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全てが一点につながって、今までの謎な想いと感情が浮き彫りになってきて、世代を超えた青春劇を披露してくれました。


素晴らしすぎて、もーふもーふもーふもー♪ と、歌い出してしまうくらいに気分が高揚しました。エリオが暗黒な未来を自ら切り開こうとしている裏では、こういう美しい物語が構築されていたのか。いや、こちらが表でエリオが裏かも知れない。そう思わせるほどに、今までの概念を覆すストーリー展開でした。

宇宙人という名の無気力


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今回の根幹となるテーマは無気力からの脱却。それは女々さんの口から言われたのだから間違いはないのだけれど、それだけではない気がする。無気力という点では、女々さんが子供の頃から見ていたお婆ちゃんが未来に対して失望したように感じたことに対する不満でもあるんだろう。

まずは、28年間も無気力で生きられるわけがないということ。まあ、目的もなければ将来やりたいことない、ただ年令を重ね逝くのをひたすら待つ人生とは寂しいものです。けれど、お婆ちゃんは生き延びた。

別に生きたくて生きているわけじゃないよ、とツンデレ風味なお婆ちゃんの言葉が返ってきそうですが、やっぱり、それはツンで本当の心の言葉は閉まったままにしてあると思います。

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やっぱり、生きていると幸せだと感じるんだと思えることを女々さんが色々画策していたからで、ほぼ寝たきりではあっても、女々さんが付き合ってくれる。構ってくれるのが相当に嬉しいんだと思います。

この作品で「宇宙」という単語は、この社会から除外された存在として扱われているので、働くことも難しくなったエリオが宇宙人に近い存在でもあるし、死にそうになっているお婆ちゃんも死ぬことでキャトられていることを意味しているのだと思います。

だから、エリオもお婆ちゃんも「宇宙」に飛ばされることを本当に願っているわけではなく、現実逃避の一つでもあり、自分を正当化する意味でも「宇宙」という概念に縛られているだけに過ぎないんですよ。本当は打開したい。

だけど、解決策が見つからない。だから、頼る。誰かに依存することで、この地球にいるという証明をしたいだけだと思うんです。

お婆ちゃんの人生に残された最後の楽しみ


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そういう意味ではエリオは真に構ってもらうことで、社会からは拒絶されていても、ある程度の幸せを感じることが出来るし、お婆ちゃんも先行き短い人生だとしても、女々さんがそばにいてくれることで、まだこの人生を終わらせたくないと思う。

女々さんの話に興味ないフリをしていても、話の内容は覚えているし、楽しみの一つでもある。それが楽しいから、もっとして欲しいと言えない所がツンデレなんですけど、お婆ちゃんはこの世に残る希望の一つかも知れないので、もはやヤンデレかもしれないですw。

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だから、夜遅くに女々さんが訪ねてきた時も、自分のそばから離れるというような大事な話を切り出すと思って震えていたのだと思っています。

駄菓子屋の警告音のブザーが鳴って、強盗が押し入ってきた可能性には怯えなかったのに、女々さんが話をすることに対して正座して震えている。せめて、自分がキャトられて、最期を迎える時までは一緒にいたいと切に願う気持ちが伝わってきました。

まあ、それが脈絡もなく海に行こう、だなんて話になるんだから、全くビビらせおってからに、と思いながらも女々さんのお願いには逆らえないお婆ちゃん。いや、こうやって、自分の存在を肯定して一緒に誘ってもらえるだけでも、小躍りしたい気分なのかも知れなかったりしてね。

だから、28年前に言ったさりげないお婆ちゃんの一言が、女々さんの関心を呼び、女々さんから必要とされ、絆が強くなったことで、無気力は既に解消されていたのだと思っていたり。

エリオットの儀式と祈り


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そこでつながってくるのが若かりし頃のエリオットが言った、宇宙人をやっつける方法の信念。その方法は儀式と祈り。儀式は物質的な方法で、祈りは精神的な方法。まあ、どちらも信じるしかないという曖昧なものだけどね。

だからこそ、信念なんだろう。その信念の強さが強くなるほど、自分の中での宇宙人をやっつけることが出来る。そう思った彼に憧れをもった女々さんという構図。それが正しいか間違っているかも、信じる信じないの問題だから、なかなかに難しい。

でも、彼の言葉を信じ、彼に陶酔した女々さんの生き様も、海での儀式と祈りにこめられているような気がします。

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で、宇宙人をやっつけたいと思いながら生きてきた女々さんとしては、概念的に宇宙人になったエリオとは心が疎遠になってしまったのも少し無理はないと思ってしまった。

自分は宇宙人をやっつけたいのに、そばに宇宙人がいる。実の娘をやっつけたくはない。だから、この儀式と祈りは出来なかった。

真が来て、宇宙人ではなくしてくれたエリオだったけど、周りの目は宇宙人だと思われてしまったけど、そんな概念を吹き飛ばすためのロケット(花火?)という儀式と、お婆ちゃんがキャトられることのないように、そして、エリオが宇宙人の手から逃れられるように、女々さんは祈りをこめた。

序盤では何も考えていないように見えた女々さんが裏では大好きな二人の人間を救おうとしていたという事実に驚きで感動しました。

ブレーキが加速させる?


