アニメ画像014

心を動かすだけの長瀬純のもろさの愛しさ。そこには守ってあげたい感情と守ってもらいたい感情が混同し、彼女のことをいつまでも支持してあげたいだけの支える存在。きっと、その存在がこれからも彼女の人生には多く出てくるかも知れません。


感動して泣けてきた。長瀬純の苦悩と奮闘と空回りの日々にサヨナラ。それは理想をかかげて、それを貫き通した彼女にとってのご褒美。一人では成し得なかったことかもしれない。一人の力でなんとかした。自分の力でなんとかした。そんなわけじゃなく、ただ、落ち込んだ時に、そっと背中を押してくれる存在を待ち望んでいた。ただ、それだけ。

桂馬=幼き頃の長瀬純


アニメ画像009
前回では長瀬純としてのもろさと弱点を指摘され、一人の教師として、一人の人間として、否定された気分になってしまった自分を慰める意味でのプロレス観戦。別に嫌なことがなくても観に行く予定ではあった。だけど、その趣味のプロレスに没頭して、今までの鬱憤を吐き出してくれる熱中できるモノにすがっていた。

そういう意味では桂馬と似ているんですよね。桂馬は別に嫌なことも楽しいことも関係なく、ただゲームに専念する姿勢を貫いていますが、リアル=バグで、完成されたゲームにこそ、理想があり、その理想の中の世界で過ごすことで、リアルでのストレスを発散しているのだと思うと、それなりに寂しい。

だからこその共感だったのだろう。長瀬純にとっては、彼は問題児に映っただけでなく、一人だけ周りと違っている。取り残されて困っている。そんな自分の幼き頃と重ねてしまい、助けてあげようという意志で近づいたのかも、と思ってしまいます。

熱血の何が悪い、何が……


アニメ画像001
だけど、桂馬の気持ちがわからない。どうして、みんなと違うことをあえてやっているのか。反抗か自暴自棄か単なる現実逃避か、よくわからない。だけど、みんな一緒に、みんな仲良く、楽しい学校生活を送ってほしい。きっと、それが自分の理想を叶えられなかったバスケ部時代の自分を救う意味でも、誰か一人でも多くの人間を助けてあげようとする姿勢。

かといって、自分が問題児かと言うと、そうでもない。ただ、熱血すぎるだけ。人より頑張りすぎるだけ。頑張って、頑張って、頑張って、なんとかするだけ。

アニメ画像003
そして、みんなを導いて、みんなで一緒に喜びを分かち合いたいだけ。その熱い気持ちというのは冷めた人にはヤケドするくらいに怖くて、そして、近づきづらくて、そばにいるだけでも嫌になってくる。それは冷めた本人も自身のことは自分で認めてあげたくて、冷めたくて冷めているわけじゃない。やろうと思って、出来る人間と、やろうと思っても、出来ない人間がいる。

そんな平等がない才能と性格で、みんなが同じスタートラインに立とうというのは、またもや、不平等を押し付けられている気分で、気分が悪い。悔しいけれど、負けを認める。認めた上で、長瀬純を否定する。そうすることで、頑張って出来ない自分を擁護する。格差があることを訴える。

ストレスとプロレス


アニメ画像002
そんな流れで、長瀬純の悩みへとつながる。どちらが正しくて、どちらが間違っているかはわからない。だけど、お互いのポリシーを押し付けあうのは、やはり、ストレスがたまる。自分は自分のやり方で。だから、そんな反抗精神を見せられて、過去の苦い思い出を思い出した彼女としてのプロレス。

ここでも一人というのが、とても悲しい。桂馬にとっては好都合だけど、長瀬純としては、同じような仲間がいない。熱血できる仲間がいない。もしかしたら、彼女自身がつながりをもつことを恐れているかも知れない。趣味が一緒で話し合える仲間がいれば楽しいけれど、もしかしたら、自分のこんな性格で、仲間をまた傷つけて、失ってしまうことが恐い。だったら、一人で楽しみ、会場での一体感を楽しもう。そのためのストレス発散なんだから……。

弱さを否定する理想の尊さ


アニメ画像010
そんな彼女の弱さ。あくまで対等の教師陣と教える側として優位な教師と生徒の関係。そこに劣等感を抱かないで済む余地がある。一人の人間として周りからダメな烙印を押されるよりも、生徒という未熟な子供という安全。みんなが自分を支えてくれる。そして、自分がみんなを支えてあげる。そんな理想の人間関係。逃げているだけかもしれないけれど、逃げっぱなしではない。勝負をするために帰ってきた。

それがいきなり壁にぶつかってしまう。だけど、桂馬がいた。自分と重ねあわせていた桂馬がいてくれた。もっと、自分に期待していい、と励ましてくれる。それは口から出まかせな言葉ではなく、一つの立派な教育方針としての彼女の姿勢を評価するという意味での優しさ。

アニメ画像011
桂馬がいなければ、長瀬純の先生としての道は閉ざされていたかも知れない。だけど、誰かが失敗すれば、誰かが助けてくれる。みんながみんな、自分を否定しているわけではない。そこに自信を持ち、自らの姿勢を自らが評価しなくてはいけない。ストレスになるけれども、空回りするかも知れないけれども、だけど、前に進む力だけは止めてはいけない。

アニメ画像006
先頭を走って、見本を見せてくれる先生が止まれば、みんなも止まる。そういう意味でのマラソン。長い道のりを汗水垂らしながら、ただただ走るだけの辛い時間。それは息が苦しくて、走っている意味すらもわからなくなってきて、嫌になってくる気持ちが先生に向かう。

だけど、それを楽しいと感じる人間もいるかも知れない。みんなに期待して、みんなが応えてくれるとは限らない。でも、一部の人間が主導して、その期待の意味を知り、頑張ろうと思うかも知れない。そこに理想を貫く意味がある。

一体感を感じて、みんな幸せになれればいい。ただ、それだけ……


アニメ画像012
みんながみんな、やらなくてもいい。一体感を感じて欲しいから、みんな。誰もが特別。誰もがみんなの一部。プロレスの観客の一人もあくまで参加者。そこにいるという自分の存在感。その理想を理解するまでには時間がかかるかも知れない。だけど、生徒に期待して何が悪い。

生徒のことを思ってぶつかっても、また、ぶつかればいい。どんどんぶつかって、その子のことを思っている人間がいるということがわかるようになるまで、何度でも挑戦する。その時間が辛いもので、意味のないものかも知れない。だけど、そこには先生という名のこの世の中で負けない精神の見本として、生徒の中にあって、いつかは憧れの教師になるのかも知れない。

アニメ画像013
それは遠い未来か、はたまた、今回のエルシィの働きかけで少しの罪悪感を感じたみんなの声で十分かも知れない。そこには意味があった。ムダなことではなかった。

無理強いは抑えないといけないけれど、その無理強いもやめてしまうのではなく、相手に合わせてレベルを落とすぐらいで、希望と理想を全て捨ててしまうのは勿体無い。失敗すれど、成功の糧になっていると感じて、今もひたすら頑張っている長瀬純先生のことを応援しています。

神のみぞ知るセカイ ROUTE 5.0 [DVD]神のみぞ知るセカイ ROUTE 5.0 [DVD]
渡辺明夫

神のみぞ知るセカイ ROUTE 4.0 [DVD] 神のみぞ知るセカイ ROUTE 3.0 [DVD] 神のみぞ知るセカイ ROUTE 6.0 [DVD] 神のみぞ知るセカイ ROUTE 2.0 [DVD] 神のみぞ知るセカイ ROUTE 1.0 [DVD]

by G-Tools