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色々な問題提起の仕方があるんだな、と思いつつ、ストーリー的には折り返し地点なのにあまり進んでいない印象。


このアニメが目指しているものが少しだけわかってきたと同時に不安にもなってきた。これ絶対きれいな終わり方できないような気がする。着地点が不明解なだけでなく、メッセージ性の強い作品になるので、ストーリーとしてのまとめよりも視聴者が何を感じるかに焦点があたっている。だからきっと最終回を終えると、視聴者が「?」マークを脳裏に浮かべることになるだろうなぁ。

といいつつ、私も全然理解出来ていないので、ここらで自分の頭をフル回転させて整理したいと思う。とりあえず、現時点での対抗する二つの組織のフラクタルシステムとロストミレニアムの定義だけは固めておきたいな。フラクタルは「富楽たる」と思えばいいのかな?

「フラクタルシステム」の理解


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電子化・データ化・合理化を進め、人の思考や感覚までもデータ化して、労働という苦のない生活を目指して人々が平和に楽して暮らせるように、システムによる統治を目指している。

フリュネの行動やスンダの理解を考えるに、彼らは人々を「洗脳」して自分たちの思い通りに人を動かせるように、人の考えの無効化を暗に目指していることになる。

このシステムの危険性はシステムのバグやトップになる人間の心理や精神だけでシステム管轄下の人間が影響してしまう点でもあり、それぞれの人間の人生を少数の人間の考え方次第で左右してしまう。


「ロストミレニアム」の理解


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そのフラクタルシステムでの人間のデータ化・僧院による統治を避けるために対抗する組織一体。懐古主義的な思想で、フラクタルシステムに対抗するために武装するグラニッツなど、フラクタルシステムへの反感が主となるため、その行動が正しいかどうかは判断しがたい。

ただ、思想自体には人間の意思を尊重する傾向があるために人間の存在意義や人生の生きがいなどの選択の余地が残されているために正しく見えやすいが、そのやり方と目指す姿は人それぞれである。

フラクタルシステムとは違い、労働を基本とするために労働する人としない人、できる人とできない人がいるために富裕層と貧困層などの差別が起きやすい。本当の平等とは何かを考えさせるという意味では現時点で判断しにくい問題。


現時点での「勢力図」


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今回のディアスらとフラクタル圏外の難民らが出てきたために色々な勢力図となったので、整理しないとわけがわからなくなってくるので、自分用のために、とりあえず箇条書き。

・僧院勢(フラクタルシステムによる人類の支配や統治を目指す)
・フラクタル圏内の感染者(僧院監視下)
・グラニッツ勢(フラクタル圏内から圏外に抜けだしたテロリスト)
・ディアスら(ロストミレニアムを推奨する反乱軍・偽善者?)
・圏外難民(フラクタルシステムの圏内を目指す)

こんな感じで今回だけで上の3つから5つくらいには膨れ上がったかな。風呂敷広げすぎ感が否めないが、この5つの勢力が全て幸せになれるハッピーエンドは用意していないように思われる。

キャラ別の「勢力分布」


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で、今回の話でメインになった人物を個人ごとに勝手に判断すると…。

・クレイン(フラクタル圏内→保留。フラクタル反対派。ただのヴィンテージ好き)
・フリュネ(僧院→グラニッツ勢。ややクレインの思考に左右される)
・ネッサ(僧院→保留。「選択の自由」を求めるドッペルもどき?)
・電波塔の男(圏外難民。しかし、フラクタル反対派)

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ここにディアスとスンダたちを入れるとわけがわからなくなるので、動きとしてはこの4人ぐらいだろうな。電波塔の男は今回だけなので、クレインとフリュネの意思に少しだけ真実を知るきっかけを与えた男で終わりそう。

あとはクレインの父親疑惑がフリュネの盗みによって可能性が増したが、クレインの親はドッペルを使っているので、フラクタルに反対する電波塔の男としてはフラクタルを利用できないためにやや要領を得ない格好になった。本当の親が電波塔の男で、クレインを育てている今のドッペルを使っている親がニセモノか代理人と考えればいいかも知れない。

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とまあ、ストーリーとしてはともかく、キャラや勢力にこれだけ色をつければ一般向けアニメとしてはどうかと思えてくる。かといって、コアな層にとっては、制作者の意見が押し付けがましく感じたり、キャラの魅力がイマイチだったり、萌えという点では一般向けに作っているので極力排除しているから、どの層を目指して作っているのかちょっとわからない。

今の所の私の理解としては、フラクタルにも問題あるが、ロストミレニアムにも問題ある。そのやり方に翻弄される人々たちを描くということで、クレインがあまり主役として役立っていないんですよね。とりあえずは、視聴者からのカメラとしてぐらいしか個性を出しきれていない。となると、視聴者のドッペルがクレインってことになるかな。

今回の要点としては…。


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・安易に人を信じてはいけない。(それがディアスのやり方)
・周りに目を向け広い範囲で視野を持つことの重要性。(電波塔の男)
・「富楽たる」を利用できない貧困差別化の問題。(圏外難民)
・親から子への愛情の重要性?(電波塔の男とクレイン)

これぐらいだろうな。クレインよりも、活発に動くフリュネが段々主人公化してきましたね。もはや、クレインは「エッチ」なだけです。色々見えてくるものがあったのに、クレインが思った印象って、フリュネを女として見なければいけないなくらいだもんな。もう少し、自分を出してー、クレイン。

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