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ピンチはチャンス。ようやく緒花のつぼみが開花するときがやってきたのかも知れない。その姿を女将さんが見られれば最高だったんだけど。


個人的にこういうシリアス展開が好きなので、一話完結ではない物語の走り出しとしての魅せ方に満足しています。今までのコメディ要素が日常だとすれば、突発した七組のお客が来るというシリアス要素が非日常。この二つの緩急の使い方がシリーズ全体(と、言っても、1/3ですが)を飽きさせない作りになっていると思いました。

選択と集中、そして、優先順位


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経営資源の選択と集中。またも出てきた「吾輩はコンサルである。成果はまだない」怪しさ満開の彼女。今回、提言している選択と集中は、打開策としては一番確実に見え、普通に思い浮かぶ程度なので、それほど出来るコンサルではないと見た目と言動で判断されてしまう彼女は少し不憫。こんな田舎まですぐに来てしまうくらいに彼女は暇なんでしょうね。

で、選択と集中は、ターゲットを絞り、そこに集中してサービスするということになるのですが、緒花が言っている通り、平等性を欠くという意味では諸刃の剣になってしまう。狙い通り、ターゲットが当たったとしても、客によって値段とサービスと評価がマチマチになってしまい、次の戦略を立てにくい。

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でも、この選択と集中はコンサルが言っている通り、優先順位という意味では自然と差が生まれてしまうものなんですよね。誰の部屋を早く掃除するか、どこの部屋に夕食を早く持っていくかなど細かいことを含めたり、ある資源(人材や料理など)が少なくて平等にサービス出来ないのなら、どのお客を優先して、どのお客に謝るか、そこには必然的に差が生まれてしまう。

だからこそ、女将さんが冒頭に言っていた若旦那に対するサービスに差が生まれると思った時には断る判断も必要だと叱っていたんですよね。まあ、それが結果的に悪い方向に出てしまったけどね。

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その優先順位とサービスの差は、女将さんがウォッチしている日誌でお得意さんに対しての情報からサービスアップを狙ったり、適材適所に従業員を配置し、柔軟に対応することで、サービス業としての最善の道を模索していることで、ささやかな選択と集中を女将さんは実践しているんですよね。

だから、コンサルの言っていることは間違ってはいない。女将さんが思っていることもそれと大差ない。(そう考えると、コンサルの提案は全て女将さんが既に実践済みなので、彼女の提案は全て無意味なんですよねw)

問題は、問題が起きたときにどう対処するかという一点になる。女将さんが倒れ、指示系統が崩れた今、誰かが指示を出し、誰かが問題に適時判断しなければならない。

若旦那が頼った人 vs 女将さんが頼った人


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まあ、こういった時には若旦那が代わりにならないといけないんだけどね。そのために女将さんの直近に置かれている存在なんだから。だけど、彼はコンサルを頼った。

ならば、そのコンサルが女将さんの代わりの指示系統になるのだけど、女将さんの遺言(いや、死んじゃいないよ)が緒花に日誌の事を匂わせて暗に命令しているので、その意味を理解した緒花との対立という抗争になる。

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で、勝ったのは緒花。まあ、勝った負けたとか内部の話なのでどうでもいいのですが、この問題で理解して欲しいのは、若旦那の女将さんへの理解と仕事の理解ですね。女将さん頼みの彼は、女将さんがいなくなるとコンサルに頼る。

彼の経験からすると、女将さんの代わりになっていい気がするけど、彼自身も女将さんも不安なんだろう。彼はすぐにコンサルに頼ったし、女将さんも緒花に想いを乗せて旅館を守ってもらおうとした。この部分が未だに女将さんが若旦那に任せられないと、常日頃から思っている証なのかも知れません。

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女将さんの若旦那に対する信頼よりも、緒花に対する信頼が勝った。あれだけ緒花のことを叱ったり、叩いたりしたけど、それも全て愛情の一部で、それに対して全力で抵抗して、自分なりの結論を出して行動してきた緒花の想いが女将さんに伝わった証拠になんか泣けてきた。

まず最初に緒花がとった行動は人に頼るということ。若旦那がやったことと大差ないと思うのですが、指示するだけの人間と使える人材の確保は全然違うというのを緒花はこの年にして理解している。

頼って成果を出してくれる人間とその結びつき。菜子は出動が早くて容易に解決したけど、徹の場合は街にまで出ている。ここで即決した緒花の行動力が素晴らしすぎる。

緒花の決断力と行動力


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菜子を呼んで、仲居が一人増えて、緒花が街に行くことで仲居が一人減る。結婚式場まで行った緒花の判断が正しいかどうかは、今の所イーブンだ。

無事に徹を連れて帰って、自分も仕事に戻れれば、仲居が増え、出来る料理人が確保され、その時にその判断が正しかったと言えるのかも知れない。だから、今は不安で一杯なのだろうけど、その不安に押しつぶされずに、走って走って走りまくる緒花が格好良かったりしました。

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でも、徹の連れ戻しは容易にはいかないと思ったり。厨房が三人で回している上で、一人は見習い。だとしたら、蓮さんと徹の二人で回していることになる。そうしたら、蓮さんが倒れたり怪我したりする事態が起こったら、厨房は全滅。

だから、徹はいつでも非常出勤出来る状態にいないといけない。だけど、ケータイの電源を切っている。それは結婚式会場だからかも知れないけれど、マナーモードにしておくぐらいの責任感は欲しい。

きっと、今の徹には責任感がない。民子フィルターで結構、真面目に見える彼でもプライベートは仕事に汚染されたくないという割り切り方を持っている人間なのかも。そういう意味では菜子のような感じで仕事でもプライベートでも頼られることを嬉しく思う性格が一番扱いやすいのかも。

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なので、もし、緒花が徹に会うことが出来て非常事態なんです、と伝えることが出来たとしても、気乗りしない返事が帰ってくるかも知れない。

それは上の指示系統のリスク管理の問題だと思って、この機会に自分の大切さを思い知れみたいな、いい加減な奴かも知れないと、今までの緒花に対しての彼の態度を見ると思えてしまう。

今回で緒花の行動力の素晴らしさは実感出来たけど、次回はツンデレな彼を連れ戻す程の発言力があるかが問われてきそうで、緒花の試練は続きます。

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まあ、緒花が徹を無事連れ戻したとしても、民子からの連絡はシャットダウンして、緒花には心を許したという面で、緒花に対して、少しだけ嫉妬心を抱くかも知れないね。それに考ちゃんも着いたみたいだし、今度は恋路の面でも一波乱も二波乱もあるかも知れないので、楽しみです。

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