かなり期待していた分、反動で辛口気味になってしまった。でも、全体を通してみれば素晴らしい作品だった。
初回から第12回まで興味深いストーリーで最終回にどうまとめるのか気になっていましたけど、やってしまいましたね。色々言われてきたアニメ版メリーですが、個人的には最終回だけ、ちょっと難有りな感じです。まとめ方次第で素晴らしい作品に成り得たのに、何かもったいない感じです。
過酷で残酷な設定を担っていた河浪さんとレオンのコンビは良かった。今まで見殺しにしてきた割りには、レオンの活躍が全く見られなかったので、彼の復讐心という弾丸を込めた銃で河浪さんが撃つという、ちょっと無理強いな感じがしたけれど、彼女たちの背負っているものと彼女たちが犠牲にするものの等価関係がおかしくなっているんですよね。
レオンは仲間を虐殺されたミストルティンへの復讐として、自分の命を犠牲にし、河浪さんは自分の夢を与えてくれた勇魚との思い出をなくすことで、生きる糧をなくした上で自らの人生を送るという、本当、最終回ならではの展開だったと思います。
だからこそ、それがムダ(あとでメリーが再活用したけど)に終わってしまったことが問題だと思うんです。つまりは、目的は違えどレオンと河浪さんのミストルティンを倒すという夢が無残にも一瞬で終わってしまったことがすごく悲しい。
個人的にはミストルティンが倒されようと、飯島先生がどうなろうと、どうでもいいわけなんですよ。結末はどうであれ、この作品は過程を大事に扱うので、その部分での見せ場をメリーたちにとられてしまったことが残念で仕方ない。
つまりは、川浪さんとミストルティンの最終バトル的な展開で、彼女が勇魚を守るか自分を守るかの賭けと葛藤を、この作品での最終局面での大事な位置づけにして欲しかったわけですね。そんな願望でさえも、打ち砕くミストルティンが化け物だといえば、それまでですが、作品のテーマとしてはうやむやになってしまった。
川浪さんが自己犠牲により夢をなくし、勇魚との思い出も忘れ、絶望のうちに送る人生を、本当の意味でわかってあげ、彼女のそういった内面の良さを知った上で救ってあげるメリーと夢路の図が欲しかったのと、勇魚のことを忘れてしまっても、変わらない関係を続けようとする勇魚の優しさにスポットが当たれば、全然問題なかった。
これで、「夢はなくしても、また見つければいい」みたいな川浪さんの将来を心配しないでいい前向きな感じで終わったら、納得出来るんだけどな。これは個人的な願望なんですけどね。
このままだと、川浪さんが救われないばかりか、彼女の一世一代の舞台が何もなかったように扱われ、その強かった勇魚への想いが、ただ単に夢路の「想いの強さ」という概念的なものに負けてしまったというのが、川浪さんの絶望をより一層深めてエンディングを迎えてしまったわけだ。それだったら、川浪さんのエピソードって、ただのかませ犬だよね? ってことになるのが非常に勿体無い。
そして、何よりも今までシンプルでありながらも心に残る数々の言葉の力を魅せつけてくれた、この作品の中にあって、冗長的に繰り返す「想いの強さ」という言葉の陳腐さが最終回で取ってつけたような印象を受ける。夢の世界では願えば何でもできるんじゃね? ってのは、ちょっと興ざめしてしまいました。
それと並行して、負の感情を抱く特殊なつぼみの中に捕らわれて、絶望するメリー。そんな設定をここでもってこなくても、この子はすぐに絶望するので、あまりこの場面でも緊迫感をもたなかったですね。あぁ、いつものメリーが帰ってきた、みたいな感じでした。まあ、全体的に作風も陰鬱ですしね。そんな場面が最終回で見られて安心したのかもしれない。
だけど、これは最終回ですよ。今までは何とかなぁなぁでメリーの不信を、そばにいて支えてあげることで緩和してきたけど、ここでその不信から来る絶望を払拭してあげるのが見せ所だと思ったのに、案外簡単に立ち直りました。
せっかくなら、夢路としてはメリーがやってきたことを肯定したり励ましたりして、メリーに対して信頼を置いていないということはないということを証明するためにも、自らが「想いの強さ」でミストルティンに立ち向かうのではなく、ここでメリーを信じて、夢路は彼女の心をサポートしてあげて、そんな心の弱さに負けない二人の絆を見せて欲しかった。
結果的にメリーを助けてあげたのは由衣でしたが、彼女がメリーを助けても、絵にならないんだよなぁ。なんていうのか、由衣の役割って、この世界では何もしてあげられないけど、みんなを応援するくらいは出来るよ、という割り切った考え方なんですよね。
それは自分の身体的な弱さを分かっている上で、エンギに対する絶対的な信頼へと繋がっているわけですけれど、その部分は別に大事ではないとばかりに夢路が動くので、どこか、作者のメッセージがふわふわと宙に浮いてしまうような印象を受けるんです。
なので、アニメ版では最大の敵であるミストルティンを倒したとしても、あまり感慨深い思いが伝わってこない。彼らの成長性はほぼ皆無に等しい上に川浪さんはあんな状態なので、最終回だけはオススメできない作品になってしまったなぁ。一応は冬アニメを締めくくるアニメとして、もっとポジティブに考えたかったけど、私には無理でした。本当、スミマセン。
でも、個人的には重苦しい雰囲気の中、メリーの目まぐるしく変わる表情もあり、映像面で目を見張るものがあり、テーマとしてもシリアスに夢とキボーの大切さを感じさせてくれる良作品であることには変わりありませんから、もう一度、見返してみたい作品ではありました。
