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実際、ようわからんかったw。当然、面白くないわけではないけれど、理解が追いつかない現状、とにかく、来週の続きが待ち遠しい謎が謎呼ぶ展開の嵐。とりあえず、人が決める真実は本当のことではないことがわかった。


頭の整理がストーリーに追いつかない。もう、混乱しすぎて、何が何だかサッパリですよ。でも、この雰囲気や空気は大好きですね。コメディとシリアスの割合がちょうどいいくらいで全く飽きが来ない話の作り方は驚嘆ものですよ。でも、今回は心の動きが少なかったかな。

感情の制御が表面化するかしないか


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今回は憎しみ合う感情をどう制御するのかが気になっていて、桃果が犠牲となったテロを起こした主犯格となる高倉冠葉の両親。多蕗やゆりや苹果の高倉家に対する憎しみは消えないとは思っていた。苹果は晶馬に対する愛情でその罪は償える(許される)と思っているからこそ、晶馬に対する気持ちや、陽毬に対しての友情は変わらないものとなっています。

でも、それは桃果に対する執着が薄れてきたというか、自分の人生を桃果に縛られてしまうのも何かもったいないと彼女が気づき始めたことで、その憎しみはある程度は緩和されるものだと思っています。逆にそれは憎しみという負の感情よりも、桃果に対する愛という正の感情で動いていると考えれば、なんだか自分の人生が救われるような気がしてくるので、そういう意味では日記を失った苹果の未来は明るいものだと思っています。

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その反面、憎しみを心の中に宿したまま、それが表面化しなかった多蕗の人生が一番危ういものだとわかって、なんだかすごく残念な気分です。多蕗だけは桃果のことを好きでいる気持ちは変わらないとはいえ、ゆりという共感者と苹果という愛する桃果の妹と一緒にいることで、その憎しみを解消してきたものだと思っていました。

ですが、そんな二人と桃果に対して話すことで、より一層その愛情が強くなって、その愛を閉ざしてしまった高倉家に対する憎しみが強くなってしまったという結果がなんだか残酷な展開だなって思ったり。

憎しみはエンドレスループとなる


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憎しみが憎しみを生む連鎖で、最初の一人の人が、一人の誰かを愛するがゆえに、その人が誰かに殺されたことで、その殺した人を憎しみから、最初の一人がその殺した人を殺す。そして、その殺した人を愛していた人が、最初の一人を憎しみ、最初の一人を殺す。そして、最初の一人を愛していた人が……。それがループし続ける。それって、小さな戦争ですよね。いつまでも続く戦争の始まりと終わりのない戦争のエンドレスループ。つまり、どこかで誰かが誰かを許さなければならない。

でも、罪と罰で言えば、どこかで不公平が生ずる。誰か許された人がいた所で、その前に許されなかった人と比べて、やっぱり、憎しみは消えることがなく、誰かが裁きを下さなければ不満を抱えたままの人生を重ねることになる。それが前に話した女神様の話なるんだと思う。女神様がこの世の中にいればの話ですけれどね。

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だから、神を信じない人にとって、その罰は人間がくださないといけないと思っている人がこの世の中にどれくらいいるかという部分ですよね。誰も裁きを下さないから、自ら裁判人となって、その罪の報いを執行する。それは正義の為に悪に鉄槌を下すという自分なりの正義感で守られているがゆえに、その罰を与えることは許される行為だと思ってしまう所がやっぱりループする憎しみを創りだす部分で人間の悲しい性なんですよね。

で、高倉家の陽毬に多蕗がどんな罰を下すかわからないけれど、その罰という正義感を見て、苹果がどう思うか。きっと、これから視聴者目線で見れるのは苹果だと思うので、苹果が何を思うかに注目したいと思います。

真実は本当のことじゃない恐ろしさ


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そして、一番気になるのは、渡瀬先生の言葉。

人間の世界では真実は必ずしも本当のことじゃない。
人間は自分の見たい願望や欲望だけが真実と言う。
人間は真実を口実になら、人だって殺せる。


もしかしたら、もしかしたら、ですよ。高倉冠葉の両親がテロの実行犯でも何でもなく、誰かの策略かわからないですけど、容疑者として間違って報道されたとして、犠牲者となっていたら……。

その罪は罪ではなく、逆に桃果と同じ被害者として、高倉家の家族の人たちが慰められる立場にないとおかしい。だから、前提として罰を下すのは人間ではないということだけではなく、罪を決めるのも人間ではないということを言いたいのではないかな。

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真実って誰が決めるのかってなると、人間の世界では多数決か、声の大きい人や立場の高い人ってことになる。人殺しだとするなら、警察が容疑者として誰かをあげて裁判官が決めることになる。そして、それが真実になる。だけど、もしかしたら、それは本当のことじゃない。人間は誰しも間違いがある。

その間違いを真実と決めつけて、誰かを傷つけてしまうなら、それもまた罪となるのだろうか。そうしたら、罰だけでなく、罪を犯す人間が増えるだけという人間の世界は確かにおかしい。

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そして、それを「自分の見たい願望や欲望」と断言してしまう渡瀬先生が本当すごいわ。例えば、誰も見ていない事故で亡くなってしまった人がいて、その人を愛する人がいてその事故を事故と思えなくて、色々捜索して創作して、その人を恨んでいた誰かを殺人犯という罪とすることも出来る。

それが「自分の見たい欲望」の一例だと思う。その人が亡くなってしまったやりきれない気持ちをどこかに矛先を向けることで、何とかその愛情を本物として見せたいのかも知れない。それが真実となってしまうのが人間の世界と切って捨てるのもいとおかし。

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で、本編に戻ると、もし、高倉家に罪がなかったとするなら、その罪に対する罰として、娘の陽毬を処分しようとする多蕗は、その罪が本当のことではないと知った時に、その罰は、罪のない人間を傷つけた罪となって跳ね返ってくる。そう考えると、憎しみってコワイですね。

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