それでも町は廻っている-0それでも町は廻っている-0(1)

若かりし頃の小さな幸せという今では忘れがちなこと。


この二つの話、どっちとも好きなんですよね。
真田のちょっとした非行が逃避行となる。
少しだけの幸せが、段々と幸せになっていく。それが不安でね。

楽あれば苦ありという考えとも言うべきか、何か幸せがあると、
その人生で送る全体の幸せが減っていくという考え方が、若いというか何と言うか。

でも、そこには現時点での幸せを十分味わっていて、毎日が楽しい。
そう思えるような真田のポジティブ思考がとても好きですね。
好きな子と一緒に過ごせる時間という青春の甘酸っぱさが可愛らしい。

一緒にいるだけでドキドキするのに、触れ合うことに敏感で、
それが意図しないものでも意図したものでも嬉しい。

年を重ねるに連れて、そういった感覚はなくなってくるので、
初々しさがとても心地良くて、そのドキドキ感が絶妙に伝わってきました。
あの頃の自分はどこへいったんだろうね。

それでも町は廻っている-0(2)それでも町は廻っている-0(3)
Bパートのたけるの話も好きなんですよ。
真田がまだ高校生としての若さを発揮するなら、こちらはもっと若い。
なにもかもが新しい。経験がない分、初体験が嬉しくて楽しい。

何もかも慣れてしまうのは、色々と経験になって、自分の視野や知識を増やす。
だけど、そこに面白みを感じなくなってしまうのも事実。

できることは多くなっていくのに、できない頃の方が幸せだったと思う不思議。
新しい発見と新しい事実。それが自分の常識を超えたときに新たな知識が生まれ、
創造力が豊かになり、想像力の範囲が広がる。

そんな若かりし頃の発見と応用が何か面白い。
まあ、個人的にはSSとどんぐりには爆笑したんですけどね。
大人の中の世界がわからない彼らにとって、子供の世界が大人もわからない。

子供も子供で彼の世界を持ちますからね。それは大人にとっての不可侵領域。
そして、自分のことは気づかないのに、人の事は気づける無頓着な二人。
それをお互いに言わないでおくことが何よりの楽しみなんだろう。

そんなお互いを優しく見守ってあげる姉弟という仲の良さが和やかになります。
理想ではないけれど、理想型の一つとしての家族の形ですね。