あと、原作も買わないとね。オリジナルよりも、評判良いらしいし。きららの中で本当にフォワード的な作品だったので、今から読むのも楽しみです。
過酷で残酷な設定を担っていた河浪さんとレオンのコンビは良かった。今まで見殺しにしてきた割りには、レオンの活躍が全く見られなかったので、彼の復讐心という弾丸を込めた銃で河浪さんが撃つという、ちょっと無理強いな感じがしたけれど、彼女たちの背負っているものと彼女たちが犠牲にするものの等価関係がおかしくなっているんですよね。
レオンは仲間を虐殺されたミストルティンへの復讐として、自分の命を犠牲にし、河浪さんは自分の夢を与えてくれた勇魚との思い出をなくすことで、生きる糧をなくした上で自らの人生を送るという、本当、最終回ならではの展開だったと思います。
だからこそ、それがムダ(あとでメリーが再活用したけど)に終わってしまったことが問題だと思うんです。つまりは、目的は違えどレオンと河浪さんのミストルティンを倒すという夢が無残にも一瞬で終わってしまったことがすごく悲しい。
個人的にはミストルティンが倒されようと、飯島先生がどうなろうと、どうでもいいわけなんですよ。結末はどうであれ、この作品は過程を大事に扱うので、その部分での見せ場をメリーたちにとられてしまったことが残念で仕方ない。
つまりは、川浪さんとミストルティンの最終バトル的な展開で、彼女が勇魚を守るか自分を守るかの賭けと葛藤を、この作品での最終局面での大事な位置づけにして欲しかったわけですね。そんな願望でさえも、打ち砕くミストルティンが化け物だといえば、それまでですが、作品のテーマとしてはうやむやになってしまった。
川浪さんが自己犠牲により夢をなくし、勇魚との思い出も忘れ、絶望のうちに送る人生を、本当の意味でわかってあげ、彼女のそういった内面の良さを知った上で救ってあげるメリーと夢路の図が欲しかったのと、勇魚のことを忘れてしまっても、変わらない関係を続けようとする勇魚の優しさにスポットが当たれば、全然問題なかった。
これで、「夢はなくしても、また見つければいい」みたいな川浪さんの将来を心配しないでいい前向きな感じで終わったら、納得出来るんだけどな。これは個人的な願望なんですけどね。
このままだと、川浪さんが救われないばかりか、彼女の一世一代の舞台が何もなかったように扱われ、その強かった勇魚への想いが、ただ単に夢路の「想いの強さ」という概念的なものに負けてしまったというのが、川浪さんの絶望をより一層深めてエンディングを迎えてしまったわけだ。それだったら、川浪さんのエピソードって、ただのかませ犬だよね? ってことになるのが非常に勿体無い。
そして、何よりも今までシンプルでありながらも心に残る数々の言葉の力を魅せつけてくれた、この作品の中にあって、冗長的に繰り返す「想いの強さ」という言葉の陳腐さが最終回で取ってつけたような印象を受ける。夢の世界では願えば何でもできるんじゃね? ってのは、ちょっと興ざめしてしまいました。
それと並行して、負の感情を抱く特殊なつぼみの中に捕らわれて、絶望するメリー。そんな設定をここでもってこなくても、この子はすぐに絶望するので、あまりこの場面でも緊迫感をもたなかったですね。あぁ、いつものメリーが帰ってきた、みたいな感じでした。まあ、全体的に作風も陰鬱ですしね。そんな場面が最終回で見られて安心したのかもしれない。
だけど、これは最終回ですよ。今までは何とかなぁなぁでメリーの不信を、そばにいて支えてあげることで緩和してきたけど、ここでその不信から来る絶望を払拭してあげるのが見せ所だと思ったのに、案外簡単に立ち直りました。
せっかくなら、夢路としてはメリーがやってきたことを肯定したり励ましたりして、メリーに対して信頼を置いていないということはないということを証明するためにも、自らが「想いの強さ」でミストルティンに立ち向かうのではなく、ここでメリーを信じて、夢路は彼女の心をサポートしてあげて、そんな心の弱さに負けない二人の絆を見せて欲しかった。
結果的にメリーを助けてあげたのは由衣でしたが、彼女がメリーを助けても、絵にならないんだよなぁ。なんていうのか、由衣の役割って、この世界では何もしてあげられないけど、みんなを応援するくらいは出来るよ、という割り切った考え方なんですよね。
それは自分の身体的な弱さを分かっている上で、エンギに対する絶対的な信頼へと繋がっているわけですけれど、その部分は別に大事ではないとばかりに夢路が動くので、どこか、作者のメッセージがふわふわと宙に浮いてしまうような印象を受けるんです。
なので、アニメ版では最大の敵であるミストルティンを倒したとしても、あまり感慨深い思いが伝わってこない。彼らの成長性はほぼ皆無に等しい上に川浪さんはあんな状態なので、最終回だけはオススメできない作品になってしまったなぁ。一応は冬アニメを締めくくるアニメとして、もっとポジティブに考えたかったけど、私には無理でした。本当、スミマセン。
でも、個人的には重苦しい雰囲気の中、メリーの目まぐるしく変わる表情もあり、映像面で目を見張るものがあり、テーマとしてもシリアスに夢とキボーの大切さを感じさせてくれる良作品であることには変わりありませんから、もう一度、見返してみたい作品ではありました。
あと、原作も買わないとね。オリジナルよりも、評判良いらしいし。きららの中で本当にフォワード的な作品だったので、今から読むのも楽しみです。
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