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感動が止まりません。初回からこんなに寂しくも愛おしく感じてしまう彼女たちを毎週見れると思うと、生きているって実感します。ねぇ、みんな、また一緒に「遊ぼう」。


冒頭からロリののかが登場で、ののかが主人公のサイドストーリーみたいになっていくのかな?なんて思ったりしながら見ていたら、すっかり裏切られたよ。穏乃がののかに転校するかも知れないという言葉と同じショックを受けた。

いや、穏乃にとってのののかは阿知賀女子の中にあっては唯一の麻雀友達だったからこそ、その突然の告白に我を忘れてしまうほどの穏乃の気持ちは穏乃だけにしかわからないかも知れない。

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憧とは小学生の時に中学で別の学校に行ったとしても、良い敵対関係を維持できると思ったからこそ、仲間ではなくライバルとして、そして、友達としてお互いにお互いを認め合い支えあって生きていけると思ったからこそ、あっさり中学の進路で違う道を許しあった。

それは消えることのない絆として今まで付き合ってきた彼女たちだからこそ、今まで通り離れたとしても友情は持続すると考えていた。

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それはそれで、美しい友情だと思っただろう穏乃だけれど、やっぱり場所が移れば、その場所での自分の居場所を見つけてしまう。それはお互いに言えることで、日常の多くの時間を費やしてしまう中学での学校生活という中にあって、また新たな人間関係の構築をしてしまう。

その離れた時間の苦しさを紛らわせるためにも学校生活での時間で新たな友達を作る。それは裏切り行為ではなくて、その友達と過ごした時間=友情の強さというわけではないので、穏乃の中で憧との時間は削られてしまいつつも、気軽に話せる友達として心は離れていなかった。

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それがののかが転校してした後に大会で活躍したことを憧にケータイですぐに連絡を取り合ったことが仲の良さの証明でもあり、逆に穏乃がののかのケータイの番号を知らないことが、近い距離にいつもいたという安心感が気を緩ませてしまったのか、知らずのうちにののかとの距離は離れていたのかも知れない。

だけど、気づいた時にはもう遅かった。心の中でののかは遠い存在になっていた。それは場所も心も何もかも。

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だけど、ののかは転校したけれど、転向してはいなかった。得意であったとはいえ、麻雀を愛する気持ちがいつまでも続いていた。それは穏乃との楽しかった思い出を大事にして、その楽しさをいつまでも実感していたいと心の中で決意するくらいに彼女の心は強かったということなのかも知れない。

趣味程度に終わらせて麻雀部として全国を目指していなければ、ケータイ番号も知らない穏乃との関係は閉ざしてしまうことが出来た。

関係も思いも何もかも新しい場所で新しい友達と新しい思い出だけを作っていこうと思っても不思議ではないだけに、穏乃に自分たちには麻雀を愛する気持ちでつながっているということをメディアを通して伝えたかったのかも知れない。

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それは決して自慢ではなく、ただ純粋にまた一緒に「遊ぼう」という気持ちからであって、強くなって何かを目指すわけではなく、友達として繋がるためのツールとしての麻雀という、ののかの認識に惚れました。

もし、穏乃がテレビを見ていなくて、ののかの活躍を知らなかったとしても、ラストシーンでその麻雀のことを綴った手紙をののかが出そうとしていたので、場所が離れてしまっても心はつながっていることを訴えかけているののかの優しさがやっぱり愛しいです。

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それに赤土先生の話には感動しました。それはチームの責任を背負いこんでのトラウマとなった彼女を子供たちが少しずつ癒して、励ましながらも、赤土先生自身も子供たちに麻雀の楽しさを教える。それは何気ないギブ&テイクなんだけれど、先生の過去を子供たちが知っているからこそで、出来るだけ先生の傷を埋めていくように楽しく麻雀を子供たちがすることで、先生の役に立っているという自負があったんだと思います。

だからこそ、赤土先生が実業団にスカウトされて自分たちのもとを離れてしまったとしても、それはトラウマの克服を彼女自身が達成したわけで、子供たちも自分たちの役割をこなせたことで笑顔で赤土先生を送り出せたのだと思う。

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先生がいなくなったから、麻雀クラブは閉鎖。だけど、先生がいなくたって、誰か代わりの人間を探したり、自分たちだけでなんとか続けていくことは出来たと思う。でも、それをしなかった。

それは子供たちが麻雀をすることが楽しくなくなったわけではなくて、この麻雀クラブそのものが、赤土先生を勇気づけて、なんとか立ち直って欲しいという願いのもとに作られた証明であって、その役割を終えたこの教室をなくすことで、もう戻ってこなくてもいいという子供たちの暗黙の了解が綺麗な終わり方をしました。

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だけど、そこには麻雀クラブとして終わらせるのがもったいないと思った人が約一人。それは赤土先生を送り出すだけでなく、赤土先生が残した知恵や思い出や楽しさといった麻雀の喜びを阿知賀女子の伝統として受け継いでいけたらいいな、という願いを感じつつ、一人で2年間麻雀クラブの教室を守り続けた玄。

この麻雀クラブの中では最強で、ののかに「そんなオカルトありえません(SOA)」という名言を最初に言わせた張本人で、ののかも敵わない相手だったので、個人戦に出ればののかと良い勝負が出来るだろうに、それをしなかった。

一人で戦うことで麻雀の面白さを強さで証明してきたののかと違って、玄はただ思い出を大事にし続けて、また一緒に麻雀を出来る仲間との思い出を大切にしたかった。一人で戦うのではなく、麻雀クラブのみんなと一緒に戦いたい。いつかは帰ってくるだろうその仲間をずっと待ち続けて……。

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そして、しきりに出てく「遊ぶ」というワード。麻雀で「戦う」ではなく、麻雀で相手を「倒す」のでもなく、ただ「遊ぶ」。

彼女たちの中での麻雀というのは、賭け事でもなくて、強さを競い合うものでもなくて、ただ一緒の時間を共有しながら「遊」んでいるのですよね。それは友達の証として、一つのツールとして、思い出を蘇らせる遊戯という存在。そこには強さを競い合いながら、頂点を目指して「遊び」を極めていく。

それはののかとの対戦という思い出の「遊び」をしたいがためでもあり、麻雀をする他校の生徒との「遊び」でもあるので、いつまでも楽しさを忘れずに麻雀を愛し続けている彼女たちを見続けたい。そんな気分にさせてくれる最高のストーリーでした。

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