化物語 第六巻/つばさキャット 下【限定版】 [Blu-ray]
アニプレックス (2010-03-24)
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選択と結果と共感。自らの犠牲から自分を大切にする気持ち。


羽川と戦場ヶ原のどちらかを選ぶかの究極の選択。
そして、自分がいなくなるかどうかの選択。
そういった選択の余地がある中での最良の選択を決断する難しさ。

羽川と、そばにいてもいい。羽川を選んでもいい。
羽川はいいやつだ。自分が証明するくらいに才色兼備、良妻賢母。
その選択の未来は明るいものだろう。

だけど、羽川の気持ちを知った上で、自分の気持ちを捨て去るのが、
正しいことなのか? お人好しで済ましていいものだろうか?
そう、自分の人生に問いかける。

それがテレビ版最終回である戦場ヶ原とのデートにつながっている上手さ。
もし、あのデートがなかったら、戦場ヶ原の気持ちをそれほど知ることは
なかっただろう。戦場ヶ原に恋心を抱くことはなかったかも知れない。

それだけ、戦場ヶ原は阿良々木に心を許した。心を託した。

阿良々木は、それにどう応えていくか?
誠実に受け応えするだけの能力や誠意を持ち合わせているのか?

そこに揺れ動く、羽川を救う気持ちと戦場ヶ原への想いの葛藤。

その葛藤の際に思い出されるのが、神原の言葉。
「自分をもっと大切にする」ということ。救う相手を間違えないで欲しい。

羽川は大切な友人だ。そこに他意も下心もない。
救う相手であることに間違いはない。だけど、自分をなくしてまで、
助ける相手であるかどうか。

この場面では戦場ヶ原の回想のあとに、戦場ヶ原が恨みで羽川を殺す、
ということで、ハッピーエンドにならない自らを犠牲にすることよりも、
羽川を救うこと、戦場ヶ原を救うことを第一にした。

やっぱり、阿良々木は変わっていない。
自分を大切にすることが出来ない。自分の犠牲をいとも簡単に考えてしまう。

だけど、彼は変わっていた。
人に頼ること。自分の為に人に頼って、救ってもらうことを学んだんだ。

それを試した、猫の策略は成功した。いや、その猫も自らの犠牲を選んだ。
あえて、影を出して、阿良々木が、また、忍に頼るように、自らの大切さを
感じさせるように、試してみせた。

自分はあくまで羽川の気持ちを代弁しただけのメッセンジャーに過ぎないと…。

この部分は考えるほど、深い所になるので、化物語の続編がアニメであると
思っているので、その時に、存分に語りたいと思います。

そして、残された阿良々木といなくなった忍野。
もう、阿良々木が一人で怪異と立ち向かっていけると確信したから…。
立ち向かうのではなく、交渉する、仲良くする、共存していく。

そんな道を知ることができたから、涙も、悲しみも全て捨てて、
ただ、その場からいなくなる。退場する。そこに彼のカッコ良さが隠れていた。

そういう意味では、この物語は忍野の物語なんだろうな。