それでも町は廻っている-0それでも町は廻っている-0(1)

煩悩に生きる男と、ロマンや趣味に生きる女。


卓球は動かされている方が大抵負けます。
それだけ動きたくないスポーツ。ツッツキとストップだけだったりして、
体全体を大きく動かさずに相手のラバーで返した回転を読んで返すだけ。

上手い人は本当に上手いです。ドライブだけでは勝てなかったりする。
緩急の変化と回転方向や強さで簡単に壁を感じてしまうスポーツです。
なので、卓球で強い年齢層は頭が良くなって機敏な30代だといわれています。

それだけ息の長いスポーツでありながらも、歩鳥のように簡単にできることから、
ピンポンと親しまれ、素人同士で温泉卓球みたいにのんびりやれるので、
メジャーなスポーツでありながらも、どこか地味な感じがします。

まあ、プロがないというのも大きいですが、努力でどうにかならないのも卓球。
若いうちは努力でカバーできますが、年齢を重ねると天才肌には勝てません。

それだけ奥の深いスポーツなんですよね、卓球は。
だから、必殺技はないと突っ込もうと思ったけど、自分で言っちゃったw。
その言語だけで二人の高レベルな戦いが普通に思えてくる不思議。

揺れていればいいんです。それだけで楽しめるのならw。

それでも町は廻っている-0(2)それでも町は廻っている-0(3)
変わって、Bパート。こちらはちょっと新しい魅せ方をしてきましたね。
ちょっと意外でドキドキしちゃったけど、あぁ、やっぱり、それ町だなぁなんて。
この作品本来の持ち味であるミステリー要素が出ていて面白かったですね。

エンターテイメントでは終わらない、石黒正数氏の世界。
一つのモノにどれだけ振り回され、どれだけ考えさせられ、解決しない問題。
それほどに美味かったというわけでもないだろうけどね。

いや、美味かったのか。300年後も続いているぐらいに。
人の探究心の強さと限界を知るとともに、今できているモノは全て、
才能と努力の成果なのだと知ると感慨深いものがありますね。

普段だらけているお姉ちゃんが動き出すとすごいのだと思わされます。
まあ、店をほったらかして、どんだけ、暇人なんだって感じですけどねw。

でも、そこには何かをしなくてはいけないという自分の知識欲にかられて、
未知の物を未知なままで終わらせたくないという人間の欲求というのはすごい。

何かを得るためにプラスのために動いているけど、
何かを失いそうな感覚。わからないのは損した気分になるマイナスの感情。
そこはプラスの感情のまま生きていたいものですね。