アニメ画像011

ゆげのなかに包まれた秘密。変わらない二人だけの絆を表す小さな小瓶。それが今も変わらない証となって、二人だけの秘密としていつまでも残っていくのだろう。


今回は悠太と祐希の倦怠期。双子だからって常に仲がいいってわけでもなく、人間だからムカつくこともあるし、一人として同じ人間はいないのだから、それが個性になる。その個性という感情が表面に表れるか表れないかで、この二人は表れにくいだけなんだと思います。

嫌なことがあれば嫌になるし、良いことがあれば喜びます。その反応が薄いからといって、人間味が失われているのではなく、それが表れにくいからこそ、周りがその反応に気付いてあげないといけないわけなんですよね。

二段ベッドの話


アニメ画像002
私にも弟がいるので、狭いマンション暮らしで二人部屋(妹合わせて三人部屋だった)だと、どうしてもスペースが確保できないから二段ベッドのそれがやってきたときには嬉しかったのを覚えています。で、大体バカは高い所が好きなので、私は弟に有無をいわさず上で寝ていました。

そこら辺は兄と弟の関係が曖昧な双子ならではのエピソードが自分と重なった時にちょっとした思い出を思い出しました。てか、弟ゴメン。で、大きくなると、二段ベッドって拡張出来ないので、成長の早かった弟は起きる度に上のベッドに頭をぶつけていました。それによって、私が起きるみたいな毎日。

アニメ画像003
そして、はしごで登らなくても懸垂の要領で上に上がれるので、はしごもなくなって、毎日二段ベッドの上から飛び降りていました。で、子供用とはいえしっかり出来ている二段ベッドは高校生以上になっても使っているわけで、段々とそのスペースが自分だけの空間として愛着がわいてくるわけです。

年が経つにつれ、二段ベッドの二段目の床が落ちてしまって、そろそろ耐久年数的に無理だろう、って親に言われても、やっぱり今まで使っていた二段ベッドが好きで床が落ちながらも使っていました。勉強も読書もいつもベッドの上で、なんだかそこが自分の私有地みたいな感覚になって、そこにいると落ち着くみたいな。

なんだろう、このベッドの中の空間って非常に居心地が良くて、誰にも干渉されない自由気ままなスペースとして、未だに二段ベッドの上で寝たいと思ってしまいます。いい年しておきながら。

悠太と祐希の幼少の頃の絆


アニメ画像010
話が大分それました。むしろ、どうでもいい話でしたね。でも、兄弟の絆というか、親と子の関係とはまた違う子供同士の関係があって、それは時に親よりも濃く、わかりあえる仲間という感じで、逆の意味で子の気持ち親知らずな時って結構あって結束力が高まってお互いの存在を肯定しあっていました。

兄弟がいる人はわかると思うけれど、親に知られたくないことは大体兄弟間で知っていたりします。今回みたいな子供だけの秘密ってことでもそうだったり、テストの点数が悪かったり、親に見られたくない手紙だったり、意外と兄弟がいるとプライベートってないんですよね。

アニメ画像007
でも、別に一緒にいて嫌じゃない。バレても別に構わない。怒ったりもしないし、責めたりもしない。そこら辺の兄弟関係というのは人それぞれだと思うけれど、共感は得られると思う。

それが悠太が割ったお皿のことで共犯という形での秘密になって、それはバレて(バラして)謝ることになったけれど、まだまだ兄弟間の秘密があるのだと思います。

アニメ画像009
それは大きなことであれ、小さなことであれ、二人だけしかわからないこと。それを意味するのが今回の七味とうがらしだったのだと思います。親にはわからなくて、兄弟だけでわかること。

そんな七味とうがらしぐらい早く親に教えてあげればいいだけの話ですが、今回の皿を割ったという幼少の頃の二人だけの秘密の絆は、高校生になった今でも変わっていないということを示すものだったと思います。

いつまでも一緒にいたいけれど…


アニメ画像001
まあ、ある時期を超えると疎遠になってしまうんですけどね。そのある時期を超えているだろう祐希と悠太の関係ってある意味理想だと思います。やっぱり、いつかは離れてしまうから今だけは仲良くしていたいという気持ちはあります。

一人っ子にはわからないと思うけれど、社会に出て一人暮らしを始めたときに思うことって、初めての一人部屋がもてるんだ、ってことですね。だけど、ちょっと歩けば人に当たるような至近距離で付き合っていた関係が誰もいない状態になるので、親離れが出来ないよりも兄弟離れが出来ない人の方が多いんじゃないかな。

アニメ画像004
祐希も側に悠太がいると思ってしゃべってしまう感覚がこれに近くて、ずっと側にいるから、その側にいる感覚が抜けるのって難しいのですよね。そうして、孤独感を抱いてしまうわけで。だから人の温もりが欲しくて、祐希は要の家に向かった、と。まあ、要には期待と反する言動が待ち構えているわけで。

でも、祐希はそういうことをしっかり言える要の家を選んだのかもしれないですね。春君だと聞き上手だから同意してくれますし、千鶴のテンションで愚痴大会もできそう。そうなると、悠太と喧嘩して距離が開いてしまうのが怖かったから要を選んだんだと思います。

アニメ画像008
正確に言えば、祐希と悠太の関係をよくわかっているのが要だったというお話。そこで責められても、受け入れられそうだし、要ならどちらに対しても厳しい態度を取るので、結果的に兄弟の仲は悪化することなく終われる。そんな結末を祐希は予期して要の家に向かったのだと。まあ、これは推測ですけどね。そう考えると、心あたたまる良いお話でした。

堀田きいちOFFICIAL FANBOOK 君と僕。 -AFTER SCHOOL-堀田きいちOFFICIAL FANBOOK 君と僕。 -AFTER SCHOOL-
スクウェア・エニックス

君と僕。 11巻 初回限定特装版 (SEコミックスプレミアム) 君と僕。 9 (ガンガンコミックス) 君と僕。 8 (ガンガンコミックス) 君と僕。 6 (ガンガンコミックス) 君と僕。(10) (ガンガンコミックス)

by G-Tools