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「台風一家」……天災という台風で会社勤めの親が早く帰ってきて、家族が揃って夕飯を一家団欒で過ごすこと。子にとっては災い転じて福となす思い。


はい、嘘です。正しくは台風一過です。でも、食卓を囲んでいる四人は何の問題もない明るい家庭のように見えました。片親だから問題という意識もアレですが、幸せというものさしをどの基準で決めるかによって違って見えて、なんだか微笑ましいカットでしたが、同時に寂しくもなりました。

ぶっちゃけいえば、コウキママと大吉が早くくっつけばいい話で、子供にとっても親にとっても、これは幸せな再婚(大吉は違うけど)だと思う。だけど、そこは大人の目線で大吉が好きだという気持ちが素直に出せないだけ。

大人としての最低限の責任


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大人になれば、付き合いが長くても短くても赤の他人と一緒に暮らして、もしかしたら、親よりも長い期間を共に過ごすことになるために、踏ん切りがつかない。これもやっぱり、責任感というやつで、自分のすることに全て自分が責任を負わなければいけない。

仕事でもそうだけど、責任を負うということはそれだけ役目を果たしたり、周りからの目や期待が混じっているので、自分だけの問題ではなく、他人を巻き込んでの問題にもなったりして、責任の負い方に正しいか間違っているかなんて自分ではなかなか決められない。

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だからといって、親となり子の人生を託された正子さんは子育てを放棄していいわけではなく、それはそれで責任を負わなければいけないはずなのだけれど、それが今の正子さんには出来ない。

責任も重責になれば逃げ出したくなるようで、その責任を負い続けるのが大人の役目というか親としての最低限の責任なんだろう。

最低限といっても、人によってはその基準が高かったり低かったりして、正子さんにとっての最低限はりんの親権を放棄しても大丈夫だと思ったので、今の状態があるわけで、逆にその最低限の理不尽さに憤りを抱いた大吉も大吉で、人としての最低限をりんに今してあげているか不安になるし、コウキママも同じ気持ちを抱えながら生きていくのだと思う。

春子の責任感


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だから、最低限のことはしてあげられたと自信をもって言えるのはいつになるかはわからないので、継続して頑張っていくしかなく、不安と隣り合わせの人生をハッピーと思えるかは個人の差だろうと思う。

前回で言えば、春子はいまだにハッピーだと思えない人生を娘と夫と過ごしていて、夫に関していえば敵だと思えるくらいに苦しんでいた。だけど、一人娘がいるからこそ、逃げられない。そんな責任の束縛。逆に娘がいるから頑張れる。不安を少しだけ解消してくれる娘の成長や記録や笑顔。

そういったものが積み重なって、責任を果たしているという充足感で自分をごまかしながら、生きてきた。そんな女の子である春子が今後ハッピーだったと思えるかどうかはわからない。だけど、悔いのない選択はしたと誇れると思う。憶測だけど、今は「思う」に留めたいと思う。まだそれはちょっと未来の話。

コウキの小学生としての責任感


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で、今度は責任感という面を別の切り口から見たコウキの話。こっちはこっちで自由奔放にやっているけれど、大人に認められない子供になってしまった自分をどれだけ肯定できるか。

彼の場合は大人だけでなく、子供の間でも評判が良くないので、近寄りがたく孤立した状態になっていて、それを明るくはしゃいでいるように描いていたのは希望と共に哀しさを感じてしまう。

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一緒に悪ふざけする仲間はいるけれど、友達ではなさそう。大人に反抗する勇気。きっとそれがない仲間にとっては、コウキの行動はちょっとしたきっかけになって、悪ふざけの罪を全て背負ってくれる責任者。

まあ、それが周りに蔓延してくると、学級崩壊とかいじめとか色々な教育の問題が出てくるわけだから、早めにそういった悪の芽をつぶしておかないといけないと思い、コウキだけが怒られる。コウキというトリガーさえなければうまくいく。そんな大人からの子供に対する間違った理解と認識。

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だから、子供はさらに反抗する。反抗することしか訴えることが出来ないから。まだ、大人を説得できるだけの言葉を持ち合わせていないから。

そんな憂いを感じるコウキの目が寂しかったけれど、りんに叱られたことによって、少しは救われた気がする。

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自分を正当に見てくれる人がそばにいるというだけが嬉しい。大人の目線で上からガミガミ言われたり、反抗のきっかけを望んでいる上っ面だけの仲間とは違って、コウキに教えてくれる。友達として教えてくれる。怒るのではなく叱る。コウキを否定するのではなく、その悪ふざけを否定する。

だから、同じ立場になって間違いを指摘されれば、反抗する意味もなくなるし、反抗するよりも自分を見てくれている人がいたというだけでその場を耐えられる。小学生としての責任感を全うできる。そんなワンシーンが今回の見所なのかなー、なんて思ったり。

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それに「なぜ同じ年のりんちゃんが出来て、コウキは出来ないの?」みたいなニュアンスの言葉がなかったのに救われた。りんはかなり出来る子なので、その出来る子のそばにいるのはコウキにとって楽しいのだと思うけれど、どうしても、大人は比べたがる。

だけど、子供の指摘に対しては「よそはよそ、うちはうち」みたいなスタンスをとったりするから、大人といっても最初は誰もが親初心者であることには変わりないので、教育に戸惑ったりするんだろうなぁ。

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って、話がコウキだけで止まらなくなってしまった。要約すると、それだけ親も子も責任があって、その責任を全うするのは大変だし、放り出したくなるけれど、それをわかってくれる人や期待や成果があるからこそ、いつまでも頑張っていられるんだろうなぁ、と人の力というのはつくづく驚かされます。

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宇仁田 ゆみ

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