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こだわる所とこだわらない所。そして、"今"を延長させる策。


ここからは卒業に向けて一気に加速するだろう。
3年生の秋以降というのは長そうに見えて案外短いものなのだ。

だけど、卒アルだけで、今回を終わらせたのはなんともいいがたい。
本当、このスタッフは自分の裏の裏をかいてくる。
それぐらいに加速する日常と正反対の思い出となるシーンの詰め合わせ。

それが上手い具合にはまって、卒業に向けて段々と準備が整っていく。
雛鳥達が巣から飛び立とうとする前準備が整った感じ。
だけど、巣での生活が居心地よくて、いつまでも半永久的に続いていくように見せる。

そこにあずにゃんの不安と焦りが見られて、
いつもの日常を味わうのと同様に、ちょっとした非日常に加わっていくあずにゃん。
少しでも長い時間、彼女たちの時を共有したいと願いながら……。

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そして、髪についての話になると、女性はうるさい。失礼。女性のこだわりがある。
それはいつまでも着飾っていたい。いつまでも綺麗でいたいという願望の表れ。
男どもにはわからない、思い出として残るものに対しての乙女的な気持ちなんです。

一番輝いている、一番綺麗に見える、それでいて、失敗は許されない。
その感情にこだわりを見せたがゆえの唯の行動が良い具合に話を盛り上げる。

そして、唯の写真を撮る時の唯の顔がやや寂しげなのは、
あずにゃんフィルターが入っているんだろうなぁ。どうしても、卒業を控えた
3年生を見ていると、あずにゃん視点で物事を見てしまう。

だけど、3年生組はそんなことおかまいなく、といったら失礼だけど、
唯とりっちゃんは思いつきだろう。このメンバーで大学のキャンパスライフを
送れたら、"今"を現在進行形で続けることができる。

別に先のことを考えていないわけじゃない。
ただ、今この時が十分に幸せで段々と迫り来る終わりの時がこわいだけ。
なら、いっそのこと"今"を延ばしてしまえばいい。

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ここで澪にではなく、ムギにしたことには意味があると思う。
大学のレベルが難しいというのもあるだろうけど、ムギの学力からいって、
唯とりっちゃんは、もうご臨終だと思う。本当、ダメもとだと思う。

あれくらい赤本に付箋を貼って勉強しているムギに、
天才の血が流れている唯と、なんでもそつなくこなすりっちゃんが
難なく受かってしまうのは世の中の不平等を感じてしまう。

だからこそ、これから一波乱二波乱あるんだと思う。
でも、みんなに合わせようと努力していたムギにみんなが合わせるなんて、
かなり珍しいのではないだろうか。

そういう意味でムギが好きだというみんなの思いは一致したわけで、
この4人の結託ぶりは成長の証であると共に、大学に入って疎遠になってしまう
不安をはらんでいるんではないかと思って、ハッピーエンドになりそうですね。