になる。その気持ちが痛いほどわかるだけに、船長の提案はやっぱり上手い。人の心というか夏樹の心をわかっている。

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確かに夏樹に無理矢理、今の家族を認めさせるために家族だけにすることで親交を深められる可能性はありますが、夏樹の誕生日祝いという名目があるためにその強制には気持ちの面で反抗したくなる。

前にユキがハルに言った通り、夏樹の気持ちを無視して、ただ強制的に一緒に居させるだけでは表面上の付き合いの延長線上を突き進むだけになるだけで夏樹の心の奥には入ることは出来ない。夏樹の想いや心や気持ちを理解した上で、どうすればいいか考えればいいことですが、宇宙人のハルにもわからないのは当たり前だし、地球人で親しい仲の人でも、なかなか人の心をすべて理解することは出来ないと思う。

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だから、ハルに対して責めたユキにもわかることは少ないと思う。だけど、夏樹の想いの欠片を拾って、それを汲み取ってあげる事だけは出来る。精一杯出来ることはしてあげたいという気持ちはさくらにも船長にもユキにもハルにもアキラ(意外になさそう?w)にもあると思うので、もしかしたら、時が解決してくれるも知れない。

ですが、その青春の限りない時間を無駄にしないように、みんなで家族の仲を良くして夏樹にとっても夏樹の家族にとっても幸せな道を模索している姿が見ていて微笑ましいですね。

船旅の決行


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いやー、普通に楽しそうで、この中に加わりたいと思わせるメンツ。特に女性陣が多いのがいいね。合コンみたいなノリだけど、あまり恋愛色強くない所がこの作品の良い所。

この船旅は夏樹の家族に対する思いの理解と緩和というテーマに照準を絞っているからこそで、ここで変なテーマを入れてしまうと混沌としてしまい、何が言いたいのかわからなくなってしまう。

わかりやすさを選ぶか、複雑にして理解を難しくして難易度を上げるか作品によって違うので、『つり球』は元から突飛な世界なので、回ごとのストーリーは理解しやすくした方がいいという判断でしょうね。おかげで話についていけないという人もいないですし。バカなおいらでもわかる。

夏樹の道と父親の道


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この部分での理解の相違があるだけでお互いを思いやっている気持ちがあることがわかったのは大きな進歩だと思う。父親は息子の道を自由にしてあげたいという気持ちがあるし、夏樹は自分の道を父親の家業を継ぐことで閉ざしても構わないと思っている。

そんな気持ちのすれ違い。二人共譲りあった親切が裏目に出てしまったという印象。それを言葉に表すと、言いたくないことまで言ってしまう。その不器用さが二人の仲の悪さの根本的原因だと思う。

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黙って我慢していいこと(江ノ島から出ていけとか、あんたのそういう所が嫌いとか)は口に出してしまう癖に、言いたいこと(お互いの道を尊重する姿勢)は我慢して黙っている。似たもの親子ではありますが、見ていてなんだかもどかしい気持ちになる。そんな二人には仲介役が必要だと言うことで、待っていました船長。

暗い空気を一気に打開とまで行かないまでも、あのままにしていたら、いつまでもみんなが黙り込んだまま帰ることになる。くだらないことでも何でもいいので、沈黙を破り続けることが大事なんですよね。

沈黙は喧嘩をしたことについて負の方向で考えさせますから、そのことだけを独りで考え続けると、どうしても独り善がりになってしまう。だったら、何でもいいから、そのことを思い出させないようにすることが大切だと言うことを船長は幾多の経験で学んできたんでしょうね。

さくらの溢れでる涙と想い


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で、それだけで終わらない所がこれまた『つり球』の良い所。畳み掛けるようにその不調和な関係に耐え切れなくなったさくらの隠していた想いの吐露。何だろう、新しい家族に馴染めていなかったのは夏樹だけではなくて、さくらも現実を受け入れられなかったというのはわかりそうでわからなかった。

それはただ新しい家族ということで、みんな仲良くしたいという気持ちだけで自分の本音はある程度は隠してきた。それは風化する想いとなるか、それとも、現実に順応していくのかわからない。だけど、今は風化させたくないけれど、現実でいつまでも辛い思いを抱き続けたくはない。

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だったら、前の母親との思い出を大事にして、あたかもそこにいるように自分を騙して、二人の母親(一人は新しい母親候補だけど)を含めた擬似家族として認識していたんだと思う。

どちらも大切な人であることは変わらないし、優劣もつけたくない。だから、さくらの中では亡くなった母親のブレスレットを含めた5人家族ということにしたかったのに、現実と同じで亡くなった母親のブレスレットがまたも亡くなってしまった。

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その時の涙はとても印象的で、彼女としては、その現実をさらに理解してしまって寂しさを誰かに当たりたいというか、当たれる相手がいたということが大きかった。

同じ悲しみを持っているお兄ちゃんだからこそ、その悲しみをわかってくれるだろうし、母親が亡くなった悲しみをさくら自身は明るく振る舞って黙って抱え込んでいたというのをわかって欲しかった。でも、わかってくれなかった。

その悔しさと孤独感は年端のいかない彼女には辛かっただろうし、どうしたらいいかわからないと思う。お兄ちゃんが反抗しているのと同じように反抗したかった。そういう意味では重たいムードになって終わってしまって来週が気になる。

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