猫物語 (黒) (講談社BOX)
西尾 維新
講談社 (2010-07-29)
売り上げランキング: 1008

世界観

[日常][恋愛][ギャグ][青春][怪異]

あらすじ

西尾維新が放つ青春怪異譚、待望の最新刊!
アニメ『化物語』絶賛御礼!ついに語られる、ゴールデンウィークの真実。
完全無欠の委員長・羽川翼が魅せられた怪異とは?
……知らぬまに、落ちているのが初恋だ。

短文感想(ネタバレなし)


あぁ、久しぶりに『化物語』という作品の面白さに出会えた喜び。漫才のような掛け合いと社会を風刺したようなシリアスと怪異との攻防、それらが全て詰まって、『化物語』ファンなら必見の一冊となっております。

この『化物語』の何が面白いかってなると、シリアスよりもコメディなんですよね。もちろん、シリアスも面白いという読者もたくさんいますし、どちらも好きだという人も多いでしょう。ただ、私の場合はやや好みがコメディ寄りというだけです。

なんであれ、この作品の中に入り込むことが出来れば無条件幸福、無条件満足の面白さを感じることが出来ると思うので、娯楽小説としては最大級のテンターテイメントを提供できているように思うのです。

それは文章や文体や言葉回しの面白さがあって、色々と日本語の面白さを感じつつも、西尾維新なら文章や意味の使い方に間違いはないという安心感から作品の中に没頭できるように手助けしている所に西尾イズムの素晴らしさを感じます。

今回は羽川の話で『猫物語』と銘打っていますけど、妹ちゃんがコメディ部分で担当しているので、『偽物語』でファイヤーシスターズマニアになった人には1ページずつめくるのが勿体無いくらいに貴重な漫才風味のエロスとギャグとキャラ崩壊寸前の当惑感がかなり心地良くて、終始ニヤニヤしながら読むハメにになりましたよ。

月火ちゃんの可愛さは異常だろう。てっきり、着物を着ているという映像面から少しだけおっとりした日本人女性をイメージしていたのですけど、さすがはファイヤーシスターズだけあって、彼女の地の面が表れていたので、また新たな一面を見れて満足です。本当、西尾維新はキャラの使い方が上手い。

『偽物語』は映像化できそうだけど、この『猫物語』は映像化を放棄していますね。きっと、アニメ化は無理でしょう。その無理だと思った意味は作品を見ればわかると思います。アニメはアニメ、それは別物として考えて小説ならではの醍醐味を味わって欲しいという西尾維新のメッセージが伝わってくるようでした。

アニメ『化物語』を気に入った方はまず『偽物語』を読みましょう。そして、この『猫物語』で爆発しちゃってください。少しでも西尾維新ファンが増えることを祈って、次巻を楽しみにしたいと思います。