不完全燃焼なんだろ？ いや、めっちゃ燃焼してたんだろ。実にほのぼのしているんだろ。だけど、心の傷は癒えないんだろ。
いいなぁ、このほのぼの感の中での適度な緊張。普通に日常が続いている。だけど、そこには過去の過ちと苦い思い出がつきまとい、前を見て歩こうとした少年の足を止めてしまう。そこから逃げ出して、違う世界で生きていこうとした少年に、やっぱり、ククリがそばにいて、村の呪縛から逃げられない苦しみを感じました。
だけど、詩緒の無邪気な笑顔がこの作品の唯一の救いですよね。彼女の笑顔さえあれば、匡平の悲しみも取り去ってくれることが出来るのかも知れない。そういう意味では、詩緒が村からの脱出した匡平のことを肯定して、日々乃が普通の社会での少年として扱う。きっと、この二人が匡平を救ってくれる。
まあ、そう考えると、この主人公はメンタル面で弱すぎだと思うけど、それだけのショックを何度も繰り返し頭の中を巡る程の殺戮を目撃してしまえば、一生モノのトラウマになってもおかしくない。だけど、村を抜け出て、ある程度は緩和されたかも知れない。でも、心の傷は癒えなくて……。
そして、今回明らかになったククリとセキの関係。セキが操縦者で、ククリが本体。いわば、ロボットと操縦者と考えればいいんでしょう。それが神様になっているだけ。まあ、人間であるセキの命令に従うという神様としてのプライドはどうなの？って話ですけど、それはご神体と同じで、いわば、動く偶像みたいなものでしょう。
村ではククリを祀って、村人たちを救う役目をする。時には重労働を手伝い、時には外敵から村を守る役目をする。だから、操縦者ではありながらも、ククリという神様に懇願して動いてもらうってことなんでしょうね。しかし、そのククリに感情があるかはわからない。だから、『神様ドォルズ』なのだろう。中身は人形。少し皮肉っぽいよね。それが好きなんだけど。
でも、匡平の話を聞く限りでは、セキとなる人間の感情とか制御が大事になって、特に二つ合わさる感情制御が一番難しいのかも知れない。ククリを制御するよりも、セキとなる人間の感情の制御。
心で思ったことをそのまま実行することになれば、人が誰しも抱く、人に対するひとときの悪感情で動いてしまい、何かしでかしてしまいかねない。そう考えると、そんな心が成長していないような感情を制御出来ない子供にセキという役割を与えるのも、結構コワイですね。子供に鉄砲を所持させるようなモノかも知れない。
だから、匡平と阿幾が犯しただろう過ちも隠したがるのかも知れない。周りにそのことが広まると、セキとなる人間よりも、ククリという神様を動かしている村に対して、制裁が加えられる可能性が高い。だから、村全体がそのことを隠したがるし、セキに対しては村で制裁を加える。誰も、ククリが悪いとは思わない環境。
なので、ククリを当然と思っている村や悪用される危険性を許している村を、匡平が嫌になるのはわかる。そんなククリを、あくまで愛して一緒に寝食を共にする詩緒が純粋すぎて可愛い。兄を愛する気持ちとククリを愛する気持ちのどちらも今は満たされている。愛して愛される。匡平も詩緒のお兄ちゃんの顔になる。そんな家族愛。
だから、匡平が主人公で過去のトラウマを払拭する物語が主軸としてありつつも、そこにククリを操縦する詩緒が加わることで、彼女の優しさと、兄とククリを愛するが故の解決を提案してくれるかも知れない。いや、詩緒にはまだ荷が重すぎるかも知れないけれど、今回もククリを人命救助に役立てるなど、人のために頑張る少女としての場面を見せていた。でも、それだけでは、ククリを擁護できない。それだけ匡平の傷は深い。
でも、時が解決するかも知れない。そんな重い過去を背負いながらも、日々乃は彼の力になろうとしているし、詩緒も兄を慕っている。かけがえのない存在としての兄への憧れかも知れない。それは徐々に彼の胸に伝わってきていると思う。そんな気持ちで頑張る詩緒自身も、色々なことに挑戦して身体的にも精神的にも成長してきている。
まだ、あまりコミュニケーション能力は発達していないだけに、感情を内に秘めるタイプなので、それが爆発したり、制御できなくなったら大変なので、今度はその恩返しとばかりに、匡平が支えてあげることが出来るのかも知れない。と、なんだか、今回は心が優しくなれる話でした。
