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「わすれてわすれないで」の繰り返し。誰もが抱きながらも内に貯めこんでしまう。それを引き出してあげることが自分にも他の人にも出来るのだろうか?


サブタイの「(自分はもう)わすれて(。でも、自分がいたことは)わすれないで」という感じで、今週も号泣のめんま。それにつられて泣く俺という構図は変わらず。毎回、心を揺さぶる感動を与えてくれていることに感謝。

いやー、久しぶりにいリアルタイムで見ましたね。この作品は頭がスッキリしている時に何度も考えながら見たいですね。今は涙と眠気で記憶すらも整理ができないや。

じんたんの勇気とめんまの憂鬱


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久しぶりに学校に出て行くという決心がついたじんたんだったけど、それは前の試み同様、くじけてしまうんじゃないかと思っていた。

前は人の目を気にしすぎて、通学途中ですらも緊張か気温のせいかわからないけど、変な汗が出て、苦難と意地と勇気と無気力感が重なりあいながら絶妙なバランスを保っていた。

だけど、あなるの友達に愚弄とまではいかないまでも、見下されてバカらしくなってしまい、結局は社会不適合という烙印を自らで押すことになってしまったけれど、それは自分の精神面の問題で、そこを乗り越えれば、きっと惰性で何とかいける。でも、今は充電中。

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少し落ち着きが出て、めんまのために一度は学校に出て、普通に学生として生活出来たら、めんまの願いに気付くんじゃないか。

いや、むしろ、めんまの願いがじんたんが学校に行くことだったら、それは常に自分の責任や弱さでしかないし、自分がめんまをこの世の中に縛り付けているのかも知れないという罪悪感もあったと思う。

めんまを忘れて、普通の生活に戻れば、めんまに何の迷惑もかけずに済む。ゆきあつのように…。いや、彼も十分に心のなかに刻み込まれている。なら、ぽっぽのように。めんまのことをダシにしているわけでもなく、気を使っている様子を見ると、めんまのことを十分に思っている。秘密基地を根城にしている時点で、めんまのことを思い出さないわけじゃない。そう、あとの女性二人もそう…。めんまのことを忘れようとはしていない。

「わすれてわすれないで」の汎用性


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だから、ここで一つの「わすれてわすれないで」が適用されると思う。

じんたんが学校に行くことは、めんまに縛られているという過去のトラウマを乗り越えるようなもの。私は「膨大な愛情が生み出した奇跡」と呼んでいますが、それを奇跡ではなく、トラウマのように彼が思ってしまうことを、めんまは恐れている。

そりゃもちろん、学校にも行って欲しいし、普通に生活して、普通に満足のいく未来を送ってもらいたい。彼を愛すれば愛するほどに、彼の先の事をふと考えてしまうめんま。

だから、めんまの思いは「(トラウマになっているのなら、それは)わすれて(。でも、私がこうやって表れているのは)わすれないで」ということなんだろう。少しは構って欲しい。

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だけど、めんまの母親に対しては「(もう、私のことは)わすれて(。本当は心の片隅でもいいから)わすれないで」という気持ちが滲み出てしまう。もう、忘れて楽になって欲しい。これで十分だから。でも…。でも…。

この部分が上手くじんたんに伝わらなかったんでしょうね。いや、上手く伝わりすぎてしまったんだろう。じんたんは自分よりも人のことを優先するめんまのことを叱っていましたが、要は自分を大事にしないめんまがイライラする。

もう少し、自分で自分のことを思ってあげろよ。周りが思っている以上に自分のことを思ってあげろよ。自分が中心に世界を回っていたっていい。それぐらい、自分を大切にしろ。そんな態度を取られたら、めんまを大切にしていた奴らが不憫でならないじゃないか。そんな悔しさにも似た説教。

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きっと、めんまの母親が娘の部屋を綺麗にして、忘れようとしている努力していることも含んで、嫌になったのだろう。母親の気持ちも理解できないでもないけど、徐々に消えて行くめんまの痕跡が辛い。それが少し垣間見えるだけでも辛い。

でも、誰も悪くない。誰も責められない。いつかは愛情という名の思い出の記憶は大事にしながら、人は忘れることで自分を保って乗り越えていくのだろうから。

「俺を見ろ!」


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そう、だから、乗り越えられなかった自分への怒りも大きい。それが学校にいったときの「俺を見ろ!」発言。痛い。痛すぎる。あの空気の中で変なクラスメイトが授業中に怒鳴り散らしている。先生さえも名前を出席簿で確認しないとわからないくらいに存在感の薄い奴が、何か言ってる。何かのたまっている。

そんな周りからの視線を浴びながらも、じんたんは「(面白おかしく話しているあなるの不幸は)わすれて(。自分が出てきた勇気や存在を)わすれないで」ということなんだろう。

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これ、めんまに言ったことがブーメランで自分に跳ね返ってきてる。他人のため、人のため。自分を犠牲にして、誰かを助ける。困っていたら、慰める。周りから何と思われようが、泣きそうになっているあなるのためなら行動できる。

自分のために学校出るのだけでも大変な辛苦になって一杯一杯なのに、他人(あなる)が困っているのを見たら、自発的に動かざるを得ない。そんな自分に対しての自責の念をめんまにぶちまけてしまったのだろう。

イライラする。確かに、その気持ちが全面的に正しいとは思えない。なぜなら、じんたんもめんまも、自分を犠牲にしつつも、やっぱり、自分のことを忘れないで見ていて欲しいという心の奥底にある思いを何とか抑えつけているのがお互い感じ取れるためなんだろう。同属嫌悪。その気持ちが共感となって、お互いの傷を舐めあう関係にはなれない、二人の不器用さ。

あなるとじんたんの恋愛感情ではない強い絆


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今回はあなるが主役的立場だったけど、このサブタイに全てを持っていかれましたね。じんたんの発言がカッコ良すぎた。あなるは、みんなが思っているほど、悪い奴じゃない。俺だけは知っている。

あなるの純真な部分も、影での努力や心の中での葛藤とかもわかってあげられる。周りは裏切るけど、俺だけは裏切らないぞ。大勢の中での一人の勇者があなるの心を折らずに支えてあげることができた。

その部分で涙が止まらない。これが恋愛感情からではなく、あなるに対しての友情と仲間意識から生まれていることが、あなるにとっては悲しいけれど、度胸ない奴が私のために周りと戦った。それだけで十分で、これからも彼はずっと味方でいてくれるという確信につながったのかも知れない。

学校に行かせて、じんたんを助けようとしていたあなるのちょっとした失敗。いつかは彼に恩返し出来るといいね。

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アニプレックス 2011-06-29

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