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「諦めたら、そこで試合終了だよ」の壮大なパロだと思った。だけど、その視聴者へのメッセージに映像を混じえて、真の過去を混じえて、毎日を本気で挑むリュウシさんの人生をかけたフリースロー。


人生をかけるまでは大袈裟かもしれないけれど、もしかしたら、遠い未来から過去を振り返ったときに、真からの言葉は超能力として奇跡を起こしたと感じるかも知れませんね。

何かを得れば、何かを捨てる


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前川さんにリュウシさんにエリオと社とハーレム状態な今回の真でしたが、誰か一人に決めない理由は自分は誰か一人のものではないから。きっと、自分の感情を整理すれば、誰かとおのずと決まってくるかも知れない。

だけど、誰かを助けられるなら、誰かを喜ばせられるなら、きっと今のままでいい。今の関係のまま。支えになる人間として、いつでもはそばにいれないけれど、心の中では常に繋がっている。

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そんな優しさの塊のように見える真ですが、その誰にでも与える優しさは時に誰かを傷つけることは知らない。誰かに好意を寄せれば、誰かの好意が無駄になる。きっと、それは中島と花沢の関係と同じ。中島がリュウシさんに好意を寄せれば、花沢が傷つく。かといって、花沢に好意を寄せれば、リュウシさんが傷つく。

きっと、それを承知の上で、花沢を選んだんだろう。何かを得れば、何かを捨てることになる。だけど、真はそれを否定する。みんな仲良く、誰もが優しい気持ちでいられるように、彼は努力する。恋というカタチで表現はできないけれど、声援というカタチで表現することはできる。

リュウシさんの能力を超えたフリースロー


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真がそこにいる。きっと、それだけでリュウシさんは嬉しい。だけど、その反面、ミスったり、ドジな所を見られて、幻滅されても困る。だからこそのこのフリースロー。一人でみんなの注目を浴び、真も注目している。いつもでさえ、ドジな彼女がそんなプレッシャーに勝てると思うか。試合に出してもらえない実力の彼女がこの場面に耐え切れることが出来るか。

そんな場面。そこで社の比喩的な意味での超能力。能力という意味でいうならば、例えば、高い能力の持ち主で運動神経が良かったとする。そんな人がフリースローを2本中2本決めたとしても、ただ、能力が高いだけで、ある意味、当たり前なことを当たり前にこなしているだけに過ぎない。

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だけど、低い能力。もう、何回やっても、何度頑張っても、出来なかった人がフリースローを2本中2本とも決める。自分に自信がない上に、かなりのプレッシャーを受けながら、そんな場面で彼女は、自分の持っている能力を超えた。

人は頑張っても出来ないことがある。そこには障壁があり、どうしてもそれを崩せないままに終わる可能性。それは努力でなんとかなるものかもしれない。根性や根気や忍耐力、そういった全てのものをもってしても、その壁を壊すことは出来ずに、挫折してしまう。真の言葉を借りるならば、「諦める」。

出来ないことを出来るようになる奇跡


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それは出来ないことを出来ないといっているだけなので、誰も責めはしない。悪いことでも、努力が足りないとかそんなことでもなく、ただ、出来ないということを学ぶだけ。それは良い方向にもつながるし、悪い方向にもつながる。出来ないことがあるとわかれば、ちょっと頑張っただけで、出来ないと判断してしまう。もしかしたら、それ以上の頑張りがあれば、出来ないことを克服したかも知れない。

なので、自分自身が責める。人が頑張って、その壁を破ろうと努力している姿を見て、自分を責める。自分は諦めてしまった人間なので、せめて、自分とつながりの深い彼女には、そんな思いをして欲しくない。試合に出れなくても、秘密の特訓をしてまで努力を重ねた彼女に絶望して欲しくない。

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かつて、「諦めた」ことに対しての悔しさをもっている真からの声援。それは言葉となって、彼女に伝わり、彼女の中で超能力となって、フリースローを決めることになる。それを超能力というのは大袈裟かもしれない。逆に超能力と言ってしまうことで、彼女の努力は「超能力」の一言で片付けられてしまうのが、もったいない。

だけど、自分の能力を見限ることなく、努力し続けた彼女の生み出した奇跡としての”超”能力。それは諦めた真からの希望や憧れでもあったし、この世界に努力した人に対して救いがないなんてことは悲しすぎる。

それこそ、青春ポイントのマイナスでは済まない。だからこそ、世界とリュウシさんに希望を乗せた真の一言がリュウシさんの能力を上乗せして、”超”能力を生み出したのだろう。

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普通の日常の一コマ。しかも、練習試合で誰にも注目されることのない、たった、2本のフリースローが奇跡として、彼女の心の中だけに残る。

そんなありえないことが嬉しくて、ありえないのは真からの言葉のおかげだと思ってしまうけれど、自分の努力が無駄ではなかったと彼女自身が感じられたことが、もしかしたら、今回の奇跡なのかも知れません。

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