迷い猫オーバーラン-0迷い猫オーバーラン-0(1)

褒めていいのか、けなしていいのか、微妙なだけに惜しい。


泳いだというサブタイから、すでに第4話のデジャヴ。
そして、内容も…。二人きりになる相手が違うだけ。
そういう意味では、第4話はなかったことにしても良さそうだ。

それに第4話がないほうが楽しめたこともあったかも…なんて。
だって、見つかる、助かる、そういった見込みのあるノリでの遭難なんて、
面白みがない。予測出来る範囲のテンプレはつまらない。

そういう意味で、話の大筋がかぶってしまったことは監督交代制が裏目に出た。
その第4話と今回の話を続けてやることで、もっと深みのあるストーリーを、
作り上げられたと思うんだ。

特に、文乃と巧が過去の思い出話を語っているシーン。
ロボット回と咲回のあとだからこそ、キャラに感情移入出来ない側面が強い。

まあ、逆に、ギャグ回から、いきなり、センチメンタルになって、
シリアス感の新しい演出として試みたのかもしれないけど、ちょっと冒険過ぎた。
やっぱり唐突感が否めない。

二人の仲が微妙だからこそ盛り上がるシーン。
それは過去の辛さという負の遺産としての共感覚を出しながらも、
素直になれない者同士が再度、互いを認め合う大事なシーン。

迷い猫オーバーラン-0(2)迷い猫オーバーラン-0(3)
それは第3話の希でもあり、第5話の千世でも同じだと思う。
これで3人とも巧を通しての寂しさの吐露を終えたわけなんだけど、
一番大事なキャラである、文乃との過去が薄いのが問題。

もう少し、二人の仲を視聴者が認識できるくらいに、シリアス要素を
入れておけば、このシーンで感動できたことになったと思う。

第4話の必然性はギャグ回であると同時に、夏帆の顔見せと、
千世の寂しさの序章でもあった。だけど、それ以外の部分を省いて、
二回行くのではなく、一つの旅行として、まとめれば良かった。

だから、今回の文乃の負の感情が弱かったのは尺の問題でもある。

ずっと一緒にいた巧に女性として見てもらえていなかった時の寂しさ。
一緒にいて、お互いの必要さを理解していなかったからこそ生まれる亀裂。

その亀裂から仲直りの部分を、もっと詳細に描いて欲しかった。
文乃が怒った感情を理解できていない巧が、すぐに文乃に歩み寄ったのは、
包容力がありすぎなんではないか、と違和感を覚えてしまった。

一緒に長い年月を重ねていたからこそ、そう簡単に友情から、恋愛感情に
発展してしまうというのは過程として、すごくもったいない。

迷い猫オーバーラン-0(4)迷い猫オーバーラン-0(5)
二人で空を眺めるシーンでの一つ一つのセリフに意味をもたせるために、
それまでの間、それぞれが一人で考える時間があれば…。

文乃もツンデレ少女ではあるんだけど、それだけではない。
やっぱり、千世や希と同様、か弱い女の子なんですよね。
(まあ、千世をか弱いと形容するのはどうかと思うけどw)

一人でいるときに結構悩んでいたと思うんです。

なんで、自分は怒っているんだろう?
なんで、こんなに一人は寂しいのだろう?
なんで、巧の前では素直になれないのだろう?

なんで、なんで…。

色々と、こんなつたない言葉では表わしきれない感情の葛藤があったと
思うんですよね。そうでないと、あんなに簡単に心を通わせることなんて出来ない。

きっかけなんて、大したものじゃないのかも知れない。
だけど、この作品においては、それが時々上手に描かれているからこそ、
今回は文乃という主役級のキャラだったからこそ重要な回だったと思うんです。

だから、もったいない。
大好きな作品になりえそうでなりえない、このじれったさ。
今後の展開で解消してくれると嬉しいですね。
 
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ぺこ

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