匡平のトラウマからの脱却
だけど、詩緒の無邪気な笑顔がこの作品の唯一の救いですよね。彼女の笑顔さえあれば、匡平の悲しみも取り去ってくれることが出来るのかも知れない。そういう意味では、詩緒が村からの脱出した匡平のことを肯定して、日々乃が普通の社会での少年として扱う。きっと、この二人が匡平を救ってくれる。
まあ、そう考えると、この主人公はメンタル面で弱すぎだと思うけど、それだけのショックを何度も繰り返し頭の中を巡る程の殺戮を目撃してしまえば、一生モノのトラウマになってもおかしくない。だけど、村を抜け出て、ある程度は緩和されたかも知れない。でも、心の傷は癒えなくて……。
ククリとセキの重要性とその役割
そして、今回明らかになったククリとセキの関係。セキが操縦者で、ククリが本体。いわば、ロボットと操縦者と考えればいいんでしょう。それが神様になっているだけ。まあ、人間であるセキの命令に従うという神様としてのプライドはどうなの？って話ですけど、それはご神体と同じで、いわば、動く偶像みたいなものでしょう。
村ではククリを祀って、村人たちを救う役目をする。時には重労働を手伝い、時には外敵から村を守る役目をする。だから、操縦者ではありながらも、ククリという神様に懇願して動いてもらうってことなんでしょうね。しかし、そのククリに感情があるかはわからない。だから、『神様ドォルズ』なのだろう。中身は人形。少し皮肉っぽいよね。それが好きなんだけど。
でも、匡平の話を聞く限りでは、セキとなる人間の感情とか制御が大事になって、特に二つ合わさる感情制御が一番難しいのかも知れない。ククリを制御するよりも、セキとなる人間の感情の制御。
心で思ったことをそのまま実行することになれば、人が誰しも抱く、人に対するひとときの悪感情で動いてしまい、何かしでかしてしまいかねない。そう考えると、そんな心が成長していないような感情を制御出来ない子供にセキという役割を与えるのも、結構コワイですね。子供に鉄砲を所持させるようなモノかも知れない。
だから、匡平と阿幾が犯しただろう過ちも隠したがるのかも知れない。周りにそのことが広まると、セキとなる人間よりも、ククリという神様を動かしている村に対して、制裁が加えられる可能性が高い。だから、村全体がそのことを隠したがるし、セキに対しては村で制裁を加える。誰も、ククリが悪いとは思わない環境。
なので、ククリを当然と思っている村や悪用される危険性を許している村を、匡平が嫌になるのはわかる。そんなククリを、あくまで愛して一緒に寝食を共にする詩緒が純粋すぎて可愛い。兄を愛する気持ちとククリを愛する気持ちのどちらも今は満たされている。愛して愛される。匡平も詩緒のお兄ちゃんの顔になる。そんな家族愛。
だから、匡平が主人公で過去のトラウマを払拭する物語が主軸としてありつつも、そこにククリを操縦する詩緒が加わることで、彼女の優しさと、兄とククリを愛するが故の解決を提案してくれるかも知れない。いや、詩緒にはまだ荷が重すぎるかも知れないけれど、今回もククリを人命救助に役立てるなど、人のために頑張る少女としての場面を見せていた。でも、それだけでは、ククリを擁護できない。それだけ匡平の傷は深い。
でも、時が解決するかも知れない。そんな重い過去を背負いながらも、日々乃は彼の力になろうとしているし、詩緒も兄を慕っている。かけがえのない存在としての兄への憧れかも知れない。それは徐々に彼の胸に伝わってきていると思う。そんな気持ちで頑張る詩緒自身も、色々なことに挑戦して身体的にも精神的にも成長してきている。
まだ、あまりコミュニケーション能力は発達していないだけに、感情を内に秘めるタイプなので、それが爆発したり、制御できなくなったら大変なので、今度はその恩返しとばかりに、匡平が支えてあげることが出来るのかも知れない。と、なんだか、今回は心が優しくなれる話でした。
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