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おじいちゃんの大事にしている二人。正子さんとりんに焦点を当てて、その二人の対比がとても上手くて現実の厳しさに泣けてきました。


今回の話にも、やっぱりウルッときた。親と子の関係を気にし始めた正子さんにだけど、亡くなってしまった愛人関係のおじいちゃんには、彼氏みたいな人が出来ても、やっぱり彼に心が残っているということに。

正子さんのおじいちゃんへの変わらない愛情


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愛情は変わっていない。それだけがわかっただけでも、正子さんの人柄が少しずつイメージアップしてきました。葬式に出ないのは面倒なことになるのがわかっていたから。きっと、りんを押し付けられる。今が大事なのに。

今を生きたいのに。それは身勝手だってわかっている。だけど、葬式の一晩で終わらせてしまう親族の涙に比べて、その後の思いが継続中であることを彼女が見せてくれたことが嬉しかったです。

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インクの花びん。それはただ、使い古した自分のゴミの再利用と考えるか、インクが空になるくらいに、自分がやっている仕事が順調であることを示したかったのかで大きく違ってきます。

でも、りんがお手伝いさんがおじいちゃんの前ではそういう花びんを使っていたことを知っていることから、おじいちゃんと正子さんの二人だけの絆としての象徴と考えれば、少しだけ優しさが残っているのだと実感。

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で、今回はりんを間近で見た、正子さんの姿に泣けました。面倒だったもの。おじいちゃんと正子さんの残した証。それはわかっているけれど、実際に見てしまうと、仕事という夢が逃げてしまいそうで、りんとそばにいて、おじいちゃんを二人で感じられる道を頭の中で考えて、そちらに人生をシフトしてしまうのがコワかった。

それ以上にりんはコワかった思いをしていることが伝われば、正子さんも自分の行った行為の重さを実感できるだろうと思う。

一度目の正子さんとりんの対比


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だけど、それは正子さんとりんの対比によって、明暗わかれていたので、これ以上彼女を追い込むのは酷だと思うくらいに、彼女は悲惨だな、って感じました。自分の夢にこだわって、漫画家になって夢を実現している今が一番つらくて、すぐに逃げ出したくて、ちょっとした言葉で心が折れそうなくらいに、一分一秒の苦難を味わっている。

だから、彼女は笑顔を見せず、ひたすら仕事を続ける。りんとの思い出とりんと暮らす道を犠牲にしながら、その記憶や考えを全て消し去らないといけないくらいに。

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で、りんが今回の墓参りを絵日記に書いているシーンがあって、さすが漫画家の娘だけあって、絵のセンスは良かったのですが、彼女は笑顔で今日あった思い出を描いているんですよね。現実でも楽しかった。そして、絵日記として思い出しながら描いて、楽しめる。そんな二重の楽しみを感じていたんだと思います。

きっと、そんな気持ちが膨らんで漫画家の道を選んだ正子さんだったと思うけど、彼女は現実では辛くて眠ることも休憩すらも惜しいくらいに忙殺されている。どう見ても、楽しいって感じじゃない。しかも、描いているのはフィクションで作り話。

その漫画を見て喜ぶ読者の声が一番の励みになるのだと思うのだけれど、漫画という仮想世界と現実世界での自分と比べてしまって、夢に向かって頑張っているというよりも、自分の目指した夢に固執してしまっているようにも感じるんですよね。その夢は自分にとって楽しく、自分の中で子供の頃から願っていたものなんだと……。

二度目の正子さんとりんの対比


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そして、それと同じ理屈で、日常の一コマでも対比が出来るようになっていました。例えば、人生全てが順調にいくわけではないので、自分の思ってもいない方向に進んだり、挫折したりする。だけど、その時に前を向いて歩いて行こうと出来るか、という面でりんと正子さんは両対極でした。

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正子さんは漫画の締切に対して「今回はさすがに無理っぽいんじゃ?」という彼氏アシの一言。

それに対して、「そういうの、言葉にしちゃうと、本当に手が動かなくなるからやめて」という仕事の現場は厳しいなぁ、と実感すると共に、正子さんのプロ意識は、ある意味では漫画を描くという作業以外の全てを人生から削ろうとしている。

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漫画だけに集中するプロ魂として見習いたい所ではあるけれども、ほんの一言で挫折してしまう。切羽詰まった時には頑張って乗り越えようとする。

やっぱり、そこに笑顔はない。頑張って結果が出た時間だけが彼女に対してのご褒美。それ以外は全て無駄なこと。そんな正子さんの姿勢は人としての心を段々と薄くしてしまっているのだと感じて悲しくなりますね。

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対する、りんの話ですが、おじいちゃんのりん道が全て取っ払われて、砂利道になっている。この部分って、かなり、りんにとっては重大なことだと思うんです。おじいちゃんとの約束・思い出・絆・証、そういったもの全てを大切にする彼女にとってのりん道はおじいちゃんの存在そのものになっていたと思います。それがなくなった。

でも、彼女は涙をこぼさない。思い出のカケラは時と共に風化していくことも知っているし、その思い出のカケラが全てではない。おじいちゃんとの思い出はモノではなくても心にある。そして、おじいちゃんが植えてくれた木を移しておいて無事だったというポジティブ思考を持っているんですよね。

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だから、それを大事にして、おじいちゃんを思い出せばいいという踏ん切りがわかると共に、正子さんが願っていた夢の中の世界をりんが生きているような感じがして、誰かを大切にする気持ちは自分の欲望を上回るんだなぁ、と実感できました。

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宇仁田 ゆみ

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