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で、ちょっと話は変わりますけれど、山本くんがロケットを飛ばすスイッチが自転車のブレーキなんですよね。ペットボトルロケットを飛ばしたことがないのでわかりませんが、別に自転車のブレーキじゃなくてもいい気がしていたわけで、あえて、そこで自転車のブレーキを使うことに意味があるのかな、と思ったりしました。

第3話で、アイキャンノットフライのシーンでブレーキは効かなかった。壊れていたのかも知れない。でも、ブレーキが効いていれば、崖から飛び降りることもなく一大事になることもなかった。そして、ペダルをこいで加速させて飛んでいく。その過程と今回のロケット飛ばしが似ていたり。

動きを止めるブレーキというトリガーがあって初めて飛ばせることが出来る、何かちょっとした言葉の矛盾みたいな不思議な一面があって、こういうさりげなさに惚れてしまうんですよね。

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何かを止めようとしたり、抑えつけて、感情や行動にブレーキをかけたとする。例えば、それが真がエリオに対して行なったこと。

簀巻きで出歩く奇怪な行動や電波な会話を抑制するために、真がブレーキをかけようとして、注意するために坂から自転車で下りてビビらせようとしたけど、そのブレーキは効かなくて、逆にその感情を加速させてしまった。ブレーキをトリガーにして、止まっていた時を動かしてしまったんですよね。

その加速が真を救い、エリオを救った。だから、それは悪いことではなく、結果的にエリオを助けてあげたのかも知れない。それはエリオが年齢を重ねて振り返ってみたときに考えてみればいいかもしれない。

とりあえず、ブレーキをかけても、青春の加速は止まらないぜってことで、ブレーキからの加速という部分に惹かれてしまったワンシーンでした。

微粒子が美粒子。じゃなくて、リューコやっちゅーねん


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今回も出てきた髪から出てくる微粒子。エリオの初登場シーンでも出てきました。普通に美の象徴としての輝きなのかな、とも思いましたが、それだけではないように見えました。

私の理解度が足りないせいもあって、深くはわからないのですが、エリオットの子供の頃やラストのお婆ちゃんと女々さんから、それが見られたことで、人生の中での煌きや輝き、周りからの憧れという一面があるのかも知れないですね。

あくまで、その美粒子は地球上のものではなく、神秘的な何かということにもなるので、彼らや彼女らはそれを全否定しているわけではなく、自分にとって輝いて見えるか、どんよりして見えるかの違いなだけで感情面での変化の象徴なのかも知れない。

山本くんが願う将来像と女々さんが願う将来像の違い


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最後に山本くんについても触れておきたいな、と思いました。彼が仕事を辞めた理由。この町に戻ってきた理由は語られなかった。これについては深い事情があるんだろう。

女々さんと同じ年だから40歳という中堅ドコロを辞めさせるには相当の何かが必要で、一番多いのは人間関係でのトラブルなのですが、それなら、違う職場を探せばいいだけなので、仕事をこなすだけの将来に対して不安を持ち始めて自分から辞めたのかも知れない。

そこで、地元に帰り希望に満ちた女々さんを見つけて、ロケットを飛ばして彼女(の娘?)の興味を引こうとした。これだけだと全く魅力のない男性になりますが、無意味な行動になったとはいえ将来への希望を見出す努力をしていたという事実にはかわりないので、彼なりに前向きな人生を送ろうとしていたのだと思います。

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まあ、憧れた女々さんと結婚できたら、万々歳だったのですが、そう上手くはいかなかった。

振られた理由は言わないと言いつつも、暗に女々さんは自分の将来像との違いをあげたわけですが、どちらも自分の人生に何かを見出そうとしている点が魅力的。

女々さんはお婆ちゃんとエリオ、加えて真に対して、自分の存在と希望を託しているわけで、彼女は独身を貫くことを決めていた部分が潔いと感じつつも、まだ、エリオットに対して抱いた過去の自分の想いを大事にしたいと思っているのかも知れない。

その女々さんに振られた山本くんは、また再スタートの道ですが、彼は彼で今回女々さんに頼られたことで、また、人生を楽しもうという意欲がわいてきたのかも知れないので、希望に満ちた回となりました。

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