おとめ妖怪ざくろ-0おとめ妖怪ざくろ-0(1)

何かを得れば、何かを失う。その因果関係。そして、等価交換。


何もない所へ開拓するのではなく、今ある場所を違うものへと変える。
それは自ら取得している場所の交換ではなく、元からある場所の交換。
自分のものだと思っていたら、違う人のものだった。

ただ、それだけなんだけど、それは限られた許容量の中で、
限られた資産を別け隔てなく、用い合うためのもの。

だから、人間が自らのスペースを広げていくならば、誰かが犠牲になる。
その誰かというのが、今回は妖人のものだったということ。

そうしたら、それはお互い都合をつけて話しあって解決する問題。
だけど、人間にとっては元からあった土地、妖人が取得していた土地を
自分たちのものだと思っているがゆえに、譲れないものになる。

だから、話しあうにしたって、ベースに対する認識が違うのなら話にならない。
人間たちにとっては、ただの被害者意識が残る。
そして、妖人にとっては、本当に被害を受け自ら責められる結果になる。

それは店にある商品を客が勝手に自分のものだと思って万引きする
行為に似ている。それは犯罪だと思っていないがゆえに納得するのが難しい。
その上、自分の正当性ばかりを主張して周りを見ない行為にうってでる。

おとめ妖怪ざくろ-0(2)おとめ妖怪ざくろ-0(3)
裁判官となる人もいない故に問題とすることが出来ない。
だからこそ、今回の問題は解決したとは言えない。
軍が別の良い土地を提供するということは、軍が損失を被る。

その軍に資金を提供するのは税金となり、結局の負担は一般市民となる。
一般市民からしてみれば、恐い妖人が暴れて、軍が恐れをなして、
屈服したようにしか見えず、妖人に対しての不安が軍に対しての失望となる。

だからこそ、この問題は明るみに出して、自分たちと妖人たちとの共存に
向けた第一歩とするべきだったと思うけど、簡単には問題解決には向かわない。
それこそ、根が深いモノとして重々に扱う必要がある。

なので、第1話で見せた妖人を狂気から元の状態に戻すのが、
ざくろたちの使命ではなく、人間たちとどうやって上手く共存していくかが
今後の課題でもあり、景たちの課題でもあるんだろう。

恋愛話を土台にしたとはいえ、こういった現実問題(環境汚染や戦争など)
を風刺にして、視聴者へと問いかける内容だったことは、かなり高評価です。