零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (講談社ノベルス)
西尾 維新
講談社
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世界観

[現代ファンタジー風][シリアス][コメディ][殺人鬼][伝奇]

あらすじ

「零崎一賊」――それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
零崎人識、17歳、もっとも自由だった全盛期の春。“殺し名”七名の対極に位置する“呪い名”六名――時宮病院、罪口商会、拭森動物園、死吹製作所、奇野師団、咎凪党――の寄せ集め、裏切同盟と兄・零崎双識との戦闘に、彼は否応なく巻き込まれ――

短文感想(ネタバレなし)


この人間シリーズは4冊同時刊行されたので、どれから先に読めばいいのかわからないけれど、それぞれ完結ものなので大丈夫ということらしいのですが、双識のこの本が最終巻的な役割を果たしているようです。

だから、彼の出した結論がこの本に書かれているので、出来るなら、他の3冊から読み進めればいいと思います。

内容に関してですが、ほぼバトル。バトルにバトって、人の生死が軽くなるくらいに思えてしまうほどに零崎の残酷性を感じてしまいます。それほどまでに彼らの一族としての存在意義や人生での目的意識というのが通常とかけ離れている異常となっているのでしょう。

その異常な零崎一族ですが、それ以上に異常なキャラがこの巻では出てきます。狂いに狂った面々。正常が異常。異常が正常の世界の人間として壊れた人たちゆえに、感情よりも任務を果たすことを優先する彼らの存在意義も末恐ろしいものとなっています。

でも、西尾維新キャラって、魅力的なキャラが多いので、今回は一杯出てきたけど、それほど好きなキャラは出てこなかったですね。まあ、一気に4冊ですから、オリジナリティ創出だけでも労力がいると思いますし、人として壊れているけれど、ブレてはいない人格を描ける西尾維新が素直にすごいと思いますよ。

まあ、魅力的なキャラが出なかった理由としては、やっぱり、この人間シリーズの主人公である人識に花を持たせたかったのだと思います。これで人識が見れなくなってしまうというのが残念なくらいに、彼は生き生きしています。まあ、心はほぼ死んだ状態だけど、生き生きってどうよ、って感じで突っ込まれるくらいなので、それは読んでみて確かめて欲しい。

バトルがメインなので、会話の面白さはほぼ皆無でしたね。いつもの表現の言葉遊びはかなり楽しめましたけれど、会話はいたってシリアスで、どシリアスなので、緊張し、震え上がりそうな境遇にいる彼の気持ちになって食い入るように読みましょう。

でも、薄かったな。話も薄かったけど、西尾維新作品で162ページだと、かなり物足りないです。